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07 大魔女さんと大海原
竜の涙のミネストローネ 前編
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邪竜がいるのは、泡沫の大地からはそう遠くない大海のよどみ。そこに水竜の巣と呼ばれる広大な海底洞窟があるのだそうだ。
僕たちが目指す目的地は、もちろんその洞窟になる。
数日の準備を経た後で、僕たちは海人の討伐隊と一緒に街を出発した。
洞窟に向かって海を旅する途中で、泡沫の大地を脅かしているという大渦のそばを通りすぎる。
もちろん巻き込まれないように迂回はしたんだけど、それでも見えるくらいのとんでもなく巨大な渦だ。
イメージとしてはニュースで見たアメリカのトルネードに近いかも。
「あの大渦の前じゃ、確かにどんな頑丈な建物でもひとたまりもなさそうだなあ」
「ええ。途方もない魔法力を感じるわ。邪竜が作り出したというのは間違いなさそうね。ということは、たとえ今あの渦を消したとしても、邪竜がいればまた作り直されてしまうってことよ」
「それで『竜殺し』って話になるのか……」
この討伐が決まってから、不安は誰も口にしてはいない。
ただエリーチカやルジェは明らかに普段より緊張している。それにトッティも魔法の下準備をしているのか、移動中もずっと忙しそうだ。
僕にできるのはいつも通りだ。みんなのためにと美味しいごはんを作ることだけで、それが今はことさら歯がゆかった。
水竜の巣に近づくにつれて、魔物との遭遇の回数は目に見えて増えてきた。
それでも討伐隊が先行してくれているので、僕たちは戦わずに済んでいるのだ。
でもどうやら魔物はだんだんと手強くなり、数も多くなってきているらしい。
そしていよいよ水竜の巣――海底洞窟に着いた。これまで乗っていた泡に包まれた船から降りる。
「ここからは徒歩で先を目指すわ。討伐隊がつゆ払いしてくれる手はずになっているけど、敵の規模が読めないの。もしもの時のために、準備しておいて」
「そういえば! トッティ様、船ではずっと魔法を組んでましたけど、あれはなんなんですう?」
「あれは……もしもの時の命綱よ。使わないで済むと良いんだけど」
エリーチカに聞かれたトッティは、ちょっと困ったような笑顔でそう答えていた。
やっぱり魔法の準備をしてたのか。あらかじめ準備しておくこともできるんだなあ。
この時の僕は深く考えていなかったけど――トッティの心配は少し後に的中することになったのだ。
魔物を倒しながら進み続け、地図で見た洞窟の最深部に近づいてきた。
地図通りに行けば大きな空洞があるはずで、そこを抜けたら最深部。竜の巣になる。
しかし最深部を目前にして、先を行く討伐隊から次々に悲鳴が上がり出した。
「うわーっ! まずいぞ、これは……」
「すごい数だ……! しかもあんな奴まで……!」
僕たちにもすぐにその理由はわかった。
急いで駆けつけると、空洞はかなりの数の魔物で満ちあふれていたのだ。
しかもまずいことはもうひとつあった。先行隊の一部が踏み入った後で魔物が急に増えたらしく、魔物の群れの中で孤立している部隊があるみたいなのだ。
「トッティ……! マーフォークさんたちが……!」
「もしもの時のためとは思っていたけど、やっぱり使わずに済むほど手ぬるくはないみたいね。みんな下がっていて」
トッティはそう言うと一歩踏み出した。左手に水晶玉のようなものを持ち、右手にはいつもの魔法杖。
「大魔女トッティの名において精霊の加護よ、顕現せよ――」
唱えだした呪文は『長いやつ』……つまり、すごく強力な魔法ってことだ。
兵士たちの悲鳴にも動揺せずに、長い詠唱をひと息に終えてしまう。と同時にトッティの持っていた水晶玉が脆いガラスのようにカシャンと砕けた。
一瞬の静けさ。そのあとにトッティの杖からあふれ出したのは、空間を走り抜けるおびただしい数の稲妻。
バリバリッ! という凄まじい音とともに、魔物たちをどんどん焼け焦がして行く。しかもこの空間全ての魔物をだ。
それだけでも驚くには十分だったけど、雷撃は味方にはかすりもしない。魔物だけを選んで狙っているのだ。
轟音がやむのと、視界が開けるのは同時だった。
あとに残ったのは呆然と立ち尽くす討伐隊と、僕たちだけだ。
みんな言葉を発せなくなっていた。
それだけ衝撃的な強さの魔法だったのだ。
そしてピンチを脱出できたにも関わらず、辺りの空気はなんというか――。
(驚きというより、恐怖……?)
