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Chap.17 ロックンキャロルでワルツを
Chap.17 Sec.2
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夜間に訪問のしらせが鳴った。憂鬱な気分で夕食時もずっと部屋にこもっていたティアは、訪問者の名前が音声で届いたが、聞き違いだろうなと無視をして……いたのだけど、勝手にドアが開いた。プライバシーってなんだろう。
「起きてンじゃん! 開けろよ!」
「…………ロキ君」
ブルーな気持ちを一瞬で灰色にしてくれる。そんな当の本人は全身のネオンカラーをチカチカさせて、遠慮なしに入ってきた。ソファでクッションを抱えていたティアの前に、当然のように座るものだから……あぁ、セトなんて可愛いものだったんだな、と。しみじみ思った。
「……ロキ君、僕って病みあがりなんだけど、ご存じかな?」
「ハイハイ、仮病くんは大変だねェ~? ウサギに自分が話すって宣言したくせに、なァんも説明できてなかったらしいよなァ~?」
「……わ。むかつくってこういう感情かな? 初体験をありがとう、ロキ君」
「どォいたしまして……って、言ってやりてェけど、その前に。心底の感謝に返してやりてェから——プレゼント」
「?」
知らないうちに入室していたワゴンが、すーっと流れてくる。ティアの前までたどり着くと、上部が開き、
「——え、なにこれ?」
「見て分かんねェ?」
「ううん、分かる。どこからどう見てもワイン。しかも僕の好きなブルゴーニュ」
「らし~ねェ? ってワケで、あげる」
「ええっ? くれるの? なんでっ?」
「要らねェ?」
「いるいる! 絶対いる! ありがとうロキ君!」
「どォいたしまして」
「わぁ、うれしいな…………や、まってまって。なんで? なんで急にこんな高そうなワインくれるの? すごく怖い」
無邪気に出しかけていた手を、かろうじて残っていた理性が引き止めた。(ティアくん、ロキくんから貰う物には注意してね。タダな物は、とくに)理性はメルウィンの声をしている。そういえば過去にアドバイスを貰っていた。
受け取らないティアに、ロキが「ちょい相談のってよ」あっさり目的を白状した。セトと違って正直だ。
「……僕に相談? 賢いロキ君が?」
「ウサギのことは、アンタに訊けって。セトが」
バックにセトがいるらしい。どうりで。
まだ何も応えていないティアを気にせず、ロキはぺらぺらと、
「オレさァ~、何回も言ってるけどウサギを追い出すのヤなわけ。だからサイキック様が、ハウスに居たくなるようウサギを洗脳してくんねェ?」
「………………」
ワインに伸びていた手を、膝の上のクッションに戻した。
「……あのね? 僕は、アリスちゃんの“人権尊重派”なんだよね。この意味、分かるかな?」
「じゃァ、オレがマシン使って洗脳するけど、い~の?」
「いやいや……なにその脅し。そんなことしたら、君こそみんなから追放されるよ?」
「追放されたら、コミュニティに送られたウサギを捕まえに行くからい~よ」
「………………」
返す言葉もない。ロキに甘い彼女を思うと、わりあい現実的だ。
絶句しているティアに対して、ロキは視線をどこかに投げつつ、
「……本人に、けっこう素直に訴えたら、泣いちゃってさ。無理やり押し切ろうと思ってたけど、そんな気もなくなったわけ。……だから、アンタなら上手くやってくれンじゃねェかなァ~? って思って、プランB」
「泣かせたって……きみ、何やってるの……」
理解不能な生き物を前に、絶望する。メルウィンが「ロキくん、ぜったいアリスさんに何かするよ。見張っておいたほうがいいと思う」真剣な顔で口にしていた囁きは的確だった。セトを呼んで、今すぐこのトラブルメーカーを拘束し、檻にでも放り込んでおきたい。
