血よりも赤い瞳

奈々野圭

文字の大きさ
36 / 40

第36話 写真 **

しおりを挟む
 ドアを開け、中に入る。部屋は妙に静かだ。先程まで美咲と話をしていたから、余計にそう感じるのかもしれない。

 薄暗いせいか、肌寒く感じる。それと共に、頭が冷やされる感覚になる。

 マグカップを脇に置くと、パソコンを立ち上げた。パソコンのディスプレイが明るくなり、デスクトップ画面が現れた。時計は丁度、九時を指している。

 まずはメールをチェックすることにする。仕事用のメールアドレスに大量のメールが届いていた。一つずつ開いて読んでいく。

 大体は業務開始に関する通知や取引先からの日程連絡などである。中には、営業時間の変更に関する連絡もある。

 一通り確認し終え、必要のあるメールにだけ返信を済ませた。

 次に、Webサイトの更新予定を確認する。智也が現在関わっている案件は、三件ある。いずれも納期まで余裕があった。

「まぁ、とっとと終わらせるに限るな。何があるかわからんし」

 智也はコーヒーを飲みながら、マウス手にする。次々とクリックしていき、サイトの更新作業を始めた。

 昼になる。智也はコンビニへ向かい、サンドイッチとコーヒーを買う。イートインスペースがあるので、そこで食べることにした。

 昼食を済ませ、自宅に戻る。丁度、昼休憩が終わる時間だ。
 智也はそのまま、サイトの更新作業を進めた。

 十五時になる。今日はミーティングがある。智也はカメラをセットし、オンラインで参加した。

「さーて、今日の仕事はおしまい」

 夕方、これといって急な案件はない。智也はパソコンをシャットアウトした。電源が落ちているかどうか、入念に確認する。
 電源が入ってないことを確かめた後、クローゼットの前に移動した。

「おい、出てこい」

 クローゼットの戸をノックしながら、声をかける。いささか高圧的な口ぶりになっている。

 間髪入れず、戸を開けた。体育座りをしており、上目遣いになっている純と目が合う。

「いいから出てこい」
 もう一度、命令を下す。純が這うように出てきた。

「最近餌やりの頻度減ってるけど、その調子じゃ平気そうだ」
 智也は純の髪をつかみ、顔を上に向けさせた。純は表情を変えない。

「つってもこのまま放置ってのも、流石に良心が痛むからな。今から餌やりだ、と言いたいとこだが」

 髪の毛から手を離すと、ボトムスのジッパーを下ろす。下着も下ろし、陰茎を出した。それを純の顔にあてがう。

「これをしゃぶってもらおうか。いいか。絶対に歯を立てるなよ」

 智也は念を押した。そうしないと食いちぎられるかもしれない。咬合力は健太の件で実証済みだからだ。

 純は「わかった」というと、陰茎をくわえこんだ。

「口を上下させるんだ」
 智也は命令する。「わかった」と返事をする代わりに、頭を動かし始める。

「ふぅ……」
 智也はため息を吐く。口内で陰茎が徐々に大きくなる。

 純の方に目を落とす。口がひょっとこのようになっている。フェラチオをさせると、どうしたってそうなってしまうのだ。

 整った顔が幾ばくか崩れている様を、智也は優越感を持って見ていた。

 物足りなくなってきたのか。智也は右手で純の頭を押さえつけると、腰を降り出した。喉の奥を突かれているせいか、純は時折嘔吐えずく。それでも抵抗する素振りは見せなかった。

 こんなことは、美咲相手にはできないことだ。美咲のことは、愛している。それは変わらない。

 ただ、セックスとなると話は別だ。愛し合っているからこそ、無理なプレイはできない。

 それに引替え、純は都合がよかった。まず顔がいいし、抱き心地も悪くない。なにより、やりたいときにやらせてくれる。

 智也にしたら、純はよくできたおもちゃだった。

「しゃぶるのやめろ」

 智也は口から陰茎を引き抜いた。陰茎はそそり立ったままだ。純の口が半開きになる。

「そのままにしてろよ」
 陰茎を純の顔の前で扱く。純は動かずじっとしている。

「はぁ、はぁ、うっ」

 智也は呻き、射精した。純の顔に精液がこびりつく。純は目を開いたまま動かない。顔に付いた精液を拭こうともしなかった。

「やってみたかったから、やったのはいいけど。賢者モードになってるからか、『何やってんだ俺』って気分になるな。顔射はリアルでやるもんじゃない」

 智也はボトムスを整えると、純の顔をまじまじと見る。純は微動だにしない。顔に精液が付いたままだ。

「撮ってみるか。あとで見返せば抜けるかもしれない。万が一見られても大丈夫だよな。スマホ画面でもこいつは俺にしか見えないし」

 スマホを手に取ると、純を撮影した。画面には顔射された純の姿が写っている。

「もういいぞ。顔についてるのを吹いてくれ」

 智也はティッシュ箱を投げるように置く。純はティッシュを取ると、それで顔を吹いた。

「ケツはまた今度な。そういう気分じゃないし」
 純の肩を叩いて言った。
「お前がケツ好きなのは知ってるから」

 智也は部屋を後にする。純は体が硬直したかのように動かなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...