その時僕は、こないだのトッティとの会話を思い出していた。
『私が本気で魔法を使っても恐れない』。だからトッティはキースさんとならパーティを組めたって。
その意味がわかった。
たぶんこの場のほとんどの人は、今こう思っているはずだ。『こんなの人間業じゃない』って。
だから――。それって、つまり――。
「ケガ人を集めて治療して! 新手が来るわよ! 道が開けているうちに、私たちが水竜を叩く。しばらくなんとか持ちこたえて!」
トッティが凛々しい声でそう告げるのを聞いて、僕はハッとした。
討伐隊も同じだったようで、慌ててケガ人を集めて隊列を組み直している。
そうなると歴戦の戦士たちの動きによどみはなく、すぐにみんな体勢を立て直し始めた。
「行けるっす! トッティさん!」
「ええ。みんな、私たちは奥まで飛ぶわよ」
「ひゃい!」
「わ、わかった!」
横穴から魔物たちの増援がやってくる。
邪竜を倒すまでは、瘴気のせいで小さな魔物たちなら無限に生じてしまうらしい。だから雑魚を叩いてもキリがないのだそうだ。
トッティの使った飛行魔法で宙に浮かび上がると、僕たちパーティは洞窟の最深部を目指した。
そして最深部で待っていたのは――。
『来たか、氷青の大魔女。当代の竜殺しを成し遂げた英雄よ』
地を揺らすような、腹の底から響く恐ろしい声。
一面がどす黒く染まった鍾乳洞のような最深部にいたのは、おとぎ話に出てくるような巨大な竜だった。
息が苦しくなるくらいの、強い威圧感がある。
『そして次は我を屠ろうと言うのだな』
「ええ、そうよ。あなた自身にはなんの恨みもない。でもこの地に生きる全ての者たちのために――私たちはあなたを討つわ。もちろんそれを許して欲しいとは言わない」
『良かろう、わきまえておるな、矮小な人間よ。返り討ちにしてくれよう』
竜は落ち着き払っていて、威厳があって。
でも震えが止まらなくなりそうなくらいの敵意を僕たちに向けている。
そして今まで出会った敵の中では、魔族か、いやそれ以上に知性が高いのは明らかだ。たぶん僕よりずっと経験豊富で頭が良い。
こんな奴を相手にしなければならないなんて――。
それでも、もう戦いは始まってしまった。僕たちは勝たなければいけないのだ。
竜の咆哮が戦闘開始の合図だった。
厳しい戦いなのはわかっていた。
でもそれ以上に大変なできごとがこの後に待ち受けているなんて。
竜がどんなに難しい敵なのかということを、僕は本当の意味では全然わかっていなかった。
この時はまだ少しも予想していなかったのだ――。
僕たちが目指す目的地は、もちろんその洞窟になる。
数日の準備を経た後で、僕たちは海人の討伐隊と一緒に街を出発した。
洞窟に向かって海を旅する途中で、泡沫の大地を脅かしているという大渦のそばを通りすぎる。
もちろん巻き込まれないように迂回はしたんだけど、それでも見えるくらいのとんでもなく巨大な渦だ。
イメージとしてはニュースで見たアメリカのトルネードに近いかも。
「あの大渦の前じゃ、確かにどんな頑丈な建物でもひとたまりもなさそうだなあ」
「ええ。途方もない魔法力を感じるわ。邪竜が作り出したというのは間違いなさそうね。ということは、たとえ今あの渦を消したとしても、邪竜がいればまた作り直されてしまうってことよ」
「それで『竜殺し』って話になるのか……」
この討伐が決まってから、不安は誰も口にしてはいない。
ただエリーチカやルジェは明らかに普段より緊張している。それにトッティも魔法の下準備をしているのか、移動中もずっと忙しそうだ。
僕にできるのはいつも通りだ。みんなのためにと美味しいごはんを作ることだけで、それが今はことさら歯がゆかった。
水竜の巣に近づくにつれて、魔物との遭遇の回数は目に見えて増えてきた。
それでも討伐隊が先行してくれているので、僕たちは戦わずに済んでいるのだ。
でもどうやら魔物はだんだんと手強くなり、数も多くなってきているらしい。
そしていよいよ水竜の巣――海底洞窟に着いた。これまで乗っていた泡に包まれた船から降りる。
「ここからは徒歩で先を目指すわ。討伐隊がつゆ払いしてくれる手はずになっているけど、敵の規模が読めないの。もしもの時のために、準備しておいて」
「そういえば! トッティ様、船ではずっと魔法を組んでましたけど、あれはなんなんですう?」
「あれは……もしもの時の命綱よ。使わないで済むと良いんだけど」
エリーチカに聞かれたトッティは、ちょっと困ったような笑顔でそう答えていた。
やっぱり魔法の準備をしてたのか。あらかじめ準備しておくこともできるんだなあ。
この時の僕は深く考えていなかったけど――トッティの心配は少し後に的中することになったのだ。
