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しおりを挟む父は愚かにも私の策に嵌まってくれるだろうか……その前にもう一つだけ試そう。
「ララベルに側妃を選ばせるようなことはやめてください。
それに、私とララベルの仲に割り込むような令嬢はいると思いますか?
私たちは子供のころからお互いを唯一と誓い合い、公認の仲で祝福されています。
私たちの仲を知らないか理解していないのは10歳、いや、8歳以下になるでしょう。
なので側妃をどうしてもというなら8歳以下でお願いします。」
「そんな無茶な。閨を共にできるようになるまで最低8年もあります。」
「そうですね。8年後に子供がいなければ検討します。」
宰相が逃してたまるかという感じで説得にかかってきた。
「殿下、私の親戚に心当たりがあります。殿下夫妻の仲を邪魔せずに子供を産みます。
批判されようが王家のために使命を果たします。
問題なく1年後に閨を共にできる歳です。」
くそっ!しぶといな……仕方ない……アンタのせいだ。
「私はララベルとの真実の愛を貫いているんだ。
父上、父上にはこの気持ちはご理解いただけますよね?」
「………」
真実の愛。
何代か前の王族が、真実の愛の素晴らしさを語った。
『この人だ』と思える一人に愛を捧げる。
実際は、それは婚約者や妻を蔑ろにせず大切にすることの教訓みたいなもの。
しかし、いつしか曲解され始め、『婚約者がいても真実の愛には適わない』となってしまったが。
「父上にも子供の頃からの婚約者がいましたよね。最初の真実の愛の。」
「………」
「いや、学園に入ってから出会った私の母が真実の愛だと気づいたんでしたね。」
「だから側妃を拒否したのですか?」
「……そうだ。」
「あの母は真実の愛の相手でしたか?間違ったのでは?」
「違う!私にとっては…」
「私にとってもララベルが真実の愛の相手ですよ。
それなのに側妃を勧められる気持ちがどれほど苦痛かわかりますよね?」
「…しかし、いつまでもは待てないんだ。」
「父上、あなたと母の愛は真実ではなかった。失ったんだから。」
「失ったなどと……」
「いや、失ったんだ。じゃないとアレが真実の愛だと言うと笑い者だ。」
「お前の母だぞ!」
「それが?私の真実の愛と比べてどうです?」
あなたは子供の頃からの婚約者を捨ててあの母を選んだけど、私は貫いているんだ。誰のせいだと思ってる!
「……」
「いっそのこと、認めた方がスッキリしますよ?」
「…わかっているんだ。だが…」
「父上だけは私の気持ちをわかってくれる。側妃は要らないと。
でも真実の愛ではなかったとしたら、側妃は状況に応じて必要だ。そうですよね?」
「…そうだな。つまり、お前たちは真実の愛ではないとするのか?」
「何を言っているのです?私たちは真実の愛。違うのはあなただ。
だから、側妃が要るのはあなただ。」
「………へ?」
へ?って何だよ。国王の威厳もないな。
「側妃を娶って、是非とも私の兄弟をお願いします。」
父上も大臣たちも驚いて声が出ないようだ。
何も私の子供に拘る必要はないじゃないか。
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いい案だろ?
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