自力で始める異世界建国記

モリタシ

文字の大きさ
上 下
30 / 58
第一章 建国前夜編

29話 立て直し

しおりを挟む
「ゲンマよ、なぜお前がこんなところにいるんだ?先行していたはずだろう!」

ゴライアスがゲンマに問いかける。

「ンフフ、密林を抜けるときに妙な気配を感じましてねぇ。その時は敵の発見はできなかったので気の所為かとも思ったんですがどうしても気になって戻ってきたのよ。まあ、天使ちゃんはブチギレてたけどねえ。」

「おいおい、また命令無視かよ。」

「カインちゃん、命令よりも大事なものがあるっていつも言ってるでしょう?」

カインもゴライアスもゲンマとは面識があるみたいだ。
傭兵だし色んな依頼の中で、顔を合わせることもあるんだろう。

「それにしてもあなた。面白いわねぇ。」

下馬したゲンマはグイッと俺の顔を覗き込む。

「あなたのスキル、少し興味があるわぁ。能力値も高そうだし、こんな傭兵さんなんで今まで気づかなかったのかしら。」

かなり近い距離で笑みを浮かべるゲンマに少し後退りする。

「俺はタケルだ。数日前に傭兵登録したばかりだから知らなくて当然だろ。」

「あら、そうなのね。あなた今レベルは何レベル?」

そういえばしばらくステータスを確認してなかったな。

ステータスオープン。

------

名前 タケル ヤマト
職業 スベルモノ
レベル 9

体力 214
マナ 116

攻撃力 106
防御力 92
素早さ 84
幸運  234
魔力  95
賢さ  174

スキル 
軍神 レベル4
掌握 レベル7
商才 レベル1
算術の心得 レベル3
交渉術 レベル5
薬学 レベル4
決断 レベル5
言語理解 レベルMAX
鑑定 レベル4
気配察知 レベル2
勇気 レベル2
精神耐性 レベル2

称号
軍神の加護
ゴブリンの盟友

------

うおっ、レベルがすごい上がってるじゃないか。
それだけドラグーンが強かったのか。
スキルも一部上がってるうえに、精神耐性なんてなかったよな?

鑑定してみると精神耐性は精神的に良くないことをしたときに、精神を安定させてくれる、常時発動型のスキルみたいだ。
亜人を斬ったのにこれだけ落ち着いてるのはこれのせいか…。

鑑定レベルも4に上がって、スキル発動がわかるようになったみたいだ。
街で鑑定しまくったのが影響してるんだろう。

「さっきレベル9に上がったみたいだ。その前は3だったが、この戦いで上がったみたいだ。」

「何ですって?驚いたわ…。レベル3でドラグーンを倒したなんて。あなた、このままレベルが上がっていけばもしかしたら天使ちゃんくらいには強くなるかもね」

天使ちゃん…、カナのことか。
あのレベルまでって言われても俺自身にはいまいち実感がないな。

「とにかく一難去ったんだ、隊を立て直して連隊に合流するぞ!ゲンマよ、歩兵大隊の残兵はお前が面倒見てやってくれ!」

「わかったわ、ゴライアスさん。もう流石にないとは思うけど、奇襲には気をつけてねん。」

ゴライアスと言葉を交わした後、ゲンマは「あなたならいいかしら」と言ってから理解不能なことを俺の耳元で囁いていった。

よくわからないが、言われた通りにしてみるか。
直感が従えと言っているような気がする。

「ああ、そうそう、ゴライアスさん悪いんだけど合流したら天使ちゃんに報告だけお願いするわ。もちろんカインちゃんとタケルちゃんも一緒にね。」

「おい!それはあんたの仕事だろ!」

ツッコミを入れるカインの言葉を聞こえないというように耳を塞いでゲンマは行ってしまった。

あいつは得意じゃないんだよ、と暗い表情でカインがひとりごちた。

その後俺たちは隊列を整え、奇襲を警戒しながら主戦場予定地を目指し歩き始めた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

亜人至上主義の魔物使い

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:116

十二英雄伝 -魔人機大戦英雄譚、泣かない悪魔と鉄の王-

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:53

俺、貞操逆転世界へイケメン転生

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:71pt お気に入り:392

人魔共和国建国記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:31

処理中です...