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3章、ハッピーエンドは譲れない。
50、許してくださいますか(☆)
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仰向けに寝た背中の下に枕を入れられて、下半身を軽く上げるような姿勢にされる。
するすると下へと降りていった憂炎の吐息が、意味深だ。
――何をしようとしているのか察した瞬間、音繰は動揺に声を震わせた。
「あ、あ、待っ……」
手でつかまれて開かされた脚の隙間へと、尻肉の間の孔へと、憂炎の顔が近づけられる。
「――!!」
自分でも視ることのない窄みを、意図せずひくつく恥ずかしい秘蕾を、まじまじと見られている。
そんな現実に、羞恥心がカッと全身を熱くした。
吐息を感じる。
匂いを嗅がれている――そう思った瞬間、居たたまれない気持ちでいっぱいになる。
「そ、そんなところ、視るな……っ」
「師よ、貴方のこの場所を初めて拝見しました――とても綺麗な色ですね」
生真面目な声で恍惚と呟かれ、甘く舌を這わせられると、音繰はおかしなくらい興奮して鼻を抜けるような声をあげてしまった。
「う、うそ。な、な、舐め――やぁ!」
ぴちゃりと淫猥な音を立て、じゅぷ、と唇で音を立てて、舐められる。
刺激に素直過ぎる反応を示して震える音繰に、憂炎が愛しそうに囁く。
「私に舐められて、気持ちいいですか? お師匠様」
カァッと音繰の顔が真っ赤になる。
「憂炎!! ……ぅあ、はぁ……っ。あ……ん……!」
「こんなに乱れて、……たまらない……!」
歓喜の声を零しながら、憂炎が再び後孔に舌を這わせる。
ぴちゃ、ぴちゃといやらしい水音が立てられ。
濡れた感覚、熱くぬるりとした柔らかな舌が中に忍んで。
(あ――煽られる……、だめだ、これ……っ)
羞恥と動揺と、心地よさと興奮と。
「あ、あ、ああっ」
居ても立っても居られない感覚に翻弄されて、音繰は喘いだ。
その声が、ふと戸惑いに染まる。
「あ、あっ……?」
唾液に混じり、精気が注がれている。
甘く、自身の欲情の気をアピールして相手の発情を促すような、精力を増進させるような気が身体の中に流されて、内壁からひたひたと全身を侵略するように広がっていく。
「ば、ばか……な、なんてところから――ハァッ……」
身体の中に毒にも似た甘い蜜がどんどん広がって、達したばかりの身体があり得ないほど昂っていく。
「そ、そんな術――どこで覚え……っ」
「……っ、ふ……」
唇が離れて、興奮にはしゃぐような吐息を零した憂炎は師の問いには答えず、潤滑油に手を伸ばしている。
「師よ――私を感じますか」
潤滑油で濡らされた指が、ぬるりと後ろへと挿いってくる。
「……う、」
中を濡らし、引き抜いてまた潤滑油を足し、また挿れられる。
「ご安心ください、ゆっくりほぐしますから」
「あ、ああ……」
少しずつゆっくり奥に進んで、指が増やされる。
「……」
呼吸を意識して繰り返しながらチラリと視線をやると、憂炎は首をぐっと下げて肩をもちあげ、唇を噛んでいた。
万感を噛みしめるような、そんな気配が全身から溢れている。
「ゆ、……えん」
おそるおそる声をかけると、中で指が内壁を広げるようにぐっと動いて、返事をするみたいだった。
「ンッ」
「師の内部……音繰の中……こ、ここが……」
小さな声で呟かれる独り言がばっちりきこえている。
(そ、そ、そんなに意識されるとこっちも恥ずかしいな……っ!?)
