5 / 15
バルカン王国の姫
しおりを挟む
――約20年前、現実世界からレオを召喚したのはバルカン王国である。彼等は勇者召喚と呼ばれる儀式を利用し、魔王軍の脅威に陥っていた世界を救うための勇者を召喚した。実際に召喚されたレオは素晴らしい素質を持つ人間であり、しかも彼には女神の加護と呼ばれる特別な恩恵を受けており、彼を召喚に成功した王国の人間達は非常に喜んだが、ある人物だけはレオの存在を快く思わなかった。
『へえ~君が勇者君?すっごく格好いいね』
『貴女は……?』
『私はマリアだよ!!弓の勇者に選ばれたマリア!!一応はこの国の王女だよ?』
アリアと出会う前にレオはバルカン王国の王女と対面しており、彼女は王女でありながら魔王軍を討伐するために選出された人間であり、実際に彼女の弓の技量は素晴らしく、500メートルも離れた的を射抜く程の命中力を誇る。彼女は異世界から召喚されたレオを気に入り、共に魔王軍を討伐する仲間として行動する。
だが、バルカン王国の国王は一人娘である彼女は非常に可愛がっており、早くに妻を亡くした彼は妻の面影がある娘に深い愛情を注ぎ、娘のためならばどんな願いも聞き入れていた。しかし、そんな可愛い娘が異世界から訪れた勇者に興味を抱いている事を知った彼は非常にレオに辛辣な態度を取る。
『貴様!!我が娘を狙っているのではないだろうな!?』
『幾ら勇者とはいえ、お前のような平民を娘の婿に出来ん!!』
『ふんっ!!魔王軍の幹部を仕留めたらしいな?だが、その程度の事で己惚れるな!!もっと精進しろっ!!四天王の一人でも倒してから儂の所に来い!!……えっ?もう四天王は全員倒した?う、嘘だろう?』
『勇者ぁっ!!娘の手紙に貴様の事しか書かれていないぞ!?しかも娘の前でよくも他の女といちゃついていたらしいな!!即刻死刑にしてやる……いや、落ち着け、今のは冗談だ。だからその聖剣を下げてはくれんか?え、冗談には聞こえなかった?わ、儂の言葉を疑うか!?』
『何?貴様の寝こみを襲った刺客が儂に雇われたと白状しただとっ!?し、知らんっ!!そのような奴等など儂は知らんぞ!!え?どうして正確な人数を答えていないのに「奴等」という言葉を使ったのかだと!?そ、それはだな……』
『……頼む勇者、どうか娘との仲を取り持ってくれんか?儂が悪かった……お前に食事に毒を仕込んだり、刺客を送ったり、夜に娼婦を送り込んだことがばれたのだ……え?お、お前、本当に儂の仕業だと気づいていなかったのか!?』
レオは旅の途中で何度もバルカン王国の国王が放った刺客に襲われており、最初は彼も気付かなかったが流石に仲間の中に女性が増える度に刺客の数が激増した辺りから不思議に思い、調査した結果、よりにもよって魔王軍ではなく自分を召喚したバルカン王国の国王が黒幕だと判明した。
流石に彼も敵だけではなく味方に狙われる事に困惑し、今回の国王の暴挙の原因であるマリアに彼を説得するように頼む。マリアとしてはレオの傍を離れたくはなかったが、あまりに父親の行動が酷過ぎたために仕方なく彼女は旅の途中で親を叱りつけるために王国に帰還する。
だが、彼女が王国に帰還中にレオ達は魔王軍の討伐を果たし、仲間達は散り散りになる。慌ててマリアは消えてしまったレオの消息を負ったが、ここで邪魔者が自らの意志で消えてしまったことに喜んだ父親が彼女を無理やりに王国に留めて彼を諦めるように説得する。レオがアリアと相思相愛だった事を知っていたマリアは仕方なく彼の幸せを祈り、彼の調査を断念した。
しかし、マリアを非常に溺愛していた国王も最近では娘の年齢に危機感を抱き始める。昔は娘に男が近寄る事を断固阻止していた彼も年齢を重ねる事に自分の身勝手な行動で娘の恋路を邪魔した事に罪悪感を抱くようになり、レオの代わりにマリアの結婚相手を見繕うために行動を開始する。
既にマリアの年齢は37才を迎えており、しかも国王の今までの行動が周辺諸国にも知れ渡っており、伝説の勇者が相手でも娘を差し出さなかった親馬鹿王という認識が広まっていた。それに彼女の年齢も30代後半を迎えているという理由もあり、20年前は各国の王子や有力貴族から求婚を申し込まれていたマリアも現在では彼女の方から求婚を求めても答えてくれる人間は存在しなかった。このままでは国王が死去した場合はマリアが王位を継ぐことになるが、甘やかされて育てられていた彼女は政治に関しては何も知らず、仮に王位を受け継いだとしても彼女では国を治める事は出来ないのは明白だった。
