181 / 407
モンテスラに願いをこめて
2
しおりを挟む
「人生は長い旅なんだから。旅の時には、旅程をしっかり組むでしょう?」
「いや、オレは組まねぇけど」
「私は綿密に組むもん」
「知ってる、すげぇ知ってる。ただな、人生は筋書きのないドラマとも」
「お金の話にドラマはいらないの!」
「すんません」
有り余るほど持っているからなのか、桔平くんはお金に頓着がない。それとも、そういう人のところにお金が集まるものなのかなぁ?
いずれにしても、どれだけお金があっても失うのは一瞬だから。そうならないように、ちゃんとリスクヘッジをしていかないとね。これは、そのための計画書なのです。
「……ふーん。挙式披露宴に新婚旅行の費用まで、しっかり細かく書いてあるな」
「うん。そこ、特に大事だもん」
「どこ行きたいわけ?新婚旅行」
当たり前のようにこういう話ができるのって、すごく嬉しいな。ただぼんやり夢を描いているわけじゃなくて、ちゃんと現実のこととして考えてくれているんだもんね。
「桔平くんが今まで行ったところで、私を連れて行きたいなぁって思ったところがいい」
「そりゃ選択肢が多すぎだわ」
「じゃあ、世界一周する?」
「予算オーバーじゃね?」
「その場合は、このプランDになります」
「ははっ!さすが、抜け目ねぇわ」
桔平くんが大笑いする。この笑い声と笑顔には、いつもキュンとしてしまう。
思えば、出会った時からそうだった。はじめは怖いって思っていたのに、桔平くんの笑った顔がずっと頭から離れなくて。その時点で、もう完全に好きになっていたんだよね。
そのことを思い出したらムズムズしてきちゃって、勢いよく桔平くんに抱きついた。私がいきなり抱きつくのには慣れているから、桔平くんはひとしきり頭を撫でた後、自分の膝の上に抱っこしてくれる。
「結婚式も新婚旅行も、愛茉の好きにやりなよ。一生に一度しかねぇんだからさ」
「桔平くん、真っ白なタキシード着る?」
「絶対に着ねぇ。大体、白は花嫁の色だろ?オレは引き立て役でいいんだよ。主役は愛茉なんだし」
ああもう、大好き大好き大好き。今でも定期的に“桔平くんが好きすぎてたまらない病”を発症しちゃう。こうなると、とことん甘えたくて仕方なくなるの。いつも甘えてはいるけれど、余計に。
「桔平くん、好き」
「うん」
「好き好き好き」
「はいはいはい」
しがみついて胸に頬ずりすると、桔平くんがまた頭を撫でてくれた。
こうしてくっついている時間が、一番幸せ。落ち着くのにドキドキするのは、ずっと変わらないんだよね。
大好きな声。大好きな匂い。大好きな体温。どれだけ時間が経っても、どれだけ一緒にいることが普通になっても、好きなものは好き。
「いや、オレは組まねぇけど」
「私は綿密に組むもん」
「知ってる、すげぇ知ってる。ただな、人生は筋書きのないドラマとも」
「お金の話にドラマはいらないの!」
「すんません」
有り余るほど持っているからなのか、桔平くんはお金に頓着がない。それとも、そういう人のところにお金が集まるものなのかなぁ?
いずれにしても、どれだけお金があっても失うのは一瞬だから。そうならないように、ちゃんとリスクヘッジをしていかないとね。これは、そのための計画書なのです。
「……ふーん。挙式披露宴に新婚旅行の費用まで、しっかり細かく書いてあるな」
「うん。そこ、特に大事だもん」
「どこ行きたいわけ?新婚旅行」
当たり前のようにこういう話ができるのって、すごく嬉しいな。ただぼんやり夢を描いているわけじゃなくて、ちゃんと現実のこととして考えてくれているんだもんね。
「桔平くんが今まで行ったところで、私を連れて行きたいなぁって思ったところがいい」
「そりゃ選択肢が多すぎだわ」
「じゃあ、世界一周する?」
「予算オーバーじゃね?」
「その場合は、このプランDになります」
「ははっ!さすが、抜け目ねぇわ」
桔平くんが大笑いする。この笑い声と笑顔には、いつもキュンとしてしまう。
思えば、出会った時からそうだった。はじめは怖いって思っていたのに、桔平くんの笑った顔がずっと頭から離れなくて。その時点で、もう完全に好きになっていたんだよね。
そのことを思い出したらムズムズしてきちゃって、勢いよく桔平くんに抱きついた。私がいきなり抱きつくのには慣れているから、桔平くんはひとしきり頭を撫でた後、自分の膝の上に抱っこしてくれる。
「結婚式も新婚旅行も、愛茉の好きにやりなよ。一生に一度しかねぇんだからさ」
「桔平くん、真っ白なタキシード着る?」
「絶対に着ねぇ。大体、白は花嫁の色だろ?オレは引き立て役でいいんだよ。主役は愛茉なんだし」
ああもう、大好き大好き大好き。今でも定期的に“桔平くんが好きすぎてたまらない病”を発症しちゃう。こうなると、とことん甘えたくて仕方なくなるの。いつも甘えてはいるけれど、余計に。
「桔平くん、好き」
「うん」
「好き好き好き」
「はいはいはい」
しがみついて胸に頬ずりすると、桔平くんがまた頭を撫でてくれた。
こうしてくっついている時間が、一番幸せ。落ち着くのにドキドキするのは、ずっと変わらないんだよね。
大好きな声。大好きな匂い。大好きな体温。どれだけ時間が経っても、どれだけ一緒にいることが普通になっても、好きなものは好き。
