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その後の話
引き寄せるカギ②
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「そうだ、この鍵――」
思い出した。
遥人と20歳の時に10歳の時に遥人の庭に埋めたタイムカプセルと掘り出したんだ。
それで、また10年後二人で開けようって約束したんだ。
10年後に二人で開けるって
簡単なことじゃないんだって今ならわかる。
遥人も自分がいなくなったあと
子供の時代を過ごした家がほかの人に手渡されるなんて思っていたのかな?
それならやっぱり、辛くてもあのタイムカプセルだけは取りにいきたい。
遥人があの時埋めたものをこの手で守りたい。
「……変わっていないな、この家も庭も。」
インターホンを鳴らすと誰もでなく
窓から家の中を覗いても誰もいない感じだった。
「お邪魔します……」
まだ手放したばっかりというのもあって
庭にはたくさんの色とりどりの花がある可愛らしいお庭のままだ。
円花との家に面しているこの庭を
部屋から眺めるのも好きだった。
風が吹けば花や木の葉っぱが揺らいで応援されているような気がして――
「たしか、この木の下に……」
円花と同じぐらいの身長しかない小さなこの木は
遥人がこの家にやってきた時に二人で植えた思い出が詰まった木
この木をいつか自分の子供にも見せてあげたかったな……
「もう、叶わぬ夢か……」
やっぱり、この家に足を踏み入れるにはまだ辛すぎる。
もう叶わない夢や遥人との楽しかった思い出がたくさん詰まっている。
きっと、このタイムカプセルにもそういう思い出が詰まっているんだ。
“カシャン――”
やっぱり遥人がたくした鍵はこの箱の鍵だった。
鍵は開いたけど……箱を開ける勇気がない。
この箱を開けたら、うまくは言えないけど
今まで培ってきたたくさんの遥人との思い出に
終わりを告げられそう……そんな気がしてならない。
「誰だ?」
「え……?」
急に後ろから声をかけられて振り返った瞬間箱を落としてしまった。
うじうじと箱を開けらない私に
きっと遥人が背中を押してくれたんだと思う。
遥人の庭の花や木々が風でなびくぐらい強い風で
私の体も後ろから押されているぐらいだった。
もう、下を向くなって、周りを見ろって遥人に言われているみたい――
「あっ……!」
箱から飛び出た封筒がヒラヒラと風にまって上にあがってしまった。
あれだけ上にあがったらもう私には取ることができない。
「え?」
遥人がバスケをしていた頃は周りの外国人に負けまいと
高くジャンプしてよくダンクの練習もしていた。
目の前の男の影が私をすっぽりと包み込むぐらい
高くジャンプをして手紙を取ってくれた。
「はい。」
「あ……ありがとうございます。」
この人……なんていう眼をしているんだろう。
死んでいる目ってこの人みたいな目をいうんだ。
生気が全く感じ取れない。
この眼で見られると……なんだか怖い。
「勝手に入ってごめんなさい!前の持ち主の荷物を取りにきて……あの、隣に住んでいるものです。よろしくお願いします。」
目を合わすのが怖くなって
早口でしゃべって落とした箱を拾って急いで自分の家へ帰った。
「遥人とは正反対の人……」
今まで病院でもたくさんの人に会ってきたけど
あんな冷たい眼の人に会ったことない。
どうして、あんな冷たい眼をしているんだろう――
「てか、日本人……だった。」
日本語で話しかけられたから日本語で話しかけたが
日本人だったってことに今更気づいた。
“ビ―――”
「え……?」
思い出した。
遥人と20歳の時に10歳の時に遥人の庭に埋めたタイムカプセルと掘り出したんだ。
それで、また10年後二人で開けようって約束したんだ。
10年後に二人で開けるって
簡単なことじゃないんだって今ならわかる。
遥人も自分がいなくなったあと
子供の時代を過ごした家がほかの人に手渡されるなんて思っていたのかな?
それならやっぱり、辛くてもあのタイムカプセルだけは取りにいきたい。
遥人があの時埋めたものをこの手で守りたい。
「……変わっていないな、この家も庭も。」
インターホンを鳴らすと誰もでなく
窓から家の中を覗いても誰もいない感じだった。
「お邪魔します……」
まだ手放したばっかりというのもあって
庭にはたくさんの色とりどりの花がある可愛らしいお庭のままだ。
円花との家に面しているこの庭を
部屋から眺めるのも好きだった。
風が吹けば花や木の葉っぱが揺らいで応援されているような気がして――
「たしか、この木の下に……」
円花と同じぐらいの身長しかない小さなこの木は
遥人がこの家にやってきた時に二人で植えた思い出が詰まった木
この木をいつか自分の子供にも見せてあげたかったな……
「もう、叶わぬ夢か……」
やっぱり、この家に足を踏み入れるにはまだ辛すぎる。
もう叶わない夢や遥人との楽しかった思い出がたくさん詰まっている。
きっと、このタイムカプセルにもそういう思い出が詰まっているんだ。
“カシャン――”
やっぱり遥人がたくした鍵はこの箱の鍵だった。
鍵は開いたけど……箱を開ける勇気がない。
この箱を開けたら、うまくは言えないけど
今まで培ってきたたくさんの遥人との思い出に
終わりを告げられそう……そんな気がしてならない。
「誰だ?」
「え……?」
急に後ろから声をかけられて振り返った瞬間箱を落としてしまった。
うじうじと箱を開けらない私に
きっと遥人が背中を押してくれたんだと思う。
遥人の庭の花や木々が風でなびくぐらい強い風で
私の体も後ろから押されているぐらいだった。
もう、下を向くなって、周りを見ろって遥人に言われているみたい――
「あっ……!」
箱から飛び出た封筒がヒラヒラと風にまって上にあがってしまった。
あれだけ上にあがったらもう私には取ることができない。
「え?」
遥人がバスケをしていた頃は周りの外国人に負けまいと
高くジャンプしてよくダンクの練習もしていた。
目の前の男の影が私をすっぽりと包み込むぐらい
高くジャンプをして手紙を取ってくれた。
「はい。」
「あ……ありがとうございます。」
この人……なんていう眼をしているんだろう。
死んでいる目ってこの人みたいな目をいうんだ。
生気が全く感じ取れない。
この眼で見られると……なんだか怖い。
「勝手に入ってごめんなさい!前の持ち主の荷物を取りにきて……あの、隣に住んでいるものです。よろしくお願いします。」
目を合わすのが怖くなって
早口でしゃべって落とした箱を拾って急いで自分の家へ帰った。
「遥人とは正反対の人……」
今まで病院でもたくさんの人に会ってきたけど
あんな冷たい眼の人に会ったことない。
どうして、あんな冷たい眼をしているんだろう――
「てか、日本人……だった。」
日本語で話しかけられたから日本語で話しかけたが
日本人だったってことに今更気づいた。
“ビ―――”
「え……?」
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