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21話 マリンベール学園②
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「次は医学部ですか?」
マリアが確認するようにダン様に問う。
「そうだ。」
私達は今、医学部の見学に行く為に、文官部と繋ぐ渡り廊下を歩いていた。
医学部でも魔物科(動物も含む)、人間の手で治療する医療科と、魔法で治療する回復魔法科の三種類に分かれている。
回復魔法科は回復魔法が使える者しか入れない特別な科だ。回復魔法が使えるのは世界でも非常に少ない。戦争があるこの世界では、喉から手が出るほど欲しい人材だ。戦場だけではない希少な存在なる。少しでも回復魔法が使える子は有無を言わさずこの科に入れられる。
ちなみに私達三人はそんな力はない。
ダン様はどうなんでしょう?
まず最初はその回復魔法科を見学をすることになった。
回復魔法科の今の生徒数は10名。
国政科と同じ人数くらいだが、違いは三学年合わせての人数になる。
教室に入るとグループに分かれており、二人のグループは一年生、五人のグループが二年生、三人のグループが三年生だそうだ。
いつもは一緒に授業を受けているが、科目によっては段階があるらしく、その時は学年ごとに分かれるらしい。
今はその授業だった。
この科は男女比7:2の比率で女性もいた。
勿論女性は戦場には駆り出されることはない。
そこはサラリと見学して、今度は医療科へと向かった。
医学部の中で医療科は断トツに人数が多く、各学年で120人ほどいるそうだ。120人も入れる教室はないので各学年2クラスに分かれて勉強している。
人数も多い分、女性の姿もちらほらと見えた。
今回は1学年の教室から見学させてもらうことにした。
こちらも真剣に授業を聞いており、私達が教室に入っても気にした様子はなかった。
······ずーと思ってましたが、ダン様は何故が私の後ろをピッタリとくっついてます。
文官部の途中から、気がついたら私の後ろに········。
ダン様はフローラの護衛ですよね?
後ろに張り付く人を間違えていると思います。
今もそう。教室に入って横列で並んでいますが、窓際からマリア、フローラ、私、ダン様と並んでいます。そして私の背中にダン様の手が添えられているのです。
チラリと右隣にいるダン様を見る。
とても平然としていらっしゃいます。
私の視線を感じたのか、ダン様は前を向いたまま、背中から腰に手を滑らせ、いきなり私をグイッと自分の方へ引き寄せた。
「はぅ!?」
私は驚き変な声を上げてしまった。
私の奇声に勉強中の生徒さんは一斉に後ろを振り返り、私達は注目を浴びてしまった。
ダン様を見た女性達は「きゃあ♪」と黄色い声を挙げ、男性達は「うぉぉ!」と歓声を挙げた。
どこの科やクラスに行っても同じような反応をされ、そして
パンッ!パンッ!
と先生が手を叩いて注意するのが定番となっていた。
生徒は前を向くが、やはり女性はダン様が気になるようでチラチラどころか、後ろを向いて目をハートにしてガン見をしている。
だけど一人だけ、ダン様を見ずに私を睨んでいる人がいた。
ダン様は正面からは見えないように後ろの腰に手を当てている。
ただ左端で一番後ろの席にいる女性の方には、バッチリそれが見えていると思う。
だからだろう、私を睨んでいる······と、思う。
どうしよう······。きっとあの方は勘違いしていらっしゃるわ·····。
何故ダン様が腰に手を添えているのかは分かりませんが、ダン様のことを想っているのならこんな姿を見たら勘違いして怒っているに違いない。
私は急いで、ダン様の手を払おうとしたが、今度は後ろで私の手を握ってくる。
私は何とかその手を払おうと抵抗するが、ダン様の手はびくともしない。
私は助けを求めてフローラとマリアの方に向いたが、二人ともこちらを向いてニヤニヤしていた。
そして私と目が合うと親指を当ててウインクをした。
二人ともそれはどういう意味ですのー!?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それからほどくなくして、その教室から出た。
「·····ダン様、手を離してくださいませ。」
ダン様は廊下に出てからも手を離そうとしなかった。
「·······。」
ダン様は私の言葉で手を離してくれたが、腰に手を回し身体を密着させたまま歩く。