音繰が情緒を乱されていると、内部のやんちゃな指は前立腺をこりゅっと引っ掻いた。
「……ひッ!」
快感がばちりと弾けて、声が出る。
そのまま好いところをコリコリと探られると、神経に杭を打たれたように音繰の体がびくびくと痙攣した。
「この場所が師のお好きなところですね」
嬉しそうな弟子の声がする。
蕩けさせてやろうという明確な意思を持った動きで、執拗にそこが攻められる。
潤滑油でたっぷりと濡らされた後孔が、くちゅくちゅと恥ずかしい水音を奏でて、耳から犯されるよう。
「あッ、あッ、 あッ、あ……!!」
余りの快感に顎が上がる。上擦ったあられもない声があがってしまう。
「~~……!!」
指はそんな反応を愉しむようにしつこくそこを攻めて、音繰を一層とろとろに乱れさせた。
「そんなに悦いですか、そんなに気持ちいいですか、ああ、可愛い……っ」
それが嬉しくて堪らないといった顔で、憂炎がうっとりしている。尻尾はおおはしゃぎだ。
「や、やだ、やだ、しつこい……あ、あ、あっ、もう……っ」
(やめろと言ってしまいそう。でも、言ったら本当にやめちゃいそう。憂炎だもの)
今、師弟の上下関係みたいなものを意識させてはいけない。
ただでさえ、改まった態度で敬語を使ったりしているのだもの――音繰はそう思い、自分の手で自分の口を塞いだ。
「ん、んぅ、う……ん、んんっ……」
射精の感を直接的に高めるような強い刺激が続いていて、反射みたいにくぐもった声が出てしまう。
強烈な感覚に、ぐずぐずに蕩けさせられていく。
力が抜けて、手の指先や足先でくしゃりと敷布を乱して悶えるのが精一杯になっていく。
「ああ、美しい。……綺麗だ」
熱を吐くように言って、憂炎は舌なめずりをした。
「ハァッ――ハァッ……、」
ずるりと指を引き抜き、興奮の吐息をついて、憂炎は反り返り脈打つ自身の雄の証を師の蕾にあてがった。
「我慢できない。私は、もう……挿れたくて仕方ない……っ」
上擦るような声で言って、憂炎は切なく先端を入り口に押し付けてアピールするようにして懇願する。
「よいですか、お師匠様。許してくださいますか。もう、もう……っ」
(ゆ、憂炎。そんな声で! そんな辛そうな声で、……許可を求めるのか!)
音繰は情緒を乱されながら、必死に頷いた。
「いい……っ! いいから……っ」
もう、我慢しなくていい……!
「―― 音繰!」
歓喜の声と共に、雄がグッと後ろを暴き、征服してくる。挿いってくる。
「あぁっ――」
――挿入される!
その、指とは比べ物にならない凄まじい大きさ。太さ。長さ――圧迫感。
ひらかれ、進まれる感覚。内臓の内側に受け入れる感覚。
奥に侵入される恐怖――歓び!
様々な感情が入り乱れて、何も考えられなくなる。
内臓が押し上げられ、形を覚え込ませられるように押し込まれるたび、鈍く甘やかな痛みが背を走る。
挿入を果たした憂炎の陰茎が中で質量を増し、膨張するのを感じる。
「ひぅ……っ」
音繰は初心な処女のように慄いて、己を揺さぶる相手にただただしがみつくしかなかった。
「――……っ、はぁっ、はぁっ、」
――息を繰り返すことしか、できない。
「な、――中。これが、貴方の、中……」
憂炎が余裕のない声を零している。
凛々しい眉根をきゅっと寄せて、唇を引き結び、興奮に息を乱して。
感動したような顔で、泣きそうに目を潤ませている。
「……ッ、な、なにもしないまま、達ってしまいそうだ……」
ぎゅっと目を閉じて、感無量といった顔でそんなことを呟く。
息が詰まり、呼吸だけで精一杯だった音繰の胸に幸福感の波がゆらり、ふわりと湧き上がる。
「あ、ああ……憂炎……」
(そんな顔をして。そんな、嬉しそうな、気持ちよさそうな顔をして、君は……!!)
――たまらなくなるじゃないか……っ!
