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短編 悪役トリオのその後の行動
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「皆様方、これで僕が異端者ではないとお判りいただけましたでしょうか」
見た目は純朴な少年が神官と異端審問官と免罪符売り3人を相手に正々堂々と神の御心を説いてしまった。
それに全く反論できない3人は狼狽した。
『なぜこのような幼い子供が我々以上に神の心を説けるのかと』
この3人は教会で働いているが評判はよろしくない。
神官はお布施寄進のノルマ稼ぎしか頭になく、異端審問官も破落戸まがい、免罪符売りはただの紙切れの販売、それだけだ。神の偉大さなど頭にはなくただただ自分の懐に入る金だけしか頭にない。
典型的な汚職者である。実家のコネで入った教会でもその素行は変わらず金稼ぎしか頭にない上に状況の判断能力も皆無。
この少年が以前大量の死体袋と放心している女性らを連れてきたときに出た言葉は「寄進お布施はいかほどでございますか」だ。
この少年は顔にこそ出さなかったが「面倒くさい連中」だと判断した。
「(フン、我らの労力を顧みない破落戸風情がなにをしろと。埋葬など手間がかかって煩わしいわ)」
追い払おうとしたが奥から妙齢の女神官が出てきた。この教会の支部長である。
「いったい何ごとなのかしら」
チッ、やたらと教会の慈悲を教えろと五月蠅い支部長め。我らが寄進のノルマを達成するのにどれほど苦労しているのかわからないエリートどもが。心の中で非難する。
結論から言えば「お前が悪い」である。寄進を行ったものに奇跡を使わずひたすら金を取ろうとするだけの悪神官に人望が集まるはずがない。ノルマを達成できないのも人心を掴めない自分のせいなのにそれに気づこうとすらしない。
典型的汚職神官である。
「突然やってきた無作法者を追い返そうと」
「ふーん。でも、その背後にある大量の死体袋と女性らは一体どういうことなのかしら」
この少年は私ではなく支部長に話を通したほうが早いと判断し私を無視しして交渉を始める。
「なんだ。ちゃーんとした犠牲者の供養と不幸な目にあった人たちを保護してほしいってことなのね」
「はい」
これで話はまとまった、と。誰もがおもったが。
「支部長殿、我ら教会は慈善団体ではないのですぞ。しかるべき対価を取らねば経営が」
私は金なき者に相手にする価値はないと言うが支部長は耳を貸さなかった上私を奥に引っ込めた。命令なので仕方なく下がるが建物の陰から対応を見る。
「ごめんなさいね。最近モンスターが増えて犠牲者が担ぎ込まれることが多くて対応が甘くなっているのよ」
「あなたはちゃんとした対応をしてくれました。それで充分です」
その少年は支部長の手の中に何かを渡す。
「まぁっ」
それは金塊だった。それも大きく5つも。な、なぜあのような子供があれほどの大金を持っているのだ。
「あなたはちゃんと話が分かる冒険者なのね。そういうことならば教会はしかるべき対応をしませんとね」
ニッコリと支部長がほほ笑む。クソっ、あれだけ金持ちなら真面目に対応すれば私の手の中に入ったのに。後悔しても後の祭りだった。
「地獄の沙汰も金次第、って色々な人が言うけど。埋葬の労力を割くのは教会ですから」
「そうよねぇ、破落戸まがいの連中を甘やかすと食い物にされるから」
「これで足りますか」
「12分に足りるわ。これで満足のいくように葬儀ができるし生き残りたちにも道を与えられるわ」
後のことはよろしく、それで少年は去った。
それを見た私の心は嫉妬に満たされる。
「(どこかの御曹司か貴族の子弟から知らないが容易く金塊を渡すぐらいだ世の中の道理など知らないだろう)」
私は悪しき心にとらわれこの少年から金品を巻き上げようと計画を練る。
私だけでは説得力に欠けるから仕事がなくて油を売っている異端審問官と免罪符売りに声をかけよう。たっぷり搾り取ってやるからな。
彼らは欲望に火をつけられ現実を見ないことにした。その結果が民衆からの反発だった、民衆の前で自らの不道徳な行いを咎められてしまう。
「あなた達、自分のしたことが分かっているのかしら」
支部長ら幹部たちに3人が呼び出され質問を受ける。皆お怒りのようだ。
「我らはただ世を乱す破落戸が持っている罪なき者らから奪った財貨を教会に納めるべく…」
それを聞いた途端支部長らは怒りの声を上げる。
「教会は弱者からの願いを聞き奇跡を願う善良な市民に寄り添う組織なのよ。お前らは寄進お布施と五月蠅いけど」
「それがなくては教会はやっていけません。だからこそ我らが管理するのです」
「本気で言ってるの。お前らの主義主張は『拝金主義者』と何ら変わりないわ。教会としても寄進お布施は大切よ、でも人の営みを悲しみ心穏やかに墓に葬られる者らの気持ちが分からないの」
支部長はこの時点で3人が悪しき野心の持ち主であることを理解した。そして、しかるべき処分を行うことを決定する。
「今までご苦労様でした」
『はい。我らは今後とも教会のために』
彼らは支部長の言った「ご苦労様」の言葉を完全に勘違いしていた。彼らが出て行ったあとに。
「彼ら3人だけじゃなく異端審問官や免罪符売り達も教会の評判を広めるのに迷惑なのよね」
奴らじゃ教会の評判と求心力を下げるだけ、なので即座に破門にしてしまう。彼らと関わる全ては教会の汚点として容赦なく掃除されてしまった。