「ダン様、私の隣ではなくフローラの隣にいた方がよろしいかと思いますが······。」
「大丈夫だ。問題ない。」
ダン様は平然と答える。
「そうよ!問題なくてよ!」
何故かフローラまで賛同している。しかも「そうよ!そうよ!」とマリアまで······。
困惑していると、前の方からケージーお兄様が見えた。
ケージーお兄様は私達を見つけると、一度は笑顔で手を振りかけたが、急に怒ったような顔になり、猛ダッシュでこちらへと向かってやってきた。
そして私の腰に添えてあったダン様の手をバシッ!と払いのけた。
「おい!ダン!お前はミチルダに何をしている!」
「·······。」
ダン様は嫌そうな顔でケージーお兄様を見ている。
「ここまで許した覚えはないぞ!」
「別に何もしていないが?」
「何をぉぉ!この口が言うのか!この口が!」
ケージーお兄様はダン様の両頬っぺたを摘まんで外に伸ばした。
あの美形な顔が一気に間抜け顔になった。
私達はそれを見てクスクスと思わず笑ってしまった。
こんなことができるのはきっと、仲が良いからね。
ダン様は何も言わず、ケージーお兄様になすがままにされている。
うん?そう言えば、ケージーお兄様は私達のクラスメイトの案内をしてたのではなかったかしら?
まだダン様の顔で遊んでいるケージーお兄様に問いかけた。
「ケージーお兄様、私達のクラスメイトの案内役をしてませんでしたか?」
ケージーお兄様は、ハッと思い出したかのようにダン様をつねっていた指を離した。
「そうだ、ダン、先生からの呼び出しだ。それでお前らを探してたんだ。」
「呼び出し?」
ダン様は怪訝そうな顔をしてケージーお兄様を見た。
「ああ、午後のことじゃないかな。ちょうど昼休憩だ。昼食は奢ってくれるらしいぞ。」
ケージーお兄様は昼食をご馳走になるのを喜んでいるようだった。
でもお弁当を渡しているはずなんだけれど·····。
「おお!ミチルダ心配するな!お前が作ってくれたお弁当はおやつとして食べるから!」
おやつって······。軽食用でなくてよ····。ガッツリ弁当なのですが·····。
「ケージー、私はそのお弁当をくれれば良い。奢りはお前だけしてもらえ。」
「はあ?何言っている!俺が食べるに決まっている!それに俺だけ奢って貰う訳にいかないだろ!」
「私は構わん。ミチルダが作ったお弁当をよこせ。」
「い・や・だ!」
ケージーお兄様とダン様は私の手作りお弁当をめぐって口論を始めた。
私達三人は呆れ顔で見ていたが、終わりそうにないので私が止めに入った。
「ケージーお兄様、ダン様、いい加減になさいまし。先生に呼ばれているのでしょう?早く行かないといけないのではなくて?」
二人とも、「そうだった!」と言って思い出してくれた。
「医学部の途中だが、次は騎士部になる。もう少しで昼休憩だ。昼食も噴水前で取るそうだ。勿論、俺達も後で合流するから。」
ケージーお兄様はそう言うと、ダン様に「行くぞ」と言ってそのまま二人は去って行った。
あれ?フローラの護衛はどうするのかしら?
と思っていると、ケージーお兄様と入れ違いにアーサー様がやってきた。
「ごめん!遅れた!ダンの代わりに昼休憩は僕が護衛するから!」
アーサー様は軽く挨拶をして、私達を噴水の前まで案内をしてくれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「うわ!ミチルダちゃんのクールミパン!?」
あのあと、噴水前に三学年ともに集合し、各学年で場所を指定されて昼御飯を食べる為に散らばった。
ちなみに噴水の周りは三年。私達1年生は一番噴水から遠い場所を指定された。
その説明を受けている間は、アーサー様は隠れていた。見つかったら大変なことになるからだ。先ほどは授業の一環だったので歓声で済んでいたが、休憩となったらアーサー様の周り集まって大騒ぎになることは間違いないから。
私達四人は広い中庭の奥の方の木陰で、周りに人が居ないか確認してからお弁当を食べることにした。
アーサー様はいつもは学食で食べているそうで、お弁当がない。私は少しクールミパンを差し出したのだ。
庶民的なパンだけどアーサー様はとても喜んでくれた。
「ありがとう!いつもケージーのやつが、ミチルダのクールミパンは最高なんだ!って言って自慢してたから食べたかったんだよね!」
まあ、ケージーお兄様ったら大げさです!恥ずかしいですわ!でも嬉しいお言葉です!