0
あなたにおすすめの小説
【完】経理部の女王様が落ちた先には
Bu-cha
恋愛
エブリスタにて恋愛トレンドランキング4位
高級なスーツ、高級な腕時計を身に付け
ピンヒールの音を響かせ歩く
“経理部の女王様”
そんな女王様が落ちた先にいたのは
虫1匹も殺せないような男だった・・・。
ベリーズカフェ総合ランキング4位
2022年上半期ベリーズカフェ総合ランキング53位
2022年下半期ベリーズカフェ総合ランキング44位
関連物語
『ソレは、脱がさないで』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高4位
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高2位
『大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位
『初めてのベッドの上で珈琲を』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高9位
『“こだま”の森~FUJIメゾン・ビビ』
ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 17位
私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。
伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。
物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
Perverse
伊吹美香
恋愛
『高嶺の花』なんて立派なものじゃない
ただ一人の女として愛してほしいだけなの…
あなたはゆっくりと私の心に浸食してくる
触れ合う身体は熱いのに
あなたの心がわからない…
あなたは私に何を求めてるの?
私の気持ちはあなたに届いているの?
周りからは高嶺の花と呼ばれ本当の自分を出し切れずに悩んでいる女
三崎結菜
×
口も態度も悪いが営業成績No.1で結菜を振り回す冷たい同期男
柴垣義人
大人オフィスラブ
溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜
氷萌
恋愛
30歳を迎えた私は彼氏もいない地味なOL。
そんな私が、突然、人気モデルに?
陰気な私が光り輝く外の世界に飛び出す
シンデレラ・ストーリー
恋もオシャレも興味なし:日陰女子
綺咲 由凪《きさき ゆいな》
30歳:独身
ハイスペックモデル:太陽男子
鳴瀬 然《なるせ ぜん》
26歳:イケてるメンズ
甘く優しい年下の彼。
仕事も恋愛もハイスペック。
けれど実は
甘いのは仕事だけで――――
お前が愛おしい〜カリスマ美容師の純愛
ラヴ KAZU
恋愛
涼風 凛は過去の恋愛にトラウマがあり、一歩踏み出す勇気が無い。
社長や御曹司とは、二度と恋はしないと決めている。
玉森 廉は玉森コーポレーション御曹司で親の決めたフィアンセがいるが、自分の結婚相手は自分で決めると反抗している。
そんな二人が恋に落ちる。
廉は社長である事を凛に内緒でアタックを開始するが、その事がバレて、凛は距離を置こうとするが・・・
あれから十年、凛は最悪の過去をいまだに引き摺って恋愛に臆病になっている。
そんな凛の前に現れたのが、カリスマ美容師大和颯、凛はある日スマホを拾った、そのスマホの持ち主が颯だった。
二人は惹かれあい恋に落ちた。しかし凛は素直になれない、そんなある日颯からドライブに誘われる、「紹介したい人がいるんだ」そして車から降りてきたのは大和 祐、颯の息子だった。
祐は颯の本当の息子ではない、そして颯にも秘密があった。
フローライト
藤谷 郁
恋愛
彩子(さいこ)は恋愛経験のない24歳。
ある日、友人の婚約話をきっかけに自分の未来を考えるようになる。
結婚するのか、それとも独身で過ごすのか?
「……そもそも私に、恋愛なんてできるのかな」
そんな時、伯母が見合い話を持ってきた。
写真を見れば、スーツを着た青年が、穏やかに微笑んでいる。
「趣味はこうぶつ?」
釣書を見ながら迷う彩子だが、不思議と、その青年には会いたいと思うのだった…
※他サイトにも掲載
龍の腕に咲く華
沙夜
恋愛
どうして私ばかり、いつも変な人に絡まれるんだろう。
そんな毎日から抜け出したくて貼った、たった一枚のタトゥーシール。それが、本物の獣を呼び寄せてしまった。
彼の名前は、檜山湊。極道の若頭。
恐怖から始まったのは、200万円の借金のカタとして課せられた「添い寝」という奇妙な契約。
支配的なのに、時折見せる不器用な優しさ。恐怖と安らぎの間で揺れ動く心。これはただの気まぐれか、それとも――。
一度は逃げ出したはずの豪華な鳥籠へ、なぜ私は再び戻ろうとするのか。
偽りの強さを捨てた少女が、自らの意志で愛に生きる覚悟を決めるまでの、危険で甘いラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる