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不真面目で肥大化した鳥は自然界では選別される
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黒翼騎士団の後発組がやってくることになる。
それを歓迎する者もいれば悲しむ者もいた。ようやく自分らの下が出来ると考えるか残酷な知らない愚か者らが増えるか。どちらのしても自分らの現状が理解できていないに違いない。
そうして、彼らと合流することになるのだが
「フッ。僕らがいればもう安心さ。地上からモンスターどもを駆逐するなど容易いことだ。なんだ君たちのそのみすぼらしさは。実に醜いよ。近づかないで欲しい」
『そうですね。お前らなんて所詮その場しのぎで結成された連中、選抜された自分らとは違う』
優男のイケメンがこちらを見て「残念な連中」そう罵った。いや、お前らだってさして変わらないはずだ。
「なぜ優秀なエリートで運命を背負う僕が灰色級なのか理解に苦しむよ。ま、これも武勲詩を打ち立てる僕への些細な出来事だな。何の問題もない。問題があろうはずがない」
先に来ている自分らを見下すことしかせず自分らを選ばれたエリートと勘違いしている後発組。いや、何でそこまで自信に溢れてるんだよ。こちらとさして変わりがないはずなのに。
そうして、先に来ている隊長らとの話し合いを始めるのだが。
「は?出来る仕事はごみ掃除やどぶ攫いだけ。時々大鼠や大虫を退治するだけ?なぜ我らがそのような下賤な仕事をしなくてはならないのだ。理解できない。大物討伐こそが仕事だろうが」
「残念ながらこれが現実なのだよ。貴殿は何を勘違いしておるのだ。冒険者として灰色級ならそれが普通であろう。そのような間違いを抱いていては即座に死ぬぞ」
前任者の隊長と後発組の隊長は真正面から反発し合う。その後の話など纏まるはずがなかった。
「お前らの悲惨な現実は無能者の末路に相応しいな。我らエリートとは交わることはない。こちらは勝手にさせてもらう」
「それがお望みならばこちらもそうさせてもらおう。後で後悔しても我らは助けないぞ」
決別の意思を示す両者。
「皆あいつらがなぜそこまで強気な態度であるのか分かるか。『現実を知らない』『モンスターの脅威を知らない』からだ。あの様子ではお前らが味わった不幸を自分らが味わうとは微塵も感じておらんのだろうな。まったく、人選がなっておらん」
前に来ていた隊長は「数を揃えればいいわけじゃない」そう嘆いた。
ゴブリンの巣穴討伐を勝手に引き受け壊滅させたリーダーの耳聞こえの良い言葉に惑わされていると生き残りたちは思うしかなかった。
え?その後どうなったかって。
結論は急ぐべきではないはずだと思うけど。
まぁ、他人となった相手の話でもその日限りの噂程度にはなるよね。
案の定奴らは甚大な被害を出した。本当にそれだけだよ。
あのイケメンリーダーとごく僅かを残して皆悲惨な運命にあった。
その後、イケメンリーダーはお国に援助を当然のように求めたがもうすでに手遅れだった。それはどこかで握り潰された。その後奴らはこちらに縋るようにやってくる
「え、援助を。金を、装備を、仲間の補充を」
「お前らとは何の関係もない」
帰れ。それだけしか言わない。
「ど、同胞、を、見捨てるのか」
「生まれた場所が同じなだけだ。赤の他人だ」
イケメンエリートの顔が醜く歪む。頼めばなんでも出してくれるとでも思っているのか。自分達でさえ現在困窮しているというのに。もはや同情の余地はない。甘やかせばつけあがるだけだ。
「な、なんで、こうなって、しまったんだ。名誉と栄光と富が、約束されてるはずじゃないのか?冒険者とはそういう物語なはずだ」
案の定奴らは自分らに都合のいい部分しか見ていなかった。それに自分を重ね同じようになれると慢心していた。大多数が地道に泥臭い仕事をしているとは思ってもおらずそれに至れるのは運と実力を兼ね備えた本物だけだと思わず。
もうこちらには頼れないにもかかわらず縋り付いてくる連中。こいつらをこちらの船には乗せられない。無理矢理追い返す。
その後奴らは悪い行動を始めた。等級の高いパーティに無理矢理入ろうとしたのだ。
「お断りだ。帰れ」
「そこを何とか」
「帰れと言ったんだ!」
