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王国の闇
第762話 連携VS強化術
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「ギアアッ!!」
「シャアアアッ!!」
「うわぁっ!?」
リザードマンを抱えたゴブリンキラーは勢いよく身体を回転させ、限界まで加速させた状態でリザードマンを放り込む。その結果、リザードマンは両手の鉤爪を繰り出し、ナイに目掛けて突っ込む。
凄まじい勢いで突っ込んできたリザードマンに対してナイは咄嗟に避けようとしたが、運が悪い事に先ほどゴブリンキラーが投げつけたオークの死骸に足が引っかかり、体勢を崩した隙を突かれてリザードマンの爪がナイの身体に衝突した。
「シャアアッ!!」
「ぐううっ!?」
金属音が鳴り響き、ナイはマントの下に着こんでいたミスリルの鎖帷子が引き裂かれて倒れ込む。もしもアルトから受け取ったミスリルの鎖帷子でなかったら死んでいたかもしれない。
投げ飛ばされたリザードマンはそのまま空中で身体を回転させ、建物の壁を足場に利用して勢いを殺すと、地上へ再び降り立つ。この際にトカゲのように四つん這いになり、ナイを睨みつける。ゴブリンキラーは反対側の方向からナイを挟み、前後をゴブリンキラーとリザードマンに挟まれたナイは顔色を青くする。
(危なかった……アルトのお陰で助かった)
マントを捨て去り、胸元の部分が敗れたミスリルの鎖帷子をナイは取り外すと、改めてリザードマンとゴブリンキラーの様子を伺う。
(まずいな、このままだとこっちがやられるかもしれない。せめてミイナとヒイロのどちらかが来てくれればいいけど……)
ミイナとヒイロ達はもう到着していてもおかしくはないのだが、二人とも一向に駆けつける様子がない。もしかしたら途中で白面や王都内の警備兵の邪魔を受けているかもしれず、二人が来て一緒に戦う事は当てに出来ない。
(絶体絶命だな……仕方ない、ならあれをやるしかないか)
できる事ならば余計な体力の消耗は抑えたかったナイだが、意識を集中させて「奥の手」を使う。ナイの雰囲気が一変した事にリザードマンとゴブリンキラーは気付き、警戒心を抱く。
「があああっ!!」
「シャアッ……!?」
「ギアッ……!?」
気合の雄叫びと共にナイは全身に白炎を纏うと、強化術を発動させた。肉体の限界まで身体能力を強化させ、両手の剣を握りしめる。そして旋斧には雷属性の魔力を送り込む。
扱いなれていない雷属性の魔法剣を発動させたのはナイの賭けであり、まずはリザードマンよりも動きが鈍いゴブリンキラーに目掛けてナイは旋斧を振りかざし、あろう事か投げ放つ。
「おらぁっ!!」
「ギアッ!?」
刃に電流が帯びた旋斧を投げつけてきたナイにゴブリンキラーは呆気に取られ、咄嗟に旋斧から身を守るためにゴブリンキラーは側に落ちていたオークの死骸を盾に利用しようとした。しかし、それは完全に悪手と化す。
倒れていたオークの死骸はただの死骸ではなく、金属製の鎧を身に付けていた。それが災いしてゴブリンキラーはナイが投げ込んだ旋斧をオークの死骸で防ごうとした瞬間、金属に電流が流れ込み、ゴブリンキラーにも襲い掛かる。
「ギエエエエッ!?」
「シャアッ……!?」
感電したゴブリンキラーを見てリザードマンは戸惑い、この隙を逃さずにナイはリザードマンに顔を向けると、岩砕剣を振りかざす。迫りくるナイに対してリザードマンは咄嗟に火炎の吐息を放とうと口元を開くが、それに対してナイは左腕を放つ。
「閉じてろぉっ!!」
「アグゥッ!?」
ドルトン仕込みの「掌底突き」でナイはリザードマンの口元を強制的に閉じさせると、口元を塞がれたリザードマンは口内で炎が溢れて鼻の部分から炎が噴き出す。
火炎の吐息を封じれば恐れる事はなく、ナイは片腕のみの状態で岩砕剣を持ち上げ、地属性の魔力を送り込んで限界まで刃の重量を増加させた状態でリザードマンの頭部に叩き込む。
「がああああっ!!」
「ッ――――!?」
岩砕剣の強烈な一撃によってリザードマンの肉体は叩き潰され、そのまま地面にめり込む。ゴブリンキラーは感電して倒れ、リザードマンは地面に埋もれた状態で動かなくなり、それを確認したナイは膝を着く。
「はあっ、はあっ……ぎ、ぎりぎりだった……」
強化術の効果が切れたナイは膝を着き、思っていた以上に苦戦を強いられた。この時にナイはモモの煌魔石から魔力を吸収し、更にイーシャンから渡された丸薬を口に含んで回復を行う。
いつもは強化術の反動は再生術を発動して回復するしか方法はなかったが、今回はイーシャンの丸薬のお陰で体力もすぐに回復できた。イーシャン特性の「仙薬」の効果は凄まじく、噛んだだけで身体が楽になった。
