56 / 84
第5章三国会議
7.獣人の村
しおりを挟む
バーベキューをしていたらいつの間にか餓えた獣に囲まれていた。
「ちょっ、明!何よこの人達!」
鈴が言った通り獣であって人、いわゆる獣人だ、見た目は人に獣耳としっぽが着いているくらいか?
「うーむ、とりあえず」
串焼きを一本手に持ち近づく。
「ちょっと明くん!危ないよ!」
「平気だたぶん、ほら食べていいぞ」
近くに居た老人の目の前に串焼きを差し出す。
「お、おぉ、おぉ」
老人は串焼きを受けとると涙を流しながら膝間付き、一心に貪りつく。
「明、何してんの?」
「ん?何って、餌付け」
「いろんな意味で酷いので辞めなさい」
澪に怒られる、ふむ、膝間付き泣きながら串焼きを食べる老人(けもみみ)を見下ろす高校生、うん、絵面がやばい。
そう考えていると食べ終わった老人が話しかけてくる。
「おぉ、食べ物を恵んで頂きありがとうございます」
「気にするな」
「ついては、お願いが……」
「村にも食糧が欲しいんだろ?」
「な、何故それを!」
「秘密だ」
「あ、そっかだからエレナちゃんに大量の食糧を頼んだのね」
事前にナビさんから話を聞いていた俺は、エレナ姫に頼み食糧を運んで貰っている、その理由は……
「獣人達の住む村で大飢饉が起きている、そうだろ?じいさん」
「な、なぜそれを?」
「秘密だ、それと仲間が食糧を運んできてくれる手はずになっている」
「ほ、ほんとうですか?」
「あぁ、だから少し待て、その間に俺達はピクニックの続きだ」
何事も無かった様にバーベキューを食べ始めると、鈴から待ったが掛かる。
「いや、この状況で普通に食べられないから」
周りには腹を空かせた獣人がいっぱい、中には涎を垂らしている者もいる、確かに落ち着かないな。
「しょうがない、クロエ少し配ってやれ」
「畏まりました明様」
これで落ち着いて食べれる。
しばらくして、エレナ姫が数台の馬車と共に現れる。
「予想していたより多いな」
「ダイア陛下とクリスティア猊下が協力して下さったのです」
「エレナ姫、ほうなるほど案外役に立つな」
「はい、それでダイア陛下から伝言があります」
「なんと?」
「これで借金をちゃらにと」
「ふむ、減額はしよう」
「そ、そうですか」
エレナ姫が苦笑いをする、さすがにこれでちゃらは無いわ。
「とりあえず、じいさん村まで案内してくれ」
「わかりました」
獣人のじいさんに案内してもらい、いざ獣人の村へ。
村に着いて初めに目に入ったのは荒れ果てた土壌と、生き倒れる獣人達だった。
「こりゃひどいな」
「早く炊き出しをした方がいいね」
「そうだな、じいさん炊き出しをするから村人を集めてくれ、動けそうにないやつは無理に動かさないでいい、後使えそうな鍋を集めろ、できるだけ大きいものがいい」
「わかりました」
さて、いざ炊き出しを始めようとすると問題が発生した。
「よし、明くん私も頑張るよ!」
「うむ、手伝おう」
「工藤様、まずは何をしますか」
この戦力外達をどうするか、仕方ない余裕がないのでハッキリ言おう。
「澪、敦、エレナ姫すまない」
「ど、どうしたの明くん?」
「今、物資の限られた現状で少しも無駄にする事はできない、だから、だから……」
「く、工藤様?」
「三人に食材を触らせる事はできないんだ!どうか、どうか多くの命を救うためと分かってもらいたい!!」
「わ、わかったから泣かないで明くん」
「明がここまで言うとは……」
「私達、そんなになんですかね?」
正直に言おうそんなになんですエレナ姫、前に話した通り敦は不器用、澪はミュータント錬成器、そしてエレナ姫は前に試しにクッキーを作らせたら味が消えた。
