88 / 100
81.身分違いの恋
しおりを挟む
「ありがとう。楽しかったわ」
「こちらこそ。この後はどうするの?」
「リアンの様子を見に行って、屋敷に帰るつもり」
和やかな雰囲気でティータイムは過ぎ、私はリアンを迎えに行くことにした。リアンは、シャルロットと共に騎士団にいるはずである。
騎士団にはエリックもいるはずで、そこには多少の気まずさもある。
「でも、避けるわけにもいかないものね」
ミアも言う通り、エリックが私に恋をしていると言うのであれば、問題はなくなったはずなのだ。彼の恋心が本物なのかという疑問は、私が自分で解決するものである。
屋敷を出ると、花の香りがほのかにするような、爽やかな風が吹いている。風の香りが、徐々に土と金属の匂いを含んでくると、騎士団の鍛錬場はもうすぐだ。この道のりも、慣れたものである。
「こんにちは、弟がお邪魔しておりますわ」
出入り口付近にいる騎士に声をかけると、彼は礼をした。毎度エリックを呼ばれそうになるので、「待ちます」と繰り返したことが功を奏し、最近では挨拶だけで中に通してくれる。
当然のようにリアンは騎士団の鍛錬に参加しているが、本来そんなことは、ありえない。王女であるシャルロットが連れてくるから、恐らくは特例的措置で、混ぜてもらえているのだろう。
そのことについてひと言、お礼を伝えるつもりで口を開いた私の背後に、ふわっと風が吹き抜けて行った。
「あら? 今の……」
思わずそちらを見ると、落ち着いた色味のドレスを身につけ、つばの広い帽子を被った令嬢らしい後姿。私の背後をすり抜けるようにして、騎士団の鍛錬場の脇を歩いていく。
「鍛錬を見に来るご令嬢って、いらっしゃいますのね」
私の友人にも、騎士の凛とした姿に憧れていた人がいた。当時はわからなかったが、エリックを見ていると、そうした張り詰めた雰囲気に憧れる気持ちが少し理解できる。今訪れたご令嬢も、そうなのかもしれない。
「ああ、あの方は、最近よくお見かけしますね」
「鍛錬の様子って、凛々しくて素敵ですものね。見たくなる気持ちもわかるわ」
「いえ……お目当てがいるんですよ」
騎士はそう言うと、片側の口角をきゅっと持ち上げる。人の噂は蜜の味。私が彼の方に視線を戻すと、聞いてもいないのに、彼はあれこれと話し始めた。
「コリンって奴がいるんですが、あの伯爵令嬢は、奴を目当てにしていらっしゃるんです。コリンは平民出なので、こそこそとしているそうで」
「ああ、そういうことって、本当にあるのね」
カミーユが先日の舞踏会で、そんなことを言っていたと思い出す。平民出の騎士と令嬢のひそやかな恋だなんて、まるで御伽噺のようだ。
「運命の出会いって、あるものね」
「はい。もとはブランドン侯爵の紹介でいらした方なのですが、そこでコリンに一目惚れしたと」
「ふうん……」
そんなにぺらぺらと話してもいいのか心配になるほど、詳しい事情を教えてくれてしまった。突然現れた「ブランドン侯爵」という言葉に、ぴりりとする。
鍛錬場に出入りするには、身元がはっきりしていないといけないのはわかる。侯爵の紹介で伯爵令嬢が足を踏み入れることもあるだろうが、それがブランドン侯爵とは。
「興味深い話をありがとう。私は、鍛錬の様子を見に行きますわ」
口さがない騎士に挨拶をし、その場を辞した。先ほどの令嬢の姿は既にない。コリンという騎士の様子を見にきたのかと思ったが、鍛錬場にもその姿はなかった。
「あっ、おねえさまだ」
「ほんとだ! お姉様ー!」
鍛錬場を覗いた私を直ぐに発見した幼子ふたりが、騎士達の間をすり抜けて駆け寄ってくる。汗だくの額を押し付けてきたシャルロットを、柔らかく押しのける。
「ふたりとも、よく頑張っているのね」
上気した頬、汗に濡れた肌を見れば、ふたりがかなりの強度で運動をしたことがわかる。
「ぼく、明日はぜったい筋肉痛だよー」
「そうなの? あたしは普通だけど」
「シャルの体力は普通じゃないから」
学園に入学しても相変わらず、ふたりのじゃれあいは可愛らしい。
「シャルロット様は、学園の体育だけでは、体力が有り余って仕方ないでしょうね」
「そんなことないよ。覚えることいっぱいあるし」
「勉強はまだ苦手だもんな」
他愛もない会話をしていると、ざく、と粗い土を踏む音がする。
「あら、カミーユ様」
「オルコット公爵令嬢、お久しぶりです」
「そうかしら」
とぼけてはみたが、カミーユの言う通りだ。この間の舞踏会から、エリックに会うのが憚られて、少し足が遠のいていた。
