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大好きです

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(お願い!どうか!どうか!)



と私は寮に帰って、登校ぎりぎりの時間まで部屋で祈っていた。


別にやましいことは……、してないとは言えない。

だって貴族令嬢が、冒険者として活動しているってこと自体卑しいことなのだから。

貴族子息だって冒険者としては活動しないのだ。

そういう経験をしたければちゃんとした手続きを行い、騎士の一員として活動し、経験を積む。

それに私が婚約破棄または婚約解消の後、あの家から放り出されても生きていけるようにとの手段として今までやってきたのだ。

婚約解消を前提とした行為だが、それをコンラッドが知ったら傷つくに決まっている。

あの優しい人を悲しませるのは、辛かった。


だからどうか、冒険者のレンとして、エレンとは別人だと認識をしていてくださいと心の中で祈り続けていた。



そしてコンラッドと顔を合わせた。



「おはよう、エレン」

(……あれ…?)

「おはよう、…コンラッド…」

(もしかして何も聞いてない?あの騎士の人、本当に別人だって思ってくれたのかな?)



私がそう思うほどにコンラッドから何も言われなかった。


なんだーそっかーと満足していると、席に座ったコンラッドはにこりと笑って「ありがとう」といった。



(あれ、今お礼を言われるような会話していたっけ…?)



と思ったが、よくわからないまま「どう、いたしまして?」と首を傾げたのだった。











そしてそのまま6年が経って、遂に学園を卒業する年になった。

この6年色々なことがあった。

まず学園の中での話をあげるとなると

一つ、聖女の男漁りが何度もあった。

流石に分別を付けてくれた男性たちは鼻の下をのばさなくなったから、あまりコンラッドには頼らずに、私が直接聖女に話をした。

男漁りが繰り広げられるたびに何度も、…そう何度も。

ちなみに後で「エレン公爵令嬢が私をいじめるの~」と言いふらしても対処できるように、魔法を使ってコンラッドに状況を見てもらった。



二つ、何故か聖女派と私派の派閥というものが生まれた。

まぁこの学園は貴族しか通っていない為、婚約者を狙われまくった女生徒たちは全て私側の味方となったが、

それでも鼻の下をのばした男たちは結局婚約解消し、そのまま聖女の側についたのだ。

まぁ聖女の側についたとしても、別に痛くもかゆくもないのだが。



三つ、聖女が思ったより魔力を持っていないことが分かった。

一般人と比べて確かに魔力量はあるだろう。

でもそれは一般的な同じ年齢の女性と比べて、だ。

同じ年齢の男性と比べたら、同じくらいの魔力量か、少し少ないくらいだ。

寧ろ私の方があるだろうという感じで、知らないうちに聖女とコンラッドの婚約話の噂はなくなっていった。





学園以外の話をしよう。

まずなんと遂に魔物討伐の許可が与えられたのだ。

勿論15歳の段階でランクが上がり、既に許可は下りていたのだがこの時はまだ複数人でという条件付きだった。

17歳でBランクになった時、やっと一人で活動できる許可が下りた。

なのでここからは儲けまくりのひゃほーいって感じ。



二つ目、何故か女神が私に定着してしまった。

赤髪ではないのに、あの男の子だけではなくて他の大人たちも私の事をそう認識しているのだ。

赤髪の女の人が現れないように祈る毎日である。

え?だって出会っちゃったら、「皆を騙しているこの嘘つき女が!」とかなんとかいわれちゃうじゃない。

まぁ、でも町の住人たちはとてもいい人達ばかりで、よく声をかけてもらえるようになった。



三つ目、私の父親でもある男が捕まった。

男が捕まっただけで、私や母、そして兄には影響はなく、公爵の地位もそのままというなんとも寛大な措置をしてくれた。

しかも驚いたことに兄が父親の書斎をひっくり返して奴隷商売の店のリストを王家に提出したらしい。

腐った金を運用したくないと、まっすぐで誠実な兄の行動に父への咎で許してくれたのだ。

母親の所為で全く関わることがなかった兄だけれども、素晴らしい人だと思った。

ちなみに兄は公爵家が保有している領地の一つに母を送ったらしい。

今あの公爵邸には兄一人で、他は執事やメイド達が住んでいるという事だ。

つまりあの家から出たいと願っていた原因を兄が取り除いてくれたのだ。



(でも兄が結婚したらそれこそお邪魔虫よね) と思うと、このまま平民になってもいいと思う。



まぁこんな感じで結構濃厚な出来事が色々この数年で起きたというわけだ。

そして学園を無事に卒業した私は、コンラッドと共に王城にやってきていた。



(…なんで?)











