俺は空気が読める~魔力0の無能と馬鹿にされてダンジョンに追放された俺、実は災害級のスキルがぶっ壊れていて世界最強にして唯一の剣士になる~

島風

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90決戦2

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『力が欲しければ空気を読め』 

俺は空気を読んだ。 

「我が剣は神撃なり、一縷の望みとなる神撃、聖なる神に代わり人外の敵を消しさる剣なり、我が神撃は不敗にして、我が神撃は絶対無敵!! 」 

5節の武術言語、初めてのことだ。 

たちまちメキメキと体中に力が巡るのがわかる、そして視界が赤く染まる。 

ベキベキベキベキッ! 

体中の筋が、筋肉が、血管が、そして神経が悲鳴を上げる。 

痛みが全身を駆け巡る。 

「うぉおおおおおおおおおおッ!!」 

思わず咆哮を上げる。 

満ちた気力と堪えがたい苦痛を消し去る為に。 

「ノア君? 一体?」 

「ご主人様? 体中の肉がなんかこぶこぶに?」 

「こ、これは……何か極端な身体強化……なのです」 

「おそらく、伝説の武術言語の最終形態だよ、魔王城の古代書で読んだ」 

多分、クロエちゃんの言う通りだろう。 

武術言語の最終形態。そのブースト力は凄まじい。 

俺の目の前にステータスが浮き出る。 

【名前】ノア  

【能力】空気が読める  

【レベル】120  

【HP】570+(武術言語6,270x身体強化1140)=7,148,370 

【MP】0+(武術言語0x身体強化0)=0  

【魔力】0+(武術言語0x身体強化0)=0  

【筋力】486+(武術言語5,346x身体強化972)=5,196,798  

【防御】659+(武術言語7,249x身体強化1318)=9,554,841  

【敏捷】94+(武術言語1,034x身体強化188x敏捷強化188)=36,545,790  

【器用】134+(武術言語1,474x身体強化268)=395,166  

【スキル効果】  

限界突破Lv1  

武術言語+1,100%(5節)  

身体強化+200%  

敏捷強化+200%  

武術言語Lv11 レベルアップに必要なポイント6,000  

バカげたステータスがもう頭おかしいレベルに跳ね上がっている。 

特に敏捷はありえない数値じゃ? 

だが、この状態は長くはもたない。 

自身でもわかる。身体がきしむ音が聞こえる。 

武術言語の最終形態にはまだレベルが低すぎるんだ。 

最近レベリングしてなかったのが悔やまれる。 

「行く!」 

そう言うと、俺は一気に邪神の使徒に向かって一足進む、すると。 

ドンッ! 

一瞬で音速の壁を越えた。既に俺は歩くだけで音速を超える。 

衝撃波が化け物を襲う。 

「行けぇええええええええッ!」 

俺は地を蹴ると、一気に邪神の使徒に向かって飛びあがり、真っ二つにしようと剣を振り下ろした。しかし。 

ガガガガガガガガガガガガッ! 

信じられない。武術言語の最終形態を持ってしても一気にはいかんか? 

邪神の使徒の表皮は信じがたい硬度を誇っていた。 

これは魔法の方が有利な化け物か? 

いや、駄目だ。アリスやシエナ、クロエちゃんの超神級魔法ですらHPを半分に削るのがやっとだ。持久戦になればみんなMPが尽きる。 

既に30分近く戦っている。アリス以外みんな魔法の回数が減った。 

MPの底が見え始めてるのだろう。 

ならばここは俺が剣で一気にこの化け物のHPを根こそぎ削らないと。 

その時、俺はあることに気が付いた。 

敏捷が高くなったせいか時間の流れが遅い。みなが遅く見える。 

化け物もアリスも、ルナも、シエナもクロエちゃんも……。 

そんな中、俺は感じた。自分の中に流れるものに。 

「(これはもしかして勇者いつきの館で読んだ古代書に書いてあった闘気?)」 

闘気、プラーナとも言う。魔法は魔素により物理現象に干渉する方法だ。 

だが、太古の人はもう一つの未知の物質の存在を予言していた。 

それが闘気、プラーナ。魔素も闘気も実際に見ることはできない。 

ただ、あるだろうと予想されているだけの存在。 

魔法は実際、魔素のことを感じる人が多い。 

目に見えなくても身体の五感以外の何かが感じるのだ。 

そして、今、俺も何かを感じている。 

魔法学園で魔素を全く感じることができなかった俺だが、今、俺は何かを感じている。 

魔力0の俺に魔素を感じることはできない。 

ならば……これは……闘気、プラーナ? 

俺はゆっくり流れる時間の中で闘気を練った。 

今、わかった。剣士の俺の本来の戦い方。 

魔法使いが魔素を練って威力を伸ばすように、剣士である俺も闘気を練って威力を伸ばすことできる筈。 

ゆっくりと練り上げた闘気が完成形に近づくと、俺は確信した。 

ここで武技を放てば一気に邪神の使徒を殺れる。 

誰も見えていないだろう。邪神の使徒の足元に降り立つと、俺は武技を一気に放った。 

「阿修羅剣!」 

ドンッ! 

意外と小さな音だったが、俺の考えは正しかった。 

極超音速で放たれた俺の武技は大量の闘気を伴い、邪神の使徒を突き抜けた。 

その強靭な表皮をあっさりと貫通して、上半身を消滅させた。 

そして……。 

「え?」 

「は?」 

「うそ」 

「もう、ノア君は……」 

鑑定で邪神の使徒のHPが0となり、ステータスが死になっているのを確認すると、俺は武術言語をキャンセルした。 

突然、喧噪が蘇って来た。音速の世界にいた俺には何も聞こえなかった。 

そして、それが突然聞こえた。 

巨大な爆発音……と共に……どうも上空の月が半分に割れてしまったらしいことに気がついた。 

みんなに呆れた声を出されてしまった俺だが……悪びれたりしない。 

むしろ威風堂々と剣を構え、思いっきりカッコつけていた。 

そう、俺は空気が読める男なのだ。キリッ! 
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