「シャアアアッ!!」
「うわぁっ!?」
リザードマンを抱えたゴブリンキラーは勢いよく身体を回転させ、限界まで加速させた状態でリザードマンを放り込む。その結果、リザードマンは両手の鉤爪を繰り出し、ナイに目掛けて突っ込む。
凄まじい勢いで突っ込んできたリザードマンに対してナイは咄嗟に避けようとしたが、運が悪い事に先ほどゴブリンキラーが投げつけたオークの死骸に足が引っかかり、体勢を崩した隙を突かれてリザードマンの爪がナイの身体に衝突した。
「シャアアッ!!」
「ぐううっ!?」
金属音が鳴り響き、ナイはマントの下に着こんでいたミスリルの鎖帷子が引き裂かれて倒れ込む。もしもアルトから受け取ったミスリルの鎖帷子でなかったら死んでいたかもしれない。
投げ飛ばされたリザードマンはそのまま空中で身体を回転させ、建物の壁を足場に利用して勢いを殺すと、地上へ再び降り立つ。この際にトカゲのように四つん這いになり、ナイを睨みつける。ゴブリンキラーは反対側の方向からナイを挟み、前後をゴブリンキラーとリザードマンに挟まれたナイは顔色を青くする。
(危なかった……アルトのお陰で助かった)
マントを捨て去り、胸元の部分が敗れたミスリルの鎖帷子をナイは取り外すと、改めてリザードマンとゴブリンキラーの様子を伺う。
(まずいな、このままだとこっちがやられるかもしれない。せめてミイナとヒイロのどちらかが来てくれればいいけど……)
ミイナとヒイロ達はもう到着していてもおかしくはないのだが、二人とも一向に駆けつける様子がない。もしかしたら途中で白面や王都内の警備兵の邪魔を受けているかもしれず、二人が来て一緒に戦う事は当てに出来ない。
(絶体絶命だな……仕方ない、ならあれをやるしかないか)
できる事ならば余計な体力の消耗は抑えたかったナイだが、意識を集中させて「奥の手」を使う。ナイの雰囲気が一変した事にリザードマンとゴブリンキラーは気付き、警戒心を抱く。
「があああっ!!」
「シャアッ……!?」
「ギアッ……!?」
気合の雄叫びと共にナイは全身に白炎を纏うと、強化術を発動させた。肉体の限界まで身体能力を強化させ、両手の剣を握りしめる。そして旋斧には雷属性の魔力を送り込む。
扱いなれていない雷属性の魔法剣を発動させたのはナイの賭けであり、まずはリザードマンよりも動きが鈍いゴブリンキラーに目掛けてナイは旋斧を振りかざし、あろう事か投げ放つ。
「おらぁっ!!」
「ギアッ!?」
刃に電流が帯びた旋斧を投げつけてきたナイにゴブリンキラーは呆気に取られ、咄嗟に旋斧から身を守るためにゴブリンキラーは側に落ちていたオークの死骸を盾に利用しようとした。しかし、それは完全に悪手と化す。
倒れていたオークの死骸はただの死骸ではなく、金属製の鎧を身に付けていた。それが災いしてゴブリンキラーはナイが投げ込んだ旋斧をオークの死骸で防ごうとした瞬間、金属に電流が流れ込み、ゴブリンキラーにも襲い掛かる。
「ギエエエエッ!?」
「シャアッ……!?」
感電したゴブリンキラーを見てリザードマンは戸惑い、この隙を逃さずにナイはリザードマンに顔を向けると、岩砕剣を振りかざす。迫りくるナイに対してリザードマンは咄嗟に火炎の吐息を放とうと口元を開くが、それに対してナイは左腕を放つ。
「閉じてろぉっ!!」
「アグゥッ!?」
ドルトン仕込みの「掌底突き」でナイはリザードマンの口元を強制的に閉じさせると、口元を塞がれたリザードマンは口内で炎が溢れて鼻の部分から炎が噴き出す。
火炎の吐息を封じれば恐れる事はなく、ナイは片腕のみの状態で岩砕剣を持ち上げ、地属性の魔力を送り込んで限界まで刃の重量を増加させた状態でリザードマンの頭部に叩き込む。
「がああああっ!!」
「ッ――――!?」
岩砕剣の強烈な一撃によってリザードマンの肉体は叩き潰され、そのまま地面にめり込む。ゴブリンキラーは感電して倒れ、リザードマンは地面に埋もれた状態で動かなくなり、それを確認したナイは膝を着く。
「はあっ、はあっ……ぎ、ぎりぎりだった……」
強化術の効果が切れたナイは膝を着き、思っていた以上に苦戦を強いられた。この時にナイはモモの煌魔石から魔力を吸収し、更にイーシャンから渡された丸薬を口に含んで回復を行う。
いつもは強化術の反動は再生術を発動して回復するしか方法はなかったが、今回はイーシャンの丸薬のお陰で体力もすぐに回復できた。イーシャン特性の「仙薬」の効果は凄まじく、噛んだだけで身体が楽になった。
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