「動いて。憂炎……っ、気持ちよく、なろう……っ? ……気持ちよく、なって……?」
手をそろそろと動かして頭を撫でてやれば、腰がぐっと使われる。
「ッア!」
高い声がこぼれて、音繰はぎゅっと目の前の逞しい身体に縋った。
「――っ……」
慣らすように、身体を気にするようにしながら緩く抽挿を繰り返される。
欲望の炎を灯す瞳が絡み合い、憂炎の動きが速まっていく。
余裕がない。
それが感じられて、胸がいっぱいになる。
荒々しく腰を穿たれ、誰も知らない最奥に到達されて突かれると、ぶわっと何かが溢れそうになる。
眼を限界まで見開いて涙を流して、最奥を暴かれた感覚に鳥肌をたてて感じてしまう。
好いところへと強く腰を打ち付けられ、溢れそうな熱を容赦無く追い立てるようにされれば、もうそれしか考えられなくなる。
「あ、あ、あッ、ぁ……あア!!」
口がだらしなく開いて、閉じることもできないまま声をあげつづける。
濡れた唇の端から透明な唾液がたらりと零れて、顎を伝う。それを拭う余裕もない。
「あ、あ、ああ、」
嬌声を搾り取るようにグラインドされて、めちゃくちゃに中を乱されると、音繰は後ろを締め付けながら絶頂への階を感じた。
官能の蜜壺の中、押し寄せる波に溺れて、攫われ、沈んで――揉みくちゃにされながら高く高く、のぼらされていく。
熱の篭った獣のような眼差しに、捕捉されている。
(た、たべられる)
私は、この男に食べられている!
この男のモノにされている!!
音繰はゾクゾクと全身を震わせた。
「お……音繰……――」
荒い手付きで、射精させようという意思をはっきりとさせた動きで、音繰の陰茎が扱かれる。
「ひっ、ふあ、あ、あ!! ま、前はっ」
急かすように、搾り取るように、動きが激しくされる。
大袈裟なくらい嬌声をあげて、演技でもしないぐらい感じた声をあげて善がってしまう。
視界が揺れる。
汗が照明にきらきらと透明な輝きを光らせ、肌も寝具も濡れている。
二人一緒に、濡れている――、
「ああ、ぁあ、あッ、」
――逃がしてもらえない。
身体の奥底、秘された急所をいたぶられ、なすすべなく追い詰められていく。
幾度も押し寄せる波に、息をつく間も与えられない。
「――音繰……!」
切なそうな声で名を呼ばれて、ひときわ強く奥を突きあげられた瞬間、ぶわりと肌が粟立った。
「ぅあ、あ! あ、あ、あ――~~ッ!!」
頭がスパークする――、
一番上まで一気にひきあげられる感覚のあと、びくびくと全身を痙攣させて、気づくと音繰は精を放っていた。
必死で息をしながら、飛び散って下半身を汚した白蜜液を自覚しながら、意識が遠ざかる。
――その心には、今まで味わったことのない多幸感が溢れていた。
するすると下へと降りていった憂炎の吐息が、意味深だ。
――何をしようとしているのか察した瞬間、音繰は動揺に声を震わせた。
「あ、あ、待っ……」
手でつかまれて開かされた脚の隙間へと、尻肉の間の孔へと、憂炎の顔が近づけられる。
「――!!」
自分でも視ることのない窄みを、意図せずひくつく恥ずかしい秘蕾を、まじまじと見られている。
そんな現実に、羞恥心がカッと全身を熱くした。
吐息を感じる。
匂いを嗅がれている――そう思った瞬間、居たたまれない気持ちでいっぱいになる。
「そ、そんなところ、視るな……っ」
「師よ、貴方のこの場所を初めて拝見しました――とても綺麗な色ですね」
生真面目な声で恍惚と呟かれ、甘く舌を這わせられると、音繰はおかしなくらい興奮して鼻を抜けるような声をあげてしまった。
「う、うそ。な、な、舐め――やぁ!」
ぴちゃりと淫猥な音を立て、じゅぷ、と唇で音を立てて、舐められる。
刺激に素直過ぎる反応を示して震える音繰に、憂炎が愛しそうに囁く。
「私に舐められて、気持ちいいですか? お師匠様」
カァッと音繰の顔が真っ赤になる。
「憂炎!! ……ぅあ、はぁ……っ。あ……ん……!」
「こんなに乱れて、……たまらない……!」
歓喜の声を零しながら、憂炎が再び後孔に舌を這わせる。
ぴちゃ、ぴちゃといやらしい水音が立てられ。
濡れた感覚、熱くぬるりとした柔らかな舌が中に忍んで。
(あ――煽られる……、だめだ、これ……っ)
羞恥と動揺と、心地よさと興奮と。
「あ、あ、ああっ」