ティアの心を知らず、ロキは涼しい顔で、
「——で、やってくれる?」
「……やるわけないでしょ」
「えェ? なんで?」
「なんでも何もないよ……」
「アンタ、ウサギがいなくなってもい~の? ケーキ食ったり紅茶飲んだり、そこそこ仲良くしてたじゃん」
「そこそこ? その表現は納得いかないな……僕とアリスちゃん、とっても仲良くしてたよね? ロキ君のは、ただアリスちゃんが君のわがままに付き合ってただけだよね?」
「はァ~? オレはめちゃくちゃ優しくしてたし仕事もあげてやったし翻訳機だってオレが作ったんだけど? あれのおかげでアンタら会話できてンだろォっ?」
「そう、翻訳機ひとつくらいで、ずーっとアリスちゃんを縛ってたんだよね! ずるい!」
「あァ?」
「あ! 威嚇された! 助けてセト君! ロキ君が僕を脅す!」
ちゃっかり繋げていた通信の向こうに訴えると、ロキの背後でドアが開いた。
「お前ら……うるせぇ……」
顔をしかめたセト。同じ階層とはいえ、非常に早い到着だった。
「はァ? なんでセト呼んでンの?」
動揺するロキを飛びこえ、こちらに歩いてくるセトへと、
「セト君、聞いて! ロキ君がアリスちゃんを泣かせたって!」
「——あぁ?」
ソファに座るロキの頭に掛けられた、低い威圧の声に。「げ」どこから出てるのか分からないような、小さなうめき声がロキの唇から聞こえた。
「ロキ、お前……泣かせたって、どういうことだよ」
「……いや、泣かせたってワケじゃねェよ? 勝手に泣いちゃったってやつ。オレは悪くないって言われたし? オレも多分オレは悪くないと思ってるからい~よな?」
「何も分かんねぇし何もよくねぇ」
チクったのはティアだが、ほんのり可哀想に見えたので「ロキ君がアリスちゃんに、素直に……行かないで? とか? 訴えたら、泣いちゃったんだって」横から口を挟んだ。フォローのつもりだったが火に油だったようで、セトの目がさらに吊り上がった。
「あ? お前、邪魔すんなっつったのに、余計なこと言ったのか」
「い~じゃん! オレはウサギを追い出したくねェんだから! ウサギの希望を聞くなら、オレの意見だって少しは聞いてくれてもよくねェ?」
「お前の意見はただの我儘だろ」
「だからオレだって作戦変えよォとしてンの。プランBの洗脳作戦。ウサギの趣味らしい“メルの料理”と、“サイキック様の力”で、本人の希望をハウスにする。これなら文句ねェだろ?」
「……お前は馬鹿か」
「はぁ? てめェにだけは言われたくねェよ?」
わやわやと騒ぐふたり(今回うるさいのはロキだけか)を後目に、ティアはワインを取ってラベルを眺めていた。相談に乗る、という条件はクリアしたので。解決策は出てないが、ロキの“そこそこ仲がいい”発言が癇にさわった気がするから、遠慮なく貰おうと思う。
——アンタ、ウサギがいなくなってもい~の? ケーキ食ったり紅茶飲んだり、そこそこ仲良くしてたじゃん。
(……僕だって、)
ワインを見つめているけれど、ティアの頭には何も入ってこない。頭のなかは、彼女とのお茶会やコーディネート、夜の散歩、セーター作り……そんな、ささやかな日々の楽しみが、浮かんでは消え、浮かんでは消え……それらが、もうなくなってしまうという現実を突きつけられ、とても淋しかった。
——でも、彼女はずっと、ここから出て行くことを望んでいた。
話し合いの場で発覚したのだが、アリアとセトがそれぞれ夜中に、彼女がハウスから抜け出そうとしていたのを目撃していた。アリアの目撃談によると、雨のなか内門の外まで行っていたらしい。そんな話を聞いてしまっては……もう何も言えない。
わずかに賭けていた望みのロキも、泣かせるというありさまで…………ありさまで?