魔物を倒しながら進み続け、地図で見た洞窟の最深部に近づいてきた。
地図通りに行けば大きな空洞があるはずで、そこを抜けたら最深部。竜の巣になる。
しかし最深部を目前にして、先を行く討伐隊から次々に悲鳴が上がり出した。
「うわーっ! まずいぞ、これは……」
「すごい数だ……! しかもあんな奴まで……!」
僕たちにもすぐにその理由はわかった。
急いで駆けつけると、空洞はかなりの数の魔物で満ちあふれていたのだ。
しかもまずいことはもうひとつあった。先行隊の一部が踏み入った後で魔物が急に増えたらしく、魔物の群れの中で孤立している部隊があるみたいなのだ。
「トッティ……! マーフォークさんたちが……!」
「もしもの時のためとは思っていたけど、やっぱり使わずに済むほど手ぬるくはないみたいね。みんな下がっていて」
トッティはそう言うと一歩踏み出した。左手に水晶玉のようなものを持ち、右手にはいつもの魔法杖。
「大魔女トッティの名において精霊の加護よ、顕現せよ――」
唱えだした呪文は『長いやつ』……つまり、すごく強力な魔法ってことだ。
兵士たちの悲鳴にも動揺せずに、長い詠唱をひと息に終えてしまう。と同時にトッティの持っていた水晶玉が脆いガラスのようにカシャンと砕けた。
一瞬の静けさ。そのあとにトッティの杖からあふれ出したのは、空間を走り抜けるおびただしい数の稲妻。
バリバリッ! という凄まじい音とともに、魔物たちをどんどん焼け焦がして行く。しかもこの空間全ての魔物をだ。
それだけでも驚くには十分だったけど、雷撃は味方にはかすりもしない。魔物だけを選んで狙っているのだ。
轟音がやむのと、視界が開けるのは同時だった。
あとに残ったのは呆然と立ち尽くす討伐隊と、僕たちだけだ。
みんな言葉を発せなくなっていた。
それだけ衝撃的な強さの魔法だったのだ。
そしてピンチを脱出できたにも関わらず、辺りの空気はなんというか――。
(驚きというより、恐怖……?)
その時僕は、こないだのトッティとの会話を思い出していた。
『私が本気で魔法を使っても恐れない』。だからトッティはキースさんとならパーティを組めたって。
その意味がわかった。
たぶんこの場のほとんどの人は、今こう思っているはずだ。『こんなの人間業じゃない』って。
だから――。それって、つまり――。
「ケガ人を集めて治療して! 新手が来るわよ! 道が開けているうちに、私たちが水竜を叩く。しばらくなんとか持ちこたえて!」
トッティが凛々しい声でそう告げるのを聞いて、僕はハッとした。
討伐隊も同じだったようで、慌ててケガ人を集めて隊列を組み直している。
そうなると歴戦の戦士たちの動きによどみはなく、すぐにみんな体勢を立て直し始めた。
「行けるっす! トッティさん!」
「ええ。みんな、私たちは奥まで飛ぶわよ」
「ひゃい!」
「わ、わかった!」
横穴から魔物たちの増援がやってくる。
邪竜を倒すまでは、瘴気のせいで小さな魔物たちなら無限に生じてしまうらしい。だから雑魚を叩いてもキリがないのだそうだ。
トッティの使った飛行魔法で宙に浮かび上がると、僕たちパーティは洞窟の最深部を目指した。
そして最深部で待っていたのは――。
『来たか、氷青の大魔女。当代の竜殺しを成し遂げた英雄よ』
地を揺らすような、腹の底から響く恐ろしい声。
一面がどす黒く染まった鍾乳洞のような最深部にいたのは、おとぎ話に出てくるような巨大な竜だった。
息が苦しくなるくらいの、強い威圧感がある。
『そして次は我を屠ろうと言うのだな』
「ええ、そうよ。あなた自身にはなんの恨みもない。でもこの地に生きる全ての者たちのために――私たちはあなたを討つわ。もちろんそれを許して欲しいとは言わない」
『良かろう、わきまえておるな、矮小な人間よ。返り討ちにしてくれよう』
竜は落ち着き払っていて、威厳があって。
でも震えが止まらなくなりそうなくらいの敵意を僕たちに向けている。
そして今まで出会った敵の中では、魔族か、いやそれ以上に知性が高いのは明らかだ。たぶん僕よりずっと経験豊富で頭が良い。
こんな奴を相手にしなければならないなんて――。
それでも、もう戦いは始まってしまった。僕たちは勝たなければいけないのだ。
竜の咆哮が戦闘開始の合図だった。
厳しい戦いなのはわかっていた。
でもそれ以上に大変なできごとがこの後に待ち受けているなんて。
竜がどんなに難しい敵なのかということを、僕は本当の意味では全然わかっていなかった。
この時はまだ少しも予想していなかったのだ――。
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