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これはレイプだから……
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心臓が止まる。
それは人がもうこの世で生きるのが終わる瞬間で
美緒が倒れたとき、10年ぶりに抱きしめた瞬間心臓が止まった。
もう、このまま死んでもいいって思ったからかもしれない。
自分の気持ちを抑えて
俺なんかのために涙を流しながら幸せを願ってくれる美緒が愛おしい。
この手で抱きしめた瞬間、このままどこか遠くへ行きたいと思った。
それが例えあの世であっても――
美緒をこの手に抱きしめながらだったら俺は怖くない。
「はぁっ…はぁ……っ」
「誠二…誠二!!」
「あ……円花…」
「うなされていたよ。大丈夫?」
「……大丈夫。」
「ねぇ、誠二。これで本当にいいの?」
「は?」
「昨日の美緒さんの涙といい、美緒さんを抱きしめた時の誠二の表情といい……」
「……正直10年経ったら美緒は幸せに兄さんと永一と暮らしていて、俺のことなんて忘れているかもってちょっと思ってた。」
「誠二……」
「だけどまさか俺のことをまだ思っているなんて……」
「それは誠二も一緒じゃない。」
年月が経てば薄れてしまうはずの過去
だけど俺たちにとっては年月が経てばたつほど
相手に対する思いが強くなるばかりだ。
「ねぇ、誠二。」
「何?」
「私たち本当に結婚しない?」
「え?何言ってんだよ。」
「誠二が……そんなあやふやな態度だから余計に美緒さんだって諦められないんだよ。」
「それは……」
「自分を諦めさせたいなら、演技じゃなくて本当にしたほうが自分だって諦めがつくでしょ?」
「それは……円花にそんなことはさせれない。」
「じゃあ……ちゃんと入籍なんかしなくてもこの計画はちゃんと実行するんだってところ私に見せて。でないと私も美緒さんに同情してしまってうまくできない。」
「何をすればいい…?」
「きっと美緒さん誠二の絵を捨ててないから。だから自分で家に行って捨ててきて。」
「俺が…?いや、それは……」
「美緒さんと家に二人でいたら自分の気持ち抑えられなくなる?」
「……」
「それを乗り越えられないと…ダメなんじゃない?それだけ美緒さんだって辛いんだよ!」
「……わかった。行ってくる。」
円花の言う通りだ。
あの家で美緒と二人きりになったらまた抱きそうになりそうで――
だからあの家には帰りたくなかった。いや、帰れなかった。
だから窓が開いていた日
美緒が気持ちよさそうに寝ている顔を見たらやっぱり愛おしくなって
気づいたら体が勝手に動いていた。
胸の中にあるこの熱い感情を
火照ったカラダを
誰か沈めてほしい――
それは人がもうこの世で生きるのが終わる瞬間で
美緒が倒れたとき、10年ぶりに抱きしめた瞬間心臓が止まった。
もう、このまま死んでもいいって思ったからかもしれない。
自分の気持ちを抑えて
俺なんかのために涙を流しながら幸せを願ってくれる美緒が愛おしい。
この手で抱きしめた瞬間、このままどこか遠くへ行きたいと思った。
それが例えあの世であっても――
美緒をこの手に抱きしめながらだったら俺は怖くない。
「はぁっ…はぁ……っ」
「誠二…誠二!!」
「あ……円花…」
「うなされていたよ。大丈夫?」
「……大丈夫。」
「ねぇ、誠二。これで本当にいいの?」
「は?」
「昨日の美緒さんの涙といい、美緒さんを抱きしめた時の誠二の表情といい……」
「……正直10年経ったら美緒は幸せに兄さんと永一と暮らしていて、俺のことなんて忘れているかもってちょっと思ってた。」
「誠二……」
「だけどまさか俺のことをまだ思っているなんて……」
「それは誠二も一緒じゃない。」
年月が経てば薄れてしまうはずの過去
だけど俺たちにとっては年月が経てばたつほど
相手に対する思いが強くなるばかりだ。
「ねぇ、誠二。」
「何?」
「私たち本当に結婚しない?」
「え?何言ってんだよ。」
「誠二が……そんなあやふやな態度だから余計に美緒さんだって諦められないんだよ。」
「それは……」
「自分を諦めさせたいなら、演技じゃなくて本当にしたほうが自分だって諦めがつくでしょ?」
「それは……円花にそんなことはさせれない。」
「じゃあ……ちゃんと入籍なんかしなくてもこの計画はちゃんと実行するんだってところ私に見せて。でないと私も美緒さんに同情してしまってうまくできない。」
「何をすればいい…?」
「きっと美緒さん誠二の絵を捨ててないから。だから自分で家に行って捨ててきて。」
「俺が…?いや、それは……」
「美緒さんと家に二人でいたら自分の気持ち抑えられなくなる?」
「……」
「それを乗り越えられないと…ダメなんじゃない?それだけ美緒さんだって辛いんだよ!」
「……わかった。行ってくる。」
円花の言う通りだ。
あの家で美緒と二人きりになったらまた抱きそうになりそうで――
だからあの家には帰りたくなかった。いや、帰れなかった。
だから窓が開いていた日
美緒が気持ちよさそうに寝ている顔を見たらやっぱり愛おしくなって
気づいたら体が勝手に動いていた。
胸の中にあるこの熱い感情を
火照ったカラダを
誰か沈めてほしい――
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