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ダイン 監獄都市編
三巨頭と取引!?マジで言ってるのか!?
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「なあ、こいつどうするんだよ。まさか、一緒に連れていくのか?」
「う~ん、それはちょっと面倒ですね。僕の隠れ家を他の人に知られたくありませんし……」
「ギギィッ(置いてくか)」
「おい、聞こえてるぞ!!頼むよ、助けてくれ!!こんな場所、もう懲り懲りだ!!」
情報屋の男は必死にダインに縋りつき、助けを求めてくる。だが、今の状況ではむしろ助けてほしいのはダイン達の方であり、元の道を引きかえして外に戻るわけにはいかない。
内側に鍵を施しているので扉が破壊されない限りは囚人の追跡はあり得ないが、ミイネとしては情報屋を連れて行動するのは避けたい。彼女としてはダインとゴブだけを自分の隠れ家へ連れて行き、外へ抜け出すつもりだった。だが、この情報屋を連れて行くとなると計画を変更しなければならない。
「仕方ないですね、本当は秘密なんですけど別の場所から外まで連れて行きましょう」
「な、何!?外へ繋がる抜け道が他にあるのか!?」
「ええ、但しこの事は他の方に秘密にしてくださいよ。もしもばらしたりすれば……どうなるか分かってますね?」
「うっ……わ、分かった。ここから出られるなら何でもするぞ!!」
「こいつ、本当に大丈夫なのか?」
「ギイイッ(仕方ない)」
ミイネの脅しに情報屋は頷き、とりあえずはミイネが知っている地上へと繋がる抜け道の一つに案内する事にした。この地下道には地上に繋がる抜け道がいくつか存在し、それらを全て把握しているのはミイネだけである。
ちなみに抜け道の一つはミイネの隠れ家に繋がっており、彼女はその場所にはダインやゴブ以外の者には知らせるつもりはなかった。しかも情報屋のような自分が掴んだ情報を他人に売る事を生業にする人間に自分の一番大事な秘密を明かすわけにはいかない。
「助けてあげますからさっき言った言葉、忘れないでくださいよ。地上に逃がしたら必ず僕達に力を貸してください」
「あ、ああ……分かってる、元同業者の好だ。約束は守る」
「では行きましょうか」
「よし、大分暗いな……灯りはあるか?」
「ギギィッ(ランタンならあったよ)」
地下道には先に入った人間の物なのか、ランタンが捨てられていた。それをゴブは拾い上げるとまだ使える事を確認し、それに火を灯して通路内を照らしながら移動を行う。一応はダインは「暗視」の技能があるので別に暗闇でも周囲の状況を把握できるが、他の人間の事を考えて灯りで照らしながら先を歩く。
「なあ、そういえばあんたはどうやってここで生き延びてたんだ?灯りも持ってなさそうだったし、よく平気だったな」
「平気じゃねえよ!!まあ、灯りに関しては生活魔法でどうにかなったがな……」
「なるほど」
情報屋は初級魔法の「光球」を扱えるらしく、初級魔法は一般人にも扱える魔法のため、聖属性の適性があれば発動は出来る。情報屋は光球の魔法を頼りに地下道を生き抜いてきたそうだが、結局は手持ちの食料と水も食べきってしまい、何日も飲まず食わずで彷徨っていたという。
「あんたらと出会えてよかったよ。それにしても俺のいない間に何があったんだ?三巨頭がどうとか言ってたが……」
「その辺の事情は地上に出てから自分で調べてくださいよ。そもそも貴方、ガルルから狙われている立場でしょう?地上に戻ってどうするんですか?」
「他の三巨頭の奴等に俺が掴んだ情報を流して配下に入れてもらうさ。そうだ、お前等も一緒にどうだ?命を助けてくれたお礼だ、きっとガルルの弱みを握れるなら他の二人も仲間に入れてくれるぜ」
「……死んでも御免だよ。あんな奴等の手下なんて」
「ギギィッ(そりゃそうだ)」
ダインは三巨頭の配下になる事を提案する情報屋に渋い表情を浮かべ、その三巨頭から命を狙われている立場である。だが、情報屋の言葉にミイネは考え込み、ダインが狙われている理由はガルルが他の二人をそそのかしたからである事を思い出す。
ガルルは自分が他の三巨頭に就く条件としてダインの捕縛を要求したが、そのガルルの弱みを掴んだ今ならば状況は好転するかもしれない。ガルルの弱みの情報を材料に他の三巨頭と取引を持ちかける事が出来るかもしれず、本気で思い悩む。
(この情報屋の話が本当ならガルルを追い込める事が出来る。なら、ここは隠れ家へ向かうよりも外へ抜け出してギルがグシャスに取引を持ち込む……となると、グシャスよりもギルの方が話しやすいかもしれませんね)
グシャスとは裏口でのやり取りで彼の顔に泥を塗る結果となり、相当に恨まれている可能性はあった。それならばまだ直接的には接触していないギルにミイネは取引を持ち込み、三巨頭の一角を切り崩せば状況は一変する。
(でも、重要なのはこの男の情報が正しいのかどうか……もしも間違っていた場合、僕達に後はありませんね)
取引を持ちかけるには情報屋の掴んだがガルルの弱点が本当なのかどうかを確かめる必要があり、迂闊な行動はできなかった。とりあえずはミイネは外へ繋がる抜け道の一つに向かうまでの間、取引を仕掛けるのか真剣に考える。その様子をダインは不思議そうに見ていた。
