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コルネリウス ルート(兄ルート)
Ⅺ 色々とすっ飛ばしちゃいました~~!!
しおりを挟む「フォルトナ、この者は招待するか? あ~~ん」
「もぐもぐ。ゴクリ。そうですね」
現在の私は、兄の膝の上に横抱きにさせて、兄に「あ~~ん」と口に入れられたクッキーを食べていた。
――どうしてこうなった?
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実は、兄からの公開告白の後に兄の動きは、早かったのだ。
あの夜……。
「フォルトナ!! すぐにこれから公爵に説明に行こう!!」
「ええええ? 今からですか?」
兄に抱きしめられて、驚いていた私に兄は頷きながら言った。
「ああ。そして、私の養子というのを、『婿』養子という立場に変更の手続きを取ってもらう」
「ええええ? そんな雑な感じでいいんですか?」
どうしても、現代人の私としては、戸籍とかそういう手続きは、大変だというイメージがあるのだが……。
「大丈夫だ。それとも、フォルトナは、私が夫ではイヤか?」
「は? え? 夫??」
私としては、まずはお付き合いをして、それからじっくりと結婚を考えていたのだが……。
婿養子ということは、婚約などを飛ばして、すぐに結婚するということだ。
「早く、婚姻届けを提出して、ダブルお見合いを阻止しなければ!!」
「あ、え? なるほど……お見合いの申し込みの書類が届く前に婚姻届けを提出して、『入れ違いでした~~』って言うつもりですね!!」
「さすがだ!! 私はそこまでは考えていなかったが、それはいいな! そうしよう」
私の腹黒さが、全面に出てしまったようだ。
だが、王家からのお見合いを断るのだ。それ相当の理由がいる。
――すでに結婚していて、その報告と入れ違いになりました~~。と言うことなら、文句は出ないだろう。
「わかりました!! 結婚しましょう!!」
「ああ。早急にな!!」
「はい」
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その後は、お父様は私がお嫁に行かないと、喜び結婚をすんなり承諾。
婚姻届けもその場で作って、王家に提出。兄は養子から『婿』養子に次の日の朝一には変わっていた。
仕事が出来るって、凄いですね☆
ということで、私は一夜にして、彼氏ではなく夫が出来てしまった。
そして、夫となった兄は、かなり甘い。
「ん? 口についているぞ」
ペロリ。
私の口の横についているクッキーの欠片を兄が舐める。
数日は『恥ずかしいです~~』『みんなの前です~~』と照れていたが、兄に世話をされ過ぎて、すでに慣れてしまった。
最近では、兄と一緒にいない時間がほとんどない。
兄は基本、父の補佐で家で仕事をしている。父の代理で色んな場所に行くが、今は結婚式の準備を優先してもいいと、お父様に言われているので、出かけることもない。
そうなると、食事も、お風呂も、もちろん寝る時もず~~~~と一緒のだ。
「ついでにキスしていいか……チュッ」
兄が私の口についたクッキーを取るついでに唇にキスをした。
「ん……あ……もう、ついでにキスですか~~」
私がついでにという言葉に反応すると、兄が私をぎゅっと抱きしめながら言った。
「ついでということにしないと、止まらなくなるだろう? 今日は招待する方のリストを作らなければ……」
「そうですねぇ~~」
私がそう答えると、兄が私の頬に頬をすりすりと寄せながら言った。
「あああ~~~可愛い~~~フォルトナが可愛い~~」
「ふふふ。くすぐったい」
私はお父様の渡してくれた招待者のリストを見ながら、ルジェク王子とリオン王子を消して、兄の両頬を両手で挟んで、兄の額に額をくっつけながら言った。
「早く終わらせて…………しましょうか? ね? コルネリウス?」
何するのか……それは……秘密です。
「フォルトナ~~~!!!!! そうだな。すぐに終わらせよう!! 私に任せておけ!!」
兄は、鼻息荒く、リストを手に取った。
「頑張って~~~」
「ああ!!」
そして兄は凄い勢いで、リストを見ながら手を動かした。
私は、そんな兄……ああ、もう、兄ではなく、旦那様でしたね。
旦那様にぎゅっと抱きついたのだった。
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