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第11話 おまえを幸せ漬けにしてやる *
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ベッドにもつれ込んだ俺とヴァンは、浅い口づけを交わした。
ヴァンは余裕たっぷりである。俺はドレスシャツのボタンをすべて外し、半裸になった。
「焦らしプレイとか俺、興味ねぇから。早く抜いてくれ」
「身も蓋もない物言いですね」
「抜く以外にどんな表現があるんだよ」
「……愛し合うことと、一本抜くことは全然違いますよ」
俺の髪を撫でると、ヴァンが腹に乗り上げてきた。ついに始まるのか。俺はヴァンの背中に腕を回した。筋肉が綺麗についたヴァンのたくましい背中にしがみつく。
「ぎゅってして」
「そう。それでいいですよ。いい子ですね」
ヴァンは俺のおねだり通りに、力を込めて抱き締めてくれた。発達した胸筋に押し潰される感触をたっぷりと味わう。女の子のおっぱいなど、もはやどうでもよかった。俺はヴァンのカラダを感じていたい。
するりとヴァンが動いて、俺のへその下に頭を滑り込ませた。いきなりフェラをされるのかと思って身構えていると、ヴァンは俺の太ももの内側をきつく吸って、キスマークをつけた。
「浮気はダメですよ。あなたは女の子や気持ちいいことが大好きですから、流されてしまわないか心配です」
「おまえとじゃなきゃ……しない」
「へえ。随分と心境の変化があったんですね。そんなにココがよかった?」
「ああっ」
両方の乳首を同時にひねられた。あまりの快感に俺は内股になった。脚でヴァンの腰をぎゅうっと挟み込んでしまう。ヴァンと密着していることが嬉しくてたまらない。俺は舌を突き出してキスをねだった。
ちゅく、ちゅくと俺の口を吸いながら、ヴァンが慣れた手つきで俺の乳首をいじる。ピンと芯を持った突起がヴァンの指の腹によって押し潰されるたび、俺のペニスは角度を上げていった。
「いっぱい意地悪してぇっ」
「本当に可愛らしい人ですね、あなたは」
ヴァンが俺の乳首にジュウッと吸いついた。乳輪ごと粒を飲み込まれ、ぬめった舌でとろかされる。
「あんっ……、ちくび、……いいっ」
「どんどんと色づいてきましたね」
「ヴァン。かりってして」
「かしこまりました」
俺の小さな突起に、ヴァンの歯が軽く当たる。そのまま甘噛みをされれば俺の全身はふるりと震え、快楽の海に放り出された。ヴァンがもう片方の乳首も同じように愛していく。俺はガチガチになったペニスを、ヴァンの引き締まった腹にこすりつけた。
「今度はおちんちんですか。欲張りな人ですね」
「勃っちゃったから、苦しいんだよぉ……っ」
「エドゥアール様の亀頭は綺麗なピンク色ですね」
「あぁんっ」
先端を強く握られ、俺は弾けそうになった。ヴァンは力加減を変えて、俺の裏筋をそろそろとなぞり始めた。腰の奥から熱いものが噴き出しそうになってくる。俺はヴァンの背中にしがみついた。
「……あ、だめ……っ」
俺はヴァンの手の中に射精した。
ヴァンはしっとりと濡れた手のひらを楽しげに見つめている。
「エドゥアール様のお顔はこんなに綺麗なのに、コレの匂いは濃いですね」
「う、うるさいっ。おまえこそどうなんだ」
「気になりますか?」
ずいっとヴァンが腰を動かして、性器を俺の太ももに押し当ててきた。硬く張り詰めた肉棒の感触に、俺は恐怖を覚えた。こんなモノで貫かれたら、体が裂けてしまうかもしれない。
「怖いですか、やはり」
「だって、……おまえの、大きすぎるよ」
「エドゥアール様はきっとコレが気に入りますよ」
「ひゃ、あぁッ」
ヴァンが俺の手を取って、性器に触れさせた。立派すぎるペニスがビクビクと脈打つ。俺は涙目になりながらヴァンの剛棒を観察した。えらが張っていて、竿が太くて赤黒い。そこだけヴァンとは違う生き物のようだ。完全に臨戦態勢に入ったペニスは雄々しくて、凶器を連想させる。
