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第一章 建国前夜編
6話 でかいゴブリン
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なんとも不思議な物だな。
まあ、転移が最早不思議の頂点みたいなもんだから、深く考えても無駄か…?
そう言う世界なんだととりあえず思っておこう。
不思議な思い以上に一つ謎が解かれたことの方が上回り、満足げに歩き始めた。
まあ、アイテムボックスという更なる謎が生まれはしたが、そこは深く考えないでおこう。
にしても、ゴブのやつずいぶん物知りだな。
この世界の生き物からしたらこれが当たり前なのか?
「なあゴブ、お前もアイテムボックスが使えるのか?」
そう問いかけるとゴブは首を横に振った。
使えないのに仕組みを知ってる?
どういうことだ?
とにかくゴブは俺がイメージするゴブリンとかけ離れすぎてる…。
そうこう考えてるうちにどうやら目的地に近づいきたらしく、ゴブがソワソワし始めた。
「なんだ?もう着くのか?」
そう問いかけるとゴブは頷き、止まるように促してきた。
どうやらここで待っていろと言いたいらしい。
「まあ、考えたいこともあるしいいぞ。」
そう言うと、ゴブは小走りで先へと向かっていった。
さて、お礼はいったい何をくれるんだろうか。
立って待つのも疲れると思い、近くにあった大きな岩に腰かける。
…。
いやいや、そんなことより考えなきゃ行けないことがあるか。
今まで見たこともないゴブリンを助けたいと思ったこと、その感情を抑えられずモンスターの前に突如飛び出したこと。
いきなり異世界に来て、恐る恐る森を歩いていた自分が、見たこともない異形のモンスターに突如として向かっていく。
今冷静に考えたら絶対にあり得ないことだ。
なんでそんなことをしたのか。
どんなに考えても理解できないし、まるで自分が何かに操られてるみたいで心底怖い。
それに加えて、武術の心得もない俺が、訳もわからず振り抜いた一刀で自分の倍近い大きさのモンスターを一刀両断できるなんて。
いくら能力値に差があるって言っても、そんなことあり得るんだろうか…。
……だめだ。
どんなに考えてもわからないし、こんな不思議な世界だからそんなこともあるのかとしか思えない…。
誰かに聞ければ一番なんだが…。
ザッ、ザッ
「ん?」
ゴブが向かった先から足音が聞こえてきた、しかもこれは複数…?
もしかして仲間を連れてきたのか?
なぜ?あんないいやつそうだったのに、騙そうとでもしてたのか?
とにかく逃げ出すにも足音が近すぎる。
ひとまず岩陰に隠れて凌ごう。
腰掛けていた岩陰に急いで隠れ、様子を伺う。
ゴブが悲しそうな顔でキョロキョロと辺りを見渡している。
って、なんだあいつ…。
ゴブの横にゴブリンだと思われるモンスターが立っている。
ただ、サイズがゴブの倍くらいあってどっからどう見ても上位種だってことがわかる。
そしてその背後には数匹の普通のゴブリンが付き従っている。
「旅の方よ、どうか警戒しないでいただきたい。」
ドスの効いた低い声で、でかいゴブリンが喋った。
喋った…?
えっ、人の言葉を喋れるのか!?
「敵意があるわけではない。助けていただいたあなたに報いたい。」
信じて…いいのか?
まあ、転移が最早不思議の頂点みたいなもんだから、深く考えても無駄か…?
そう言う世界なんだととりあえず思っておこう。
不思議な思い以上に一つ謎が解かれたことの方が上回り、満足げに歩き始めた。
まあ、アイテムボックスという更なる謎が生まれはしたが、そこは深く考えないでおこう。
にしても、ゴブのやつずいぶん物知りだな。
この世界の生き物からしたらこれが当たり前なのか?
「なあゴブ、お前もアイテムボックスが使えるのか?」
そう問いかけるとゴブは首を横に振った。
使えないのに仕組みを知ってる?
どういうことだ?
とにかくゴブは俺がイメージするゴブリンとかけ離れすぎてる…。
そうこう考えてるうちにどうやら目的地に近づいきたらしく、ゴブがソワソワし始めた。
「なんだ?もう着くのか?」
そう問いかけるとゴブは頷き、止まるように促してきた。
どうやらここで待っていろと言いたいらしい。
「まあ、考えたいこともあるしいいぞ。」
そう言うと、ゴブは小走りで先へと向かっていった。
さて、お礼はいったい何をくれるんだろうか。
立って待つのも疲れると思い、近くにあった大きな岩に腰かける。
…。
いやいや、そんなことより考えなきゃ行けないことがあるか。
今まで見たこともないゴブリンを助けたいと思ったこと、その感情を抑えられずモンスターの前に突如飛び出したこと。
いきなり異世界に来て、恐る恐る森を歩いていた自分が、見たこともない異形のモンスターに突如として向かっていく。
今冷静に考えたら絶対にあり得ないことだ。
なんでそんなことをしたのか。
どんなに考えても理解できないし、まるで自分が何かに操られてるみたいで心底怖い。
それに加えて、武術の心得もない俺が、訳もわからず振り抜いた一刀で自分の倍近い大きさのモンスターを一刀両断できるなんて。
いくら能力値に差があるって言っても、そんなことあり得るんだろうか…。
……だめだ。
どんなに考えてもわからないし、こんな不思議な世界だからそんなこともあるのかとしか思えない…。
誰かに聞ければ一番なんだが…。
ザッ、ザッ
「ん?」
ゴブが向かった先から足音が聞こえてきた、しかもこれは複数…?
もしかして仲間を連れてきたのか?
なぜ?あんないいやつそうだったのに、騙そうとでもしてたのか?
とにかく逃げ出すにも足音が近すぎる。
ひとまず岩陰に隠れて凌ごう。
腰掛けていた岩陰に急いで隠れ、様子を伺う。
ゴブが悲しそうな顔でキョロキョロと辺りを見渡している。
って、なんだあいつ…。
ゴブの横にゴブリンだと思われるモンスターが立っている。
ただ、サイズがゴブの倍くらいあってどっからどう見ても上位種だってことがわかる。
そしてその背後には数匹の普通のゴブリンが付き従っている。
「旅の方よ、どうか警戒しないでいただきたい。」
ドスの効いた低い声で、でかいゴブリンが喋った。
喋った…?
えっ、人の言葉を喋れるのか!?
「敵意があるわけではない。助けていただいたあなたに報いたい。」
信じて…いいのか?
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