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双葉澪
初夜
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初夜というか初めてヤる日
ドラマで性行為を見た澪
本編の全年齢イメージを壊したくない方はバック推奨
ーーー
(澪side)
「俺と結婚して下さい」
そう言って微笑んで、指輪を渡してくれて、
「はい」と言った途端に泣き出したその姿をよく覚えている。
「すごい…………高い……」
「今日からここで暮らすんだよ、絶対に不自由な暮らしはさせないから」
今やテレビで見ない日は無いと言うくらいの大物になってしまったその人は、なんだか遠くに行ってしまった気がして、少しだけ寂しい。
「行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
初めはおはようもおやすみも言えていたのに、
「…………」
「…行ってくるね」
「優馬…、…寝てる」
それもだんだん言えなくなって。
「………お疲れ様。いつも、ありがと。」
眠っているその人の髪の毛を、優しく撫でてあげる事しか出来なくなった。
ーーー
そんな時だった。
「優馬、今回もドラマ決まったんだね、結構遅い時間の…………」
いつもの様に話していると、優馬は少し気まずそうな顔をして、
「…あー……うん、えっとね」
どういう訳か、止めてきた。
「…………え?」
「そのドラマ、ちょっと見ない方がいいかなーって………、ちょっと、怖いやつ…だから」
なんて言ってたけど、
「何言ってるの、恋愛ものでしょ?」
「っ…あ、…恋愛×ホラー…だから…、…ッとにかく見ないで!!」
………見ないでと言われると見たくなる。それが人間。
ーーー
見た。
(やっぱりただの恋愛ものじゃん…!優馬の嘘つき、もう洗濯物干してあげない)
自分の唯一の仕事を放棄した。
内容は男女の少し大人っぽい恋愛もの。
普通に見続けていると、シーンが変わった。
「………」
寝室に移動して、これから寝るんだろうなとか考えていた矢先、
「…………、ぇ……」
かなり動揺してしまった。
(な、何して……寝るんじゃないの…?)
なんで、
(………………っ………)
卒業式の日のアレを思い出してしまった。
(あ…あれって、こんなテレビで放送していいものなの……?いや、これ自体はいいけど、…なんか、やり方が)
舌が絡み合って、唾液が顎をつたう。
女の人がベッドに寝転んで、そこからまた何が始まった。
(え……なんで服、…なに、これから何しようとしてるの…………?)
見ていて恥ずかしい、顔が赤くなってるのを感じる。
「あ…あぁ…………ぅ……、」
近くにあったクッションを抱き締めて、この感情を押さえ込んだ。
『……愛してる、××。』
………優馬の声
思わず顔をあげた。
「…………っあ、………」
顔を上げたらまた恥ずかしくなるようなシーンが流れていて、ずっとクッションで顔を隠していた。
(………まだ何が起こってるのかよく分かんない、けど)
『愛してる』
………
「……僕も、…こういう事すれば……言ってくれるのかな。」
優馬から聞くのは「大好き」「可愛い」、
あまり「愛してる」は聞いた事がない。
「…………っ」
………………だから、
ーーー
勉強した。
(性行為……、…わ、なんか言葉が沢山)
調べれば調べる程恥ずかしくて、
(優馬………ちゃんと僕の事、見てくれるかな。)
なんて思ったりもした。
ーーー
今日は久々に優馬が早く帰ってきて明日も休みな日。
「おかえり、優馬」
「ただいまー!」
…………やるなら今日だ。
「…わ、ほんとにご飯出来てる!美味しそうじゃん!」
「……!…まあ…これくらい出来るし」
料理……苦手だけど、ちょっと頑張った。
(性欲があがる具材、沢山使ったんだよね)
「…………うん、ちょっと味薄いけど、それ以外は完璧だぞ!」
「ほんと…?ありがと…もっと頑張る」
気に入ってくれた。
「あとは風呂だな、澪もまだ?」
「まだ。先に入っていいよ」
…………そして風呂上がり。
少しだけ色気が増すらしい風呂上がりに一気に攻め込む作戦。
(風呂上がりってなんか色気があるらしいし、これで優馬も…………)
とりあえず優馬が入るまでゲームしてた。
ーーー
風呂上がり。
「あがった」
「おかえりー、髪乾かすからおいで」
…………いや、
「乾かさない」
「え?風邪引くよ?」
やるなら今だ。
「優馬」
「はい、……わっ」
ベッドに向かって体を押した。
不意打ちだったからか力を出せばちゃんと倒れた。
「澪……?」
「いいから、黙って抱かれて。」
……そして後は電気を消せば
「………澪、待って」
「わ…っ」
リモコンを手に取ろうとしたら手を引かれて、優馬と目が合った。
「なに……」
「風邪引くぞ?ちゃんとドライヤーしないと」
……!
