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2章 壊れた日常。

7話 奪いたいだけ

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連れてこられたのは空き教室だった。


「な………」


鍵を閉められて、部屋にはもう1人男がいて、スマホを片手にこっちを見る。



「よーし、ヤリ部屋にご招待~」




ヤリ部屋………




「ここねー、よくヤってるいるんだよ、この前首輪して犯されてる子もいたな」




なに、なんで




「………」
「怯えてるのかな?…君可愛いと思ったんだよね、ぶつかった時から」




……ぶつかった




(………あ)





あの時の人………




「ッ………」



逃げようと扉の方を向いたけど、連れてきた方の先輩に邪魔された。




「さて………流石がやっただけあるわ………可愛いじゃん」



後ろにいた男にまじまじと顔を見られて、抵抗しようとしたけど力が無いから抵抗とも思われなかったみたいで、




「大丈夫大丈夫安心して、犯すだけだから」





……………え






「……ッ離せ!」
「えーいいじゃん処女じゃないんでしょ?」 




は……?

なんでそんなこと、こいつが知って、





「ひ………ッ!」





考えるより先に押し倒されて、下の服を脱がされた。


抵抗させる気もないくらいに強い力で2人がかりで体を押さえつけられて、



「やべー………あの子だと思うと勃ってきた」
「やっば、慣らしてくらいあげろよ」




適当に指をいれられたあと、充分に慣らされずに




「よーし、じゃあ挿れるよー」




体を地面に押さえつけられてたからただ口でやめろと言う事しか出来なくて、


息が苦しくて、必死に助けを求めた。




「チヅ…チヅ、やだ、やだよたすけて、ちづ」





でも助けに来てくれるわけがなくて、




「ち………ッ、ぁ"、あぁ"ぁ"…ッッ!!」




久しぶりの異物感と痛み。


思い出したくもないことが強制的に脳裏に浮かんでくる。




「おー、ゆっる……ガチで処女じゃないじゃん」
「おーい、泣き真似すんなよ」




してない、本当に苦しい




「や……、…ッやだ、」




何回もやだと言ったのに激しく突かれて、たまに殴られて、暴力みたいなセックスが続いた。







ーーー


数時間後。



「うわ…やば、死んだんじゃね?」
「そんな訳ないだろ、手加減したし」
「これで手加減とか………高崎ほんとやばいわ」




体が重くて動かなくて、体中叩かれたり殴られたりした痣が残っていて、まだ息が苦しくて意識が途切れかけていた。



「ねー大丈夫?動ける?」


頬をぺちぺち叩いて様子を伺われる。

返事すら出来なかった。




「……あー…、こんな細い奴に流石にやりすぎたかな」



ボタンが外れたシャツを捲って浮かぶ助骨に触れられて、それに反応も出来ないくらい意識が朦朧としていた。



唯一出てきた声は、





「………づ」





チヅの名前。
自分でも驚くくらい枯れて酷い声だったし、多分何を言っているのかは誰にも分からないと思う。


「え?なんて?」


それにこの男達は反応した。



「…あぁ、あれじゃね?栗垣千月。柚鳥君のおにーさん」



さっき高崎と呼ばれていた男はスマホをいじりながら答えた。



「へー、ブラコンなの?」
「相当だぞ、お兄さんが困らないようにテスト範囲とかもわざわざ聞きに行くらしいし」
「へー、熱心だなー」




「そろそろ平気そう?」と聞かれて、早く帰って欲しかったのもあってその体勢のまま頷いた。




「………ああもう、どんだけ俺らに消えて欲しいの」



高崎がスマホから目線をこっちに送る。





「……っ、仕方ないな、こんなに貧弱だとは思わなかった。ほら」






……………





(………え?)






どういう訳か、高崎は僕に紙パックのいちごミルクをくれた。



「お、高崎常備のいちごミルク」
「これ美味しいんだよー、柚鳥君これ飲んで早く回復してくれる?」



………優しい?いや、そんなわけない。



もう1人の方に体を起こされて、ストローをさしていちごミルクが口の前に来る。



飲まないともっと酷いことをされる気がして、素直に飲んだ。





(……………あ)



甘くて、けど意識しないと分からないくらいの少しの苦味がある。




「美味しい?」
「……」コク




どういう顔でこの人を見ればいいのか、分からなくなった。





「まあ次からはもう少し優しめにやってあげるからさ、大丈夫だよ」
「……は?」
 



次………?




「うん、次ね。俺………柚鳥君のこと奪いたいんだよね、お兄さんから。」





そう言って笑う高崎のことを全く理解出来なくなった。




「……やだ」
「嫌でもやってもらうから。脅しで写真撮るとかゲスいことはしないけどさ、力づくでやればいいだけだし」




目線を僕から外して、遠い目をしている。






「……………」







その日は、それで帰してもらえた。









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