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ロンダリング
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あの日、一回だけ、花菜野と緋々来の身体で結ばれていた。
そのときに、日羽を授かった?
可能性としては考えなかったわけじゃない。
「オレたちの交換は、大学の頃で終わってるけど。他の奴らが、交換してなかったとは限らない」
と緋々来が続けて話してくるので、私の心臓は早鐘を打ち始めた。
「待って、それは。どういうこと」
「あいつらが不倫なんかするわけがない。碧衣にしか興味ないのに」
と自分の親指の先を噛みながら、緋々来は言う。
「で、でも。映像も残ってるし。常盤も証言していたから」
「事故の真相は分からないけど。あの二人が不倫してたって方が、分かりやすいだろ。一般的にはそう見える。ホテルに入ってたなら。でも、オレたちは、別の可能性を知ってるじゃん」
「まさか、常盤は」
「本当に不倫してるのが誰だったのかって、話になる」
緋々来の瞳が、私をとらえて離さない。
ぞわっと腰から背中にかけて、寒気がかける。
「うそ」
「仮に夫婦の営みってやつだとして。その相手が本当に常盤だったのかは、分からない」
「そ、そんなの」
華やかな香りをさせた常盤は、とても情熱的だった。いつになく、愛情表現が豊かで、感度がいい。
あれは――――まさか。
そのときに、日羽を授かった?
可能性としては考えなかったわけじゃない。
「オレたちの交換は、大学の頃で終わってるけど。他の奴らが、交換してなかったとは限らない」
と緋々来が続けて話してくるので、私の心臓は早鐘を打ち始めた。
「待って、それは。どういうこと」
「あいつらが不倫なんかするわけがない。碧衣にしか興味ないのに」
と自分の親指の先を噛みながら、緋々来は言う。
「で、でも。映像も残ってるし。常盤も証言していたから」
「事故の真相は分からないけど。あの二人が不倫してたって方が、分かりやすいだろ。一般的にはそう見える。ホテルに入ってたなら。でも、オレたちは、別の可能性を知ってるじゃん」
「まさか、常盤は」
「本当に不倫してるのが誰だったのかって、話になる」
緋々来の瞳が、私をとらえて離さない。
ぞわっと腰から背中にかけて、寒気がかける。
「うそ」
「仮に夫婦の営みってやつだとして。その相手が本当に常盤だったのかは、分からない」
「そ、そんなの」
華やかな香りをさせた常盤は、とても情熱的だった。いつになく、愛情表現が豊かで、感度がいい。
あれは――――まさか。
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