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募集

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 それから1ヶ月もすると、Alternativeは社会的なブームとなり、学校のほとんどの生徒がAlternativeを持ってくる様になった。也沙のAlternativeの強さは噂になり、也沙のクラスの生徒だけで無く他のクラスの生徒も也沙に挑戦しに来る様になった。それでも也沙はこの1ヶ月負け知らずだった。
 
 そんなある日、小田島が週刊の少年漫画雑誌を手に也沙の席に来た。小田島が「ちょっとこれ見ろよ」と雑誌の広告を也沙に見せた。

 そこには「Alternative挑戦者募集、貴方の幸運を掛けて10億円にチャレンジしてみませんか?」とデカデカと書いてあった。その下には「地方予選を勝ち抜き、本戦で優勝した方に5億円、その後Σジャパン社長に挑戦し勝った場合は更に5億円が進呈されます」と書いてあった。
 
 小田島は「これ凄くない? 天願応募しろよ」と言った。也沙が「こんなの無理に決まってるじゃん」と言うと、三枝が「也沙なら意外と優勝とかしちゃうかもよ? なんせ也沙は無敗の帝王なんだから」と言った。也沙が「いやいや、全国となると話しは別でしょ、それにあたし女だし」と言うと、小田島が「本戦まで行けば賞金出るみたいだぜ」と言った。也沙は「あたしが女だってとこはスルーですか!2人ともあたしを何だと思ってんの!?」と三枝と小田島を睨みつけた。
 
 放課後、三枝は用事があるとかで也沙が1人で帰宅していると、後ろからプッとクラクションを鳴らされた。振り返ると、赤いミニクーパーが左によりハザードを点けて止まった。

 助手席の窓が開くと「也ちゃん今帰り?乗ってく?」と声をかけられた。也沙は「お兄ちゃんだ!」と言って車に駆け寄り助手席のドアを開けると「お邪魔しまぁ~ す」と言って乗り込んだ。
 
 神野が車を出すと也沙は「お兄ちゃんの作ったAlternative大人気だね」と言った。神野が「アニメの人気もあって、小学生に好評みたいだね」と言うと也沙は「高校生の間でも大人気だよ、生徒全員って言って良いほどみんな持ってるもん」と言った。神野は「それは嬉しいな」と言って微笑んだ。
 
 神野が「也ちゃんも買ってくれたの?」と聞くと、也沙は「お兄ちゃんに学校まで送ってもらった日に買ったよ」と答えた。神野が「面白い?」と聞くと、也沙は神野に向けてVサインをして「うん、あたしまだ負け知らずなんだよ」と言った。

 神野は「実際に遊んだ人から面白いって言われると、めっちゃ嬉しいな」と言った。それから神野は「今度大会があるの知ってる? そんな強いなら出てみれば?」と言った。

 也沙が「友達にも勧められたけど……」と言うと、神野は「駄目もとで参加してみたら? 同じ後悔するなら、やらないで後悔するより、やって後悔する方が良いと思うけどな」と言った。也沙は「そっか…… 考えてみよっ」と言った。


 
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