もはや彼らは神の信徒ではなくなってしまったのだ。彼らがそれを知るのは取り返しのつかないことになった後だった。
見た目は純朴な少年が神官と異端審問官と免罪符売り3人を相手に正々堂々と神の御心を説いてしまった。
それに全く反論できない3人は狼狽した。
『なぜこのような幼い子供が我々以上に神の心を説けるのかと』
この3人は教会で働いているが評判はよろしくない。
神官はお布施寄進のノルマ稼ぎしか頭になく、異端審問官も破落戸まがい、免罪符売りはただの紙切れの販売、それだけだ。神の偉大さなど頭にはなくただただ自分の懐に入る金だけしか頭にない。
典型的な汚職者である。実家のコネで入った教会でもその素行は変わらず金稼ぎしか頭にない上に状況の判断能力も皆無。
この少年が以前大量の死体袋と放心している女性らを連れてきたときに出た言葉は「寄進お布施はいかほどでございますか」だ。
この少年は顔にこそ出さなかったが「面倒くさい連中」だと判断した。
「(フン、我らの労力を顧みない破落戸風情がなにをしろと。埋葬など手間がかかって煩わしいわ)」
追い払おうとしたが奥から妙齢の女神官が出てきた。この教会の支部長である。
「いったい何ごとなのかしら」
チッ、やたらと教会の慈悲を教えろと五月蠅い支部長め。我らが寄進のノルマを達成するのにどれほど苦労しているのかわからないエリートどもが。心の中で非難する。
結論から言えば「お前が悪い」である。寄進を行ったものに奇跡を使わずひたすら金を取ろうとするだけの悪神官に人望が集まるはずがない。ノルマを達成できないのも人心を掴めない自分のせいなのにそれに気づこうとすらしない。
典型的汚職神官である。
「突然やってきた無作法者を追い返そうと」
「ふーん。でも、その背後にある大量の死体袋と女性らは一体どういうことなのかしら」
この少年は私ではなく支部長に話を通したほうが早いと判断し私を無視しして交渉を始める。
「なんだ。ちゃーんとした犠牲者の供養と不幸な目にあった人たちを保護してほしいってことなのね」
「はい」
これで話はまとまった、と。誰もがおもったが。
「支部長殿、我ら教会は慈善団体ではないのですぞ。しかるべき対価を取らねば経営が」
私は金なき者に相手にする価値はないと言うが支部長は耳を貸さなかった上私を奥に引っ込めた。命令なので仕方なく下がるが建物の陰から対応を見る。
「ごめんなさいね。最近モンスターが増えて犠牲者が担ぎ込まれることが多くて対応が甘くなっているのよ」
「あなたはちゃんとした対応をしてくれました。それで充分です」
その少年は支部長の手の中に何かを渡す。
「まぁっ」
それは金塊だった。それも大きく5つも。な、なぜあのような子供があれほどの大金を持っているのだ。
「あなたはちゃんと話が分かる冒険者なのね。そういうことならば教会はしかるべき対応をしませんとね」
ニッコリと支部長がほほ笑む。クソっ、あれだけ金持ちなら真面目に対応すれば私の手の中に入ったのに。後悔しても後の祭りだった。
「地獄の沙汰も金次第、って色々な人が言うけど。埋葬の労力を割くのは教会ですから」
「そうよねぇ、破落戸まがいの連中を甘やかすと食い物にされるから」
「これで足りますか」
「12分に足りるわ。これで満足のいくように葬儀ができるし生き残りたちにも道を与えられるわ」
後のことはよろしく、それで少年は去った。
それを見た私の心は嫉妬に満たされる。
「(どこかの御曹司か貴族の子弟から知らないが容易く金塊を渡すぐらいだ世の中の道理など知らないだろう)」
私は悪しき心にとらわれこの少年から金品を巻き上げようと計画を練る。
私だけでは説得力に欠けるから仕事がなくて油を売っている異端審問官と免罪符売りに声をかけよう。たっぷり搾り取ってやるからな。
彼らは欲望に火をつけられ現実を見ないことにした。その結果が民衆からの反発だった、民衆の前で自らの不道徳な行いを咎められてしまう。
「あなた達、自分のしたことが分かっているのかしら」
支部長ら幹部たちに3人が呼び出され質問を受ける。皆お怒りのようだ。
「我らはただ世を乱す破落戸が持っている罪なき者らから奪った財貨を教会に納めるべく…」
それを聞いた途端支部長らは怒りの声を上げる。
「教会は弱者からの願いを聞き奇跡を願う善良な市民に寄り添う組織なのよ。お前らは寄進お布施と五月蠅いけど」
「それがなくては教会はやっていけません。だからこそ我らが管理するのです」
「本気で言ってるの。お前らの主義主張は『拝金主義者』と何ら変わりないわ。教会としても寄進お布施は大切よ、でも人の営みを悲しみ心穏やかに墓に葬られる者らの気持ちが分からないの」
支部長はこの時点で3人が悪しき野心の持ち主であることを理解した。そして、しかるべき処分を行うことを決定する。
「今までご苦労様でした」
『はい。我らは今後とも教会のために』
彼らは支部長の言った「ご苦労様」の言葉を完全に勘違いしていた。彼らが出て行ったあとに。
「彼ら3人だけじゃなく異端審問官や免罪符売り達も教会の評判を広めるのに迷惑なのよね」
奴らじゃ教会の評判と求心力を下げるだけ、なので即座に破門にしてしまう。彼らと関わる全ては教会の汚点として容赦なく掃除されてしまった。
もはや彼らは神の信徒ではなくなってしまったのだ。彼らがそれを知るのは取り返しのつかないことになった後だった。
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