ゆうみお R18 お休み中

双葉澪

不思議な人

裁判員制度。
裁判のやり方なんて知らない。

本編のネタばらしらしいものがあります。
ご注意下さい。

NLでは無いのですがちょっと捉えようによってはNLかもしれません………



ーーー


手紙が来て裁判員として法廷に来た。


（なになに………被告人は、……へぇ、強制性交等罪か）


被告人が何をしたのか確認したり考え事をしたりしながら時間になるまで席で待つ。


そのうち時間になって、裁判が始まった。




（さて………一体どれくらい酷い事をしたのかな）




とりあえず当時の情報を聞いてみる。


高校生だった男子を輪姦して殺したらしい。




（男、かぁ………どんな子だったんだろう）




なんて初めは呑気な感想だったけど、





段々…………内容は酷くなっていった。







ーーー


正月で親戚の集まりがあった。

両親を中学生の時に亡くして親のいない被害者は、妹と２人で親戚の家に向かった。


大人ばかりの居間。数少ない女性は妹含め皆台所で料理をしていたらしい。



｢ほら！兄ちゃんも飲みな！｣
｢え……でも僕、未成年｢いいんだよちょっとくらい！！｣｣



被害者はすぐに酔ってしまう強めな酒を何杯も無理やり飲まされたらしい。



｢ん"っ……、んん、ん"！！｣
｢ほらいーっき、いーっき！｣



その場の悪ノリに流されて、気付いた時には目の前に何本もの酒瓶が転がっていた。




｢……ぁ…………、……う｣




被害者は意識が朦朧としていて、酒も弱かったところから肌も赤くもう既に泥酔状態だった。




｢き…………、ゅ…しゃ…………｣




被害者の小さくて細い声は誰にも届かなかった。




｢はぁ…はぁ、こいつよく見ると可愛いな｣





被害者が危険な状態だと分かっていても、酔っている被告人や親戚達は気にもとめなかった。




｢ぅ…ゆ、ゅう……し、………っ？｣



ズボンと下着を脱がされて、それでも泥酔していてまともに立てない被害者が逃げられるはずもなく、




｢ぅ"っ……い"ｯ、あぁぁ"………！！｣




男達に酔った勢いで酒瓶を何度も何度も挿入されていた。




｢は……ぁ"ｯ、あぅ"…え、ぇ"ぇ…………｣



｢助けて｣という言葉も酔った男達には届かず、



｢み”、みゅ”っ、……ぁ”……？｣



その子は酔った男達によって無理矢理犯された。



｢ぁ”……、あ”ー…、っ、ぃあ”ぁ”……！！｣



力無く抵抗して、それは抵抗とも思われずねじ伏せられて、



ついにはうるさいからと喉仏を潰され、



｢……はｯ、はぁ…、…か、かは、｣



脱がされて押さえつけられて、

押し込まれて叩かれて、

散々に犯されて、





その数時間後には





｢あ……おい、こいつ意識ねぇぞ｣



とうとう昏睡してしまった。




｢おい、起きろよ｣
｢反応無くてつまんねーな、こんなんで気絶するとか有り得ないだろ｣



叩いても犯しても反応はなく、脈拍も異常。

そんな被害者の異常な状況に、酔っている男達は気付く訳もなく、




救急車が呼ばれたのはそれから数時間後、妹が第一発見者だった。





すぐに他の女性達に伝えて救急車も呼んだが、既に数時間経っていた彼の状態は最悪で、








もう助からなかった。









ーーー


それに対して酒を飲ませた男が｢やったのは俺じゃない｣と異議してこの裁判が開かれている。



（最悪だ………）



でもそれを知った所で、俺に何か出来た訳では無い。




そんな思いを抱えたまま、裁判は終わった。





｢……あ｣



帰り際、外で制服を着た少女を見つけた。



（あの人、被害者遺族の………）



黒髪ボブに、黒のセーラー服。



声をかけてみた。





｢……あぁ、裁判員の……、…お忙しいところありがとうございました｣


中々に礼儀正しい子で、けどその目に生気は無い。



｢いえ…あの、これからどうするんですか｣


失礼な質問だとは分かりつつも気になってしまう。


｢親戚の家にお世話になります。私１人では流石に生きていけないので｣


そう言って微笑む妹さんは、かなり痩せ細っていて、