『これも全部お父さんのせいだよっ!!あんなにレオ君と仲良くしてよと言ったのに聞いてくれなかったお父さんの馬鹿ぁっ!!』
『ま、マリア!?落ち着いてくれ!!儂が悪かった……だからその弓矢をしまってくれ!?』
最愛の愛娘に毎晩のように弓を構えられた国王は必死に彼女を受け入れてくれる人間を探していた時、20年前に消えたはずのレオの消息を掴む事に成功する。しかも彼はアリアとは結婚せずに未だに独り身である事を知った彼はマリアにその事実を伝えると、彼女は半信半疑で国王に願い事を告げる。
『本当にレオ君が結婚していないの……?それなら、お父さんがレオ君を説得してこの国に連れて来てよ!!』
『わ、儂がっ!?』
『もう前みたいに邪魔したら許さないから!!レオ君以外の人と絶対に私は結婚しないからね!!』
愛娘の言葉に国王は泣く泣く従い、レオに謝罪の手紙を記してバルトロス王国に使者を送り込む。そして無事に彼の元に辿り着いた使者はマリアと国王の話を伝えるが、当のレオの返答は無慈悲にも彼等の希望を打ち砕く。
「申し訳ないが、俺はあの国王を信じられない。旅の途中で何度も刺客を送り込んだ人間を信用なんかできない。マリアには悪いが俺の事を忘れてくれと伝えてくれ」
「そ、そんなっ!?」
彼の返答に使者たちは絶望するが、レオとしては自分と仲間が命懸けで世界を救うために行動している時に何度も刺客を送り込んで邪魔をした国王の謝罪の言葉など信じられなかった。今回の話も自分をおびき出して殺すつもりなのではないかと彼は疑い、はっきりと彼は使者に断りの言葉を継げる。
『へえ~君が勇者君?すっごく格好いいね』
『貴女は……?』
『私はマリアだよ!!弓の勇者に選ばれたマリア!!一応はこの国の王女だよ?』
アリアと出会う前にレオはバルカン王国の王女と対面しており、彼女は王女でありながら魔王軍を討伐するために選出された人間であり、実際に彼女の弓の技量は素晴らしく、500メートルも離れた的を射抜く程の命中力を誇る。彼女は異世界から召喚されたレオを気に入り、共に魔王軍を討伐する仲間として行動する。
だが、バルカン王国の国王は一人娘である彼女は非常に可愛がっており、早くに妻を亡くした彼は妻の面影がある娘に深い愛情を注ぎ、娘のためならばどんな願いも聞き入れていた。しかし、そんな可愛い娘が異世界から訪れた勇者に興味を抱いている事を知った彼は非常にレオに辛辣な態度を取る。
『貴様!!我が娘を狙っているのではないだろうな!?』
『幾ら勇者とはいえ、お前のような平民を娘の婿に出来ん!!』
『ふんっ!!魔王軍の幹部を仕留めたらしいな?だが、その程度の事で己惚れるな!!もっと精進しろっ!!四天王の一人でも倒してから儂の所に来い!!……えっ?もう四天王は全員倒した?う、嘘だろう?』
『勇者ぁっ!!娘の手紙に貴様の事しか書かれていないぞ!?しかも娘の前でよくも他の女といちゃついていたらしいな!!即刻死刑にしてやる……いや、落ち着け、今のは冗談だ。だからその聖剣を下げてはくれんか?え、冗談には聞こえなかった?わ、儂の言葉を疑うか!?』
『何?貴様の寝こみを襲った刺客が儂に雇われたと白状しただとっ!?し、知らんっ!!そのような奴等など儂は知らんぞ!!え?どうして正確な人数を答えていないのに「奴等」という言葉を使ったのかだと!?そ、それはだな……』
『……頼む勇者、どうか娘との仲を取り持ってくれんか?儂が悪かった……お前に食事に毒を仕込んだり、刺客を送ったり、夜に娼婦を送り込んだことがばれたのだ……え?お、お前、本当に儂の仕業だと気づいていなかったのか!?』
レオは旅の途中で何度もバルカン王国の国王が放った刺客に襲われており、最初は彼も気付かなかったが流石に仲間の中に女性が増える度に刺客の数が激増した辺りから不思議に思い、調査した結果、よりにもよって魔王軍ではなく自分を召喚したバルカン王国の国王が黒幕だと判明した。
