校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命

文字の大きさ
上 下
18 / 26

CASE16 隅野 柚月の場合

しおりを挟む
(はうぅ……、あんなに渋滞してたらたしかにそうなるかもだけど、みんなおしっこ我慢しすぎ……。トイレの列が長すぎるよぉ……)

 バスを降りてトイレの列に並ぼうとした私は、その列の長さに驚いた。

(ううぅ~、まだちょっと余裕あるけど、こんなに並んでたら我慢できなくなっちゃうかも……)

 私は不安を抱えながらトイレに並んだ。

 それから大体20分くらいが経って、はじめは長かった私の目の前の列も段々短くなった。そして、あと1人で私の順番というところで、突然、私の後ろから小さな呻き声が聞こえた。

「うぅっ……くうぅっ……ふぅっ……」

 声のした方を振り返ると、そこには必死でおしっこを我慢している明日香ちゃんがいた。明日香ちゃんはクラスで一番背の低い私とは比べ物にならないほどスタイルがよくて、私の憧れの女の子だ。そんな明日香ちゃんが、両手で前押さえをしている。そんな姿に、私は少し驚いた。

(明日香ちゃんも、こんな風におしっこ我慢するんだ……。結構辛そうだし、トイレの順番、譲ってあげた方がいいかな……?)

「明日香ちゃん、大丈夫……?」

 小さな声で明日香ちゃんに聞いてみる。

「……もう無理かも……」

 普段の姿からは想像できないほど顔をゆがめた明日香ちゃんから、弱々しい声が返ってきた。

(どうしよう……。私も結構おしっこしたいけど……)

 私の目の前で、今にもお漏らししちゃいそうな明日香ちゃんが必死に前押さえをしておしっこを我慢している。そんな明日香ちゃんの目の前で私が先にトイレに入るなんてこと、私にはできるはずもなかった。

「明日香ちゃん、先にトイレ使っていいよ」

 私がそう言うと同時に、トイレのドアが開いた。明日香ちゃんはもう少しの余裕もないみたいで、

「ごめん柚月ちゃん!」

と言いながら大慌てでトイレに駆け込んでいった。程なくして、トイレの中から大きな水の音が聞こえた。

(うぅ……、明日香ちゃんのおしっこの音、すっごく聞こえてきてる……。余計におしっこしたくなっちゃうよぉ……)

 明日香ちゃんの気持ちよさそうなおしっこの音に誘われるように、私のおしっこ我慢もだんだん辛くなっていく。きゅううっ、とお腹が痛くなってきて、思わず私はおしっこの出口を手で押さえた。

 トイレの中から明日香ちゃんのおしっこの音が聞こえなくなってきた頃、今度は後ろにいた沙織ちゃんに声をかけられた。

「ねぇ柚月ちゃん、もしよかったらなんだけど、澪ちゃんにトイレ、譲ってあげてくれないかな?」

 そう沙織ちゃんに言われて澪ちゃんの方を見ると、澪ちゃんは私と同じくらい辛そうにおしっこを我慢していた。

(ううぅ~……おしっこできると思ったのに……でも……澪ちゃんもおしっこ漏らしちゃいそうだし……)

 私は膀胱に「まだおしっこできないよ」と心の中で言い聞かせながら澪ちゃんにトイレの順番を譲ることにした。トイレのドアが開いて、明日香ちゃんと入れ替わるように澪ちゃんがトイレに入っていく。

(うう……澪ちゃんのおしっこの音、気持ちよさそう……。私も、おしっこ出ちゃうぅ……)

 澪ちゃんのおしっこの音で、私のおしっこ我慢はもう限界寸前。一瞬おしっこがじゅわわっと出そうになって、とっさに私はパンツの中に手を入れて直接おしっこの出口を両手で押さえた。

 少ししてトイレのドアが開く音がして、私は澪ちゃんと入れ替わるようにトイレに駆け込んだ。

(で、出ちゃうっ! おしっこ、おしっこ出ちゃうぅっ!!!)

 2人分の時間おしっこをおあずけされていた私の膀胱はもうトイレのドアを閉めているほどの余裕もなくて、ぷしゅっ、ぷしゅうっとおしっこが出始めちゃう中で慌てて私はおしっこの出口を押さえていた手でパンツを下ろして和式トイレにまたがった。

 ぷしゃあぁぁっ! ばちゃばちゃばちゃばちゃ!!!!!

(はあぁぁぁぁぁぁぁ……、ギリギリ間に合ったぁぁ……)

 1分くらいおしっこが出続けた後、私はトイレのドアが開きっぱなしということに気が付いた。

(……どうしよう……みんなにおしっこしてるところ丸見えだったし、音もみんなに聞かれちゃった……)

 私は顔が熱くなるのが分かって、駆け足でバスに戻った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

処理中です...