「子供扱いしないで、僕も大人がやってる事するから」
いつまでも子供じゃない。…もう成人してるし。
「……でも、髪が」
「そんなのいいから」
…………とりあえず最初は
卒業式でしたアレだ。
「……...あのさ、み……、…っん、」
初めは触れるだけ。
……そこから、舌を入れるとか、
(うまく、入んない)
そもそも自分からするのは生まれて初めてだった。
「……みお、」
ふと、名前を呼ぶ声が聞こえた。
その次の瞬間。
「…ん、んん”!?」
向こうから舌が絡んできた。
「っ……ふ、…ッんぐ」
今まで自分からしていたものとは違って向こうからこられるのはまた違った。
「や……め、」
絡んで離れてくれない舌を何とか離し、優馬からも離れた。
「……ッ、…」
「……澪、髪乾かさないと風邪引くよ?」
何で平然としてられるの………
「優馬………僕、」
言いかけた途端、優馬の目を見たら体が怯んだ。
「………ぁ……」
なんか……怒ってるような。
ーーー
髪を乾かしてもらっている歳中も、少し力が強くて痛かった。
乾かし終えて、また優馬を見る。
優馬は笑って、
「じゃ、寝よっか!」
と布団に入った。
「ゆ……優馬、まって」
「おやすみ、澪」
………これ、確実に失敗だ。
(なんで……僕、ちょっとでも大人になりたいって、それだけなのに)
どうしてそれを拒むの
頭の中がぐちゃぐちゃして、もうやけくそという感じだった。
「……優馬。」
名前を呼んだら寝ながら優馬がこっちを見た。
………見てくれた。
「………なッ」
正直何してるんだろうって、自分でも恥ずかしくなる。
「み…澪!何してんだよ、前しめろって!!」
チャック式のパーカーの前を全開にした。
その下には何も着ていないので、その間から少しだけ肌が見えた。
(何してるんだろう僕、何やってるんだろ)
………けど、こういうのが喜ぶって、ネットに書いてあったし。
驚いている優馬の手首を掴んで移動させて、露出した自分の肌に触れさせた。
「ッ……!」
相手の手を自分の胸の辺りに置いてみるといいらしい。
(………けどこういうのって、女の人だからいいのかな)
男の胸なんて、嬉しくない………かな
………けど、それでも、
「女の人の方がいいよね………、…優馬、?」
少しでも僕の事、大人としてみてくれたらって
………そんな考えは甘い事を知った。
「………ひぁッ!!?」
いきなり押し倒されて、服の中にもっと手が伸びてくる。
「っ…あ、優馬………」
思っていたより大きい手が、服の中に入っては肌をなぞっていく感覚。
突然の事に驚きはしたものの、上手くできたのかな、なんて思ったりもした。
指が器用に動いて、躊躇なく肌をなぞっていく。
「ッん…、ぅあ………」
その指が胸の下部あたりで止まった。
「………ぁ、ッ……ひっ、…ひぅ」
そのままそこで指が動き始めて、
「優馬…そんなとこ弄って、何するの……?」
そう聞いても応えてくれない、さっきからずっと無言。
(あれ……なんか、かたくなってきた?)