「陛下、卒業を機に私は婚約者のエレン・ペイジーと結婚致します!
どうか許可を!」



壇上の椅子に腰かけている陛下を見上げて、コンラッドが声を上げた。

その内容に私の目は点になる。



「あいわかった。
エレン・ペイジー公爵令嬢との結婚を…」

「ちょっと待った!!!」



考える間もなく承諾しようとする陛下の言葉を遮ったのは私ではない。

バンっと両開きの扉を勢いよく開けて、許可もなく入ってきた聖女、ミヤシマアオイだった。



「まってください!殿下は聖女である私と結婚するべきです!」

「…何を言っているんだ君は。
どこにそんなことをする理由がある」

「理由ならありますわ!まずその女…エレン公爵令嬢は悪女なのです!」

「悪女、だと…?」



ギラリと目つきがするどくなったコンラッドに、ミヤシマアオイは気付かないのか声高らかに続ける。



「ええ!まずエレン公爵令嬢は私を呼び出してしかりつけましたわ!
手は出さなくとも、言葉は刃物です!簡単に人の心を傷つけるのです!
それにいつも私が主催するお茶会に顔を出してはくださいませんでした!
公爵令嬢が来ないとなると、他の令嬢たちも来てくださらないのですよ!?
私あの学園で友達一人も作ることができませんでした!ひどすぎませんか!?
エレン公爵令嬢は私を遠回しにいじめたのです!悪い人がする手口です!
殿下!こんな悪い人と結婚なんてするべきではありません!
陛下も!こんな悪女が国民を大切にしてくれると思いますか?!見直すべきです!」



ふふんと、言ってやったぜ的な雰囲気を醸し出して腰に手を当ててドヤ顔している聖女サマに私は目を閉じた。

呆れてである。



「………まず君は呼び出された原因に心当たりはあるか?」

「ありません!」

「はぁ……、まず多くの令嬢達から君に対する苦情が多く寄せられている」

「それはエレン公爵令嬢が私を嵌めている結果じゃないですか!?」

「明らかに違うな。私も確認していることだ。
まず、君は婚約者がいる子息達に近寄ったな?」

「友達作りがそんなにいけないんですか?!」

「友達作りに、胸を二の腕に押し付けたり、下着を見せつけたり、膝枕をしたり、抱き着いたり、耳元でささやく必要もない言葉をわざわざ囁いたり、意味もなく異性の太ももを撫でまわしたりなどしない」

「軽いスキンシップじゃないですか!」

「君の世界では軽いスキンシップかもしれないが、この国では婚約者でもない相手にそのような行為をするのは”ふしだら”…つまり、男女関係について節操のない人間だと思われるのだ」

「酷いです!!!」

「君はこのような行為を複数の男性に何度も繰り返して来たな。
その度に全ての子息達にではないが、婚約者の令嬢たちを蔑ろにし始める男共に”僕自ら””直接”苦言を呈したのだ。
ちなみに一部の令嬢たちは耐え切れず、婚約解消している」

「でもただの友達ですよ!それに婚約解消したってことは結局愛がなかったんですよ!」

「その君流の友達作りで、迷惑を受けた人たちは大勢いるのだ。
貴族の結婚はただの恋愛ごっこではない、そこにしっかりとした家同士の契約がある。
勿論、政略結婚でも愛が生まれれば幸せな家庭を作れるだろう」



ここでちらりと私を見るコンラッドに、とりあえずにこりと微笑んでおいた。



「君は学園に在籍する間ずっと、そう……ずっとそうだった。
エレンが君にやめるように促したときも、やめなかった。
君はいったな?”私が主催するお茶会に顔を出してはくれなかった”と。
だがエレンが君を招待した時、君は来なかっただろう? 僕でさえ……僕でさえ!女子寮を理由にお茶を一緒に飲めなくなったのに!!!!
『友達作りなら是非参加しませんか?』」と天使のような、、、いや!女神のような微笑みでお前に手を差し伸べたのに参加しなかったのはお前だ!!!!
何がいじめだ!!! 僕だってエレンに誘われたい!! 一緒に遊んだり、一緒にお菓子を食べたりお茶を飲んだり、面白い本の感想を語ったりしたい!!!!
エレンの所為で友達一人も作ることはできなかっただと!?お前のそのふしだらな行為が原因なだけじゃないか!!!」