何を言ってるかわからないだろ?いや、でもマジなんだって、口に入れた筈なのにまったく味が無かった、噛み終わって味がなくなったガムを食べてる気分だった、一瞬自分の味覚が無くなったと思って、慌てて近くに有った柑橘系の果物を丸噛りした、ものすごい酸っぱかったけどそれに安堵したね。
「という訳で三人は隅で大人しくしててくれ、配膳の時呼ぶから」
「う、うん、わかったよ」
さて、何とか食材は死守したぞ。
「ところで明、何を作るの?」
「うーん、とりあえず具だくさんのスープは確定、他に何がいいと思う?」
「そうだね、消化に良いものがいいと思うよ、何日も食事をしていない状態で急に食べると吐いちゃうからね」
あ、確かに司に言われて気づいたけど、肉はダメだったか?まぁ、平気そうだから大丈夫か。
「じゃあスープと豆類を煮たもの、後は柔らかいパンとかで良いかな?」
「そうだな、お粥とかが良いんだろうが、米がないからな」
この世界米っぽい物はあるが、ちゃんとした米ではない、なのでお粥にできるか分からないので×だ。
「明様、鍋の用意ができました」
「よし、じゃあ始めるか」
司に煮豆、鈴に一緒にスープを作ってもらう、クロエ達には村の詳しい状態を調べてもらう医療の知識も有るらしい、メイドとはいったい……
などとメイドの定義に疑問をもっていると不意に鈴が聞いてくる。
「ねぇ明、気になったんだけど」
「んー、どうした?」
「動物って食べさせちゃいけない物有るよね?」
「あ、しまった」
そう言えば、玉ねぎが毒とか有ったな、大丈夫なのか?
〈大丈夫なようです、先ほどクロエの渡していた物も食していました〉
おぉさすがナビさん良く見てる、でも一様念のため。
「おーい、じいさんあんたら食べちゃいけない物あるか?」
「い、いえ特には」
「なら良かった」
どうやら大丈夫らしい、なら遠慮無く具を沢山入れる、なるべく噛みやすい様にかつ消化に良いように良く煮込む、食べごたえを出すために肉も入れるが小さくサイコロ形にする、これくらいなら平気だろう。
「明、こっちの煮豆は終わったよ」
「スープも完成だ、よし澪達出番だぞ」
「うん、任せて!」
澪達に配る手伝いをお願いして村の連中を集める、まずは子供と老人を優先だ。
「おい、じいさんも並べよ」
「いえ、村長のワシは最後でお願いします、他の村人に多くあげてやって下さい」
あ、このじいさん村長だったのね、てゆーか村長に俺何してんだろ。
「心配しなくても多めに作って有るから全員に行き渡るよ」
「本当に何と感謝して良いやら」
「感謝はいいから話を聞かせてくれ、なぜこんな事になった?」
「明様、恐らくこれが原因かと」
そう言ってクロエが差し出したのは枯れた雑草。
「あー、なるほど日照りか」
「はい」
要するに雨が降らずに作物が育たなかった、良くあるパターンだな。
「対策はして無かったのか?」
「いえ、雨の多い時期に溜めていたのですが、今年は例年に比べ雨が少なく……」
それは対策していたとは言わないんじゃない?
「……水を何処かから引く事はできないのか?」
「……この村は川から遠く引くには時間と労力がないのです」
「なら、今までどうやって生きてきたんだ?」
「今までは魔王様が食糧などを村に寄付して下さっていたのです」
「魔王が?」
「はい、周辺の村から……」
もしかしなくても、略奪品か。
「我々もこのままでは良くないと分かっているのですが……」
村は川から遠く、森で狩をしようにも魔物の巣窟、打つ手は確かに無さそうだな。
「なら、移住したらどうだ?せめてもう少し住みやすい所に」
「それはできません、これはワシらのせめてものの罪滅ぼしなのです」
何か訳ありか、たぶん魔王城に居る魔王と関係が有るんだろうな、面倒な事になりそうな予感がする。
「ちょっ、明!何よこの人達!」
鈴が言った通り獣であって人、いわゆる獣人だ、見た目は人に獣耳としっぽが着いているくらいか?
