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第八章 解こうとした魔塔主と何も知らない弟子とエルフの里の長
226.帰りの足は
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「私がお送りできるのはここまでです。後は道へと戻れば村まで戻れるはずですから。どうかお気をつけて。後、こちらを人間の王へとお渡しください」
レクシェルが腰に身に着けていたバッグから、円盤型の魔道具を取り出してディーへと手渡す。
通信用の魔道具だが素材が普段見るものとは少し違う素材みたいだな。
何かしらの鉱物で作られたもので、中心に緑の魔石がはめられていた。
「これは?」
「我々との通信手段としてお渡し致します。魔石に触れていただくことで長が持っている魔道具に繋がります。出られずとも通信が送られてきたことは分かりますので、こちらから改めて連絡することも可能です。どうぞお持ち下さい」
「確かにまだ全て解決した訳ではないからな。これからは共同戦線ということでよろしく頼む」
ディーはウルガーに魔道具を渡すとウルガーが背負ったバッグへと丁寧に仕舞い込む。
レクシェルは最後に俺らに向けて一礼すると、静かに森の中へと消えていく。
「あー……何か疲れましたね。テオドール様に乗っかればすぐに帰れます?」
「俺を便利扱いするんじゃねぇよ。誰が馬だ。移動できなくもねぇが、この人数は調整が面倒臭いし、一人ずつと何度も往復してたら魔力がいくらっても足りねぇっての」
「ここまで来るのに距離もありましたし、師匠は簡単にやってのけますけど移動が使える人は師匠以外知りません。ポンポン飛び回っているように見えますけど、それは師匠が異常だからです。という訳で、ウルガー。気持ちは分かるけど普通に帰るしかないと思うよ」
「テオドール様も人の子だったか。じゃあ、どうします? 帰りは歩きじゃなくてもいいのなら、馬でも調達しますか。あの村には確か馬宿もあったはずだし、砦も近いから城への急ぎの連絡手段として伝令が使うこともあると見込んで、いつも用意してるんじゃないかなと」
村への道を歩きながらウルガーの提案も含めて、ディーも暫し思案する。
俺はこいつらが話している間も、触れられなかった欲求不満を解消するためにレイヴンにちょっかいをかける。
その度に文句を言うが、その反応も含めて何か久しぶりな感じがしていいんだよな。
ウルガーも最終決定はディーだと言わんばかりに、後は両手を頭の後ろに回して気楽に歩を進めるばかりだ。
「そうだな……村で馬を借りて一気に街まで行けば半日で着けるだろう。今からなら飛ばせば夜にはアレーシュに着けるかもしれない」
「そうと決まれば行こうぜ。煙草も吸ってねぇし、いい加減限界なんだよ」
「それはぜひそのままやめてください。その方が俺は嬉しいです」
各々言いたいことを言いながら行きとは違った和やかな雰囲気で村までの道を進む。
レクシェルが腰に身に着けていたバッグから、円盤型の魔道具を取り出してディーへと手渡す。
通信用の魔道具だが素材が普段見るものとは少し違う素材みたいだな。
何かしらの鉱物で作られたもので、中心に緑の魔石がはめられていた。
「これは?」
「我々との通信手段としてお渡し致します。魔石に触れていただくことで長が持っている魔道具に繋がります。出られずとも通信が送られてきたことは分かりますので、こちらから改めて連絡することも可能です。どうぞお持ち下さい」
「確かにまだ全て解決した訳ではないからな。これからは共同戦線ということでよろしく頼む」
ディーはウルガーに魔道具を渡すとウルガーが背負ったバッグへと丁寧に仕舞い込む。
レクシェルは最後に俺らに向けて一礼すると、静かに森の中へと消えていく。
「あー……何か疲れましたね。テオドール様に乗っかればすぐに帰れます?」
「俺を便利扱いするんじゃねぇよ。誰が馬だ。移動できなくもねぇが、この人数は調整が面倒臭いし、一人ずつと何度も往復してたら魔力がいくらっても足りねぇっての」
「ここまで来るのに距離もありましたし、師匠は簡単にやってのけますけど移動が使える人は師匠以外知りません。ポンポン飛び回っているように見えますけど、それは師匠が異常だからです。という訳で、ウルガー。気持ちは分かるけど普通に帰るしかないと思うよ」
「テオドール様も人の子だったか。じゃあ、どうします? 帰りは歩きじゃなくてもいいのなら、馬でも調達しますか。あの村には確か馬宿もあったはずだし、砦も近いから城への急ぎの連絡手段として伝令が使うこともあると見込んで、いつも用意してるんじゃないかなと」
村への道を歩きながらウルガーの提案も含めて、ディーも暫し思案する。
俺はこいつらが話している間も、触れられなかった欲求不満を解消するためにレイヴンにちょっかいをかける。
その度に文句を言うが、その反応も含めて何か久しぶりな感じがしていいんだよな。
ウルガーも最終決定はディーだと言わんばかりに、後は両手を頭の後ろに回して気楽に歩を進めるばかりだ。
「そうだな……村で馬を借りて一気に街まで行けば半日で着けるだろう。今からなら飛ばせば夜にはアレーシュに着けるかもしれない」
「そうと決まれば行こうぜ。煙草も吸ってねぇし、いい加減限界なんだよ」
「それはぜひそのままやめてください。その方が俺は嬉しいです」
各々言いたいことを言いながら行きとは違った和やかな雰囲気で村までの道を進む。
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