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ロンダリング
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しおりを挟む「オレは覚えてる。オレは常盤に勝ったと思ってるし、花菜野にも勝ったと思ってる」
と言うのだ。
「勝ったって」
「少なくとも、鳩羽はオレの子だ。日羽は、つまりそういうことだろ?」
「つまり?」
「オレは花菜野と身体の関係があったことはない。一回も、オレは彼女と寝たことはない」
「そ、それは花菜野も言っていたけど」
「でも、日羽は。つまり、あの時の子なんだよ。碧衣と花菜野の」
そこまで言われたところで、私は息が苦しくなってくる。私は緋々来の目を見た。
――――なんでそれを知っているの?
「あの検査結果を送って来たのは、まさか」
緋々来がうなずく。
「この前、子ども達からちょっとだけ検体を拝借した。どう見ても、鳩羽はオレに似てたし」
「写真と動画は?」
「知らない。もし、常盤が逮捕された証拠のことなら。どっちかがカメラを回してたか。ひょっとしたら、花菜野が保険をかけていたのかもしれない」
緋々来はそう言う。
あの映像は彼らが自作自演していた風には、見えなかったけれど。
それは本当のこと?
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