遠のいていったと言ってもそれほど長い期間ではないのだけれど、カミーユに「久しぶり」と言われてしまうほど、私はよくここに顔を出しているのだ。
「カミーユは何しに来たの?」
「楽しそうだから、様子を見に来たんですよ」
背丈が倍ほども違うカミーユに、平気で話しかけるシャルロット。こんなところからも、彼女と騎士の距離の近さを感じる。
「カミーユは、楽しいこと好きだもんね!」
「好きですよ。今休憩中だから、ちょっと遊びましょうか」
「うん!」
そう誘うと、リアンを交えて追いかけっこをし始める。子供ふたりを相手に、自分も楽しげに笑いながら走り回るカミーユ。子供が好きなのだろう、微笑ましい光景だ。
「キャサリン様」
「あ……エリック様。先日の舞踏会では、ありがとうございました」
和やかな光景に心癒されていると、柔らかい声が耳に飛び込んでくる。そちらを見ずともわかる、エリックの声だ。
「こちらこそ。素敵な時間を過ごさせていただきました」
土埃が裾につき、額に薄らと汗をかいてさえ、爽やかな印象を与える姿。いつもと変わらないエリックの様子に、どこか緊張していた私の心も、和らいだ。
「そうそう。エリック様に聞きたいことがあって。コリンって、どの方?」
「コリン、ですか? 騎士団の?」
エリックは表情を強張らせる。
「なぜです?」
「いえ、大したことではないのよ。先程見かけたご令嬢が、コリンという方のところへ行くって伺ったから、気になっただけ」
私が説明すると、エリックは「なんだ、そのことですか」と息を吐いた。
「コリンはここには出ていませんよ。最近体調を崩して、療養しているのです。そのご令嬢のことは、俺はよく知りませんが……」
「そうなの」
「何? コリンの話ですか?」
遊びはもう切り上げたのか、カミーユがひょい、と会話に加わってくる。
「そうなの。先程見かけたご令嬢が、彼を見に来るって聞いたから」
「ああ。有名な話ですよ。コリンは最近療養しているのですが、しょっちゅう、ご令嬢がお見舞いに来るって」
何気ないカミーユの言葉に、エリックが目を丸くした。
「そうなのか?」
「知らないのか? エリックは本当に、その手の話に疎いな」
「どこの方なのかしらね」
人の噂に首を突っ込むのは品がないと思うけれど、引っかかるものがあった。ブランドン侯爵が紹介したという、ご令嬢。そんな人が騎士団に出入りしているのだとしたら、少し心配だ。
「さあ……俺は、何とも。調べればすぐわかると思いますが」
「そうよね」
「お知り合いなのですか?」
「いえ……ただ、同級生のエリーゼと知り合いみたいだから、気になっただけなの」
カミーユの手前、「ブランドン侯爵とつながっているから怪しい」なんて言い方はできない。
「なるほど」
片眉をぴくりと上げ、相槌を打つエリック。彼は、エリーゼの名前だけで、私の言わんとすることに気づいてくれたらしい。
ああ、やっぱり、こんな時に私が頼りたいのは、エリックだ。
「ねえ、おねえさま、帰らないのー?」
リアンが私のスカートを掴み、軽く引っ張って訴える。エリックと相談しようにも、リアンやシャルロットがいては、落ち着いた話ができない。
「そうね。また参ります」
近いうちにエリックと会って、詳しい話を聞いてみたい。私はとりあえず、リアンを連れて、その場を離れた。
「こちらこそ。この後はどうするの?」
「リアンの様子を見に行って、屋敷に帰るつもり」
和やかな雰囲気でティータイムは過ぎ、私はリアンを迎えに行くことにした。リアンは、シャルロットと共に騎士団にいるはずである。
騎士団にはエリックもいるはずで、そこには多少の気まずさもある。
「でも、避けるわけにもいかないものね」
ミアも言う通り、エリックが私に恋をしていると言うのであれば、問題はなくなったはずなのだ。彼の恋心が本物なのかという疑問は、私が自分で解決するものである。
屋敷を出ると、花の香りがほのかにするような、爽やかな風が吹いている。風の香りが、徐々に土と金属の匂いを含んでくると、騎士団の鍛錬場はもうすぐだ。この道のりも、慣れたものである。
「こんにちは、弟がお邪魔しておりますわ」
出入り口付近にいる騎士に声をかけると、彼は礼をした。毎度エリックを呼ばれそうになるので、「待ちます」と繰り返したことが功を奏し、最近では挨拶だけで中に通してくれる。
