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第三章 再確認する魔塔主と距離が近づく弟子
68.元気で何より<レイヴン視点>
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「顔色は……悪くないな」
「団長、どれだけ心配性なんですか。団長ってレイヴンの父親でしたっけ? ほら、肩の傷も治ってるし……あ」
ウルガーが怪我をしたところを服をずらして確認するために近距離で俺を覗き込んで何故か言葉に詰まって黙ってしまった。
どうしたんだ? 何か傷が残って……と、思って考えを巡らせた。
けど、そこ、もしかして、首筋とか、鎖骨とか、見えて……。
まさか、昨日師匠が付けた跡が見えて、る?
しかもウルガーはこういうことに対しても察しが良すぎるから何をしていたのかなんて……。
……ディートリッヒ様がいることを思い出して、必死に何か言葉を発さないと考えを巡らせる。
ウルガーは何とかなるとして、ディートリッヒ様にそんなこと絶対言える訳ないじゃないか!
叫びたい衝動を堪えて努めて冷静に、冷静に言葉を考えながら紡ぎ出す。
「ほ、本当に! 大丈夫です! その、ご心配をお掛けしてしまいまして……ウルガーと騎士の皆様のお陰で、大事に至らずに済みましたので。後は自分が気をつけなければと反省しておりますが……」
「いや、私でも咄嗟に反応できたかどうかは分からなかった。本来傷を負わせてはいけなかったのだが……こちらこそ済まなかったな」
「……レイヴンが倒れている間、俺が団長に絞られたからな。まだまだ甘いって。俺もそれに関してはまだまだだと思ったよ。本当に無事で良かった」
必死に言い繕ったのに、反射的に首筋を押さえてウルガーを身体から引き離してしまったので、ディートリッヒ様が気にして俺を覗き込んでくる。
「あ、あの……」
「熱はなさそうだが……他に痛いところが?」
恥ずかしくて頬が赤くなってきた。
俺の赤い顔を見てディートリッヒ様が心配そうに額に手を当てて熱を計る。
「団長……熱、ではないと思いますけど?」
「レイヴンはすぐに我慢をするからな。どうも心配になってしまう」
「……過保護すぎるでしょ、このお父さんは」
「誰が父親だ。俺を年寄り扱いするな!どちらかと言えば……そうだな、兄か?」
「はいはい、じゃあ、お兄様ということで。その優しさをもう少し団員にも分けて頂けると俺としても助かるんですが」
どうしよう? ディートリッヒ様を無下にするなんてできないし、だからといって師匠が付けた跡とか見られたら俺が立ち直れないし。
うまいこと話を進めているウルガーに、助けてと目線で訴えてみる。
それすらも察してくれたらしいウルガーがディートリッヒ様にまた話しかける。
「団長、どれだけ心配性なんですか。団長ってレイヴンの父親でしたっけ? ほら、肩の傷も治ってるし……あ」
ウルガーが怪我をしたところを服をずらして確認するために近距離で俺を覗き込んで何故か言葉に詰まって黙ってしまった。
どうしたんだ? 何か傷が残って……と、思って考えを巡らせた。
けど、そこ、もしかして、首筋とか、鎖骨とか、見えて……。
まさか、昨日師匠が付けた跡が見えて、る?
しかもウルガーはこういうことに対しても察しが良すぎるから何をしていたのかなんて……。
……ディートリッヒ様がいることを思い出して、必死に何か言葉を発さないと考えを巡らせる。
ウルガーは何とかなるとして、ディートリッヒ様にそんなこと絶対言える訳ないじゃないか!
叫びたい衝動を堪えて努めて冷静に、冷静に言葉を考えながら紡ぎ出す。
「ほ、本当に! 大丈夫です! その、ご心配をお掛けしてしまいまして……ウルガーと騎士の皆様のお陰で、大事に至らずに済みましたので。後は自分が気をつけなければと反省しておりますが……」
「いや、私でも咄嗟に反応できたかどうかは分からなかった。本来傷を負わせてはいけなかったのだが……こちらこそ済まなかったな」
「……レイヴンが倒れている間、俺が団長に絞られたからな。まだまだ甘いって。俺もそれに関してはまだまだだと思ったよ。本当に無事で良かった」
必死に言い繕ったのに、反射的に首筋を押さえてウルガーを身体から引き離してしまったので、ディートリッヒ様が気にして俺を覗き込んでくる。
「あ、あの……」
「熱はなさそうだが……他に痛いところが?」
恥ずかしくて頬が赤くなってきた。
俺の赤い顔を見てディートリッヒ様が心配そうに額に手を当てて熱を計る。
「団長……熱、ではないと思いますけど?」
「レイヴンはすぐに我慢をするからな。どうも心配になってしまう」
「……過保護すぎるでしょ、このお父さんは」
「誰が父親だ。俺を年寄り扱いするな!どちらかと言えば……そうだな、兄か?」
「はいはい、じゃあ、お兄様ということで。その優しさをもう少し団員にも分けて頂けると俺としても助かるんですが」
どうしよう? ディートリッヒ様を無下にするなんてできないし、だからといって師匠が付けた跡とか見られたら俺が立ち直れないし。
うまいこと話を進めているウルガーに、助けてと目線で訴えてみる。
それすらも察してくれたらしいウルガーがディートリッヒ様にまた話しかける。
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