「ひっ、私を誰だと」
「灰色級の冒険者だろ」
「そ、それは」
「それが真実だ。諦めな」
等級の高いパーティはもう正規メンバーで構成されていた。そこにどこの誰とも分からない連中を入れて足を引っ張られては堪らない。ことごとく追い返される。
「ふ、ふんっ。所詮色彩級や鉄色級程度には私の価値を理解できないのだ」
もっと大物でないと。
噂では蒼光玉級のパーティがここでは最優秀だと。それほどのパーティ位に入れば間違いはないはずだ。生き残りは彼らが住んでいるコテージの元まで向かう。
中に無断で入ろうとするがバシィッ、その音と共に出入り口から弾き飛ばされてしまう。このコテージに他者が侵入できない魔法がかかっていたのだ。しかたなく外で待つこと数時間、誰かが出て来た。
「ねぇ、君達、何を待っているの?」
それは美少年とも美少女とも表現しにくい可愛い子だった。頭には小さめの帽子を被りフリフリヒラヒラ満載の少女服、足元を小さめの革靴で纏めていた。長めの髪を垂らし顔の造形も繊細だ、数年後が楽しみだろう。思わず欲情してしまう。
「き、君、ここから出てきたよね?」
ただの小間使いかお世話役か、どちらにしても出入りできるのは間違いないようだ。
「蒼光玉級のパーティがここにいると聞いてきた。リーダーに会いたい」
「それは、急を要するのでしょうか」
こちらに不信感を持っているようだ急を要することを伝える。
「あなた達は誰なのですか」
「黒翼騎士団の精鋭だ。大至急助力を求める」
その子は無関心そうに答えた。
「僕達に関わってくるなと。先に忠告していたのに、ここに来たんだね。あなた方が得られた冒険の物語はさぞ悲惨だったのでしょうね。それが現実なのですよ。ご愁傷さまでした」
「なっ!」
その子はこちらをまるで煩わしい害虫でも見るかのような目つきをした。外見は極上なだけにその目が見ているのはまるでこちらが悪だと。
「僕から言えることは一つだけです」
どんなに屈辱でも同胞たちに必死に謝りなさい。たったそれだけ。それが自分らのプライドには到底受け入れられなかった。
「自分らを何だと思っているのだ!我々はいずれ国の重鎮、最前線を担う精鋭なのだ。選ばれた人材なのだ、それをまるで愚者のように」
「ええ、愚者そのものですから。今の自分達の状況、理解してますか?それが現実なんですよ。平和に生きたいなら国に帰ってしまいなさい。やり直したいなら他人に屈辱を受け入れてしまいなさい。なーに、生きていればいいだけならどうとでもなりますから」
教会にでも入信しますか。これでも顔が利くので紹介してあげましょうか。それで我慢の限界を超えた、武器を抜く。
こんな幼い子供など容易に無力化できる……はずだった。そのはずだった。その子供は目に見えぬ早さで痛撃を見舞いこちらをボロボロにした。その後縄で容赦なく縛られ黒翼騎士団の団長の所まで引きずられていく。
「こ、これはピュアブリング殿!本日はご足労をかけ申し訳ありません!」
団長は驚きと恐怖を抱きながらその子を見る。どういうことだ?この子は小間使いか召使いではないのか。明らかに上位者に対する敬いの姿勢を見せる団長とその面々。
「僕はこういう手合いと関わる気はないと先んじて警告しておいたよね。なのにこいつらが来たんだよ」
「大変に申し訳ない事態を起こしたことについては反論はありません。どうかご温情をお願いします」
「君らに使わせている僕の考案した制度はこうした連中には適用されるべきではないことは理解してるよね」
「それについては是非もなく。我々も大分助かっておりますので」
「当分は様子見をして冒険者ギルドに任せようと思ったんだけどすぐさまこの手合いが出てきたんじゃ仕方がない」
真面目に頑張る態度を見せれば僕がレクチャーしてもよかったがそれは当分後回しにすると。この子は何を言ってるのか理解できない。
「当分はごみ掃除やどぶ攫いなどで下積みをして。後のことは冒険者ギルドの判断に従う事。いいね?僕らの手を煩わせればそれだけ非難され白い目で見られることを徹底して」
「了解しました」
隊長とその子の話し合いに自分らは蚊帳の外だった。
団長らはこちらを憎々しげに見下ろす。
「貴様らのせいで先達に教えを乞う機会が遠ざかってしまったではないか!」
