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しおりを挟む教会前から馬車がストローク侯爵邸へと向かい走り出した。
馬車の窓から手を振っていたミーシャは、祝ってくれたみんなが見えなくなると今にも零れそうになっていた涙がとうとう零れた。
ドレスを濡らしてはいけないと慌ててハンカチを出そうとすると、その前にカーティス様が涙を拭ってくれた。
「カーティス様は知っていたのですか?皆さんがいらっしゃること。」
「いや、教会内にいた人たちはお世話になってるし、祝いたいって言ってくれたから知ってた。
だけど、外の人たちのことは知らなかったから驚いたよ。
騎士仲間もあんなに来てるとは思わなかった。
ミーシャのドレス姿を騎士団に見せに来いと言われたのを断ったからだな。」
「そんなこと言われてたのですか?」
「ああ。街中に行って騒ぎになると面倒だからな。
良からぬことを考える男も女もいるから。ドレスを汚されたりしたら嫌だろう?」
「なるほど。小説で読んだことがあります。
婚約破棄をされた元婚約者が卵を投げつけて花嫁のドレスを汚したって。
幸せな日に汚点をつけてやりたかったって。
そういうのに影響されて行動を起こす人もいますよね。」
「そうなんだ。実際に影響されて卵じゃなくて馬のフンを投げつけた事件があった。
………あれは気の毒だった。」
それは本当に辛い思い出となってしまったことだろう。
その場所を通るたびに思い出し、誰かの結婚式を見るたびに思い出しそうだ。
私たちがこの街外れの教会を選んだことは、カーティス様の未だ衰えない人気を考えると良かったのかもしれない。
最近は全く文句を言ってくる女性がいなかったから気にしてなかったけど。
観賞用?みたいな位置で遠くから騒がれるだけで落ち着いているけど、諦めきれない女性がいないとも限らない。
「騎士たちが多かったのは、意外と何か仕出かす女性がいないかを見張るためもあったのかも。」
「あぁ、そういうことか。そうかもな。何も飛んで来なくてよかったよ。」
笑い合いながらキスをして、夫婦となった幸せを感じていた。
侯爵邸に着くと、使用人たちに拍手で迎え入れられた。
いつも護衛してくれている人たちや、別邸にいたときにお世話になった人、アロイス様の侍従だったサイロさんもいた。
身内だけで結婚パーティーをして、今日は侯爵邸に泊まる。
侍女たちに体を磨かれて、夫婦の寝室へと案内された。
侯爵邸に泊まる時は、この部屋を使うことになるらしい。
中ではすでに、カーティス様が待っていた。
「ミーシャ、疲れたか?」
「少し。でもとても幸せな日でした。たくさんの人に祝っていただけて嬉しかったです。」
「ああ、そうだな。……ドレス姿、とても綺麗だった。
でも今からは俺だけが見られるもっと綺麗な姿が見たいな。」
「え?……あ……」
ニヤッと笑ったカーティス様にベッドに押し倒されてキスをされた。
そこからは、とても甘い初夜となり、幸せな一日を締めくくった。
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