「え? ——まってロキ君、アリスちゃん、なんで泣いたって?」
セトの怖い目に見下ろされながらも延々とプランBを主張していたロキが、いやそうな顔で目をティアへと向けた。
「もォそれはよくね? 反省してるから。本人には二度と言わねェって」
「(君の反省は口先だけだよね? ……じゃなくて、) アリスちゃんが泣いたのって、ロキ君が素直に“行かないで”って言ったから? 具体的になんて言ったの?」
「……そんなのアンタに言う必要ねェよな?」
「ある。あるよ! ちゃんと言って!」
「えェ~?」
言いたくなさそうなロキの目が、ふわっと天井に流れようとしたが、金の眼にぶつかって戻ってきた。しぶしぶ、半分は屈辱的な顔で、
「……“ウサギちゃん、行かないでよ。オレ、なんでもするから。階段から落とすようなことはもう絶対しないし、痛いこともないように気をつけるし、嫌なら触りもしないから。だからさ、ずっと、ここにいて”」
記憶がいいロキの、一言一句違わないだろうセリフに、ティアの頭のなかで流れ星のような衝撃が走った。
片眉を上げて(よくそんなことバラせるな)と聞いていたセトが、内容を捉え、遅ればせながら、
「お前! 階段から落としたってなんの話だ!」
「あァ~……やっぱそうなるよなァ……」
新たな喧騒は聞こえない。胸に走った彗星のような共鳴。彼女の心に同調して感じたのは、暗い夜空に輝く——ひとすじの光だった。
「そういや検査とか言って初日あたりに消えてたよなっ? あのときか!」
「ア~~~……オレは知らねェ~~~」
「知ってんだろ! 説明しろよ!」
「もういい……サイキックがダメならメルに頼むし……」
「逃げんな!」
セトの立つ方とは反対から立ち上がり、部屋から出て行こうとするロキを、ティアが「ロキ君」はっきりとした声で呼び止めた。首だけ回したロキの目を、強く見つめて、
「——いいよ、やろう」
「……何を?」
「君のその、プランB。僕も乗っかる」
——は? と返したのは、セトのほうで。きょとりとしていたロキは、ティアの言葉に唇を曲げた。その底意地のわるい顔を見ても、ティアの心はもう揺るがない。
(僕だって、)
——アンタ、ウサギがいなくなってもい~の?
(アリスちゃんに、いてほしいんだ)
「起きてンじゃん! 開けろよ!」
「…………ロキ君」
ブルーな気持ちを一瞬で灰色にしてくれる。そんな当の本人は全身のネオンカラーをチカチカさせて、遠慮なしに入ってきた。ソファでクッションを抱えていたティアの前に、当然のように座るものだから……あぁ、セトなんて可愛いものだったんだな、と。しみじみ思った。
「……ロキ君、僕って病みあがりなんだけど、ご存じかな?」
「ハイハイ、仮病くんは大変だねェ~? ウサギに自分が話すって宣言したくせに、なァんも説明できてなかったらしいよなァ~?」
「……わ。むかつくってこういう感情かな? 初体験をありがとう、ロキ君」
「どォいたしまして……って、言ってやりてェけど、その前に。心底の感謝に返してやりてェから——プレゼント」
「?」
知らないうちに入室していたワゴンが、すーっと流れてくる。ティアの前までたどり着くと、上部が開き、
「——え、なにこれ?」
「見て分かんねェ?」
「ううん、分かる。どこからどう見てもワイン。しかも僕の好きなブルゴーニュ」
「らし~ねェ? ってワケで、あげる」
「ええっ? くれるの? なんでっ?」
「要らねェ?」
「いるいる! 絶対いる! ありがとうロキ君!」
「どォいたしまして」
「わぁ、うれしいな…………や、まってまって。なんで? なんで急にこんな高そうなワインくれるの? すごく怖い」
無邪気に出しかけていた手を、かろうじて残っていた理性が引き止めた。(ティアくん、ロキくんから貰う物には注意してね。タダな物は、とくに)理性はメルウィンの声をしている。そういえば過去にアドバイスを貰っていた。
