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ゴブリンキングの脅威
第444話 君は間違っていない
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――今まで身を隠していた闇ギルドの侵入者2人はナイとの戦闘で重傷を負い、特に殴りつけられた方は胸元の部分が陥没して死にかけていた。鎧を身に着けていなければナイの攻撃で絶命していた可能性も高く、現在も意識は戻らない。
しかし、結果から言えばナイの行動は咎める事は出来ず、彼のお陰で隠れていた闇ギルドの刺客を捕まえる事が出来たのだ。これによって闇ギルドの脅威は消え去り、先に捕まえた二人とは別の部屋に閉じ込める。
「ナイ君、良くやってくれた。君のお陰で闇ギルドの侵入者を捕まえる事が出来た……だから、そう落ち込む必要はない」
「……はい」
船長室にてナイはアッシュに呼び出され、彼はナイの行動を褒める事はあっても叱りつける事はしなかった。実際に今回はナイのお手柄で侵入者を捕まえる事が出来たので彼を責める理由がない
だが、当のナイ本人はい自分が人を殺しかけたという事を自覚し、顔色が悪かった。そんな彼を見てアッシュはナイに問い質す。
「ナイ君、君は人を殺した経験はないな?」
「……ありません」
「そうか、だから怯えているのか」
「…………」
アッシュの言葉にナイは否定できず、今も自分が人を殺しかけたという事実に身体の震えが止まらない。そんな彼にアッシュは近づくと、両肩を掴んで落ち着かせる。
「ナイ君、私は君を責める事はしない。勿論、他の者もだ……君は間違っていないんだよ」
「でも……」
「君は人を殺してはいないし、君が居なければ今頃は最初に捕まえたあの二人組も殺されていたはずだ。いいか、君は正しい事をしたんだ。自信を持て、君を責めるような人間はこの船にはいない」
「……ありがとうございます」
ナイはアッシュの言葉を聞いても顔色は変わらず、そんな彼にアッシュは自分ではどうする事もできないと判断し、同じく部屋に居たマホに顔を向けた。
「マホ殿、ナイ君の行動を貴方はどう思う?」
「ふむ、確かに少々やり過ぎた部分はあるのう。自分の力量を把握せず、相手を痛めつけてしまった」
「うっ……」
「お待ちください、ではマホ魔導士はナイ君が悪いというんですの!?」
「その通りだ。ナイの行動に間違いはなかった」
船長室には他にもドリスとリンの姿が存在し、マホの言葉に反論する。しかし、マホは何もナイを追い詰めるために言葉を告げたわけではなく、優しくナイに語り掛ける。
「勘違いするでない、儂が言いたかったのはナイよ。お主はちゃんと自分の力と向き合う必要があるのだ。今後、同じような事態に陥らない様にお主はちゃんと自分自身の力を把握する必要がある」
「自分自身の力……」
「そうじゃ、今のお主に必要な事は自分自身と向き合い、その力を制御する事……そうすれば今回のような事態は二度と起こらぬであろう」
マホはナイに笑顔を浮かべ、そして一枚の葉を取り出す。その葉をマホはナイの手に握らせると、貰った葉を見てナイは不思議に思う。
「あの、これは……」
「何、ただの眠り薬じゃよ。その葉を嗅げば安らかに眠る事が出来る。今のお主に必要なのは休息じゃ……今夜はゆっくりと休んで考え事は目覚めた時にやるといい」
「……はい」
「眠る前にその葉の臭いをよく嗅ぐと言い。心が落ち着いてすぐに眠気に誘われるからな。では……そこのお主等、部屋まで連れて行ってくれんか?」
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
「にゃう!?」
マホが扉を開いた瞬間、盗み聞きしていたのかリーナ達が部屋の中に転がり、その様子を見ていた者達は呆れた表情を浮かべる。
「お前達、盗み聞きしていたのか」
「あ、あははっ……ごめんなさい」
「す、すいません……」
「ナイ君の事が心配だったから……」
「うむ、友達を大切に思う気持ちは悪い事ではない。アッシュよ、ここは儂の顔に免じてこの者達の行動は許してくれんか?」
「マホ魔導士がそういうのであれば……お前達、ナイ君を部屋に運んでやれ」
「「「は、はい!!」」」
話を盗み聞きしていたリーナ達をマホは庇うと、アッシュは彼女達にナイを任せる。リーナ達はそれに従い、まだ意気消沈しているナイを連れて部屋から去っていく。
残された者達はナイと他の女子たちを見送った後、改めて向かい合う。ここから先の話は子供に聞かせる内容ではなく、改めて捕まえた侵入者4人の対処を相談する。
「先に捕まえた者達から情報を聞き出せたか?」
「ええ、尋問の結果……やはり闇ギルドの組織の人間だと判明しました。しかし、どちらも組織の長の名前も知らない末端の配下のようですわ」
「闇ギルドからすれば先に捕まえた二人が捨て駒、本命は後から捕まえた二人組だったんだろう。変装の技能を扱える男の方は完璧に外見を変えていた……恐らくだが、変装された女性の騎士は既に闇ギルドに誘拐されたか、あるいは……」
「くっ……!!」