流石に彼も敵だけではなく味方に狙われる事に困惑し、今回の国王の暴挙の原因であるマリアに彼を説得するように頼む。マリアとしてはレオの傍を離れたくはなかったが、あまりに父親の行動が酷過ぎたために仕方なく彼女は旅の途中で親を叱りつけるために王国に帰還する。
だが、彼女が王国に帰還中にレオ達は魔王軍の討伐を果たし、仲間達は散り散りになる。慌ててマリアは消えてしまったレオの消息を負ったが、ここで邪魔者が自らの意志で消えてしまったことに喜んだ父親が彼女を無理やりに王国に留めて彼を諦めるように説得する。レオがアリアと相思相愛だった事を知っていたマリアは仕方なく彼の幸せを祈り、彼の調査を断念した。
しかし、マリアを非常に溺愛していた国王も最近では娘の年齢に危機感を抱き始める。昔は娘に男が近寄る事を断固阻止していた彼も年齢を重ねる事に自分の身勝手な行動で娘の恋路を邪魔した事に罪悪感を抱くようになり、レオの代わりにマリアの結婚相手を見繕うために行動を開始する。
既にマリアの年齢は37才を迎えており、しかも国王の今までの行動が周辺諸国にも知れ渡っており、伝説の勇者が相手でも娘を差し出さなかった親馬鹿王という認識が広まっていた。それに彼女の年齢も30代後半を迎えているという理由もあり、20年前は各国の王子や有力貴族から求婚を申し込まれていたマリアも現在では彼女の方から求婚を求めても答えてくれる人間は存在しなかった。このままでは国王が死去した場合はマリアが王位を継ぐことになるが、甘やかされて育てられていた彼女は政治に関しては何も知らず、仮に王位を受け継いだとしても彼女では国を治める事は出来ないのは明白だった。
『これも全部お父さんのせいだよっ!!あんなにレオ君と仲良くしてよと言ったのに聞いてくれなかったお父さんの馬鹿ぁっ!!』
『ま、マリア!?落ち着いてくれ!!儂が悪かった……だからその弓矢をしまってくれ!?』
最愛の愛娘に毎晩のように弓を構えられた国王は必死に彼女を受け入れてくれる人間を探していた時、20年前に消えたはずのレオの消息を掴む事に成功する。しかも彼はアリアとは結婚せずに未だに独り身である事を知った彼はマリアにその事実を伝えると、彼女は半信半疑で国王に願い事を告げる。
『本当にレオ君が結婚していないの……?それなら、お父さんがレオ君を説得してこの国に連れて来てよ!!』
『わ、儂がっ!?』
『もう前みたいに邪魔したら許さないから!!レオ君以外の人と絶対に私は結婚しないからね!!』
愛娘の言葉に国王は泣く泣く従い、レオに謝罪の手紙を記してバルトロス王国に使者を送り込む。そして無事に彼の元に辿り着いた使者はマリアと国王の話を伝えるが、当のレオの返答は無慈悲にも彼等の希望を打ち砕く。
「申し訳ないが、俺はあの国王を信じられない。旅の途中で何度も刺客を送り込んだ人間を信用なんかできない。マリアには悪いが俺の事を忘れてくれと伝えてくれ」
「そ、そんなっ!?」
彼の返答に使者たちは絶望するが、レオとしては自分と仲間が命懸けで世界を救うために行動している時に何度も刺客を送り込んで邪魔をした国王の謝罪の言葉など信じられなかった。今回の話も自分をおびき出して殺すつもりなのではないかと彼は疑い、はっきりと彼は使者に断りの言葉を継げる。
0
お気に入りに追加
1,143
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
勇者に大切な人達を寝取られた結果、邪神が目覚めて人類が滅亡しました。
レオナール D
ファンタジー
大切な姉と妹、幼なじみが勇者の従者に選ばれた。その時から悪い予感はしていたのだ。
田舎の村に生まれ育った主人公には大切な女性達がいた。いつまでも一緒に暮らしていくのだと思っていた彼女らは、神託によって勇者の従者に選ばれて魔王討伐のために旅立っていった。
旅立っていった彼女達の無事を祈り続ける主人公だったが……魔王を倒して帰ってきた彼女達はすっかり変わっており、勇者に抱きついて媚びた笑みを浮かべていた。
青年が大切な人を勇者に奪われたとき、世界の破滅が幕を開く。
恐怖と狂気の怪物は絶望の底から生まれ落ちたのだった……!?
