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第三章 再確認する魔塔主と距離が近づく弟子
77.甘いのは弟子かお菓子か
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「隙あらば、みたいな調子でちょっかいかけて来ないで下さいよ。シュークリームもゆっくり食べたいのに……」
「いや、そっちのシュークリームも味見してやろうと」
「普通に言ったら分けるのに、何で子どもみたいなことするんですか……」
「構いたくなったから?」
「息を吐くように正当化するの、やめてもらっていいですか?」
文句を言いながら、それでもシュークリームの生クリームとカスタードの組み合わせに癒やされて、美味しそうに頬張っている方が子どもじゃねぇか?
生クリームとカスタードの二重の甘さが俺にはキツイんだがなぁ……。
まだ口の中が甘い。
珈琲のほろ苦さで何とか流し込む。
嫌いって訳でもねぇが、得意でもねぇからレイヴンごとじゃねぇと食べる気にはならない代物だよな。
しかし、一口食べるごとに幸せそうに頬を緩ませやがって。
そんなレイヴンを間近で見ているのは悪くねぇな。
ツンツンが分かりやすく嬉しそうにしている姿は俺も心が癒やされるってもんだ。
毒気が抜かれちまうよな。
「何か、お前に餌付けするヤツらのことが何となく分かるわ」
「餌付けって……でも、人は美味しいものを食べるときは幸せを感じるものですよ? 例えたくないですけど、師匠が煙草を嗜むのと同意です」
「まぁな。ま、機嫌直せって。マカロンもまだあるしな。ほれ、あーん?」
「……はぁ。もう少し優雅なティータイムを過ごしたいのに……」
言葉通りにマカロンを摘んでレイヴンの口元に持っていくと、差し出されたマカロンに罪はない、と呟いてから素直にパクリと食べる。
あー……こういう甘々ごっこも悪くねぇな。
ワザとらしく煽られるのも嫌いじゃねぇが、心底食べるのが楽しいです! っていうのを見てるのもいいな。
俺が折角微笑ましく見てやってんのに、何で睨むかねぇ?
睨んだあとに咀嚼して、へにゃりとすーぐ表情が崩れるから意味ねぇんだよな。
単純で可愛いもんだ。
いつも無理してねぇで、このくらい子どもっぽいくらいで丁度いいのによ。
「常に甘いものを与えておけばご機嫌ってか。単純なヤツ」
「師匠がいなければ、もっとご機嫌ですけどね。でも、美味しいでしょう?」
「まぁ……そうだな。味は悪くねぇな」
「と言う訳で。弟子のご機嫌取りにいつでも買ってきてくださいね」
ニッコリと笑いかけてくるレイヴンは本当に心から喜んでくれているみたいだ。
まぁ、この笑顔はいいんだけどよ。
あの行列が面倒なんだよな。
まあまあ並んでたぜ? アレ。
ボインちゃんを見るにしても、アレはねぇよなぁ。
「毎回あの行列に並ぶの面倒臭ぇなぁ。そんなに気が向かねぇよ」
俺が嫌そうな顔をしているのが分かると、レイヴンがクスクスと笑い始めた。
「それは残念ですね。俺、優しい師匠だったらもう少し素直になれそうなのにな」
「何に対して素直になるって?」
「それは、師匠次第ですけど?」
意味深にフフフと笑うレイヴンの額を指先で突き、残っていたシュークリームを口に放り込む。
「痛っ!」
「餓鬼が俺と駆け引きしようとは……生意気なんだよなァ。お前は俺が好き放題するくらいで丁度いいんだからよ?」
「それ、常にじゃないですか……」
まぁ、こういうやり取りが面白いからつい構っちまうんだよな。
これ以上邪魔するとうるさそうだし、食べ終わるまではのんびりとレイヴンを観察するだけにしておくか。
「いや、そっちのシュークリームも味見してやろうと」
「普通に言ったら分けるのに、何で子どもみたいなことするんですか……」
「構いたくなったから?」
「息を吐くように正当化するの、やめてもらっていいですか?」
文句を言いながら、それでもシュークリームの生クリームとカスタードの組み合わせに癒やされて、美味しそうに頬張っている方が子どもじゃねぇか?
生クリームとカスタードの二重の甘さが俺にはキツイんだがなぁ……。
まだ口の中が甘い。
珈琲のほろ苦さで何とか流し込む。
嫌いって訳でもねぇが、得意でもねぇからレイヴンごとじゃねぇと食べる気にはならない代物だよな。
しかし、一口食べるごとに幸せそうに頬を緩ませやがって。
そんなレイヴンを間近で見ているのは悪くねぇな。
ツンツンが分かりやすく嬉しそうにしている姿は俺も心が癒やされるってもんだ。
毒気が抜かれちまうよな。
「何か、お前に餌付けするヤツらのことが何となく分かるわ」
「餌付けって……でも、人は美味しいものを食べるときは幸せを感じるものですよ? 例えたくないですけど、師匠が煙草を嗜むのと同意です」
「まぁな。ま、機嫌直せって。マカロンもまだあるしな。ほれ、あーん?」
「……はぁ。もう少し優雅なティータイムを過ごしたいのに……」
言葉通りにマカロンを摘んでレイヴンの口元に持っていくと、差し出されたマカロンに罪はない、と呟いてから素直にパクリと食べる。
あー……こういう甘々ごっこも悪くねぇな。
ワザとらしく煽られるのも嫌いじゃねぇが、心底食べるのが楽しいです! っていうのを見てるのもいいな。
俺が折角微笑ましく見てやってんのに、何で睨むかねぇ?
睨んだあとに咀嚼して、へにゃりとすーぐ表情が崩れるから意味ねぇんだよな。
単純で可愛いもんだ。
いつも無理してねぇで、このくらい子どもっぽいくらいで丁度いいのによ。
「常に甘いものを与えておけばご機嫌ってか。単純なヤツ」
「師匠がいなければ、もっとご機嫌ですけどね。でも、美味しいでしょう?」
「まぁ……そうだな。味は悪くねぇな」
「と言う訳で。弟子のご機嫌取りにいつでも買ってきてくださいね」
ニッコリと笑いかけてくるレイヴンは本当に心から喜んでくれているみたいだ。
まぁ、この笑顔はいいんだけどよ。
あの行列が面倒なんだよな。
まあまあ並んでたぜ? アレ。
ボインちゃんを見るにしても、アレはねぇよなぁ。
「毎回あの行列に並ぶの面倒臭ぇなぁ。そんなに気が向かねぇよ」
俺が嫌そうな顔をしているのが分かると、レイヴンがクスクスと笑い始めた。
「それは残念ですね。俺、優しい師匠だったらもう少し素直になれそうなのにな」
「何に対して素直になるって?」
「それは、師匠次第ですけど?」
意味深にフフフと笑うレイヴンの額を指先で突き、残っていたシュークリームを口に放り込む。
「痛っ!」
「餓鬼が俺と駆け引きしようとは……生意気なんだよなァ。お前は俺が好き放題するくらいで丁度いいんだからよ?」
「それ、常にじゃないですか……」
まぁ、こういうやり取りが面白いからつい構っちまうんだよな。
これ以上邪魔するとうるさそうだし、食べ終わるまではのんびりとレイヴンを観察するだけにしておくか。
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