「うーむ、とりあえず」
串焼きを一本手に持ち近づく。
「ちょっと明くん!危ないよ!」
「平気だたぶん、ほら食べていいぞ」
近くに居た老人の目の前に串焼きを差し出す。
「お、おぉ、おぉ」
老人は串焼きを受けとると涙を流しながら膝間付き、一心に貪りつく。
「明、何してんの?」
「ん?何って、餌付け」
「いろんな意味で酷いので辞めなさい」
澪に怒られる、ふむ、膝間付き泣きながら串焼きを食べる老人(けもみみ)を見下ろす高校生、うん、絵面がやばい。
そう考えていると食べ終わった老人が話しかけてくる。
「おぉ、食べ物を恵んで頂きありがとうございます」
「気にするな」
「ついては、お願いが……」
「村にも食糧が欲しいんだろ?」
「な、何故それを!」
「秘密だ」
「あ、そっかだからエレナちゃんに大量の食糧を頼んだのね」
事前にナビさんから話を聞いていた俺は、エレナ姫に頼み食糧を運んで貰っている、その理由は……
「獣人達の住む村で大飢饉が起きている、そうだろ?じいさん」
「な、なぜそれを?」
「秘密だ、それと仲間が食糧を運んできてくれる手はずになっている」
「ほ、ほんとうですか?」
「あぁ、だから少し待て、その間に俺達はピクニックの続きだ」
何事も無かった様にバーベキューを食べ始めると、鈴から待ったが掛かる。
「いや、この状況で普通に食べられないから」
周りには腹を空かせた獣人がいっぱい、中には涎を垂らしている者もいる、確かに落ち着かないな。
「しょうがない、クロエ少し配ってやれ」
「畏まりました明様」
これで落ち着いて食べれる。
しばらくして、エレナ姫が数台の馬車と共に現れる。
「予想していたより多いな」
「ダイア陛下とクリスティア猊下が協力して下さったのです」
「エレナ姫、ほうなるほど案外役に立つな」
「はい、それでダイア陛下から伝言があります」
「なんと?」
「これで借金をちゃらにと」
「ふむ、減額はしよう」
「そ、そうですか」
エレナ姫が苦笑いをする、さすがにこれでちゃらは無いわ。
「とりあえず、じいさん村まで案内してくれ」
「わかりました」
獣人のじいさんに案内してもらい、いざ獣人の村へ。
村に着いて初めに目に入ったのは荒れ果てた土壌と、生き倒れる獣人達だった。
「こりゃひどいな」
「早く炊き出しをした方がいいね」
「そうだな、じいさん炊き出しをするから村人を集めてくれ、動けそうにないやつは無理に動かさないでいい、後使えそうな鍋を集めろ、できるだけ大きいものがいい」
「わかりました」
さて、いざ炊き出しを始めようとすると問題が発生した。
「よし、明くん私も頑張るよ!」
「うむ、手伝おう」
「工藤様、まずは何をしますか」
この戦力外達をどうするか、仕方ない余裕がないのでハッキリ言おう。
「澪、敦、エレナ姫すまない」
「ど、どうしたの明くん?」
「今、物資の限られた現状で少しも無駄にする事はできない、だから、だから……」
「く、工藤様?」
「三人に食材を触らせる事はできないんだ!どうか、どうか多くの命を救うためと分かってもらいたい!!」
「わ、わかったから泣かないで明くん」
「明がここまで言うとは……」
「私達、そんなになんですかね?」
正直に言おうそんなになんですエレナ姫、前に話した通り敦は不器用、澪はミュータント錬成器、そしてエレナ姫は前に試しにクッキーを作らせたら味が消えた。
何を言ってるかわからないだろ?いや、でもマジなんだって、口に入れた筈なのにまったく味が無かった、噛み終わって味がなくなったガムを食べてる気分だった、一瞬自分の味覚が無くなったと思って、慌てて近くに有った柑橘系の果物を丸噛りした、ものすごい酸っぱかったけどそれに安堵したね。
