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優しくしないで……①
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やっと三日目の朝がきた。
あと二日で誠一さんがかえってくる。
そういえば私ご飯食べていない。
ずっと寝ているか
誠二さんに抱かれるか……
自分で作って食べる気力もない。
それは誠二さんにたくさん抱かれているからという理由もあるけど
誠一さんとの最後のシーンが。。。いまだに心に残っているから。
誠一さんに早く会いたいけど、また置いていかれたら…
次こそ本当に立ち直れない。
今日は起きたらもう誠二さんは横にいなくて
フラフラと起き上がって久しぶりにキッチンに立った。
「これ……」
お鍋の中にはさっき作ったであろう温かいスープが入っていて
大きなお鍋だから食べていいのかわからない。
「いい匂い…料理するんだ。」
誠一さんは全く料理ができないから、同じ双子でも本当に違う。
テーブルの上には目玉焼きとサラダがおいてあって
メモには食べるようにと書かれていた。
食べたいって気持ちはまだなかったけど
でもこうやって誰かが作ってくれたかと思ったら
もったいなくて食べようっていう気持ちになった。
「いただきます。」
誠一さんはお父さんの会社を継いでいるけど
誠二さんは何をしているのだろう?
昼間は家にいるとは思うけど部屋に閉じこもっているのか廊下でもすれ違わない。
家が広くて大きいというのもあるけど
物音もしないし気配もあまりしない。
「美味しい……」
玉ねぎのスープが体全体にしみわたって温かくなっていく。
温まるのは体だけかと思ったら
ココロまで温かくなった。
誠二さんは目の前にいないはずなのに
こうやって料理とかで誠二さんの気配が感じられる。
前よりずっと誠二さんの気配を感じるようになったのは
抱かれるようになってからだ。
彼の……匂いや体の温もりがまとわりついているみたい。
「お礼…言わなきゃ。」
きっとこの家のどこかにいるはず。
何となくだけど、誠二さんがいそうな部屋がこの家にはある。
大きな部屋が角部屋にあって、
そこは景色もいいところだけど普段は薄暗い場所
「あの……誠二さん?」
声をかけたが返事がないためノックをしてみたがやはり返事がなかった。
「美緒です。誠二さん…いますか?入ってもいいですか?」
ここに彼はいないのだろうか?
この部屋に入るのをやめようと思った瞬間、物音が部屋から聞こえてきた。
「誠二……さん?」
カーテンが閉められているから余計に部屋は真っ暗で最初は見えなかったけど、キャンパスが何枚か置いてあった。
風景画が多く、端には誠二と書かれたサインがある。
「誠二さん絵を描いているんだ……これは?」
奥には布が被せられているキャンパスがあって、それをめくろうと近づいたとき、何かを蹴ってしまった。
「誠二さん!?」
誠二が倒れていて名前を呼んでも返事をしてくれない。
「すごい、熱……」
額からは汗が吹き出て、体は熱くてグッタリしている。
「誠二さん、私に掴まって起き上がってください!」
大きな声で言うと誠二に声が届いたようで美緒の肩にゆつっくりと腕を回してきた。
「はぁ……はぁっ…」
息苦しそうな吐息を吐きながら、今にも倒れそうなぐらいしんどそう。
「誠二さん、薬飲む前にお粥食べませんか?少しでも胃に入れましょう?」
急いでお粥を作ったけど、誠二さんは熱が高いから意識が朦朧としていた。
「少しでいいんで……よいしょっ」
膝の上にクッションおいて、その上に誠二さんの頭を置いた。
誠二さんも少し口を開けてくれて、そこにお粥を流し込んだら食べてくれた。
「誠二さん、薬飲みましょう。」
ペットボトルの水を誠二さんの口に近づけるけど口からこぼれてうまく水が入らない。
誠二さんの口からこぼれた水が頬を伝って太ももを濡らしてきた。
「誠二さん……」
こういう時よく口移しで飲ませたりしているけど
どうしてそういう風にするのか今わかった。
今さら口づけをしたって何も恥ずかしいことはない。
だって今までそれ以上のことをしてきたのだから――
「はぁ、はぁっ……」
呼吸はさらに早くなって苦しそうで濡れて冷たくなったはずの太ももが
誠二さんの熱でどんどん熱くなっていく。
誠二さんの口に薬をいれてペットボトルの水を一気に自分の口に流し込んだ。
意識は朦朧としていたがこの女が何をしているかわわかっていた。
俺だってまさか熱でうまく口が閉まらなくて
いつも口にしているペットボトルが飲めないなんて思いもしなかった。
キス以上のことはたくさんしているけど
それは子供のため、兄さんのためで
別に俺に対しての感情は一切ない。
だから別に俺が熱でうなされているからといって
何をする必要もない。
放っておけばいいのに、俺なんて。
俺は今までいつだって一人だったんだから。
だから次の瞬間俺の口に何かをいれてペットボトルの水を口に含んで
俺に飲ませてきた時は驚いた。
キスなんかじゃ子供は作れないのに――
あと二日で誠一さんがかえってくる。
そういえば私ご飯食べていない。
ずっと寝ているか
誠二さんに抱かれるか……
自分で作って食べる気力もない。
それは誠二さんにたくさん抱かれているからという理由もあるけど
誠一さんとの最後のシーンが。。。いまだに心に残っているから。
誠一さんに早く会いたいけど、また置いていかれたら…
次こそ本当に立ち直れない。
今日は起きたらもう誠二さんは横にいなくて
フラフラと起き上がって久しぶりにキッチンに立った。
「これ……」
お鍋の中にはさっき作ったであろう温かいスープが入っていて
大きなお鍋だから食べていいのかわからない。
「いい匂い…料理するんだ。」
誠一さんは全く料理ができないから、同じ双子でも本当に違う。
テーブルの上には目玉焼きとサラダがおいてあって
メモには食べるようにと書かれていた。
食べたいって気持ちはまだなかったけど
でもこうやって誰かが作ってくれたかと思ったら
もったいなくて食べようっていう気持ちになった。
「いただきます。」
誠一さんはお父さんの会社を継いでいるけど
誠二さんは何をしているのだろう?
昼間は家にいるとは思うけど部屋に閉じこもっているのか廊下でもすれ違わない。
家が広くて大きいというのもあるけど
物音もしないし気配もあまりしない。
「美味しい……」
玉ねぎのスープが体全体にしみわたって温かくなっていく。
温まるのは体だけかと思ったら
ココロまで温かくなった。
誠二さんは目の前にいないはずなのに
こうやって料理とかで誠二さんの気配が感じられる。
前よりずっと誠二さんの気配を感じるようになったのは
抱かれるようになってからだ。
彼の……匂いや体の温もりがまとわりついているみたい。
「お礼…言わなきゃ。」
きっとこの家のどこかにいるはず。
何となくだけど、誠二さんがいそうな部屋がこの家にはある。
大きな部屋が角部屋にあって、
そこは景色もいいところだけど普段は薄暗い場所
「あの……誠二さん?」
声をかけたが返事がないためノックをしてみたがやはり返事がなかった。
「美緒です。誠二さん…いますか?入ってもいいですか?」
ここに彼はいないのだろうか?
この部屋に入るのをやめようと思った瞬間、物音が部屋から聞こえてきた。
「誠二……さん?」
カーテンが閉められているから余計に部屋は真っ暗で最初は見えなかったけど、キャンパスが何枚か置いてあった。
風景画が多く、端には誠二と書かれたサインがある。
「誠二さん絵を描いているんだ……これは?」
奥には布が被せられているキャンパスがあって、それをめくろうと近づいたとき、何かを蹴ってしまった。
「誠二さん!?」
誠二が倒れていて名前を呼んでも返事をしてくれない。
「すごい、熱……」
額からは汗が吹き出て、体は熱くてグッタリしている。
「誠二さん、私に掴まって起き上がってください!」
大きな声で言うと誠二に声が届いたようで美緒の肩にゆつっくりと腕を回してきた。
「はぁ……はぁっ…」
息苦しそうな吐息を吐きながら、今にも倒れそうなぐらいしんどそう。
「誠二さん、薬飲む前にお粥食べませんか?少しでも胃に入れましょう?」
急いでお粥を作ったけど、誠二さんは熱が高いから意識が朦朧としていた。
「少しでいいんで……よいしょっ」
膝の上にクッションおいて、その上に誠二さんの頭を置いた。
誠二さんも少し口を開けてくれて、そこにお粥を流し込んだら食べてくれた。
「誠二さん、薬飲みましょう。」
ペットボトルの水を誠二さんの口に近づけるけど口からこぼれてうまく水が入らない。
誠二さんの口からこぼれた水が頬を伝って太ももを濡らしてきた。
「誠二さん……」
こういう時よく口移しで飲ませたりしているけど
どうしてそういう風にするのか今わかった。
今さら口づけをしたって何も恥ずかしいことはない。
だって今までそれ以上のことをしてきたのだから――
「はぁ、はぁっ……」
呼吸はさらに早くなって苦しそうで濡れて冷たくなったはずの太ももが
誠二さんの熱でどんどん熱くなっていく。
誠二さんの口に薬をいれてペットボトルの水を一気に自分の口に流し込んだ。
意識は朦朧としていたがこの女が何をしているかわわかっていた。
俺だってまさか熱でうまく口が閉まらなくて
いつも口にしているペットボトルが飲めないなんて思いもしなかった。
キス以上のことはたくさんしているけど
それは子供のため、兄さんのためで
別に俺に対しての感情は一切ない。
だから別に俺が熱でうなされているからといって
何をする必要もない。
放っておけばいいのに、俺なんて。
俺は今までいつだって一人だったんだから。
だから次の瞬間俺の口に何かをいれてペットボトルの水を口に含んで
俺に飲ませてきた時は驚いた。
キスなんかじゃ子供は作れないのに――
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