「う~ん、それはちょっと面倒ですね。僕の隠れ家を他の人に知られたくありませんし……」
「ギギィッ(置いてくか)」
「おい、聞こえてるぞ!!頼むよ、助けてくれ!!こんな場所、もう懲り懲りだ!!」
情報屋の男は必死にダインに縋りつき、助けを求めてくる。だが、今の状況ではむしろ助けてほしいのはダイン達の方であり、元の道を引きかえして外に戻るわけにはいかない。
内側に鍵を施しているので扉が破壊されない限りは囚人の追跡はあり得ないが、ミイネとしては情報屋を連れて行動するのは避けたい。彼女としてはダインとゴブだけを自分の隠れ家へ連れて行き、外へ抜け出すつもりだった。だが、この情報屋を連れて行くとなると計画を変更しなければならない。
「仕方ないですね、本当は秘密なんですけど別の場所から外まで連れて行きましょう」
「な、何!?外へ繋がる抜け道が他にあるのか!?」
「ええ、但しこの事は他の方に秘密にしてくださいよ。もしもばらしたりすれば……どうなるか分かってますね?」
「うっ……わ、分かった。ここから出られるなら何でもするぞ!!」
「こいつ、本当に大丈夫なのか?」
「ギイイッ(仕方ない)」
ミイネの脅しに情報屋は頷き、とりあえずはミイネが知っている地上へと繋がる抜け道の一つに案内する事にした。この地下道には地上に繋がる抜け道がいくつか存在し、それらを全て把握しているのはミイネだけである。
ちなみに抜け道の一つはミイネの隠れ家に繋がっており、彼女はその場所にはダインやゴブ以外の者には知らせるつもりはなかった。しかも情報屋のような自分が掴んだ情報を他人に売る事を生業にする人間に自分の一番大事な秘密を明かすわけにはいかない。
「助けてあげますからさっき言った言葉、忘れないでくださいよ。地上に逃がしたら必ず僕達に力を貸してください」
「あ、ああ……分かってる、元同業者の好だ。約束は守る」
「では行きましょうか」
「よし、大分暗いな……灯りはあるか?」
「ギギィッ(ランタンならあったよ)」
地下道には先に入った人間の物なのか、ランタンが捨てられていた。それをゴブは拾い上げるとまだ使える事を確認し、それに火を灯して通路内を照らしながら移動を行う。一応はダインは「暗視」の技能があるので別に暗闇でも周囲の状況を把握できるが、他の人間の事を考えて灯りで照らしながら先を歩く。
「なあ、そういえばあんたはどうやってここで生き延びてたんだ?灯りも持ってなさそうだったし、よく平気だったな」
「平気じゃねえよ!!まあ、灯りに関しては生活魔法でどうにかなったがな……」
「なるほど」
情報屋は初級魔法の「光球」を扱えるらしく、初級魔法は一般人にも扱える魔法のため、聖属性の適性があれば発動は出来る。情報屋は光球の魔法を頼りに地下道を生き抜いてきたそうだが、結局は手持ちの食料と水も食べきってしまい、何日も飲まず食わずで彷徨っていたという。
「あんたらと出会えてよかったよ。それにしても俺のいない間に何があったんだ?三巨頭がどうとか言ってたが……」
「その辺の事情は地上に出てから自分で調べてくださいよ。そもそも貴方、ガルルから狙われている立場でしょう?地上に戻ってどうするんですか?」
「他の三巨頭の奴等に俺が掴んだ情報を流して配下に入れてもらうさ。そうだ、お前等も一緒にどうだ?命を助けてくれたお礼だ、きっとガルルの弱みを握れるなら他の二人も仲間に入れてくれるぜ」
「……死んでも御免だよ。あんな奴等の手下なんて」
「ギギィッ(そりゃそうだ)」
ダインは三巨頭の配下になる事を提案する情報屋に渋い表情を浮かべ、その三巨頭から命を狙われている立場である。だが、情報屋の言葉にミイネは考え込み、ダインが狙われている理由はガルルが他の二人をそそのかしたからである事を思い出す。
ガルルは自分が他の三巨頭に就く条件としてダインの捕縛を要求したが、そのガルルの弱みを掴んだ今ならば状況は好転するかもしれない。ガルルの弱みの情報を材料に他の三巨頭と取引を持ちかける事が出来るかもしれず、本気で思い悩む。
(この情報屋の話が本当ならガルルを追い込める事が出来る。なら、ここは隠れ家へ向かうよりも外へ抜け出してギルがグシャスに取引を持ち込む……となると、グシャスよりもギルの方が話しやすいかもしれませんね)
グシャスとは裏口でのやり取りで彼の顔に泥を塗る結果となり、相当に恨まれている可能性はあった。それならばまだ直接的には接触していないギルにミイネは取引を持ち込み、三巨頭の一角を切り崩せば状況は一変する。
(でも、重要なのはこの男の情報が正しいのかどうか……もしも間違っていた場合、僕達に後はありませんね)
取引を持ちかけるには情報屋の掴んだがガルルの弱点が本当なのかどうかを確かめる必要があり、迂闊な行動はできなかった。とりあえずはミイネは外へ繋がる抜け道の一つに向かうまでの間、取引を仕掛けるのか真剣に考える。その様子をダインは不思議そうに見ていた。
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