は?あの子が先達?どう見ても小間使いか見習いではないのか。もうその子に無力化された事実でさえ頭の中から消えている面々。
その子が自分らが会おうとしたパーティのリーダーであることを明かされる
「えっ?どう考えてもおかしいですよ。コネや縁故採用じゃないんですか」
実家とか一族とかあるいは高貴な方々とか、甘えてその地位をねだったんじゃないのか。
「彼は灰色級、しかもソロから出発している。ゴブリンやオーク、オーガも討伐経験がある。しまいにはヘッドハンターの複数討伐実績まで。自分らとは住んでる世界が違いすぎる」
自分らここで過去にヘッドハンターと戦った老練な将軍の言葉を思い出す
『あれは絶望だったよ。いくら攻撃しても通じている気配が見えてこなかった。何とか倒したが、負傷者犠牲者は数知れず。生き残れたのは本当に運が良かった。いいか、あれを名誉という言葉に惑わされて手を出してはならない。しかるべき方々に任せるんだ。それが長生きする秘訣だ。そんな方々に逆らったら破滅だけしか来ない』
記録では1体倒すのに3桁の犠牲者を出したそうだ。下手をすれば町や都市すら壊滅させてしまう相手、それを複数体討伐実績有り、だと。
「彼のレクチャーを受けたほぼすべてが見込み有りとしてこの地で着実に力を付けている。教えを請いたい連中は数知れずだ。我々が使っている初心者救済制度の考案者でもある。それを敵に回してなんとするか」
そういえば色々と最低限の知識技術を覚えるべきだと冒険者ギルドから言われていた。内容が地味な薬草の見分け方とか生き残るための初歩的な知恵のため笑い飛ばして無視した。その結果自分らは壊滅してしまった。学んでいればもう少しましだと思えてしまう。
「その彼が『お前達は後回しだ』そう言われてしまったのだ。自分らの地道な草の根活動をお前らのせいで台無しにされてしまった。どうするつもりだ」
それだったらご機嫌を取ればいい。それは自分達の得意技だ。
「それが通用する相手だったらここまで困ってない。彼の財力はその気になれば都市を数年間問題なく動かせるほどだと大評判だ。もうその結果を確認済みだ。自分らの実家が集まっても勝てないほどに豊富な資金を持っている。我らが出す金などで動いてはくれない」
そんなに金持ちなのか?え、それじゃ、ほんとにその子が言ったことが現実になるのか。いやいや、あれはただの冗談であろう。現実にそんなことなど起こるはずなどない。
それを歓迎する者もいれば悲しむ者もいた。ようやく自分らの下が出来ると考えるか残酷な知らない愚か者らが増えるか。どちらのしても自分らの現状が理解できていないに違いない。
そうして、彼らと合流することになるのだが
「フッ。僕らがいればもう安心さ。地上からモンスターどもを駆逐するなど容易いことだ。なんだ君たちのそのみすぼらしさは。実に醜いよ。近づかないで欲しい」
『そうですね。お前らなんて所詮その場しのぎで結成された連中、選抜された自分らとは違う』
優男のイケメンがこちらを見て「残念な連中」そう罵った。いや、お前らだってさして変わらないはずだ。
「なぜ優秀なエリートで運命を背負う僕が灰色級なのか理解に苦しむよ。ま、これも武勲詩を打ち立てる僕への些細な出来事だな。何の問題もない。問題があろうはずがない」
先に来ている自分らを見下すことしかせず自分らを選ばれたエリートと勘違いしている後発組。いや、何でそこまで自信に溢れてるんだよ。こちらとさして変わりがないはずなのに。
そうして、先に来ている隊長らとの話し合いを始めるのだが。
「は?出来る仕事はごみ掃除やどぶ攫いだけ。時々大鼠や大虫を退治するだけ?なぜ我らがそのような下賤な仕事をしなくてはならないのだ。理解できない。大物討伐こそが仕事だろうが」
「残念ながらこれが現実なのだよ。貴殿は何を勘違いしておるのだ。冒険者として灰色級ならそれが普通であろう。そのような間違いを抱いていては即座に死ぬぞ」
前任者の隊長と後発組の隊長は真正面から反発し合う。その後の話など纏まるはずがなかった。
「お前らの悲惨な現実は無能者の末路に相応しいな。我らエリートとは交わることはない。こちらは勝手にさせてもらう」
「それがお望みならばこちらもそうさせてもらおう。後で後悔しても我らは助けないぞ」
決別の意思を示す両者。
「皆あいつらがなぜそこまで強気な態度であるのか分かるか。『現実を知らない』『モンスターの脅威を知らない』からだ。あの様子ではお前らが味わった不幸を自分らが味わうとは微塵も感じておらんのだろうな。まったく、人選がなっておらん」
前に来ていた隊長は「数を揃えればいいわけじゃない」そう嘆いた。
ゴブリンの巣穴討伐を勝手に引き受け壊滅させたリーダーの耳聞こえの良い言葉に惑わされていると生き残りたちは思うしかなかった。
え?その後どうなったかって。
結論は急ぐべきではないはずだと思うけど。
まぁ、他人となった相手の話でもその日限りの噂程度にはなるよね。
案の定奴らは甚大な被害を出した。本当にそれだけだよ。
あのイケメンリーダーとごく僅かを残して皆悲惨な運命にあった。
その後、イケメンリーダーはお国に援助を当然のように求めたがもうすでに手遅れだった。それはどこかで握り潰された。その後奴らはこちらに縋るようにやってくる
「え、援助を。金を、装備を、仲間の補充を」
「お前らとは何の関係もない」
帰れ。それだけしか言わない。
「ど、同胞、を、見捨てるのか」
「生まれた場所が同じなだけだ。赤の他人だ」
イケメンエリートの顔が醜く歪む。頼めばなんでも出してくれるとでも思っているのか。自分達でさえ現在困窮しているというのに。もはや同情の余地はない。甘やかせばつけあがるだけだ。
「な、なんで、こうなって、しまったんだ。名誉と栄光と富が、約束されてるはずじゃないのか?冒険者とはそういう物語なはずだ」
案の定奴らは自分らに都合のいい部分しか見ていなかった。それに自分を重ね同じようになれると慢心していた。大多数が地道に泥臭い仕事をしているとは思ってもおらずそれに至れるのは運と実力を兼ね備えた本物だけだと思わず。
もうこちらには頼れないにもかかわらず縋り付いてくる連中。こいつらをこちらの船には乗せられない。無理矢理追い返す。
その後奴らは悪い行動を始めた。等級の高いパーティに無理矢理入ろうとしたのだ。
「お断りだ。帰れ」
「そこを何とか」
「帰れと言ったんだ!」
「ひっ、私を誰だと」
「灰色級の冒険者だろ」
「そ、それは」
「それが真実だ。諦めな」
等級の高いパーティはもう正規メンバーで構成されていた。そこにどこの誰とも分からない連中を入れて足を引っ張られては堪らない。ことごとく追い返される。
「ふ、ふんっ。所詮色彩級や鉄色級程度には私の価値を理解できないのだ」
もっと大物でないと。
噂では蒼光玉級のパーティがここでは最優秀だと。それほどのパーティ位に入れば間違いはないはずだ。生き残りは彼らが住んでいるコテージの元まで向かう。
中に無断で入ろうとするがバシィッ、その音と共に出入り口から弾き飛ばされてしまう。このコテージに他者が侵入できない魔法がかかっていたのだ。しかたなく外で待つこと数時間、誰かが出て来た。
「ねぇ、君達、何を待っているの?」
それは美少年とも美少女とも表現しにくい可愛い子だった。頭には小さめの帽子を被りフリフリヒラヒラ満載の少女服、足元を小さめの革靴で纏めていた。長めの髪を垂らし顔の造形も繊細だ、数年後が楽しみだろう。思わず欲情してしまう。
「き、君、ここから出てきたよね?」
ただの小間使いかお世話役か、どちらにしても出入りできるのは間違いないようだ。
「蒼光玉級のパーティがここにいると聞いてきた。リーダーに会いたい」
「それは、急を要するのでしょうか」
こちらに不信感を持っているようだ急を要することを伝える。
「あなた達は誰なのですか」
「黒翼騎士団の精鋭だ。大至急助力を求める」
その子は無関心そうに答えた。
「僕達に関わってくるなと。先に忠告していたのに、ここに来たんだね。あなた方が得られた冒険の物語はさぞ悲惨だったのでしょうね。それが現実なのですよ。ご愁傷さまでした」
「なっ!」
その子はこちらをまるで煩わしい害虫でも見るかのような目つきをした。外見は極上なだけにその目が見ているのはまるでこちらが悪だと。
「僕から言えることは一つだけです」
どんなに屈辱でも同胞たちに必死に謝りなさい。たったそれだけ。それが自分らのプライドには到底受け入れられなかった。
「自分らを何だと思っているのだ!我々はいずれ国の重鎮、最前線を担う精鋭なのだ。選ばれた人材なのだ、それをまるで愚者のように」
