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第一〇章:Where have all the good men gone? And where are all the gods?

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「ああ、ちょ……ちょっと待って……」
 本当だったら、すぐに2つに分けたり、分けたのを折り畳める筈の棒。
 ……の筈なんだけど、それが巧く出来ない。
「単純な棒術なら基本は出来てんで、本番では単なる一本の棒として使った方がいいんじゃないかな?」
 練習に付き合ってくれてる沙也加ちゃんのお兄さんは、やれやれと言った感じでコメント。
 どうやら、ここは貸倉庫の中らしい。
 ざっと見て少なくとも二〇人以上もの……年齢も服装もバラバラな人達が、食事をしたり、休憩したり、何かの準備をしている。
「ところで、この2人、何て呼べばいいんだ?」
 そう声をかけてきたのは……あのクソ女の親類。
 その片手には……強化プラスチックか何かで出来てるらしい変な形の細長い手提げケースみたいなモノを持ってる。
「えっと……あたしの名前は……」
「ここでは本名はNG。その他、他人の個人情報を口にするのは、全部、NG。どこの誰かを直接特定出来なくても、手掛かりになる可能性のある情報もNG」
「あ……そうなの……」
「じゃあ、面倒なんで、新入りレッドと新入りブルーで」
二〇世紀おおむかしの戦隊モノじゃあるまいし……」
 クソ女の親類の適当にも程が有るネーミングに、沙也加ちゃんのお兄さんがコメント。
「ところで、それ、何?」
 あたしは、謎の手提げケースを指差して、そう訊いた。
「使い捨て荷電粒子砲」
「えっ?」
「使い捨て荷電粒子砲」
「え……えっと……」
「吸い込んだ空気をイオン化してブッ放つ。テストした結果では……収束モードなら、当たり所さえ良ければ、軍用の主力戦車の装甲もブチ抜ける筈だ。前後両方に、ほぼ同じエネルギー量の荷電粒子をブッ放ってしまうのと、1回使うと、それでブッ壊れるのが、欠点だけど」
「あと、町中で使うには威力がデカ過ぎる」
「そ……そんな危険なモノ……」
 ところが、沙也加ちゃんが……その危険極まりない武器を受け取り……。
「1回でブッ壊れる上に、威力がデカ過ぎるんで、充電するのも現場でやってくれ」
「わかった」
 そう言いながら、クソ女の親類は、沙也加ちゃんに、その危険極まりない武器の使い方の説明を始めた。
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