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第八章 解こうとした魔塔主と何も知らない弟子とエルフの里の長
231.国王への状況報告
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王宮の近くに飛んできた俺たちはその足で国王へと報告に向かっていた。
謁見を申し出ると、執務室を指定されたので今日も長い廊下を歩く。
無駄に広いんだよなぁ、王宮ってのは。
扉の前の騎士にご苦労さんの挨拶をして扉を開けさせる。
中では国王と宰相のアスシオが何かを話しているのが見えた。
扉が開いた気配に気づきこちらに視線が向き、陛下が中に入れと促す。
レイヴンは最上級の礼をして、俺は適当に執務室へと足を踏み入れる。
「王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます」
「今帰ったところだ。もうすぐアイツらも来ると思うが、報告に来た」
俺の態度に耐えられないアスシオが思い切り睨みつけてくる。
いつものことで面倒だし知らんふりをするが、それがヤツを煽っちまって噛みついてくる。
「テオドール、陛下の御前だ。無礼な言葉は謹め」
「良い。私が許しているのだ。テオドールが丁寧に話すのを聞くのも忍びない。その顔だと成果は少なからずあったようだ。申してみよ」
今回のことを順に説明していく。
レイヴンの出生の絡みは伏せて、起こった事実と関係性の変化についてを主に報告する。
「そうか。ご苦労だった。見事疑いを晴らし、エルフと親密な関係を築いていく第一歩となったようだ。まだ全てが解決していないにせよ、共同戦線の約束まで取り付けるとは」
「言われたことは全てこなしてきたようですね。まぁ、我が国の精鋭を派遣したのですから当然と言えば当然ですが。随分と関係が良くなったものです」
アスシオの指摘にレイヴンが一瞬戸惑ったが、追撃が来る前にディーとウルガーも執務室に入ってきた。
「王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます。ディートリッヒ・アーベライン、他三名。陛下の勅命を果たし、帰還いたしました」
「同じく、ウルガー・ボーネマン。王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます」
「よくぞ無事に戻った。今大体の報告は聞いたが、エルフから魔道具を受け取ったと聞いた」
「はい、こちらに。この魔道具で直接通信ができるとのことです」
ウルガーがレクシェルから預かった魔道具を国王に献上する。
まずは危険がないかアスシオが手に取って簡単に検分し、安全を確認してから陛下に手渡した。
陛下も物珍しげに観察し、満足げに頷く。
まあ、エルフが作った物で友好的な関係を築けると思えば安いもんだろ。
「後で早速挨拶しておこう。皆、大義であった。暫しの間休んでくれ」
「お心遣い痛み入ります」
ディーがご丁寧に対応し始めたし、そろそろこの空気にも飽きてきちまった。
レイヴンに顔を寄せて耳打ちする。
俺の態度を注意するのを堪えて、何か急を要するといけないと思ったのか仕方なく静かに耳を傾けてきた。
謁見を申し出ると、執務室を指定されたので今日も長い廊下を歩く。
無駄に広いんだよなぁ、王宮ってのは。
扉の前の騎士にご苦労さんの挨拶をして扉を開けさせる。
中では国王と宰相のアスシオが何かを話しているのが見えた。
扉が開いた気配に気づきこちらに視線が向き、陛下が中に入れと促す。
レイヴンは最上級の礼をして、俺は適当に執務室へと足を踏み入れる。
「王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます」
「今帰ったところだ。もうすぐアイツらも来ると思うが、報告に来た」
俺の態度に耐えられないアスシオが思い切り睨みつけてくる。
いつものことで面倒だし知らんふりをするが、それがヤツを煽っちまって噛みついてくる。
「テオドール、陛下の御前だ。無礼な言葉は謹め」
「良い。私が許しているのだ。テオドールが丁寧に話すのを聞くのも忍びない。その顔だと成果は少なからずあったようだ。申してみよ」
今回のことを順に説明していく。
レイヴンの出生の絡みは伏せて、起こった事実と関係性の変化についてを主に報告する。
「そうか。ご苦労だった。見事疑いを晴らし、エルフと親密な関係を築いていく第一歩となったようだ。まだ全てが解決していないにせよ、共同戦線の約束まで取り付けるとは」
「言われたことは全てこなしてきたようですね。まぁ、我が国の精鋭を派遣したのですから当然と言えば当然ですが。随分と関係が良くなったものです」
アスシオの指摘にレイヴンが一瞬戸惑ったが、追撃が来る前にディーとウルガーも執務室に入ってきた。
「王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます。ディートリッヒ・アーベライン、他三名。陛下の勅命を果たし、帰還いたしました」
「同じく、ウルガー・ボーネマン。王国の太陽、国王陛下にご挨拶申し上げます」
「よくぞ無事に戻った。今大体の報告は聞いたが、エルフから魔道具を受け取ったと聞いた」
「はい、こちらに。この魔道具で直接通信ができるとのことです」
ウルガーがレクシェルから預かった魔道具を国王に献上する。
まずは危険がないかアスシオが手に取って簡単に検分し、安全を確認してから陛下に手渡した。
陛下も物珍しげに観察し、満足げに頷く。
まあ、エルフが作った物で友好的な関係を築けると思えば安いもんだろ。
「後で早速挨拶しておこう。皆、大義であった。暫しの間休んでくれ」
「お心遣い痛み入ります」
ディーがご丁寧に対応し始めたし、そろそろこの空気にも飽きてきちまった。
レイヴンに顔を寄せて耳打ちする。
俺の態度を注意するのを堪えて、何か急を要するといけないと思ったのか仕方なく静かに耳を傾けてきた。
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