はぁはぁと息を荒げるコンラッドに、私も聖女も目が点になった。

ちなみに殿下の側にいつもいる従者や護衛の方、そして陛下はやれやれといった感じだった。



「最初はよかった。朝早くにエレンに会えて、一緒に登校して、一緒に遊ぶことは出来なくても、いつも隣にエレンがいて、そんな環境で学ぶことが出来て、昼食の時間もささやかな会話を楽しみながらエレンと一緒にご飯を食べることが出来る。なんという幸せなひと時なんだと僕は学園生活に感謝したよ。
だが、徐々に崩れ去ったんだ。
ある聖女と名乗る女が入学してから!!!! エレンとはずっと行動してこれたよ!!!でもな!!!!
徐々に疲れたような雰囲気を出すエレンに僕の胸が締め付けられた!!!
そして話す会話もお前の話が大半を占めるようになった!!!エレンの日常に僕は興味があるのであって、お前の話なんて聞きたくないんだ!!!
そしてあの日、エレンから胸が張り裂けそうな言葉を告げられたんだ!!!
婚約解消を!!!!! 僕の好きな人はエレンなのに!!! お前がきっかけで僕は好きな人から別れを告げられたんだぞ!?
お前に僕の苦しみが分かるか?!!?」



一度深呼吸をして、さらに言葉を続けるコンラッド。

口は挟める雰囲気ではなかった。



「そこから立て続けに僕にとっての悲報が続いたよ…。婚約を解消したくない僕は必死になんとか挽回するために色々考えた。
でもさすがはエレンだ。僕の女神は、国民の女神でもあったんだ」



くるりとコンラッドが手を広げなら振り向いた。



「『赤髪の女神』エレンも知っているよね?」

「は、はい……」



私じゃないと主張しているのに、何故か私の事になっているのだ。知らないはずがない。



「それはエレンの事なんだ」

「いえ、…私では「赤髪じゃないじゃない!?」…ですよ」



私ではない声が答えてくれたが、事実のため私は口を挟んだ者に目を向けることはなくそのまま頷いた。



「いや、正真正銘エレンの事だ」



スッとコンラッドが手を挙げると、どこからともなく水晶を持って男が現れる。



「ごめんね、エレン。ちょっと魔力を注いでくれると助かる」



コンラッドが私にそうお願いしたのは、私の魔力量が多いからだ。

内緒にしておこうと思ったのに、授業の一環で魔力量測定というものがあってバレた。



「わかったわ」



何故魔力を注がなくてはいけないかの理由はわからなかったけど、コンラッドは私に不利になるようなお願い事はしない。



魔力を注ぐと水晶は真っ白になり、光が漏れだす。

水晶の上部分にうっすらと映像が映し出された。



茶色いローブを被った一人が町の上空にいきなり現れた。

そして風が吹いてフードがめくれる。



「エレンの美しい銀髪に、赤い炎が照らされたんだ。
こうして周りに炎がなければ銀髪にちゃんと見える。でも見る角度によっては”赤髪”にも見えるんだよ。
これが赤髪の女神の正体。そして今国民の間で話題になっているのが、僕の女神であるエレンなんだ」

「…あ…」

「こ、こんなの…」

「君はいったな?国民の為に考え直すべきだと。
国民に称賛されている彼女を何故王家に迎え入れてはいけない?根拠は何だ?
…エレンには悪いが、この6年間王家としてエレンの行動は常に監視させてもらった。
国民に寄り添うエレンの姿はしっかりと評価されている」



寄り添うというより、冒険者として活動していただけなのだけれど…。



「さぁ彼女ではなく、君を受け入れなくてはいけない理由を教えてもらおうか?」



ミヤシマアオイは崩れ落ちた。

無理もない。王族しか持たない威嚇を放たれて、平然を保てる人なんていないのだ。

私に向けられたものでないのに(こっわーーー!!!コンラッド怖すぎるうう!)って内心冷や汗だらだらなのだ。



「おっほん」



陛下の咳払いにコンラッドが向き直り、私の隣に並んだ。



「では、我が息子コンラッド・ヴェステリアとエレン・ペイジー公爵令嬢との結婚を許可する」



陛下は立ち上がって声高らかに宣言した。



「きゃ!!!?」



嬉々とするコンラッドは、私の脇の下に手を潜り込ませて、そのまま私を持ち上げるとぐるぐると回った。



「やった!!!!エレン!!!これでエレンは僕の妻だよ!!」

「は、…はは…」

「嬉しくないの?エレンは僕の事嫌い?」



悲しそうな顔で見上げるコンラッドに私は苦笑する。







処刑されるくらいなら、平民になって自由に生きていこうと心に誓って色々準備してきたけれど。









ずっと大切にして、愛してくれるコンラッドとなら王子妃として頑張っていってもいいかな







そう思えるくらいには















「勿論、…大好きよ!」













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