受け取らないティアに、ロキが「ちょい相談のってよ」あっさり目的を白状した。セトと違って正直だ。
「……僕に相談? 賢いロキ君が?」
「ウサギのことは、アンタに訊けって。セトが」
バックにセトがいるらしい。どうりで。
まだ何も応えていないティアを気にせず、ロキはぺらぺらと、
「オレさァ~、何回も言ってるけどウサギを追い出すのヤなわけ。だからサイキック様が、ハウスに居たくなるようウサギを洗脳してくんねェ?」
「………………」
ワインに伸びていた手を、膝の上のクッションに戻した。
「……あのね? 僕は、アリスちゃんの“人権尊重派”なんだよね。この意味、分かるかな?」
「じゃァ、オレがマシン使って洗脳するけど、い~の?」
「いやいや……なにその脅し。そんなことしたら、君こそみんなから追放されるよ?」
「追放されたら、コミュニティに送られたウサギを捕まえに行くからい~よ」
「………………」
返す言葉もない。ロキに甘い彼女を思うと、わりあい現実的だ。
絶句しているティアに対して、ロキは視線をどこかに投げつつ、
「……本人に、けっこう素直に訴えたら、泣いちゃってさ。無理やり押し切ろうと思ってたけど、そんな気もなくなったわけ。……だから、アンタなら上手くやってくれンじゃねェかなァ~? って思って、プランB」
「泣かせたって……きみ、何やってるの……」
理解不能な生き物を前に、絶望する。メルウィンが「ロキくん、ぜったいアリスさんに何かするよ。見張っておいたほうがいいと思う」真剣な顔で口にしていた囁きは的確だった。セトを呼んで、今すぐこのトラブルメーカーを拘束し、檻にでも放り込んでおきたい。
ティアの心を知らず、ロキは涼しい顔で、
「——で、やってくれる?」
「……やるわけないでしょ」
「えェ? なんで?」
「なんでも何もないよ……」
「アンタ、ウサギがいなくなってもい~の? ケーキ食ったり紅茶飲んだり、そこそこ仲良くしてたじゃん」
「そこそこ? その表現は納得いかないな……僕とアリスちゃん、とっても仲良くしてたよね? ロキ君のは、ただアリスちゃんが君のわがままに付き合ってただけだよね?」
「はァ~? オレはめちゃくちゃ優しくしてたし仕事もあげてやったし翻訳機だってオレが作ったんだけど? あれのおかげでアンタら会話できてンだろォっ?」
「そう、翻訳機ひとつくらいで、ずーっとアリスちゃんを縛ってたんだよね! ずるい!」
「あァ?」
「あ! 威嚇された! 助けてセト君! ロキ君が僕を脅す!」
ちゃっかり繋げていた通信の向こうに訴えると、ロキの背後でドアが開いた。
「お前ら……うるせぇ……」
顔をしかめたセト。同じ階層とはいえ、非常に早い到着だった。
「はァ? なんでセト呼んでンの?」
動揺するロキを飛びこえ、こちらに歩いてくるセトへと、
「セト君、聞いて! ロキ君がアリスちゃんを泣かせたって!」
「——あぁ?」
ソファに座るロキの頭に掛けられた、低い威圧の声に。「げ」どこから出てるのか分からないような、小さなうめき声がロキの唇から聞こえた。
「ロキ、お前……泣かせたって、どういうことだよ」
「……いや、泣かせたってワケじゃねェよ? 勝手に泣いちゃったってやつ。オレは悪くないって言われたし? オレも多分オレは悪くないと思ってるからい~よな?」
「何も分かんねぇし何もよくねぇ」
チクったのはティアだが、ほんのり可哀想に見えたので「ロキ君がアリスちゃんに、素直に……行かないで? とか? 訴えたら、泣いちゃったんだって」横から口を挟んだ。フォローのつもりだったが火に油だったようで、セトの目がさらに吊り上がった。
「あ? お前、邪魔すんなっつったのに、余計なこと言ったのか」
「い~じゃん! オレはウサギを追い出したくねェんだから! ウサギの希望を聞くなら、オレの意見だって少しは聞いてくれてもよくねェ?」