当然のようにリアンは騎士団の鍛錬に参加しているが、本来そんなことは、ありえない。王女であるシャルロットが連れてくるから、恐らくは特例的措置で、混ぜてもらえているのだろう。
そのことについてひと言、お礼を伝えるつもりで口を開いた私の背後に、ふわっと風が吹き抜けて行った。
「あら? 今の……」
思わずそちらを見ると、落ち着いた色味のドレスを身につけ、つばの広い帽子を被った令嬢らしい後姿。私の背後をすり抜けるようにして、騎士団の鍛錬場の脇を歩いていく。
「鍛錬を見に来るご令嬢って、いらっしゃいますのね」
私の友人にも、騎士の凛とした姿に憧れていた人がいた。当時はわからなかったが、エリックを見ていると、そうした張り詰めた雰囲気に憧れる気持ちが少し理解できる。今訪れたご令嬢も、そうなのかもしれない。
「ああ、あの方は、最近よくお見かけしますね」
「鍛錬の様子って、凛々しくて素敵ですものね。見たくなる気持ちもわかるわ」
「いえ……お目当てがいるんですよ」
騎士はそう言うと、片側の口角をきゅっと持ち上げる。人の噂は蜜の味。私が彼の方に視線を戻すと、聞いてもいないのに、彼はあれこれと話し始めた。
「コリンって奴がいるんですが、あの伯爵令嬢は、奴を目当てにしていらっしゃるんです。コリンは平民出なので、こそこそとしているそうで」
「ああ、そういうことって、本当にあるのね」
カミーユが先日の舞踏会で、そんなことを言っていたと思い出す。平民出の騎士と令嬢のひそやかな恋だなんて、まるで御伽噺のようだ。
「運命の出会いって、あるものね」
「はい。もとはブランドン侯爵の紹介でいらした方なのですが、そこでコリンに一目惚れしたと」
「ふうん……」
そんなにぺらぺらと話してもいいのか心配になるほど、詳しい事情を教えてくれてしまった。突然現れた「ブランドン侯爵」という言葉に、ぴりりとする。
鍛錬場に出入りするには、身元がはっきりしていないといけないのはわかる。侯爵の紹介で伯爵令嬢が足を踏み入れることもあるだろうが、それがブランドン侯爵とは。
「興味深い話をありがとう。私は、鍛錬の様子を見に行きますわ」
口さがない騎士に挨拶をし、その場を辞した。先ほどの令嬢の姿は既にない。コリンという騎士の様子を見にきたのかと思ったが、鍛錬場にもその姿はなかった。
「あっ、おねえさまだ」
「ほんとだ! お姉様ー!」
鍛錬場を覗いた私を直ぐに発見した幼子ふたりが、騎士達の間をすり抜けて駆け寄ってくる。汗だくの額を押し付けてきたシャルロットを、柔らかく押しのける。
「ふたりとも、よく頑張っているのね」
上気した頬、汗に濡れた肌を見れば、ふたりがかなりの強度で運動をしたことがわかる。
「ぼく、明日はぜったい筋肉痛だよー」
「そうなの? あたしは普通だけど」
「シャルの体力は普通じゃないから」
学園に入学しても相変わらず、ふたりのじゃれあいは可愛らしい。
「シャルロット様は、学園の体育だけでは、体力が有り余って仕方ないでしょうね」
「そんなことないよ。覚えることいっぱいあるし」
「勉強はまだ苦手だもんな」
他愛もない会話をしていると、ざく、と粗い土を踏む音がする。
「あら、カミーユ様」
「オルコット公爵令嬢、お久しぶりです」
「そうかしら」
とぼけてはみたが、カミーユの言う通りだ。この間の舞踏会から、エリックに会うのが憚られて、少し足が遠のいていた。
遠のいていったと言ってもそれほど長い期間ではないのだけれど、カミーユに「久しぶり」と言われてしまうほど、私はよくここに顔を出しているのだ。
「カミーユは何しに来たの?」
「楽しそうだから、様子を見に来たんですよ」
背丈が倍ほども違うカミーユに、平気で話しかけるシャルロット。こんなところからも、彼女と騎士の距離の近さを感じる。
「カミーユは、楽しいこと好きだもんね!」
「好きですよ。今休憩中だから、ちょっと遊びましょうか」
「うん!」
そう誘うと、リアンを交えて追いかけっこをし始める。子供ふたりを相手に、自分も楽しげに笑いながら走り回るカミーユ。子供が好きなのだろう、微笑ましい光景だ。
「キャサリン様」
「あ……エリック様。先日の舞踏会では、ありがとうございました」
和やかな光景に心癒されていると、柔らかい声が耳に飛び込んでくる。そちらを見ずともわかる、エリックの声だ。
「こちらこそ。素敵な時間を過ごさせていただきました」
土埃が裾につき、額に薄らと汗をかいてさえ、爽やかな印象を与える姿。いつもと変わらないエリックの様子に、どこか緊張していた私の心も、和らいだ。