「という訳で三人は隅で大人しくしててくれ、配膳の時呼ぶから」
「う、うん、わかったよ」
さて、何とか食材は死守したぞ。
「ところで明、何を作るの?」
「うーん、とりあえず具だくさんのスープは確定、他に何がいいと思う?」
「そうだね、消化に良いものがいいと思うよ、何日も食事をしていない状態で急に食べると吐いちゃうからね」
あ、確かに司に言われて気づいたけど、肉はダメだったか?まぁ、平気そうだから大丈夫か。
「じゃあスープと豆類を煮たもの、後は柔らかいパンとかで良いかな?」
「そうだな、お粥とかが良いんだろうが、米がないからな」
この世界米っぽい物はあるが、ちゃんとした米ではない、なのでお粥にできるか分からないので×だ。
「明様、鍋の用意ができました」
「よし、じゃあ始めるか」
司に煮豆、鈴に一緒にスープを作ってもらう、クロエ達には村の詳しい状態を調べてもらう医療の知識も有るらしい、メイドとはいったい……
などとメイドの定義に疑問をもっていると不意に鈴が聞いてくる。
「ねぇ明、気になったんだけど」
「んー、どうした?」
「動物って食べさせちゃいけない物有るよね?」
「あ、しまった」
そう言えば、玉ねぎが毒とか有ったな、大丈夫なのか?
〈大丈夫なようです、先ほどクロエの渡していた物も食していました〉
おぉさすがナビさん良く見てる、でも一様念のため。
「おーい、じいさんあんたら食べちゃいけない物あるか?」
「い、いえ特には」
「なら良かった」
どうやら大丈夫らしい、なら遠慮無く具を沢山入れる、なるべく噛みやすい様にかつ消化に良いように良く煮込む、食べごたえを出すために肉も入れるが小さくサイコロ形にする、これくらいなら平気だろう。
「明、こっちの煮豆は終わったよ」
「スープも完成だ、よし澪達出番だぞ」
「うん、任せて!」
澪達に配る手伝いをお願いして村の連中を集める、まずは子供と老人を優先だ。
「おい、じいさんも並べよ」
「いえ、村長のワシは最後でお願いします、他の村人に多くあげてやって下さい」
あ、このじいさん村長だったのね、てゆーか村長に俺何してんだろ。
「心配しなくても多めに作って有るから全員に行き渡るよ」
「本当に何と感謝して良いやら」
「感謝はいいから話を聞かせてくれ、なぜこんな事になった?」
「明様、恐らくこれが原因かと」
そう言ってクロエが差し出したのは枯れた雑草。
「あー、なるほど日照りか」
「はい」
要するに雨が降らずに作物が育たなかった、良くあるパターンだな。
「対策はして無かったのか?」
「いえ、雨の多い時期に溜めていたのですが、今年は例年に比べ雨が少なく……」
それは対策していたとは言わないんじゃない?
「……水を何処かから引く事はできないのか?」
「……この村は川から遠く引くには時間と労力がないのです」
「なら、今までどうやって生きてきたんだ?」
「今までは魔王様が食糧などを村に寄付して下さっていたのです」
「魔王が?」
「はい、周辺の村から……」
もしかしなくても、略奪品か。
「我々もこのままでは良くないと分かっているのですが……」
村は川から遠く、森で狩をしようにも魔物の巣窟、打つ手は確かに無さそうだな。
「なら、移住したらどうだ?せめてもう少し住みやすい所に」
「それはできません、これはワシらのせめてものの罪滅ぼしなのです」
何か訳ありか、たぶん魔王城に居る魔王と関係が有るんだろうな、面倒な事になりそうな予感がする。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる