不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません？

カタナヅキ

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ダイン　監獄都市編

ガルルの秘密！？

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「な、なあ……同業者のよしみだ、頼むから俺の事は内緒にしてくれないか！？」
「元同業者ですよ。それに内緒も何も、貴方はもう外に出ても大丈夫ですよ」
「えっ！？どうしてだ！？」
「そりゃ、あいつは僕が……むぐっ！？」
「ギギィッ」

ミイネの言葉を聞いて情報屋は驚いた表情を浮かべるが、ダインは現在のガルルは懲罰房に送り込まれている事を伝えようとした瞬間、ゴブが口を塞ぐ。唐突なゴブの行動にダインは驚くが、ミイネが何か思いついた様に笑みを浮かべた。

「現在、外の方では色々とありましてね。その事を教えてあげてもいいんですが、ただというわけにはいきませんね」
「な、何だって！？お前、まさか俺から金を取るつもりか！？」
「いえ、見た所はお金なんて持ってなさそうですからね。今回はお金の代わりに貴方が持っている情報を教えてください。知っているんでしょう、ガルルの弱みを？」
「うっ……なるほど、流石は元情報屋だな」

情報屋はミイネの言葉を聞いて冷や汗を流し、悩んだそぶりを見せるがこの状況下で彼がミイネの言葉に従うしかない。外の情報は彼が最も欲している情報であるため、遂に口を開く。

「ガルルの奴はな――」

ダイン達は情報屋から聞かされた言葉に信じられない表情を浮かべ、まさか三巨頭と恐れられるガルルの意外な弱点に戸惑う。しかし、この情報が事実だとすればガルルと遭遇した時に役立つかもしれなかった。

「その話……嘘じゃないですよね」
「ああ、俺も信じられなかったが、こうして俺は奴等に追い詰められている。これが証拠だろう？」
「なるほど……分かりました。なら、今の外の状況を教えます。その後にどう行動するかは貴方の判断にお任せしますよ」
「助かるよ……だが、ここはちょっと危険だな。もう少し別の場所に移動しないか？」
「えっ……危険？どういう意味だ？」

情報屋の男の言葉にダインは戸惑い、彼が何を恐れているのか気になった。事前に聞いたミイネの話だとこの地下道を進めば彼女の隠れ家に辿り着けると言われたが、危険な物があるなど聞いてはいない。

ミイネも情報屋の言葉に疑問を抱き、この地下道に彼が恐れるような物は存在しないはずだが、しばらくの間は地下を彷徨っていた情報屋によるとこの地下道には恐るべき存在が潜んでいるという。

「俺はずっとこの場所を彷徨っていたんだ。ここは危険だ、とんでもない奴が潜んでいる。俺はどうにか今日まで生き延びてきたが、あんなのに襲われたらひとたまりもないぞ」
「何ですか？そのあんなのとは？」
「魔物か？それとも……囚人か？」
「分からない、俺もはっきりと見たわけじゃないんだが……ここには何かがいるんだ！！」

情報屋は頭を抱えて怯えた表情を浮かべると、その様子が嘘を吐いているようには見えず、この地下道で彼が何を見たのかを詳しく尋ねる。

「落ち着けよ、いったい何を見たんだよ？」
「……この地下道には三巨頭の奴等もよく利用しているんだ。奴等はよく、自分達を敵対する囚人をこの地下に送り込むのは知ってたか？」
「ええ、それは知ってますよ。貴方もそうですよね」
「どうしてそんな真似……」
「あいつらも偉そうにしているが、所詮は囚人だ……もしも殺しをする所を見つかれば処刑は免れないんだよ。だから無暗に殺さずにこの出口のない地下道に放り込むんだ」

情報屋によるとこの地下道には彼以外にも送り込まれた囚人が多数存在するらしく、彼等は外へ抜け出す事が出来ず、死ぬまでこの場所に閉じ込められるという。情報屋もガルルに疎まれ、この場所に送り込まれた。

この地下道には多数の囚人が閉じ込められ、外に抜け出す事も出来ずに死んでしまった。そのせいなのか地下道の雰囲気が一変し、この場所では恐るべき存在が潜んでいる事を情報屋は察した。

「出口を探している途中、俺は確かに見たんだ。暗闇の中で動く人影を……だが、そいつはあろう事か人の死体を食らっていたんだ」
「死体を食らっていた……！？まさか、アンデッドですか？」
「分からない、だけど正気じゃなさそうだった。俺は怖くなって逃げたんだが、もしも見つかっていたら……」
「お、おい待てよ！！じゃあ、この地下道には人の死体を喰らう奴がいるのか！？そいつがアンデッドという事はまさか死霊使いの職業の人間がここにもいるのか！？」
「分からない、分からないんだよ！！」

ダインの言葉に情報屋の男は頭を抱えながら首を振り、彼自身も自分が見た者に対して理解できなかった。しかし、この地下道には恐るべき何かが潜んでいる事は間違いなく、情報屋の男はダインの足に縋りつく。

「た、頼む！！外まで俺を連れて行ってくれ！！そうすればお前達の協力でも何でもする、約束するからさ！！」
「お、おい……落ち着けよ、あんた」
「協力ですか……まあ、人手が欲しいのは事実ですからね。ですけど、今は外へ出るのは危険ですね。何しろ、僕達も追われている立場ですし……」
「そ、そんな……話しただろう！？ここにはやばい奴がいるって！！」

地下に入る際に通ってきた出入口は当然だが三巨頭の連中が見張っているはずであり、もしもそこから外に出ようとすれば無事では済まない。情報屋の男もガルルに恨みを買われており、そのガルルを引き抜こうとしている三巨頭の配下からすれば彼を生かす理由はない。

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