「そんで、いつもあったらくれってお願いするのにくれないんだ。ケチだと思わない?」
ケージーお兄様········。
お食事はワイワイと盛り上がりながら楽しくできた。
アーサー様はクールミパンだけでは足りなさそうだったので、私のお弁当を少し分けてあげました。
「うん!旨い!二年前のお弁当やカップケーキも美味しかった!やっぱりミチルダちゃんは料理が上手いね!あの時はありがとね!」
アーサー様、二年前のことを覚えてくれていたのですね!
あの時はただお弁当でしか応援ができなかったし、アーサー様も戦争に行くのだからそれどころでもなかったと思う。でもちゃんとお弁当もおやつも食べてくれた!それが嬉しかった。
アーサー様は学園のこととか、ケージーお兄様の武勇伝?を面白おかしく教えてくれた。
「ごめんなさい。ちょっとおトイレに行ってきますね。」
私はそう言って立ち上がった。
「あっ!トイレの場所分かる?」
アーサー様の言葉にハッとした!
トイレの場所は知らない!
途中まで三人は付いてきてくれた。少し離れた場所で隠れて待ってくれていた。
用をたして、すぐにフローラ達の所に向かう為外に出た時に、いきなり後ろから声を掛けられた。
「ちょっとよろしいかしら?」
振り向くと、そこには医療科で見学した時に、ダン様を見て黄色い声が飛ぶ中、唯一私を睨んできた女性が立っていた。
マリアが確認するようにダン様に問う。
「そうだ。」
私達は今、医学部の見学に行く為に、文官部と繋ぐ渡り廊下を歩いていた。
医学部でも魔物科(動物も含む)、人間の手で治療する医療科と、魔法で治療する回復魔法科の三種類に分かれている。
回復魔法科は回復魔法が使える者しか入れない特別な科だ。回復魔法が使えるのは世界でも非常に少ない。戦争があるこの世界では、喉から手が出るほど欲しい人材だ。戦場だけではない希少な存在なる。少しでも回復魔法が使える子は有無を言わさずこの科に入れられる。
ちなみに私達三人はそんな力はない。
ダン様はどうなんでしょう?
まず最初はその回復魔法科を見学をすることになった。
回復魔法科の今の生徒数は10名。
国政科と同じ人数くらいだが、違いは三学年合わせての人数になる。
教室に入るとグループに分かれており、二人のグループは一年生、五人のグループが二年生、三人のグループが三年生だそうだ。
いつもは一緒に授業を受けているが、科目によっては段階があるらしく、その時は学年ごとに分かれるらしい。
今はその授業だった。
この科は男女比7:2の比率で女性もいた。
勿論女性は戦場には駆り出されることはない。
そこはサラリと見学して、今度は医療科へと向かった。
医学部の中で医療科は断トツに人数が多く、各学年で120人ほどいるそうだ。120人も入れる教室はないので各学年2クラスに分かれて勉強している。
人数も多い分、女性の姿もちらほらと見えた。
今回は1学年の教室から見学させてもらうことにした。
こちらも真剣に授業を聞いており、私達が教室に入っても気にした様子はなかった。
······ずーと思ってましたが、ダン様は何故が私の後ろをピッタリとくっついてます。
文官部の途中から、気がついたら私の後ろに········。
ダン様はフローラの護衛ですよね?