居ても立っても居られない感覚に翻弄されて、音繰は喘いだ。
その声が、ふと戸惑いに染まる。
「あ、あっ……?」
唾液に混じり、精気が注がれている。
甘く、自身の欲情の気をアピールして相手の発情を促すような、精力を増進させるような気が身体の中に流されて、内壁からひたひたと全身を侵略するように広がっていく。
「ば、ばか……な、なんてところから――ハァッ……」
身体の中に毒にも似た甘い蜜がどんどん広がって、達したばかりの身体があり得ないほど昂っていく。
「そ、そんな術――どこで覚え……っ」
「……っ、ふ……」
唇が離れて、興奮にはしゃぐような吐息を零した憂炎は師の問いには答えず、潤滑油に手を伸ばしている。
「師よ――私を感じますか」
潤滑油で濡らされた指が、ぬるりと後ろへと挿いってくる。
「……う、」
中を濡らし、引き抜いてまた潤滑油を足し、また挿れられる。
「ご安心ください、ゆっくりほぐしますから」
「あ、ああ……」
少しずつゆっくり奥に進んで、指が増やされる。
「……」
呼吸を意識して繰り返しながらチラリと視線をやると、憂炎は首をぐっと下げて肩をもちあげ、唇を噛んでいた。
万感を噛みしめるような、そんな気配が全身から溢れている。
「ゆ、……えん」
おそるおそる声をかけると、中で指が内壁を広げるようにぐっと動いて、返事をするみたいだった。
「ンッ」
「師の内部……音繰の中……こ、ここが……」
小さな声で呟かれる独り言がばっちりきこえている。
(そ、そ、そんなに意識されるとこっちも恥ずかしいな……っ!?)
音繰が情緒を乱されていると、内部のやんちゃな指は前立腺をこりゅっと引っ掻いた。
「……ひッ!」
快感がばちりと弾けて、声が出る。
そのまま好いところをコリコリと探られると、神経に杭を打たれたように音繰の体がびくびくと痙攣した。
「この場所が師のお好きなところですね」
嬉しそうな弟子の声がする。
蕩けさせてやろうという明確な意思を持った動きで、執拗にそこが攻められる。
潤滑油でたっぷりと濡らされた後孔が、くちゅくちゅと恥ずかしい水音を奏でて、耳から犯されるよう。
「あッ、あッ、 あッ、あ……!!」
余りの快感に顎が上がる。上擦ったあられもない声があがってしまう。
「~~……!!」
指はそんな反応を愉しむようにしつこくそこを攻めて、音繰を一層とろとろに乱れさせた。
「そんなに悦いですか、そんなに気持ちいいですか、ああ、可愛い……っ」
それが嬉しくて堪らないといった顔で、憂炎がうっとりしている。尻尾はおおはしゃぎだ。
「や、やだ、やだ、しつこい……あ、あ、あっ、もう……っ」
(やめろと言ってしまいそう。でも、言ったら本当にやめちゃいそう。憂炎だもの)
今、師弟の上下関係みたいなものを意識させてはいけない。
ただでさえ、改まった態度で敬語を使ったりしているのだもの――音繰はそう思い、自分の手で自分の口を塞いだ。
「ん、んぅ、う……ん、んんっ……」
射精の感を直接的に高めるような強い刺激が続いていて、反射みたいにくぐもった声が出てしまう。
強烈な感覚に、ぐずぐずに蕩けさせられていく。
力が抜けて、手の指先や足先でくしゃりと敷布を乱して悶えるのが精一杯になっていく。
「ああ、美しい。……綺麗だ」
熱を吐くように言って、憂炎は舌なめずりをした。
「ハァッ――ハァッ……、」
ずるりと指を引き抜き、興奮の吐息をついて、憂炎は反り返り脈打つ自身の雄の証を師の蕾にあてがった。
「我慢できない。私は、もう……挿れたくて仕方ない……っ」
上擦るような声で言って、憂炎は切なく先端を入り口に押し付けてアピールするようにして懇願する。
「よいですか、お師匠様。許してくださいますか。もう、もう……っ」
(ゆ、憂炎。そんな声で! そんな辛そうな声で、……許可を求めるのか!)
音繰は情緒を乱されながら、必死に頷いた。
「いい……っ! いいから……っ」
もう、我慢しなくていい……!
「―― 音繰!」
歓喜の声と共に、雄がグッと後ろを暴き、征服してくる。挿いってくる。
「あぁっ――」
――挿入される!
その、指とは比べ物にならない凄まじい大きさ。太さ。長さ――圧迫感。
ひらかれ、進まれる感覚。内臓の内側に受け入れる感覚。
奥に侵入される恐怖――歓び!