「お前の意見はただの我儘だろ」
「だからオレだって作戦変えよォとしてンの。プランBの洗脳作戦。ウサギの趣味らしい“メルの料理”と、“サイキック様の力”で、本人の希望をハウスにする。これなら文句ねェだろ?」
「……お前は馬鹿か」
「はぁ? てめェにだけは言われたくねェよ?」
わやわやと騒ぐふたり(今回うるさいのはロキだけか)を後目に、ティアはワインを取ってラベルを眺めていた。相談に乗る、という条件はクリアしたので。解決策は出てないが、ロキの“そこそこ仲がいい”発言が癇にさわった気がするから、遠慮なく貰おうと思う。
——アンタ、ウサギがいなくなってもい~の? ケーキ食ったり紅茶飲んだり、そこそこ仲良くしてたじゃん。
(……僕だって、)
ワインを見つめているけれど、ティアの頭には何も入ってこない。頭のなかは、彼女とのお茶会やコーディネート、夜の散歩、セーター作り……そんな、ささやかな日々の楽しみが、浮かんでは消え、浮かんでは消え……それらが、もうなくなってしまうという現実を突きつけられ、とても淋しかった。
——でも、彼女はずっと、ここから出て行くことを望んでいた。
話し合いの場で発覚したのだが、アリアとセトがそれぞれ夜中に、彼女がハウスから抜け出そうとしていたのを目撃していた。アリアの目撃談によると、雨のなか内門の外まで行っていたらしい。そんな話を聞いてしまっては……もう何も言えない。
わずかに賭けていた望みのロキも、泣かせるというありさまで…………ありさまで?
「え? ——まってロキ君、アリスちゃん、なんで泣いたって?」
セトの怖い目に見下ろされながらも延々とプランBを主張していたロキが、いやそうな顔で目をティアへと向けた。
「もォそれはよくね? 反省してるから。本人には二度と言わねェって」
「(君の反省は口先だけだよね? ……じゃなくて、) アリスちゃんが泣いたのって、ロキ君が素直に“行かないで”って言ったから? 具体的になんて言ったの?」
「……そんなのアンタに言う必要ねェよな?」
「ある。あるよ! ちゃんと言って!」
「えェ~?」
言いたくなさそうなロキの目が、ふわっと天井に流れようとしたが、金の眼にぶつかって戻ってきた。しぶしぶ、半分は屈辱的な顔で、
「……“ウサギちゃん、行かないでよ。オレ、なんでもするから。階段から落とすようなことはもう絶対しないし、痛いこともないように気をつけるし、嫌なら触りもしないから。だからさ、ずっと、ここにいて”」
記憶がいいロキの、一言一句違わないだろうセリフに、ティアの頭のなかで流れ星のような衝撃が走った。
片眉を上げて(よくそんなことバラせるな)と聞いていたセトが、内容を捉え、遅ればせながら、
「お前! 階段から落としたってなんの話だ!」
「あァ~……やっぱそうなるよなァ……」
新たな喧騒は聞こえない。胸に走った彗星のような共鳴。彼女の心に同調して感じたのは、暗い夜空に輝く——ひとすじの光だった。
「そういや検査とか言って初日あたりに消えてたよなっ? あのときか!」
「ア~~~……オレは知らねェ~~~」
「知ってんだろ! 説明しろよ!」
「もういい……サイキックがダメならメルに頼むし……」
「逃げんな!」
セトの立つ方とは反対から立ち上がり、部屋から出て行こうとするロキを、ティアが「ロキ君」はっきりとした声で呼び止めた。首だけ回したロキの目を、強く見つめて、
「——いいよ、やろう」
「……何を?」
「君のその、プランB。僕も乗っかる」
——は? と返したのは、セトのほうで。きょとりとしていたロキは、ティアの言葉に唇を曲げた。その底意地のわるい顔を見ても、ティアの心はもう揺るがない。
(僕だって、)
——アンタ、ウサギがいなくなってもい~の?
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