※カクヨムにも投稿しています。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
彼女の浮気相手からNTRビデオレターが送られてきたから全力で反撃しますが、今さら許してくれと言われてももう遅い
うぱー
恋愛
彼女の浮気相手からハメ撮りを送られてきたことにより、浮気されていた事実を知る。
浮気相手はサークルの女性にモテまくりの先輩だった。
裏切られていた悲しみと憎しみを糧に社会的制裁を徹底的に加えて復讐することを誓う。
■一行あらすじ
浮気相手と彼女を地獄に落とすために頑張る話です(●´艸`)ィヒヒ
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】魔力なしの役立たずだとパーティを追放されたんだけど、実は次の約束があんだよね〜〜なので今更戻って来いとか言われても知らんがな
杜野秋人
ファンタジー
「ただでさえ“魔力なし”の役立たずのくせに、パーティの資金まで横領していたお前をリーダーとして許すことはできない!よってレイク、お前を“雷竜の咆哮”から追放する!」
探索者として“雷竜の咆哮”に所属するレイクは、“魔力なし”であることを理由に冤罪までかけられて、リーダーの戦士ソティンの宣言によりパーティを追われることになってしまった。
森羅万象の全てが構成元素としての“魔力”で成り立つ世界、ラティアース。当然そこに生まれる人類も、必ずその身に魔力を宿して生まれてくる。
だがエルフ、ドワーフや人間といった“人類”の中で、唯一人間にだけは、その身を構成する最低限の魔力しか持たず、魔術を行使する魔力的な余力のない者が一定数存在する。それを“魔力なし”と俗に称するが、探索者のレイクはそうした魔力なしのひとりだった。
魔力なしは十人にひとり程度いるもので、特に差別や迫害の対象にはならない。それでもソティンのように、高い魔力を鼻にかけ魔力なしを蔑むような連中はどこにでもいるものだ。
「ああ、そうかよ」
ニヤつくソティンの顔を見て、もうこれは何を言っても無駄だと悟ったレイク。
だったらもう、言われたとおりに出ていってやろう。
「じゃ、今まで世話になった。あとは達者で頑張れよ。じゃあな!」
そうしてレイクはソティンが何か言う前にあらかじめまとめてあった荷物を手に、とっととパーティの根城を後にしたのだった。
そしてこれをきっかけに、レイクとソティンの運命は正反対の結末を辿ることになる⸺!
◆たまにはなろう風の説明調長文タイトルを……とか思ってつけたけど、70字超えてたので削りました(笑)。
◆テンプレのパーティ追放物。世界観は作者のいつものアリウステラ/ラティアースです。初見の人もおられるかと思って、ちょっと色々説明文多めですゴメンナサイ。
◆執筆完了しました。全13話、約3万5千字の短め中編です。
最終話に若干の性的表現があるのでR15で。
◆同一作者の連載中ハイファンタジー長編『落第冒険者“薬草殺し”は人の縁で成り上がる』のサイドストーリーというか、微妙に伏線を含んだ繋がりのある内容です。どちらも単体でお楽しみ頂けますが、両方読めばそれはそれでニマニマできます。多分。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうとカクヨムでも同時公開します。3サイト同時は多分初。
◆急に読まれ出したと思ったらHOTランキング初登場27位!?ビックリですありがとうございます!
……おいNEWが付いたまま12位まで上がってるよどういう事だよ(汗)。
8/29:HOTランキング5位……だと!?(((゚д゚;)))
8/31:5〜6位から落ちてこねえ……だと!?(((゚∀゚;)))
9/3:お気に入り初の1000件超え!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる