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第六章:Rebel Without a Clue
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屋上での練習を終えてクソ女の部屋に戻ると……。
爆発音。
獣の咆哮。
いくつもの悲鳴。
何かのゲームのBGM。
「うがああああッッッッ‼」
そして、クラスメイトの沙也加ちゃんが、この部屋に来た日に戻ってきたクソ女の「姉妹喧嘩中の妹」の怒りの声。
「入るぞ。何やってんだ? また、喧嘩か?」
師匠の千明さんがクソ女の妹の部屋の襖を開けると……机の上に有るバカデカいPC用の画面には……オンラインRPGが表示されている。
熊人間が、口から電光や炎を吐き、何故が光っている両手の爪を振り回しながら……雑魚敵を虐殺していた。
「大丈夫、ちょっと変な頼まれ事が有って、ストレスが溜ってるだけだから……」
「そ……そうか……」
クソ女の部屋は静かだったが……。
「こっちの練習は終ったんで、こいつの夏休みの宿題……どうした?」
クソ女の方は……げんなりした表情で、恐竜のヌイグルミをまとめて4つ抱き締めて……ベッドの上で横になっていた……。
「大丈夫だ。ちょっと変な頼まれ事を片付けてて……疲れただけだ。おい、宿題は台所のテーブル使って自分でやって、判んない所が有った時だけ呼んでくれ」
「一体、2人そろって、何が有った?」
「ちょっとな……ある小説投稿サイトに載ってるラノベを読んで感想を送れと言われたけど……作者が……その……どう考えても……精神的に……何だ……えっと……」
「誰が書いたどんな話なんだ、そりゃ?」
クソ女はヨロヨロと立上り……自分のPCの画面ロックを解除。
その手の最大手「ラノベ作家を始めよう」の、あるアカウントの小説一覧が……。
「何だ、こりゃ、魔法少女ものばっかり……ん? おい、これ……何か変だぞ」
「気付いたか……? 読了推定時間二〇〇分以上の話を2週間で5本完結させてる」
「ちょっと……多作だな……。今まで書き溜めたのを一気に投稿したのか?」
「いや……今月に入ってSNSでバズったネタがいくつも入ってた。多分だが、本当に2週間で五〇万字以上書いてる」
「よく書けたな……」
「そりゃ……誤字脱字だらけ、文章はどんどん雑になっていって、同じよ~なテンプレ通りで何の捻りもない話をキャラの名前だけ変えて繰り返して書いてる」
「そ……そうか……」
「これを全部、今月末締切の新人賞に応募してる」
「ま……まぁ、その……そう言う奴は……この手のサイトには結構……何だ……」
「ああ、普通なら、よく居る残念な人だが……この作者が、例の『呪われた魔法少女のステッキ』を持ってたなら話は別だ」
爆発音。
獣の咆哮。
いくつもの悲鳴。
何かのゲームのBGM。
「うがああああッッッッ‼」
そして、クラスメイトの沙也加ちゃんが、この部屋に来た日に戻ってきたクソ女の「姉妹喧嘩中の妹」の怒りの声。
「入るぞ。何やってんだ? また、喧嘩か?」
師匠の千明さんがクソ女の妹の部屋の襖を開けると……机の上に有るバカデカいPC用の画面には……オンラインRPGが表示されている。
熊人間が、口から電光や炎を吐き、何故が光っている両手の爪を振り回しながら……雑魚敵を虐殺していた。
「大丈夫、ちょっと変な頼まれ事が有って、ストレスが溜ってるだけだから……」
「そ……そうか……」
クソ女の部屋は静かだったが……。
「こっちの練習は終ったんで、こいつの夏休みの宿題……どうした?」
クソ女の方は……げんなりした表情で、恐竜のヌイグルミをまとめて4つ抱き締めて……ベッドの上で横になっていた……。
「大丈夫だ。ちょっと変な頼まれ事を片付けてて……疲れただけだ。おい、宿題は台所のテーブル使って自分でやって、判んない所が有った時だけ呼んでくれ」
「一体、2人そろって、何が有った?」
「ちょっとな……ある小説投稿サイトに載ってるラノベを読んで感想を送れと言われたけど……作者が……その……どう考えても……精神的に……何だ……えっと……」
「誰が書いたどんな話なんだ、そりゃ?」
クソ女はヨロヨロと立上り……自分のPCの画面ロックを解除。
その手の最大手「ラノベ作家を始めよう」の、あるアカウントの小説一覧が……。
「何だ、こりゃ、魔法少女ものばっかり……ん? おい、これ……何か変だぞ」
「気付いたか……? 読了推定時間二〇〇分以上の話を2週間で5本完結させてる」
「ちょっと……多作だな……。今まで書き溜めたのを一気に投稿したのか?」
「いや……今月に入ってSNSでバズったネタがいくつも入ってた。多分だが、本当に2週間で五〇万字以上書いてる」
「よく書けたな……」
「そりゃ……誤字脱字だらけ、文章はどんどん雑になっていって、同じよ~なテンプレ通りで何の捻りもない話をキャラの名前だけ変えて繰り返して書いてる」
「そ……そうか……」
「これを全部、今月末締切の新人賞に応募してる」
「ま……まぁ、その……そう言う奴は……この手のサイトには結構……何だ……」
「ああ、普通なら、よく居る残念な人だが……この作者が、例の『呪われた魔法少女のステッキ』を持ってたなら話は別だ」
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