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しおりを挟む「智彗様!瑞凪様!まずはこの書庫を片付けましょう!!」
「え?!か、片付けるって、捨てるってことですか?!!」
「違う違う!図書館のように綺麗に並べて、どこに何の書物があるか分かりやすくするのよ!」
「·····え?何のためにですか??」
綺麗に片付けるって頭がそもそもないのか。
「こんなに沢山の書物とジャンルが揃ってるんだから、2人だけの書物にするのは勿体ない!きっと外には知識や物語を求めてる人が沢山いるはずよ!!」
私は本の間の狭いスペースで両手両足を広げ、選手宣誓のような言葉を並べた。
「はいっ、私倉田瀬里はこの幌天安に世界最大規模の図書館を設立し、王都を繁栄させることをここに誓います!」
書庫に私の声が木霊し、静まり返ったところで、瑞凪様が私にツッコミを入れる。
「···世界最大規模は、言い過ぎ···。」
「じゃあ大陸最大にしとく。」
「「·······」」
何でかな。2人とも本を読む手が停止してポカンとした表情をしてるのに、「無理でしょ」って心の声が聞こえてくる。
「瀬里···その"としょかん"とは一体何なのですか?」
「本···書物を無料で貸したり、読むための場所を提供する場所よ!とにかく書物を読んで皆に楽しんでもらうの!」
「····皆に楽しんでもらう、ですか?」
「繁栄させるためには人々に楽しんでもらえる何かがないと!!」
この世界には娯楽というものがあまりないのだろうか?智彗様は「そういう考え方もあるのか」と呟き、瑞凪様は「無料の書物でどう繁栄させるのか···」と眉間にシワを寄せ考え込んでいる。
「2人とも博識なら"知識"を活かすことだってできるはず!···そうだよ、ここを"知の聖地"にすればいいんだよ!!」
「···"知の聖地"?」
「お祖父さんが軍神なら、2人は博学者!戦では学ぶことのできない知識を周辺国に見せつけてやればいいのよ!!」
「···そんな金銭を生まないもので、上手くいくものだろうか···。」
とりあえずツッコミを入れてくる瑞凪様とは対照的に、智彗様はぼーっとしたまま、プニプニのほっぺたをポリポリと掻いていた。
可愛い····。
私は智彗様の、のほほんとした空気に惑わされないよう首を横に振ると、再び2人に向かって言った。
「とにかく、ここの書物を一緒に片付けて見やすくしよう!綺麗にすれば運気も上がるはず!!」
2人がとっても嫌そうな顔をしたのは言うまでもない。
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