でも、自分だけ気持ちよくなるわけにはいかない。
俺はヴァンの竿をそろそろと上下に扱いた。ヴァンが気持ちよさそうに目を細める。
「上手ですね。もっと強くこすってみてください」
「……こうか?」
力加減が分からないなりに試行錯誤してみる。ヴァンの竿の脈動を感じながら、俺はキスを求めた。ヴァンの濡れた口を吸いながら夢中で手を動かす。肉棒の先端からこぼれた愛液が俺の指にぬるりと絡みつく。全身が汗でベタベタだ。それなのに嫌な感じがしない。
「ヴァン……。気持ちいい?」
「はい……。とても……」
「……よかった。大好きだよ」
俺がちゅっとたくましい首筋に口をつけた瞬間、ヴァンの熱源が爆ぜた。
どぷっと勢いよく飛び出たものが俺の腹に吹きかかる。白濁を浴びた肌がじんと温かくなる。俺はヴァンの残滓によって濡れたへその周りを見下ろした。これがナカに入ったら赤ちゃんができるのか。
お馬鹿な俺が、しっかり者のママになれるわけがない。子どもをもうけることは、まだ遠い先の話だ。
ただもしもヴァンと俺のあいだに子どもができたら——それは二人の絆がそれだけ深いという証だから、とても幸せなことなんだろうな。
お互いによく似た赤ちゃんの成長を一緒に見守っていけたら、俺は……。
未来のことを考えると瞳が潤んできた。
ヴァンが珍しく慌てた表情で俺の肩を撫でる。
「すみません。汚してしまいましたね」
「……別に。大丈夫だよ」
「エドゥアール様。無理をしていませんか?」
「俺……いつか赤ちゃん、欲しいかも……」
消え入りそうな声で囁くと、ヴァンの顔が面白いように赤くなった。ふだんは冷静な男なのに、頭が茹だっている。俺がふふっと笑いをこぼすと、ヴァンは照れているのか、むすっと唇を引き結んだ。
「ずるいですよ。いきなり可愛らしいことを言うのは」
「だって、おまえとずっと一緒に生きてくの、悪くないなって思うし」
「女の子への未練はもうないのですか?」
「赤ちゃんは女の子がいいな」
「エドゥアール様……!」
ヴァンは俺を押し倒すと、全身にキスを敷き詰めた。
「あなたという人は! 快楽に負けたのですか?」
「……俺さ、ママになれって言われてからいろいろ考えた。でも、アタマで考えても分からなかった。だから、心とカラダの声に従うことにしたんだ」
まだ頬を紅潮させているヴァンの頭をそっと胸元に招き寄せる。ヴァンの汗ばんだ肌からは蜂蜜みたいな匂いがした。
「おまえはずっと俺を見ていてくれた。俺のことを誰よりも知ってる」
「そうですよ。なんといったって揺りかごにいた時からの恋なんですから」
「俺、にぎやかな食卓が好きだよ。だから……子どもはいっぱい欲しいな」
「エドゥアール様……。お望みに必ずや応えましょう」
ヴァンは俺の胸の中で嬉しそうに目を細めた。笑わずの従者と称されるこの男を喜ばせることができるのは自分だけだと思うと、俺は嬉しさのあまり泣きそうになった。
「俺もずっと……おまえのことが好きだったんだな」
その晩。
浴場で体を清めたあと、俺とヴァンは軽食をつまんだ。胸がいっぱいでなかなか食べられない俺に、ヴァンが果物やチーズを勧めてくる。
「しっかり栄養を摂っていただかないと」
「まだ妊娠してないだろ」
「エドゥアール様がお産みになる赤ちゃんはさぞ可愛いでしょうね」
「父親に似て渋い顔立ちかもしれないぜ?」
俺たちは唇を合わせた。
人ってこうやって愛を交わして、命を紡いできたんだな。前世で社畜だった俺は社会の歯車にすぎなかった。ヴァンも前世は社畜だったと以前言っていた。これからはこいつをたっぷりと愛して、幸せ漬けにしてやろう。
「ヴァン。今日も一緒のベッドがいい!」
「甘えん坊ですね、エドゥアール様は」
カーテンを引いて、部屋を暗くする。
布団にもぐり込んだあとも、俺たちは軽く触れ合った。俺の前では子どもみたいになるヴァンが愛おしくて、俺はキスを止めるタイミングを見失った。