後ろに張り付く人を間違えていると思います。
今もそう。教室に入って横列で並んでいますが、窓際からマリア、フローラ、私、ダン様と並んでいます。そして私の背中にダン様の手が添えられているのです。
チラリと右隣にいるダン様を見る。
とても平然としていらっしゃいます。
私の視線を感じたのか、ダン様は前を向いたまま、背中から腰に手を滑らせ、いきなり私をグイッと自分の方へ引き寄せた。
「はぅ!?」
私は驚き変な声を上げてしまった。
私の奇声に勉強中の生徒さんは一斉に後ろを振り返り、私達は注目を浴びてしまった。
ダン様を見た女性達は「きゃあ♪」と黄色い声を挙げ、男性達は「うぉぉ!」と歓声を挙げた。
どこの科やクラスに行っても同じような反応をされ、そして
パンッ!パンッ!
と先生が手を叩いて注意するのが定番となっていた。
生徒は前を向くが、やはり女性はダン様が気になるようでチラチラどころか、後ろを向いて目をハートにしてガン見をしている。
だけど一人だけ、ダン様を見ずに私を睨んでいる人がいた。
ダン様は正面からは見えないように後ろの腰に手を当てている。
ただ左端で一番後ろの席にいる女性の方には、バッチリそれが見えていると思う。
だからだろう、私を睨んでいる······と、思う。
どうしよう······。きっとあの方は勘違いしていらっしゃるわ·····。
何故ダン様が腰に手を添えているのかは分かりませんが、ダン様のことを想っているのならこんな姿を見たら勘違いして怒っているに違いない。
私は急いで、ダン様の手を払おうとしたが、今度は後ろで私の手を握ってくる。
私は何とかその手を払おうと抵抗するが、ダン様の手はびくともしない。
私は助けを求めてフローラとマリアの方に向いたが、二人ともこちらを向いてニヤニヤしていた。
そして私と目が合うと親指を当ててウインクをした。
二人ともそれはどういう意味ですのー!?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それからほどくなくして、その教室から出た。
「·····ダン様、手を離してくださいませ。」
ダン様は廊下に出てからも手を離そうとしなかった。
「·······。」
ダン様は私の言葉で手を離してくれたが、腰に手を回し身体を密着させたまま歩く。
「ダン様、私の隣ではなくフローラの隣にいた方がよろしいかと思いますが······。」
「大丈夫だ。問題ない。」
ダン様は平然と答える。
「そうよ!問題なくてよ!」
何故かフローラまで賛同している。しかも「そうよ!そうよ!」とマリアまで······。
困惑していると、前の方からケージーお兄様が見えた。
ケージーお兄様は私達を見つけると、一度は笑顔で手を振りかけたが、急に怒ったような顔になり、猛ダッシュでこちらへと向かってやってきた。
そして私の腰に添えてあったダン様の手をバシッ!と払いのけた。
「おい!ダン!お前はミチルダに何をしている!」
「·······。」
ダン様は嫌そうな顔でケージーお兄様を見ている。
「ここまで許した覚えはないぞ!」
「別に何もしていないが?」
「何をぉぉ!この口が言うのか!この口が!」
ケージーお兄様はダン様の両頬っぺたを摘まんで外に伸ばした。
あの美形な顔が一気に間抜け顔になった。
私達はそれを見てクスクスと思わず笑ってしまった。
こんなことができるのはきっと、仲が良いからね。
ダン様は何も言わず、ケージーお兄様になすがままにされている。
うん?そう言えば、ケージーお兄様は私達のクラスメイトの案内をしてたのではなかったかしら?