「ええ、愚者そのものですから。今の自分達の状況、理解してますか?それが現実なんですよ。平和に生きたいなら国に帰ってしまいなさい。やり直したいなら他人に屈辱を受け入れてしまいなさい。なーに、生きていればいいだけならどうとでもなりますから」
教会にでも入信しますか。これでも顔が利くので紹介してあげましょうか。それで我慢の限界を超えた、武器を抜く。
こんな幼い子供など容易に無力化できる……はずだった。そのはずだった。その子供は目に見えぬ早さで痛撃を見舞いこちらをボロボロにした。その後縄で容赦なく縛られ黒翼騎士団の団長の所まで引きずられていく。
「こ、これはピュアブリング殿!本日はご足労をかけ申し訳ありません!」
団長は驚きと恐怖を抱きながらその子を見る。どういうことだ?この子は小間使いか召使いではないのか。明らかに上位者に対する敬いの姿勢を見せる団長とその面々。
「僕はこういう手合いと関わる気はないと先んじて警告しておいたよね。なのにこいつらが来たんだよ」
「大変に申し訳ない事態を起こしたことについては反論はありません。どうかご温情をお願いします」
「君らに使わせている僕の考案した制度はこうした連中には適用されるべきではないことは理解してるよね」
「それについては是非もなく。我々も大分助かっておりますので」
「当分は様子見をして冒険者ギルドに任せようと思ったんだけどすぐさまこの手合いが出てきたんじゃ仕方がない」
真面目に頑張る態度を見せれば僕がレクチャーしてもよかったがそれは当分後回しにすると。この子は何を言ってるのか理解できない。
「当分はごみ掃除やどぶ攫いなどで下積みをして。後のことは冒険者ギルドの判断に従う事。いいね?僕らの手を煩わせればそれだけ非難され白い目で見られることを徹底して」
「了解しました」
隊長とその子の話し合いに自分らは蚊帳の外だった。
団長らはこちらを憎々しげに見下ろす。
「貴様らのせいで先達に教えを乞う機会が遠ざかってしまったではないか!」
は?あの子が先達?どう見ても小間使いか見習いではないのか。もうその子に無力化された事実でさえ頭の中から消えている面々。
その子が自分らが会おうとしたパーティのリーダーであることを明かされる
「えっ?どう考えてもおかしいですよ。コネや縁故採用じゃないんですか」
実家とか一族とかあるいは高貴な方々とか、甘えてその地位をねだったんじゃないのか。
「彼は灰色級、しかもソロから出発している。ゴブリンやオーク、オーガも討伐経験がある。しまいにはヘッドハンターの複数討伐実績まで。自分らとは住んでる世界が違いすぎる」
自分らここで過去にヘッドハンターと戦った老練な将軍の言葉を思い出す
『あれは絶望だったよ。いくら攻撃しても通じている気配が見えてこなかった。何とか倒したが、負傷者犠牲者は数知れず。生き残れたのは本当に運が良かった。いいか、あれを名誉という言葉に惑わされて手を出してはならない。しかるべき方々に任せるんだ。それが長生きする秘訣だ。そんな方々に逆らったら破滅だけしか来ない』
記録では1体倒すのに3桁の犠牲者を出したそうだ。下手をすれば町や都市すら壊滅させてしまう相手、それを複数体討伐実績有り、だと。
「彼のレクチャーを受けたほぼすべてが見込み有りとしてこの地で着実に力を付けている。教えを請いたい連中は数知れずだ。我々が使っている初心者救済制度の考案者でもある。それを敵に回してなんとするか」
そういえば色々と最低限の知識技術を覚えるべきだと冒険者ギルドから言われていた。内容が地味な薬草の見分け方とか生き残るための初歩的な知恵のため笑い飛ばして無視した。その結果自分らは壊滅してしまった。学んでいればもう少しましだと思えてしまう。
「その彼が『お前達は後回しだ』そう言われてしまったのだ。自分らの地道な草の根活動をお前らのせいで台無しにされてしまった。どうするつもりだ」
それだったらご機嫌を取ればいい。それは自分達の得意技だ。
「それが通用する相手だったらここまで困ってない。彼の財力はその気になれば都市を数年間問題なく動かせるほどだと大評判だ。もうその結果を確認済みだ。自分らの実家が集まっても勝てないほどに豊富な資金を持っている。我らが出す金などで動いてはくれない」
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