秋の夜が静かに更けていく。
やがて遊び疲れた俺たちは幸福な眠りについた。
ヴァンは余裕たっぷりである。俺はドレスシャツのボタンをすべて外し、半裸になった。
「焦らしプレイとか俺、興味ねぇから。早く抜いてくれ」
「身も蓋もない物言いですね」
「抜く以外にどんな表現があるんだよ」
「……愛し合うことと、一本抜くことは全然違いますよ」
俺の髪を撫でると、ヴァンが腹に乗り上げてきた。ついに始まるのか。俺はヴァンの背中に腕を回した。筋肉が綺麗についたヴァンのたくましい背中にしがみつく。
「ぎゅってして」
「そう。それでいいですよ。いい子ですね」
ヴァンは俺のおねだり通りに、力を込めて抱き締めてくれた。発達した胸筋に押し潰される感触をたっぷりと味わう。女の子のおっぱいなど、もはやどうでもよかった。俺はヴァンのカラダを感じていたい。
するりとヴァンが動いて、俺のへその下に頭を滑り込ませた。いきなりフェラをされるのかと思って身構えていると、ヴァンは俺の太ももの内側をきつく吸って、キスマークをつけた。
「浮気はダメですよ。あなたは女の子や気持ちいいことが大好きですから、流されてしまわないか心配です」
「おまえとじゃなきゃ……しない」
「へえ。随分と心境の変化があったんですね。そんなにココがよかった?」
「ああっ」
両方の乳首を同時にひねられた。あまりの快感に俺は内股になった。脚でヴァンの腰をぎゅうっと挟み込んでしまう。ヴァンと密着していることが嬉しくてたまらない。俺は舌を突き出してキスをねだった。
ちゅく、ちゅくと俺の口を吸いながら、ヴァンが慣れた手つきで俺の乳首をいじる。ピンと芯を持った突起がヴァンの指の腹によって押し潰されるたび、俺のペニスは角度を上げていった。
「いっぱい意地悪してぇっ」
「本当に可愛らしい人ですね、あなたは」
ヴァンが俺の乳首にジュウッと吸いついた。乳輪ごと粒を飲み込まれ、ぬめった舌でとろかされる。
「あんっ……、ちくび、……いいっ」
「どんどんと色づいてきましたね」
「ヴァン。かりってして」
「かしこまりました」
俺の小さな突起に、ヴァンの歯が軽く当たる。そのまま甘噛みをされれば俺の全身はふるりと震え、快楽の海に放り出された。ヴァンがもう片方の乳首も同じように愛していく。俺はガチガチになったペニスを、ヴァンの引き締まった腹にこすりつけた。
「今度はおちんちんですか。欲張りな人ですね」
「勃っちゃったから、苦しいんだよぉ……っ」
「エドゥアール様の亀頭は綺麗なピンク色ですね」
「あぁんっ」
先端を強く握られ、俺は弾けそうになった。ヴァンは力加減を変えて、俺の裏筋をそろそろとなぞり始めた。腰の奥から熱いものが噴き出しそうになってくる。俺はヴァンの背中にしがみついた。
「……あ、だめ……っ」
俺はヴァンの手の中に射精した。
ヴァンはしっとりと濡れた手のひらを楽しげに見つめている。
「エドゥアール様のお顔はこんなに綺麗なのに、コレの匂いは濃いですね」
「う、うるさいっ。おまえこそどうなんだ」
「気になりますか?」
ずいっとヴァンが腰を動かして、性器を俺の太ももに押し当ててきた。硬く張り詰めた肉棒の感触に、俺は恐怖を覚えた。こんなモノで貫かれたら、体が裂けてしまうかもしれない。
「怖いですか、やはり」
「だって、……おまえの、大きすぎるよ」
「エドゥアール様はきっとコレが気に入りますよ」
「ひゃ、あぁッ」
ヴァンが俺の手を取って、性器に触れさせた。立派すぎるペニスがビクビクと脈打つ。俺は涙目になりながらヴァンの剛棒を観察した。えらが張っていて、竿が太くて赤黒い。そこだけヴァンとは違う生き物のようだ。完全に臨戦態勢に入ったペニスは雄々しくて、凶器を連想させる。
でも、自分だけ気持ちよくなるわけにはいかない。
俺はヴァンの竿をそろそろと上下に扱いた。ヴァンが気持ちよさそうに目を細める。
「上手ですね。もっと強くこすってみてください」