まだダン様の顔で遊んでいるケージーお兄様に問いかけた。
「ケージーお兄様、私達のクラスメイトの案内役をしてませんでしたか?」
ケージーお兄様は、ハッと思い出したかのようにダン様をつねっていた指を離した。
「そうだ、ダン、先生からの呼び出しだ。それでお前らを探してたんだ。」
「呼び出し?」
ダン様は怪訝そうな顔をしてケージーお兄様を見た。
「ああ、午後のことじゃないかな。ちょうど昼休憩だ。昼食は奢ってくれるらしいぞ。」
ケージーお兄様は昼食をご馳走になるのを喜んでいるようだった。
でもお弁当を渡しているはずなんだけれど·····。
「おお!ミチルダ心配するな!お前が作ってくれたお弁当はおやつとして食べるから!」
おやつって······。軽食用でなくてよ····。ガッツリ弁当なのですが·····。
「ケージー、私はそのお弁当をくれれば良い。奢りはお前だけしてもらえ。」
「はあ?何言っている!俺が食べるに決まっている!それに俺だけ奢って貰う訳にいかないだろ!」
「私は構わん。ミチルダが作ったお弁当をよこせ。」
「い・や・だ!」
ケージーお兄様とダン様は私の手作りお弁当をめぐって口論を始めた。
私達三人は呆れ顔で見ていたが、終わりそうにないので私が止めに入った。
「ケージーお兄様、ダン様、いい加減になさいまし。先生に呼ばれているのでしょう?早く行かないといけないのではなくて?」
二人とも、「そうだった!」と言って思い出してくれた。
「医学部の途中だが、次は騎士部になる。もう少しで昼休憩だ。昼食も噴水前で取るそうだ。勿論、俺達も後で合流するから。」
ケージーお兄様はそう言うと、ダン様に「行くぞ」と言ってそのまま二人は去って行った。
あれ?フローラの護衛はどうするのかしら?
と思っていると、ケージーお兄様と入れ違いにアーサー様がやってきた。
「ごめん!遅れた!ダンの代わりに昼休憩は僕が護衛するから!」
アーサー様は軽く挨拶をして、私達を噴水の前まで案内をしてくれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「うわ!ミチルダちゃんのクールミパン!?」
あのあと、噴水前に三学年ともに集合し、各学年で場所を指定されて昼御飯を食べる為に散らばった。
ちなみに噴水の周りは三年。私達1年生は一番噴水から遠い場所を指定された。
その説明を受けている間は、アーサー様は隠れていた。見つかったら大変なことになるからだ。先ほどは授業の一環だったので歓声で済んでいたが、休憩となったらアーサー様の周り集まって大騒ぎになることは間違いないから。
私達四人は広い中庭の奥の方の木陰で、周りに人が居ないか確認してからお弁当を食べることにした。
アーサー様はいつもは学食で食べているそうで、お弁当がない。私は少しクールミパンを差し出したのだ。
庶民的なパンだけどアーサー様はとても喜んでくれた。
「ありがとう!いつもケージーのやつが、ミチルダのクールミパンは最高なんだ!って言って自慢してたから食べたかったんだよね!」
まあ、ケージーお兄様ったら大げさです!恥ずかしいですわ!でも嬉しいお言葉です!
「そんで、いつもあったらくれってお願いするのにくれないんだ。ケチだと思わない?」
ケージーお兄様········。
お食事はワイワイと盛り上がりながら楽しくできた。
アーサー様はクールミパンだけでは足りなさそうだったので、私のお弁当を少し分けてあげました。
「うん!旨い!二年前のお弁当やカップケーキも美味しかった!やっぱりミチルダちゃんは料理が上手いね!あの時はありがとね!」
アーサー様、二年前のことを覚えてくれていたのですね!
あの時はただお弁当でしか応援ができなかったし、アーサー様も戦争に行くのだからそれどころでもなかったと思う。でもちゃんとお弁当もおやつも食べてくれた!それが嬉しかった。
アーサー様は学園のこととか、ケージーお兄様の武勇伝?を面白おかしく教えてくれた。
「ごめんなさい。ちょっとおトイレに行ってきますね。」
私はそう言って立ち上がった。
「あっ!トイレの場所分かる?」
アーサー様の言葉にハッとした!
トイレの場所は知らない!
途中まで三人は付いてきてくれた。少し離れた場所で隠れて待ってくれていた。
用をたして、すぐにフローラ達の所に向かう為外に出た時に、いきなり後ろから声を掛けられた。
「ちょっとよろしいかしら?」
振り向くと、そこには医療科で見学した時に、ダン様を見て黄色い声が飛ぶ中、唯一私を睨んできた女性が立っていた。
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