私が産んだ子は誰の子なのでしょう?

しゃーりん

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社交を再開して、気になった貴族が三人。

ブランシェと共にいたことになっている赤子のことを詳しく聞きたがったから。 

そして特に気になったのが、カールストン公爵。
ブランシェが行方不明になったあの夜会を開いていた彼が、聞いてきたからだった。 



騎士団の調べでも、カールストン公爵家の名が挙がっていた。


「カールストン公爵夫人が死産?」

「はい。夫人の実家が産まれた報告がないのを不思議に思い、死産を知ったそうです。」
 

カールストン公爵家が知らせなかった。 
何か言ってくるまで隠したかった?

それとも単に、つらくて口にできなかったからかもしれないけれど。


騎士団も面と向かって調査をしていない。
グレースの親を探していると知られたくないから。

なので、使用人からそれとなく聞くか、夫人の姿を見て出産を終えたか確認するしかないらしい。
そこに愛人調査まで加わると、人手が足りないらしい。
 
騎士団は、禁術を施したのは死んだカル・イーストで、依頼者は高位貴族とみている。
ブランシェが監禁されていた家には禁術の書物が見当たらなかったため、依頼者が隠し持っているはずだと思い、再びこのような事件を起こさせないために、依頼者を探しているのだ。

依頼者、つまり、グレースの両親を。


「カールストン公爵からは何を聞かれましたか?」

「……グレースの性別や髪色、目の色を。」

「公爵が依頼者であれば、引き取りたいと言ってくるかもしれませんね。」 
 

そうかもしれない。
そうなると、ますます怪しい。

公爵という地位にある者が、どこの誰の子かもわからない赤子を引き取りたいと言うわけがない。
夫人が死産だったからといって、グレースでなくとも親戚の子を養子にする方が血筋は保てるのだから。
 
それでも、グレースとカールストン公爵が似ている気がしてきて、心がざわついていた。

 


その夜、義両親にも騎士から聞いたことを話した。


「……カールストン公爵か。」


義父は眉間に皺を寄せている。

カールストン公爵はブランシェやアンゼムよりも七歳ほど上で関わりがほとんどない。
しかも、二年ほど前にいつの間にか結婚していたといった感じで、結婚式を大々的に挙げていなかった。
 
前公爵夫妻は十年前に息子に爵位を渡してから領地で暮らしていて王都には来ないらしい。
そのため、ブランシェが行方不明になったあの夜会はカールストン公爵家で久しぶりに開催されたものだった。


「夫人は、伯爵家から嫁がれた方でしたよね?」

 
なんだか、影の薄い公爵夫人だった覚えがある。
  

「なかなか結婚しなかった公爵が、婚約発表もなく結婚していた。十歳下の令嬢とな。」

「本当かはわからないけれど、お金で妻を買ったんじゃないかって噂もあったわ。」
 

あ、そんな感じの噂を聞いたかも。
パッティを産んだ頃だったから、あまり情報を仕入れてなかったときだわ。


なんでだか、義両親の空気も口も重くなった気がする……


「公爵様にはずっと婚約者がいなかったのですか?珍しいですよね、独身で三十近くまでって。」


ブランシェの問いに、義母は一旦目を閉じ、ため息をついてから目を開けて言った。

 
「王太子妃殿下がカールストン公爵の婚約者だったの。」
 

……なるほど。口が重くなったわけだわ。

 

 
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