ナチュラルサイコパス2人に囲われていたが、どうやら俺のメンヘラもいい勝負らしい。

仔犬

文字の大きさ
23 / 75
軌道修正

9

しおりを挟む
「英羅が作んのか……」

「え?料理?できるよ。まあこの豪華さには負けるけど、好きだったし。でも前のアパート狭くてさ。会社のキッチンあってそこでよく作ってた……最初のうちだけだけど」


結局どんどん気持ちが沈んで疲れて、それが繰り返して次第に遠のいてしまったが。

だけどよし、2人が心なしか嬉しそうにしている。なんだか分からんが効果はありそうだ。

それにしても手料理で喜ぶなんて、この世界の俺2人のためにホントに何もしてなかったんだ。
兎に角、手遅れかもしれないが貞操を守るために畳みかける。

「絶対今の方が楽しいし、2人のこと構う時間なんて何時間も増えるじゃん。んね?いい事づくしでしょ?」

笑って言えば2人はまあ……とか言いつつ何とか納得しかけていた。だけどやはり代償が大きいのかなかなか頷かない。

他に何かあるか。
てゆか親友と遊ぶって何だ?28歳のニート暮らし引きこもり監禁生活はどうしたらいいんだ?!これ以上の名案が思いつかず悩んでいると来夏がおずおずと俺の袖を触れてきた。

「ん?」

「……でもやっぱり、触れるのも、だめ?」


来夏の目が一瞬で熱を帯びる。
あんなに宝石のように綺麗な目がこんな時だけ人間らしく見えるのは何故だ。しかも上目遣いで顔だけは可愛い顔してくるのは無意識か。

昔からこの顔に弱かった。
だって可愛いんだよこいつ男のくせに。ホワッてしててさ。今はオーラが怪しいけど。


「ふ、触れるって……?」

「こうして……君を撫でる」


来夏の綺麗な手が俺の太ももを撫でた。撫で方が明らかに普通では無い。


「アウト!」

「ええーー?!」


これもダメなの?!って顔すんなよ。
ダメだわ。普通にダメだわ。何親友の足意味ありげに撫でてんだよ。


「じゃあ、どこまで良いんだよ」


知秋が呆れたように聞いてきた。
知秋はもしかしたら俺の願いを一応聞き入れようとしているのかもしれない。だけど顔にはしっかり書いてある。

ぜってえその約束はいつか無くすと。
それでも今は目の前の危機を一旦でも先延ばしにしたい。

「うーん、高校の時と同じレベル、だな。つーかもともとお前ら距離感バグってたし……かなりの譲歩」

「ふーん……じゃあハグもキスも言い訳だ」

「……え?」


ハグはしてた、記憶がある。なんか事あるごとに抱きついてくるから俺も慣れてしまっていた。だけど、キス?した事ねぇよ。


「流石に嘘つくなよ!した事ねぇよ」

「あるよ?」

「え?!」

「お前寝ぼけて俺らの頬にキスした事あるんだよ」


来夏が嬉しそうに、知秋がしてやったりな顔で笑っている。何だそれ、寝ぼけて?


「覚えてないからダメ」

「おいおいおい、流石にそれはひでぇんじゃねえんの。言っとくけどそのエロい事は気分次第でやってたんだ。好きなやつを前にしてエロいことを俺はノーなんて言ったことねぇ。それをいきなり無くす代わりにこっちはキスで我慢してやろうって言ってんだよ」


ああ、知秋ってこう言うやつだった。頭の回転が速くて、口がうまい。しかもど畜生の俺が行った非道な行為の痛いところをついてくる。口元にあるほくろが悪魔の笑みに色気を出すのだ。


「……口以外なら、許す」


だから、こう口走っても仕方がないだろう。




しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

鬼ごっこ

ハタセ
BL
年下からのイジメにより精神が摩耗していく年上平凡受けと そんな平凡を歪んだ愛情で追いかける年下攻めのお話です。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

俺の彼氏は真面目だから

西を向いたらね
BL
受けが攻めと恋人同士だと思って「俺の彼氏は真面目だからなぁ」って言ったら、攻めの様子が急におかしくなった話。

処理中です...