元々なんて分からないけど、心配になってしまった。


｢…では。お昼がまだなので、この辺で失礼します｣
｢あ、まって｣



なぜ止めたのかは分からないけど、


このままではこの子は死んでしまう、何故かそう思った。




｢………良ければ奢ります。俺…お金を稼ぐ立場なので、ちょっとはお金ありますから。｣





そして、





ーーー


｢本当に良かったんですか？｣

近くのファミレス…まぁ、高いものを買ってあげられるお金が無かったとかではなく、…近くにあったから………


｢はい、好きなものを頼んで下さい｣
｢……｣



まぁ、食欲なんて無いんだろうけど………




｢…じゃあ、フライドポテト、いいですか？｣
｢そんな量じゃお腹が空きますよ。｣
｢でも…あまり多いと食べられなくて｣
｢じゃあスープとドリンクバー、食後のデザートもつけます。…今は食べないと、貴方も死んでしまいますよ｣


妹さんの表情が濁った。



俯いて、今にも泣きそうな表情をしている。




注文をした後、改めて話した。





｢…悔しいんです、あの時、私がもっと早く居間に行っていれば、早くおばさん達との会話を切り上げていれば｣


澪を救う事が出来たかもしれない





………話を聞くだけでも酷い内容だったのに、それを現場で見てしまった妹はかなりのトラウマになったと思う。




｢私１人じゃ生きていけない、復讐も出来ない、………家族を救う事すら出来ない｣







妹はずっと俯いたままだった。








ーーー

｢いただきます｣


好物の海老グラタンが届いた。


｢んー…っ、うまぁ………｣
｢なんだか、見た目よりも子供っぽいんですね……｣


驚かれた。まぁ…確かに好物の前ではちょっと子供っぽいかも。



｢そうですね…、…あ、そういえば俺、まだ貴方の名前聞いてませんでしたね｣
｢あ…そうですね。私、美優といいます。｣


美優………



（……やっぱり、かぁ）




…思っていた通りだった。




｢ちなみに俺は、｢あ…！｣…！｣


急に美優が声を上げたので驚いて目線の先を見たら、彼女のコップが倒れて水がこぼれてしまっていた。



｢す、すみません、ぼーっとしてて、｣
｢いやいや…あ、すみませーん！｣


店員にも協力してもらって、なんとか水を全て拭き終えた。



｢服、大丈夫ですか？｣
｢ちょっと濡れましたけど大丈夫です。…すみません、最近ぼーっとする事が増えて｣



まぁ、こんな状況ならそれも仕方ない。




｢俺も友人が亡くなった時はそんな感じでした｣
｢ご友人が…？｣
｢はい、高校時代の友人なんですけど、事故で｣



…正直、あれは事故というのか分からないけど。




｢そうなんですね………なんか、ごめんなさい｣
｢いえいえ。｣



その後食事の方に集中して、少し会話はあったが大した内容でもなく、



｢わ……パフェ頼んだんですか｣
｢えへへ…食べなきゃ死んじゃいますから、食べます！｣


段々、美優も笑うようになってきた。





それが心を許してくれた合図だと思い、聞きたかった事を質問してみる。




｢…美優さん、貴方はパズルの最後の１ピースが無くなってどうしても見つからない時、どうしますか？｣



まぁこれは比喩のようなもの。

美優は少し考えて、



｢…探しても無理なら、代わりのものを作るか探すかして、その１ピースを用意するかもしれません｣


似ているものを探してもいい。


それが例え他人のピースでも。





｢……そうなんですね｣





それなら、






｢あ……ところで貴方、なんて言うんですか？さっき聞けてなかったので………｣






俺も、新しいピースを探そうと思う。




彼が好きだったパズルの、最後のピースを。




｢あぁ、……俺は｣





失ったと思っていたピースに、そっくりな代用品を見つけたから。






｢………高野、…って言います。｣








ようやくあの人を、完成させる事が出来るんだ。










ーーー




澪大好きなあの高野さんです。
全く意味が分からない…勿論私も思います、続きは劇場版風長編で！（謎）

初めは裁判官視点で澪レイプを書きたかっただけだったのですが主旨変更です。