弄られている場所がかたくなってきて、初めての感覚に驚いてた。
「っ……ん、」
変な感じがする、
「……ひ、ぅ、…優馬………」
名前を呼んだ途端、優馬がハッとして手を止めた。
「………!……あ、……ごめん」
………ようやく喋ってくれた。
「ごめん、怖かったよな、もうしないから」
……………え
躊躇うように手を離して、僕から目を逸らす。
「………やめちゃうの、?」
やめてほしくないのに
「え……澪」
「もっとして、やめないで」
自分が思った事を素直に伝えた。
それがどれだけ相手を誘惑するかも知らずに
「……ッ」
何か甘い匂いでも嗅いでいるように、優馬が虚ろな目でこっちを見た。
「駄目…だってば、澪が傷付くから」
何やら理性でも抑えているのか、
耳まで真っ赤になっている優馬が、恐ろしくもあって、少し可愛くも見えた。
「………大丈夫だよ」
その言葉が優馬の理性を飛ばす合図のようになって、
「……!」
また押し倒されて、自分の口の中に優馬の舌が入ってくる。
「ん”…ッ、んぅ”、………っぐ」
重くて言う事が聞けなさそうで少し乱暴。
まるで狼と戯れているような、そんな気分になった。
(卒業式の時と全然違う……………)
あの時よりも長くて、そろそろ息が持たない。
1分、2分、3分、………と時間が過ぎていく気がして、
「………ふ……あぁ……」
ようやく口が離れたと思ったら、うまく息が出来なくてぐったりしていた。
少し休みたかったけどそんな暇すらないらしい。
「ッ……」
優馬の手が腹に触れた。
(あつ………)
手まで熱くなっている、よっぽど気持ちが高揚してるんだと思った。
そのままその手が下に来て、ズボンと下着に手をかけた。
「………ぁ」ピク
やっぱりすごく恥ずかしい。
ぎゅっと目を瞑って、脱がされる瞬間を見ないようにした。
「……大丈夫、目開けて」
もう片方の手で頭を撫でられた。
……そうやって優しい声を掛けられてしまえば、もう開けるしかないと言うのに。
「……変じゃない…?そんなに見ないで………」
恥ずかしい
「………どこも変じゃない、綺麗だと思うよ」
そう言われて、少しは安心した。
「ひ……ッ、ぁ、」
指が入ってくる。
「や、こわい、」
知らない感覚、異物感。
恐ろしくて、ずっと優馬の服を掴んでた。
(なに、なんでこんなとこ入れるの、…苦しい)
お腹が苦しい、うまく息ができない。
そんな状況とは裏腹に、指は2本、3本と数を増していく。
「や……ッ、痛い」
「嫌だ」と言い切れず、体が震えた。
(でも、僕がやりたいって言ったんだから)
痛いのは我慢しないと………なんて思ったら、
「ッひぐ!!」
中で強い衝撃が起きた。
「!、………」
「ひっ、あ、ぁぅ、そこやだ、へん、へんになるから」
必死でお願いしたけど優馬はそこばかり指で突いてきて、
「~~~ッ」ゾクゾク
いきなり込み上げてくるものにギュッと目を瞑った。
「はぁ…ッ、はぁ、はぁ」
何かが込み上げてくる感覚。
「なんか…変、お腹あつい、なんかくるみたい……」
「!それ、我慢しなくていいから」
何が起きるのか分からなくていると、また優馬が頭を撫でてくれた。
それで安心してしまって、
「ひぁっ……!!」
全身がびくんと跳ねた。
「っ……はー…はぁ………」
今のが何なのか、分からなくていると、
「優馬…今の、なに……?」
「えっと……、…澪になんて説明すればいいんだろう」
「……後で調べる」
説明する言葉を選んでる時点で、まだ子供扱いされてる気がする。
「……んっ、んん、」
耳を舐められてくすぐったくなった。
「ゆぅ……ま、くすぐったい、それ」
「……!」
そう言うとすぐ舌が離れた。
「………ごめん、澪」
そして何故か謝られた。
「……………?」
「その……服の下、とか、見るの初めてで、…思ってたよりずっと細いし小さいし、壊しちゃわないか心配で。」
………!
