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第一章 建国前夜編
39話 予兆
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それから4日後、夜の野営以外ほとんど休むことなく超特急でアーナの街へと帰ってきた。
ギルドに依頼完了の報告を済ませるなり、護衛対象のおっさんは礼を言ってそそくさと行ってしまった。
「なーんか怪しいんだよな、あのおっさん。目的も不明だし、帰りの急かし方も尋常じゃなかったよな?」
「確かに…、それに街道の様子がいつもと違ってたのも気になるな。」
カインと俺はいまいち釈然としない。
「タケル、このままゴライアスがいるキックオーズの街まで付き合ってくれないか。」
「え?今帰ってきたのに、また2日もかけてキックオーズに行くのか?」
グロウが深刻そうな顔で言うからきっと何か大事な要件なんだろうが、正直疲れたし今日はもう休みたい。
「つい先日ゴライアスから手紙が届いたのだが、妙な依頼を受けたって言う内容でな。その内容っていうのが、今回の依頼に少し似ていてな。一度ゴライアスが持ってる情報と合わせて確認しておきたいんだ。」
「タケルそろそろ馬術のレベル上がってるだろ?飛ばせば1日でつくよ。」
自分は指名されてないからって随分余裕だなカインは。
ドラグーンの依頼の後すぐに馬術を教えてもらい覚えたが、しばらくレベルは上がってなかった。
でもこの前の依頼でひたすら飛ばしたから馬術のレベルは3に上がってる。
このレベルならカインの言う通りそんな無理に急がなくても、1日あればキックオーズの街へ行くことは可能だ。
「わかった、だがなんでカインじゃなく俺なんだ?」
「今南部地域にいるA級は俺とゴライアス、あとはタケルの三人だ、最上位ランクの者だけで確認しておきたい内容がある。」
そう、俺はこの半年様々な依頼をこなしランクが上がっていた。
数百人規模での依頼時の活躍が特に評価されたようで、たまに指名依頼すら届く。
「わかった、そう言うことならすぐ出よう。」
さっき終わった依頼について気になるって言うのもあるし、グロウが珍しく深刻そうにしてるのをみると何が起きてるのか少し心配になるな。
まあ、どうせ街にいても依頼以外やることもないしな。
「そうか、ありがとう。カイン、上位ランク者としてギルド長代理を頼む。」
「げっ、こっちの方がハズレクジじゃ…」
俺とグロウはすぐにギルドを出てアーナの街を後にした。
キックオーズの街へはアーナの街から北西へ3日ほどの距離にあり、西の国境に一番近い町でもある。
傭兵業をしながら何度か訪れたことがあるが、城塞小国家連合との交易で栄え、活気ある南部最大の街だ。
最大といっても城塞都市や、王都に比べると劣る。
ただ、アーナと最も違うのはゴルティアと同じように国境に近い街ということで、簡単な城壁に囲われていることだ。
城塞都市との違いをカインに聞いたことがあるが、そんなことはわからないと言っていたけど、多分城壁の機能とかで区別してるんじゃないかと思う。
城塞都市はしっかりとした城壁に籠城戦を想定した機能が備えられてて、キックオーズに関してはただ石積みの城壁ってだけだ。
馬を急がせてるとはいえ、夜通しで行くわけにもいかず、俺たちは道中野営で一夜を明かすことにした。
「なんか深刻そうだったけど、隣国が関係するような問題が生じてるのか?」
「ああ、ゴライアスの話を聞かないことにはなんとも言えないが、南部地域一帯を巻き込む問題が起こる可能性がある。」
「南部地域一帯?どう言うことだ?」
「いや、ただの勘違いってこともあり得る。明日のキックオーズの街までは何もいえない。」
何だっていうんだ?
南部一帯って結構な広さだけど…
城塞小国家連合が攻め込んでくるとしても、迎撃するだろうし影響範囲はせいぜい西側だけじゃないのか…。
ギルドに依頼完了の報告を済ませるなり、護衛対象のおっさんは礼を言ってそそくさと行ってしまった。
「なーんか怪しいんだよな、あのおっさん。目的も不明だし、帰りの急かし方も尋常じゃなかったよな?」
「確かに…、それに街道の様子がいつもと違ってたのも気になるな。」
カインと俺はいまいち釈然としない。
「タケル、このままゴライアスがいるキックオーズの街まで付き合ってくれないか。」
「え?今帰ってきたのに、また2日もかけてキックオーズに行くのか?」
グロウが深刻そうな顔で言うからきっと何か大事な要件なんだろうが、正直疲れたし今日はもう休みたい。
「つい先日ゴライアスから手紙が届いたのだが、妙な依頼を受けたって言う内容でな。その内容っていうのが、今回の依頼に少し似ていてな。一度ゴライアスが持ってる情報と合わせて確認しておきたいんだ。」
「タケルそろそろ馬術のレベル上がってるだろ?飛ばせば1日でつくよ。」
自分は指名されてないからって随分余裕だなカインは。
ドラグーンの依頼の後すぐに馬術を教えてもらい覚えたが、しばらくレベルは上がってなかった。
でもこの前の依頼でひたすら飛ばしたから馬術のレベルは3に上がってる。
このレベルならカインの言う通りそんな無理に急がなくても、1日あればキックオーズの街へ行くことは可能だ。
「わかった、だがなんでカインじゃなく俺なんだ?」
「今南部地域にいるA級は俺とゴライアス、あとはタケルの三人だ、最上位ランクの者だけで確認しておきたい内容がある。」
そう、俺はこの半年様々な依頼をこなしランクが上がっていた。
数百人規模での依頼時の活躍が特に評価されたようで、たまに指名依頼すら届く。
「わかった、そう言うことならすぐ出よう。」
さっき終わった依頼について気になるって言うのもあるし、グロウが珍しく深刻そうにしてるのをみると何が起きてるのか少し心配になるな。
まあ、どうせ街にいても依頼以外やることもないしな。
「そうか、ありがとう。カイン、上位ランク者としてギルド長代理を頼む。」
「げっ、こっちの方がハズレクジじゃ…」
俺とグロウはすぐにギルドを出てアーナの街を後にした。
キックオーズの街へはアーナの街から北西へ3日ほどの距離にあり、西の国境に一番近い町でもある。
傭兵業をしながら何度か訪れたことがあるが、城塞小国家連合との交易で栄え、活気ある南部最大の街だ。
最大といっても城塞都市や、王都に比べると劣る。
ただ、アーナと最も違うのはゴルティアと同じように国境に近い街ということで、簡単な城壁に囲われていることだ。
城塞都市との違いをカインに聞いたことがあるが、そんなことはわからないと言っていたけど、多分城壁の機能とかで区別してるんじゃないかと思う。
城塞都市はしっかりとした城壁に籠城戦を想定した機能が備えられてて、キックオーズに関してはただ石積みの城壁ってだけだ。
馬を急がせてるとはいえ、夜通しで行くわけにもいかず、俺たちは道中野営で一夜を明かすことにした。
「なんか深刻そうだったけど、隣国が関係するような問題が生じてるのか?」
「ああ、ゴライアスの話を聞かないことにはなんとも言えないが、南部地域一帯を巻き込む問題が起こる可能性がある。」
「南部地域一帯?どう言うことだ?」
「いや、ただの勘違いってこともあり得る。明日のキックオーズの街までは何もいえない。」
何だっていうんだ?
南部一帯って結構な広さだけど…
城塞小国家連合が攻め込んでくるとしても、迎撃するだろうし影響範囲はせいぜい西側だけじゃないのか…。
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