様々な感情が入り乱れて、何も考えられなくなる。
内臓が押し上げられ、形を覚え込ませられるように押し込まれるたび、鈍く甘やかな痛みが背を走る。
挿入を果たした憂炎の陰茎が中で質量を増し、膨張するのを感じる。
「ひぅ……っ」
音繰は初心な処女のように慄いて、己を揺さぶる相手にただただしがみつくしかなかった。
「――……っ、はぁっ、はぁっ、」
――息を繰り返すことしか、できない。
「な、――中。これが、貴方の、中……」
憂炎が余裕のない声を零している。
凛々しい眉根をきゅっと寄せて、唇を引き結び、興奮に息を乱して。
感動したような顔で、泣きそうに目を潤ませている。
「……ッ、な、なにもしないまま、達ってしまいそうだ……」
ぎゅっと目を閉じて、感無量といった顔でそんなことを呟く。
息が詰まり、呼吸だけで精一杯だった音繰の胸に幸福感の波がゆらり、ふわりと湧き上がる。
「あ、ああ……憂炎……」
(そんな顔をして。そんな、嬉しそうな、気持ちよさそうな顔をして、君は……!!)
――たまらなくなるじゃないか……っ!
「動いて。憂炎……っ、気持ちよく、なろう……っ? ……気持ちよく、なって……?」
手をそろそろと動かして頭を撫でてやれば、腰がぐっと使われる。
「ッア!」
高い声がこぼれて、音繰はぎゅっと目の前の逞しい身体に縋った。
「――っ……」
慣らすように、身体を気にするようにしながら緩く抽挿を繰り返される。
欲望の炎を灯す瞳が絡み合い、憂炎の動きが速まっていく。
余裕がない。
それが感じられて、胸がいっぱいになる。
荒々しく腰を穿たれ、誰も知らない最奥に到達されて突かれると、ぶわっと何かが溢れそうになる。
眼を限界まで見開いて涙を流して、最奥を暴かれた感覚に鳥肌をたてて感じてしまう。
好いところへと強く腰を打ち付けられ、溢れそうな熱を容赦無く追い立てるようにされれば、もうそれしか考えられなくなる。
「あ、あ、あッ、ぁ……あア!!」
口がだらしなく開いて、閉じることもできないまま声をあげつづける。
濡れた唇の端から透明な唾液がたらりと零れて、顎を伝う。それを拭う余裕もない。
「あ、あ、ああ、」
嬌声を搾り取るようにグラインドされて、めちゃくちゃに中を乱されると、音繰は後ろを締め付けながら絶頂への階を感じた。
官能の蜜壺の中、押し寄せる波に溺れて、攫われ、沈んで――揉みくちゃにされながら高く高く、のぼらされていく。
熱の篭った獣のような眼差しに、捕捉されている。
(た、たべられる)
私は、この男に食べられている!
この男のモノにされている!!
音繰はゾクゾクと全身を震わせた。
「お……音繰……――」
荒い手付きで、射精させようという意思をはっきりとさせた動きで、音繰の陰茎が扱かれる。
「ひっ、ふあ、あ、あ!! ま、前はっ」
急かすように、搾り取るように、動きが激しくされる。
大袈裟なくらい嬌声をあげて、演技でもしないぐらい感じた声をあげて善がってしまう。
視界が揺れる。
汗が照明にきらきらと透明な輝きを光らせ、肌も寝具も濡れている。
二人一緒に、濡れている――、
「ああ、ぁあ、あッ、」
――逃がしてもらえない。
身体の奥底、秘された急所をいたぶられ、なすすべなく追い詰められていく。
幾度も押し寄せる波に、息をつく間も与えられない。
「――音繰……!」
切なそうな声で名を呼ばれて、ひときわ強く奥を突きあげられた瞬間、ぶわりと肌が粟立った。
「ぅあ、あ! あ、あ、あ――~~ッ!!」
頭がスパークする――、
一番上まで一気にひきあげられる感覚のあと、びくびくと全身を痙攣させて、気づくと音繰は精を放っていた。
必死で息をしながら、飛び散って下半身を汚した白蜜液を自覚しながら、意識が遠ざかる。
――その心には、今まで味わったことのない多幸感が溢れていた。
応援ありがとうございます!
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