「…そんな簡単に折れたりしないし、壊れないよ」
「でも、怖い、大事だから怖い」
理性が無くなってしまえば、そんな配慮も出来ず無我夢中になってしまうだろう。
だからそうならないように理性を抑えて、でもそれが酷く苦しそうで、
「……そんなに怖がらないで、?…僕は壊れたりしないから」
まだこの先の経験もなく、そんなことは分からない。
けど、それよりもこの先に行きたい気持ちの方が強くて、
「……っ!」
優馬の首の後ろに腕を通して、そのまま抱き締めた。
そして耳元で囁く。
「……おいで?優馬。」
ーーー
電気を消しても、月明かりで少しだけ見えるのが丁度いい。
「…ほんとにいいの?後悔しない?」
「心配性すぎ……、後悔しないよ、絶対。」
ヘッドボードと枕を背もたれにして、脚を開いて座った。
シーツと枕の柔らかさに体が沈むのが、何故か少しだけ安心出来て、
「………」
いれるところを指で広げた。
「…じゃあ、」
しっかり見ていたつもりだったけど、入口に触れた途端初めての感覚にビクッと体が跳ねた。
「ぁ……あぁ、ぁぅ…………」
どんどん奥に入ってきて、段々苦しくなってきた。
「っ……ぅ、~~~ッ」
苦しくて痛くて、咄嗟に目の前の優馬の服を掴む。
少しでも痛みや恐怖を誤魔化せるように、必死で。
「は……ッ、はぁ、………」
お腹が満たされる感覚。
動きがようやく止まった。
「ふー……、ふーー………ッ」
苦しい………
「……澪、ごめん」
「えぅ………?」
優馬は入っているところを見ながら、申し訳なさそうに、
「全部入んなかった………ナカ、せまくて」
「へ……」
嘘、
「こ…これより奥に入ることがあるの??」
「え……っと、まぁ澪はもう限界までいっちゃったからもういけないけど、もう少し大きい人はもっといくんじゃないかな…………って、そんな事言ってる場合じゃ」
これ以上があるなんて、流石に怖い。
服を掴む手が強くなった。
「………動くよ」
「う…ん、ッひ、あぅ、ッあ、ぅぐ、」
動かれるのが辛い。
「ゆうまぁ……なか、あぅい、ッん、んぁ、」
呂律、回んない
「や……ッ、あぁ”ぁ”~……、、」
肉と肉がぶつかる音がうるさくて、その度に体が震えた。
「…中、出していい?」
「なか…ぁ…?……うん、?」
その台詞……勉強したはずだけど、なんの許可だっけ。
そんな事よりもう、頭…ふわふわする。
「ん……ッ、…ぁ、また、またさっきの……ぉ………?」
また込み上げてくる、これ、我慢しない方がいいんだっけ。
ていうかこの感じ、優馬もあるのかな。
…………だとしたら、どんな感じなんだろ。
「ぃ……ッ、も、出る」
「……うん…?出してぇ…?」
そう言った瞬間、
「っ~~~~ッ…!!?」
何かが中に出された。
それと同時にこっちもまた達してしまって、
「…………ぅ………、」
それが終わると力が入らなくて、優馬も動きを止めた。
「…………ゆ……ま………?」
「はぁ…、……はあ、ッは、」
あれ…………優馬も疲れてる。
僕の上に乗りかかってこられると重くて困る。
汗だくな優馬を見て、弱々しい力で、目にかかって邪魔そうな前髪を流してあげた。
「…………!………ね、澪。愛してる。」
………!
そんな愛おしそうな目を向けられたのは初めてだった。
「うん……、…僕も、愛してるよ…。」
こんなに疲れているのに、何故か幸せな気持ちだった。
ーーー
その後。
「ていうか澪……ドラマ見たでしょ」
色々終わったあと、ベッドで横になってたら聞かれた。
「………」
「怒らないから」
「…見ました」
優馬がため息をついた。
「はぁ……なんで?!!俺見ちゃ駄目だって言ったよね?!」
「怒ってるじゃん…!!嘘つき!!」
...
「……だって、俺もう澪以外好きになれないし、だから恋愛系の演技って苦手なんだよ」
……あ、そういうのもあったんだ。
「別に下手じゃなかったよ?」
「それでも見て欲しくなかったの、まあ大人向けだったからってのが8割だけどな」
……どういうことだろう
「…ごめん、よく分かんない、大人向けの方は分かったけど」
「んー……澪はまだ嫉妬とか分かんなさそうだよなぁ、……まだ子供だもんな?」
…………な、
「馬鹿にして………!!」
「ごめんって、もう寝ようよ、日付変わったよ?」
そうやってまた子供扱いする。
「……優馬」
「なに?」
「いつか絶対、子供じゃないって分からせるから」
時間はかかるかもしれないけど、
(…………もう充分だよ。)
またこの人から、「愛してる」って言ってもらえる為に、頑張ろうと思う。
ーーーーー
普段書いてるやつとギャップが!!(/. .\)
イチャイチャにしろ鬼畜にしろ濡れ場書くのめちゃくちゃ苦手です
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