「落ち着け、ドリス副団長。苛立つ気持ちは分かるが今は冷静になれ」
ドリスは自分の配下の騎士が攫われた事に怒りを抱くが、アッシュが落ち着かせる。今は捕まえた4人をどのように扱うのか話し合う必要があった。
しかし、結果から言えばナイの行動は咎める事は出来ず、彼のお陰で隠れていた闇ギルドの刺客を捕まえる事が出来たのだ。これによって闇ギルドの脅威は消え去り、先に捕まえた二人とは別の部屋に閉じ込める。
「ナイ君、良くやってくれた。君のお陰で闇ギルドの侵入者を捕まえる事が出来た……だから、そう落ち込む必要はない」
「……はい」
船長室にてナイはアッシュに呼び出され、彼はナイの行動を褒める事はあっても叱りつける事はしなかった。実際に今回はナイのお手柄で侵入者を捕まえる事が出来たので彼を責める理由がない
だが、当のナイ本人はい自分が人を殺しかけたという事を自覚し、顔色が悪かった。そんな彼を見てアッシュはナイに問い質す。
「ナイ君、君は人を殺した経験はないな?」
「……ありません」
「そうか、だから怯えているのか」
「…………」
アッシュの言葉にナイは否定できず、今も自分が人を殺しかけたという事実に身体の震えが止まらない。そんな彼にアッシュは近づくと、両肩を掴んで落ち着かせる。
「ナイ君、私は君を責める事はしない。勿論、他の者もだ……君は間違っていないんだよ」
「でも……」
「君は人を殺してはいないし、君が居なければ今頃は最初に捕まえたあの二人組も殺されていたはずだ。いいか、君は正しい事をしたんだ。自信を持て、君を責めるような人間はこの船にはいない」
「……ありがとうございます」
ナイはアッシュの言葉を聞いても顔色は変わらず、そんな彼にアッシュは自分ではどうする事もできないと判断し、同じく部屋に居たマホに顔を向けた。
「マホ殿、ナイ君の行動を貴方はどう思う?」
「ふむ、確かに少々やり過ぎた部分はあるのう。自分の力量を把握せず、相手を痛めつけてしまった」
「うっ……」
「お待ちください、ではマホ魔導士はナイ君が悪いというんですの!?」
「その通りだ。ナイの行動に間違いはなかった」
船長室には他にもドリスとリンの姿が存在し、マホの言葉に反論する。しかし、マホは何もナイを追い詰めるために言葉を告げたわけではなく、優しくナイに語り掛ける。
「勘違いするでない、儂が言いたかったのはナイよ。お主はちゃんと自分の力と向き合う必要があるのだ。今後、同じような事態に陥らない様にお主はちゃんと自分自身の力を把握する必要がある」
「自分自身の力……」
「そうじゃ、今のお主に必要な事は自分自身と向き合い、その力を制御する事……そうすれば今回のような事態は二度と起こらぬであろう」
マホはナイに笑顔を浮かべ、そして一枚の葉を取り出す。その葉をマホはナイの手に握らせると、貰った葉を見てナイは不思議に思う。
「あの、これは……」
「何、ただの眠り薬じゃよ。その葉を嗅げば安らかに眠る事が出来る。今のお主に必要なのは休息じゃ……今夜はゆっくりと休んで考え事は目覚めた時にやるといい」
「……はい」
「眠る前にその葉の臭いをよく嗅ぐと言い。心が落ち着いてすぐに眠気に誘われるからな。では……そこのお主等、部屋まで連れて行ってくれんか?」
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
「にゃう!?」
マホが扉を開いた瞬間、盗み聞きしていたのかリーナ達が部屋の中に転がり、その様子を見ていた者達は呆れた表情を浮かべる。
「お前達、盗み聞きしていたのか」
「あ、あははっ……ごめんなさい」
「す、すいません……」
「ナイ君の事が心配だったから……」
「うむ、友達を大切に思う気持ちは悪い事ではない。アッシュよ、ここは儂の顔に免じてこの者達の行動は許してくれんか?」
「マホ魔導士がそういうのであれば……お前達、ナイ君を部屋に運んでやれ」
「「「は、はい!!」」」
話を盗み聞きしていたリーナ達をマホは庇うと、アッシュは彼女達にナイを任せる。リーナ達はそれに従い、まだ意気消沈しているナイを連れて部屋から去っていく。
残された者達はナイと他の女子たちを見送った後、改めて向かい合う。ここから先の話は子供に聞かせる内容ではなく、改めて捕まえた侵入者4人の対処を相談する。
「先に捕まえた者達から情報を聞き出せたか?」
「ええ、尋問の結果……やはり闇ギルドの組織の人間だと判明しました。しかし、どちらも組織の長の名前も知らない末端の配下のようですわ」
「闇ギルドからすれば先に捕まえた二人が捨て駒、本命は後から捕まえた二人組だったんだろう。変装の技能を扱える男の方は完璧に外見を変えていた……恐らくだが、変装された女性の騎士は既に闇ギルドに誘拐されたか、あるいは……」
「くっ……!!」
「落ち着け、ドリス副団長。苛立つ気持ちは分かるが今は冷静になれ」
ドリスは自分の配下の騎士が攫われた事に怒りを抱くが、アッシュが落ち着かせる。今は捕まえた4人をどのように扱うのか話し合う必要があった。
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