「……こうか?」
力加減が分からないなりに試行錯誤してみる。ヴァンの竿の脈動を感じながら、俺はキスを求めた。ヴァンの濡れた口を吸いながら夢中で手を動かす。肉棒の先端からこぼれた愛液が俺の指にぬるりと絡みつく。全身が汗でベタベタだ。それなのに嫌な感じがしない。
「ヴァン……。気持ちいい?」
「はい……。とても……」
「……よかった。大好きだよ」
俺がちゅっとたくましい首筋に口をつけた瞬間、ヴァンの熱源が爆ぜた。
どぷっと勢いよく飛び出たものが俺の腹に吹きかかる。白濁を浴びた肌がじんと温かくなる。俺はヴァンの残滓によって濡れたへその周りを見下ろした。これがナカに入ったら赤ちゃんができるのか。
お馬鹿な俺が、しっかり者のママになれるわけがない。子どもをもうけることは、まだ遠い先の話だ。
ただもしもヴァンと俺のあいだに子どもができたら——それは二人の絆がそれだけ深いという証だから、とても幸せなことなんだろうな。
お互いによく似た赤ちゃんの成長を一緒に見守っていけたら、俺は……。
未来のことを考えると瞳が潤んできた。
ヴァンが珍しく慌てた表情で俺の肩を撫でる。
「すみません。汚してしまいましたね」
「……別に。大丈夫だよ」
「エドゥアール様。無理をしていませんか?」
「俺……いつか赤ちゃん、欲しいかも……」
消え入りそうな声で囁くと、ヴァンの顔が面白いように赤くなった。ふだんは冷静な男なのに、頭が茹だっている。俺がふふっと笑いをこぼすと、ヴァンは照れているのか、むすっと唇を引き結んだ。
「ずるいですよ。いきなり可愛らしいことを言うのは」
「だって、おまえとずっと一緒に生きてくの、悪くないなって思うし」
「女の子への未練はもうないのですか?」
「赤ちゃんは女の子がいいな」
「エドゥアール様……!」
ヴァンは俺を押し倒すと、全身にキスを敷き詰めた。
「あなたという人は! 快楽に負けたのですか?」
「……俺さ、ママになれって言われてからいろいろ考えた。でも、アタマで考えても分からなかった。だから、心とカラダの声に従うことにしたんだ」
まだ頬を紅潮させているヴァンの頭をそっと胸元に招き寄せる。ヴァンの汗ばんだ肌からは蜂蜜みたいな匂いがした。
「おまえはずっと俺を見ていてくれた。俺のことを誰よりも知ってる」
「そうですよ。なんといったって揺りかごにいた時からの恋なんですから」
「俺、にぎやかな食卓が好きだよ。だから……子どもはいっぱい欲しいな」
「エドゥアール様……。お望みに必ずや応えましょう」
ヴァンは俺の胸の中で嬉しそうに目を細めた。笑わずの従者と称されるこの男を喜ばせることができるのは自分だけだと思うと、俺は嬉しさのあまり泣きそうになった。
「俺もずっと……おまえのことが好きだったんだな」
その晩。
浴場で体を清めたあと、俺とヴァンは軽食をつまんだ。胸がいっぱいでなかなか食べられない俺に、ヴァンが果物やチーズを勧めてくる。
「しっかり栄養を摂っていただかないと」
「まだ妊娠してないだろ」
「エドゥアール様がお産みになる赤ちゃんはさぞ可愛いでしょうね」
「父親に似て渋い顔立ちかもしれないぜ?」
俺たちは唇を合わせた。
人ってこうやって愛を交わして、命を紡いできたんだな。前世で社畜だった俺は社会の歯車にすぎなかった。ヴァンも前世は社畜だったと以前言っていた。これからはこいつをたっぷりと愛して、幸せ漬けにしてやろう。
「ヴァン。今日も一緒のベッドがいい!」
「甘えん坊ですね、エドゥアール様は」
カーテンを引いて、部屋を暗くする。
布団にもぐり込んだあとも、俺たちは軽く触れ合った。俺の前では子どもみたいになるヴァンが愛おしくて、俺はキスを止めるタイミングを見失った。
秋の夜が静かに更けていく。
やがて遊び疲れた俺たちは幸福な眠りについた。
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