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第2話 戦乙女の試練
しおりを挟むシルフィアに導かれ、アルフレッドは彼女の根城へと足を踏み入れた。そこは人里離れた山奥にある砦で、戦乙女たちが修練を積む場だった。風の冷たさが肌を刺し、厳格な雰囲気が漂うその場所に、アルフレッドはどこか居心地の悪さを感じていた。
「ここが私たちの砦だ。アルフレッド、お前には試練を受けてもらう」
シルフィアはアルフレッドを振り返り、凛とした瞳でそう告げた。その声には威圧感があり、逆らう余地を感じさせない。
「試練だと? 俺はただの剣士だぞ。戦乙女の試練なんてものが俺に必要なのか?」
アルフレッドは困惑しながら問い返す。しかし、シルフィアは微動だにせず答えた。
「必要かどうかを決めるのは私ではない。お前自身だ。自分の剣に価値を見いだしたいのなら、この試練を乗り越えろ」
その言葉に、アルフレッドの胸に一抹の反発心が芽生えた。だが同時に、挑まなければならないという妙な義務感も湧き上がる。
「いいだろう。その試練、受けてやる」
アルフレッドは腰の剣に手をかけながら答えた。
砦の広場には、大きな石の台座が置かれていた。その中央には輝く青い宝玉が据えられており、周囲には魔法陣のような模様が刻まれている。
「試練は簡単だ。この宝玉に手を触れ、自分の意志を示せ。ただし、宝玉が拒絶すれば、お前の存在そのものが砕け散る」
シルフィアの言葉に、アルフレッドは思わず息を呑んだ。
「命を懸けろってことか……」
呟いた声は誰にも届かない。アルフレッドは静かに歩み寄り、台座の前に立った。そして剣を鞘から抜き取り、自らの前に掲げる。
「俺の剣は俺そのものだ。この命がどうなるかなんて、俺が決める!」
覚悟を決めたアルフレッドは、勢いよく宝玉に手を伸ばした。その瞬間、眩い光が広場を包み込む。風が渦を巻き、砦全体が揺れるような轟音が響き渡った。
光が収まると、シルフィアは目を見開いて立ち尽くしていた。アルフレッドの姿は変わらずそこにあり、その手には青い宝玉が握られていたのだ。
「お前……本当に成功するとは……」
シルフィアの驚きの声を聞きながら、アルフレッドは宝玉を握り締めたまま呟いた。
「これで、俺は認められたのか?」
その問いに、シルフィアは少しだけ微笑んで答える。
「まだだ。だが、お前は試練を乗り越えた。それだけで十分に特別だ」
この日、アルフレッドは戦乙女たちからの第一歩としての認めを受けた。そして、彼自身も気づかないうちに、シルフィアの心の奥底に小さな感情が芽生え始めていたのだった。
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