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第七章 エルフにも動じない魔塔主とたじろぐ弟子(と騎士二人)
202.歪みの先にいたモノ
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三つ目の歪みを超えると、目視でも分かる位置に光り輝く結界が見えてくる。
俺とレイヴンが辿り着いた時には数体の魔物が結界の前で暴れていた。
先行していたディーとウルガーが互いに別の魔物を、その他の魔物はエルフの二人で何とか凌いでいるみてぇだが分が悪そうだ。
アイツは――
チッ。
また面倒そうなヤツだな。
「あれは……また合成獣!? 一体何体いるんですか……」
「また違うヤツの掛け合わせか? って……喋ってる暇もなさそうだなァ?」
暴れている魔物は猪のような頭と熊のような頭をのにつ生やした巨人だ。
身体は黒い毛に覆われていて、多少の切り傷程度では怯むこと無く剛腕を振り回している。
ったく、見た目が気持ち悪ぃヤツばっかりだな。
醜悪なモンを作るのがお好きな野郎だ。
どういう野郎か知らねぇが、この手でさっさとぶちのめしてやらねぇと。
クソ面倒臭いことを引き起こしているツケを払わせてやる必要があるからな。
「かったい……って! 皮膚が硬すぎて攻撃が通らないんですけど!?」
「いいから攻撃の手を緩めるな! このままでは結界を破られるぞ!」
騎士の二人が合成獣への攻撃の手を緩めずに、何度も何度も斬りかかっているが、皮膚が強化されているのか傷がついても斬り落とすまでいかずに弾かれてやがる。
それを踏まえて俺とレイヴンで呪文を紡ぎ、弱化の魔法をかけていく。
魔法の効き目はあるらしいな。
不可視の力が働き、少しは攻撃が通るようになる。
騎士たちの斬撃は、皮膚を切り裂き、容赦なく部位を吹き飛ばしていく。
エルフたちも仲間たちを守り合いながら、合成獣へ、弓を引いて矢を放つ。
「師匠、ここは師匠の力が必要だと思います! 俺も合わせますから!」
「弟子の許可が出たからには、デカいの一発お見舞いするかァ?」
レイヴンが足止めのための氷の弾丸を何発も打ち込んでいる間に、長めの呪文の詠唱に入る。
その言の葉は、戦闘中だと言うのに、低く、さらに深く――
騒々しい森の中でも圧倒的な力を持って響き、この空間ごと徐々に温度が下がってくる。
面倒だが、いつもよりは丁寧にやってやる。
一発で、おふざけナシでいってやろうじゃねぇか。
レイヴンが詠唱の速度に合わせ、皆と連携して残った合成獣を俺の方へと誘導していく。
最終的に俺の背後に全員が回ったところで、手のひらを突き出して冷えた空間の氷の粒を凝縮していく。
息が白くなるほどに冷え切った空間は、まるで別世界のように外側から銀色に染まっていく。
俺とレイヴンが辿り着いた時には数体の魔物が結界の前で暴れていた。
先行していたディーとウルガーが互いに別の魔物を、その他の魔物はエルフの二人で何とか凌いでいるみてぇだが分が悪そうだ。
アイツは――
チッ。
また面倒そうなヤツだな。
「あれは……また合成獣!? 一体何体いるんですか……」
「また違うヤツの掛け合わせか? って……喋ってる暇もなさそうだなァ?」
暴れている魔物は猪のような頭と熊のような頭をのにつ生やした巨人だ。
身体は黒い毛に覆われていて、多少の切り傷程度では怯むこと無く剛腕を振り回している。
ったく、見た目が気持ち悪ぃヤツばっかりだな。
醜悪なモンを作るのがお好きな野郎だ。
どういう野郎か知らねぇが、この手でさっさとぶちのめしてやらねぇと。
クソ面倒臭いことを引き起こしているツケを払わせてやる必要があるからな。
「かったい……って! 皮膚が硬すぎて攻撃が通らないんですけど!?」
「いいから攻撃の手を緩めるな! このままでは結界を破られるぞ!」
騎士の二人が合成獣への攻撃の手を緩めずに、何度も何度も斬りかかっているが、皮膚が強化されているのか傷がついても斬り落とすまでいかずに弾かれてやがる。
それを踏まえて俺とレイヴンで呪文を紡ぎ、弱化の魔法をかけていく。
魔法の効き目はあるらしいな。
不可視の力が働き、少しは攻撃が通るようになる。
騎士たちの斬撃は、皮膚を切り裂き、容赦なく部位を吹き飛ばしていく。
エルフたちも仲間たちを守り合いながら、合成獣へ、弓を引いて矢を放つ。
「師匠、ここは師匠の力が必要だと思います! 俺も合わせますから!」
「弟子の許可が出たからには、デカいの一発お見舞いするかァ?」
レイヴンが足止めのための氷の弾丸を何発も打ち込んでいる間に、長めの呪文の詠唱に入る。
その言の葉は、戦闘中だと言うのに、低く、さらに深く――
騒々しい森の中でも圧倒的な力を持って響き、この空間ごと徐々に温度が下がってくる。
面倒だが、いつもよりは丁寧にやってやる。
一発で、おふざけナシでいってやろうじゃねぇか。
レイヴンが詠唱の速度に合わせ、皆と連携して残った合成獣を俺の方へと誘導していく。
最終的に俺の背後に全員が回ったところで、手のひらを突き出して冷えた空間の氷の粒を凝縮していく。
息が白くなるほどに冷え切った空間は、まるで別世界のように外側から銀色に染まっていく。
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