我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番

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49 頼れる人たち

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兄と別れて、私はフラフラとテラスに向かった。
テラスでは、父と実父が窓を大きく開けて月を見ながらお酒を飲んでいた。

2人は私を見つけると、手招きした。

「あれ~ベル?どうしたおいで。」
「ベルナデット。たまにはゆっくりと話さないか?」

私が行くと、実父がオロオロとした。

「ど、どうしたんだい?ベル?
なぜ泣いてるんだ?」

すると、父も心配そうにしていた。

「ベルナデット、どうかしたのかい?」

私は思わず2人に抱きついて泣き出してしまった。
それを2人の父は優しくなぐさめてくれた。

そして、泣き止んだ私は自分で考えても奇妙な状況になっていたのだった。

「なるほど!!
サミュエル君、てっきり諦めたと思っていたのに、ベルの卒業をずっと待っていたのか・・・。
なるほどな。
立場をわきまえ、状況をみて、己の律することのできる男性は信頼できるよ。
ベル。」
「ん~サミュエル君とは私も話をしたが、頭はいいし、機転も利く、しかも人をとても大切にできる青年だ。
彼は見どころがあるな・・。」
「そうだな~。彼はいい男になるだろうな~。」

いつの間にか、父と実父と3人での恋バナになっていたのだ!!
いや、私が全てを白状したのがいけないのだが!!

それはわかっているのだが、私もパニックになっていたのだ。
そうだとしか思えない。

父と恋バナ。
なんてシュールな展開なのだろう!!

「だが、クリストフ殿下には驚いたな。」
「ああ。あの大国との交渉をまとめたのだろう?」
「あの手腕は見事だった。」

父が高級果実酒をグラスの中で回しながら唸った。

「数年前まで、お人形のように可愛い子だったのに・・。
今じゃ、社交界のご婦人の憧れの的だ。」
「ああ。殿下は王立音楽芸術学院に入学されてよかったかもしれないな。」
「そうだな~他のところなら、夜会とか引っ張り回されて大変だっただろうな~。」
「ん~殿下も将来は有望だな・・。彼は間違いなくいい王になるだろう。」
「そうだね~。彼もいい男になるだろうね~。」

私は2人の話を聞きながらチーズを小さくかじっていた。

「だが、エリックだっていい男になったじゃないか。」
「ああ。我が息子ながら感心している。」
「エリザベス様に似て、威厳と美しさがあるよな~。
エリックなら諸外国に行っても見た目も、態度も、手腕も敵うものはいないだろうな。」
「ははは。ああ。エリックの強気な目は、本当にエリザにそっくりで愛おしい。
私がいうと親バカだが、どんどん、いい男になるな~。」

すると、実父が大きく手を打った。

「それに相手がエリックならベルと離れなくてもいいな!!
それは最高かもしれないな~~♪」
「気持ちはわかるが、ベルナデットの将来のことだ。
トリスタンの想いなど気にしなくていいよ。」


・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

2人の父の話をまとめると3人とも『いい男』だということがわかった。

(知ってた・・。
それ、知ってた・・・。
だから、私こんなに悩んでるんですよ。父、実父よ。)

私が思わず遠い目をすると、2人が優しく微笑んだ。
そして、実父が口を開いた。

「ねぇ、ベル。君はね、誰を選んでもいいんだよ?」
「え?」

私は驚きのあまり目が丸くなった。

「ですが!!公爵家のことを考えればそういうわけにもいかないのでは?」

私は思わず拳に力を入れた。
すると、父が楽しそうに笑った。

「ふふふ。確かに数年前まではそうだったかもしれない。」
「数年前まで?」
「今はね、君のおかげで状況が全く変わったのだよ?ベルナデット。」
「状況が変わった?」

すると、実父が楽しそうに頷いた。

「そうそう。もうね。ベルは好きに生きて大丈夫だよ。
全ての準備は整ったからね。ふふふ。」
「全ての準備が整った・・?」

そして、真剣な瞳で、父と実父から見つめられた。

「さぁ。ベルナデット。誰を選ぶんだい?」
「ベルが決めていいんだよ。」
「え?
ええ?
えええ~~~???」

私が未来を決める???
あの・・ちょと甘やかし過ぎじゃないですか?????
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