「そうそう。エリック様に聞きたいことがあって。コリンって、どの方?」
「コリン、ですか? 騎士団の?」
エリックは表情を強張らせる。
「なぜです?」
「いえ、大したことではないのよ。先程見かけたご令嬢が、コリンという方のところへ行くって伺ったから、気になっただけ」
私が説明すると、エリックは「なんだ、そのことですか」と息を吐いた。
「コリンはここには出ていませんよ。最近体調を崩して、療養しているのです。そのご令嬢のことは、俺はよく知りませんが……」
「そうなの」
「何? コリンの話ですか?」
遊びはもう切り上げたのか、カミーユがひょい、と会話に加わってくる。
「そうなの。先程見かけたご令嬢が、彼を見に来るって聞いたから」
「ああ。有名な話ですよ。コリンは最近療養しているのですが、しょっちゅう、ご令嬢がお見舞いに来るって」
何気ないカミーユの言葉に、エリックが目を丸くした。
「そうなのか?」
「知らないのか? エリックは本当に、その手の話に疎いな」
「どこの方なのかしらね」
人の噂に首を突っ込むのは品がないと思うけれど、引っかかるものがあった。ブランドン侯爵が紹介したという、ご令嬢。そんな人が騎士団に出入りしているのだとしたら、少し心配だ。
「さあ……俺は、何とも。調べればすぐわかると思いますが」
「そうよね」
「お知り合いなのですか?」
「いえ……ただ、同級生のエリーゼと知り合いみたいだから、気になっただけなの」
カミーユの手前、「ブランドン侯爵とつながっているから怪しい」なんて言い方はできない。
「なるほど」
片眉をぴくりと上げ、相槌を打つエリック。彼は、エリーゼの名前だけで、私の言わんとすることに気づいてくれたらしい。
ああ、やっぱり、こんな時に私が頼りたいのは、エリックだ。
「ねえ、おねえさま、帰らないのー?」
リアンが私のスカートを掴み、軽く引っ張って訴える。エリックと相談しようにも、リアンやシャルロットがいては、落ち着いた話ができない。
「そうね。また参ります」
近いうちにエリックと会って、詳しい話を聞いてみたい。私はとりあえず、リアンを連れて、その場を離れた。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】ど近眼悪役令嬢に転生しました。言っておきますが、眼鏡は顔の一部ですから!
As-me.com
恋愛
完結しました。
説明しよう。私ことアリアーティア・ローランスは超絶ど近眼の悪役令嬢である……。
気が付いたらファンタジー系ライトノベル≪君の瞳に恋したボク≫の悪役令嬢に転生していたアリアーティア。
原作悪役令嬢には、超絶ど近眼なのにそれを隠して奮闘していたがあらゆることが裏目に出てしまい最後はお約束のように酷い断罪をされる結末が待っていた。
えぇぇぇっ?!それって私の未来なの?!
腹黒最低王子の婚約者になるのも、訳ありヒロインをいじめた罪で死刑になるのも、絶体に嫌だ!
私の視力と明るい未来を守るため、瓶底眼鏡を離さないんだから!
眼鏡は顔の一部です!
※この話は短編≪ど近眼悪役令嬢に転生したので意地でも眼鏡を離さない!≫の連載版です。
基本のストーリーはそのままですが、後半が他サイトに掲載しているのとは少し違うバージョンになりますのでタイトルも変えてあります。
途中まで恋愛タグは迷子です。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
転生侍女は完全無欠のばあやを目指す
ロゼーナ
恋愛
十歳のターニャは、前の「私」の記憶を思い出した。そして自分が乙女ゲーム『月と太陽のリリー』に登場する、ヒロインでも悪役令嬢でもなく、サポートキャラであることに気付く。侍女として生涯仕えることになるヒロインにも、ゲームでは悪役令嬢となってしまう少女にも、この世界では不幸になってほしくない。ゲームには存在しなかった大団円エンドを目指しつつ、自分の夢である「完全無欠のばあやになること」だって、絶対に叶えてみせる!
*三十話前後で完結予定、最終話まで毎日二話ずつ更新します。
(本作は『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています)
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる