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真・闘技祭 本選編
資格無き者
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「ミドル様の侮辱、これ以上は見過ごせん!!」
「覚悟しろ!!」
『ま、待ってください!!試合場に入るのは禁止……!?』
試合場に乗り込もうとする竜槍隊に対してラビットが慌てて彼等を引き留めようとした時、試合場に乗り込もうとした瞬間、巨大な影と突風が発生して竜槍隊の騎士達が吹き飛ぶ。
「ぬんっ!!」
「落ち着きなさい」
『ぐああああっ!?』
竜槍隊の乱入を妨げたのは牙竜のギルドマスターにして本選の出場者でもあるギガンと、氷雨のギルドマスターであるマリアであった。ギガンは騎士達を殴り飛ばし、一方でマリアは詠唱も行わずに魔法を発動させると騎士達を吹き飛ばす。
二人の妨害を受けた竜槍隊の騎士達は地面に叩きつけられ、苦痛と困惑の表情を浮かべる。そんな彼等に対してギガンは腕を組んで見下ろすと、険しい表情を浮かべて怒鳴りつけた。
「貴様等、いったい何の真似だ?」
「な、何の真似だと……貴様の方こそ、何故邪魔をする!!」
「我々の亡き主人が侮辱されたのだぞ!!これが黙っていられるか!!」
「愚か者がぁっ!!」
ギガンの一括に竜槍隊だけではなく、観衆全員が身体を震わせる。それほどまでに彼の放つ凄まじい気迫に震え上がり、中には失禁する観客も存在した。ギガンは竜槍隊の騎士達に対して彼等が自分の立場を弁えず、どれだけ愚かな行為をしているのかを叱りつける。
「お前達のしようとした事は、この闘技祭を汚す最も愚かな行為だ!!この試合場に立つ事が出来るのは厳しい予選を勝ち抜け、本選の出場を果たした強者のみ!!お前達に試合場立つ資格はない!!」
「ぐっ……!!」
「仮にお前達が試合場に乗り込み、そこにいる男を倒したとしても責任を取るのは誰だ!?貴様等が使える国の主であるナオ女王だという事を理解していないのか!!お前達は亡き主人の無念を晴らすために現在仕えている主を蔑ろにする気か!!」
『っ……!?』
竜槍隊の騎士達はギガンの言葉に動揺し、彼の言う通りにここで騒ぎを起こせば当然だが責任は竜槍隊が使える国の王であるナオにも迷惑が掛かる。しかも彼等はナオの命令を無視して試合場に乗り込もうとした。それは最早謀反と捉えられてもおかしくはない行為だった。
「あまりこういう事は言いたくはないのだけれど……貴方達、立場を弁えなさい。慕っていた主人を侮辱されて怒りを抱くのは仕方ないが事だとしても、感情に身を任せて今の主に迷惑を掛けるようでは騎士道に反するとは思わないの?」
「くっ……」
「も、申し訳ありません……女王陛下」
状況をやっと把握した竜槍隊の騎士達はナオに対して謝罪を行うが、そんな彼等を見てナオはため息を吐き出す。彼等の気持ちは分からなくはないが、ナオは女王として竜槍隊の行動は見過ごす事は出来なかった。
「お前達……今回の件は見過ごせん、女王としてお前達には処罰を後で言い渡す。だから今は大人しくしておけ」
「ナオ女王ちゃんは甘いね~僕ならすぐに打ち首にするのに」
「これ、よさんか」
「申し訳ありません、私の配下は少々おふざけが過ぎた様で……竜槍隊の皆様、私が彼の代わりに謝罪します」
特等席に座っていたキバ国王がナオの発言を聞いて軽口を叩き、それをデブリが注意するとヨシテルが竜槍隊に対して頭を下げる。試合場に出場した傀儡師は彼の配下であるため、主人であるヨシテルが代わりに頭を下げれば竜槍隊もこれ以上は何も言えなかった。
騒ぎを起こしたとして竜槍隊の騎士達はすぐに闘技場の兵士に連行されそうになるが、ナオの計らいで試合を見る事は許され、彼等は拘束されながらも観客席にて試合場の観戦だけは許された。竜槍隊の騎士達は憎々し気な表情を傀儡師に向けながらも、決して試合場に乱入するような素振りは見せない。
「たくっ、ナオ女王陛下も部下の躾がなっていないな。こんなおふざけに本気になるようなら国王の器もたかがしているな」
「お、お前……最低だな」
「ふん、俺にとっては誉め言葉だ。俺は傀儡師だが、同時に忍者でもある……知っているか?忍者にとって卑怯と最低という言葉は褒め言葉なんだよ。どんな手段を用いても目的を達成する、それが俺のやり方だ」
「……僕の思っている以上の悪党だった」
ダインは傀儡師を名乗る男と向き合い、未だに彼の名前を知らない事に気づく。そんなダインの様子を察して傀儡師の男は名乗りを上げた。
「そういえば名乗っていなかった、俺の名前はサスケ……和国の忍若頭を務めさせている」
「し、忍若頭?」
「要するに和国に所属する忍者の中で二番目に偉いってことだよ。ちなみに俺の親父が忍頭、つまりは一番偉い男だ。まあ、親父も年だからな……ヨシテル様!!もしも俺が優勝したら忍頭の地位を譲ってくださいよ!!」
「……考えておきましょう」
傀儡師の「サスケ」は和国の主にして自分の主人であるはずのヨシテルに対して堂々と声をかけると、ヨシテルの方はため息を吐き出す。珍しく面倒そうな表情を浮かべるヨシテルの態度を見てもサスケがどれだけの問題児なのか伺えた。
「覚悟しろ!!」
『ま、待ってください!!試合場に入るのは禁止……!?』
試合場に乗り込もうとする竜槍隊に対してラビットが慌てて彼等を引き留めようとした時、試合場に乗り込もうとした瞬間、巨大な影と突風が発生して竜槍隊の騎士達が吹き飛ぶ。
「ぬんっ!!」
「落ち着きなさい」
『ぐああああっ!?』
竜槍隊の乱入を妨げたのは牙竜のギルドマスターにして本選の出場者でもあるギガンと、氷雨のギルドマスターであるマリアであった。ギガンは騎士達を殴り飛ばし、一方でマリアは詠唱も行わずに魔法を発動させると騎士達を吹き飛ばす。
二人の妨害を受けた竜槍隊の騎士達は地面に叩きつけられ、苦痛と困惑の表情を浮かべる。そんな彼等に対してギガンは腕を組んで見下ろすと、険しい表情を浮かべて怒鳴りつけた。
「貴様等、いったい何の真似だ?」
「な、何の真似だと……貴様の方こそ、何故邪魔をする!!」
「我々の亡き主人が侮辱されたのだぞ!!これが黙っていられるか!!」
「愚か者がぁっ!!」
ギガンの一括に竜槍隊だけではなく、観衆全員が身体を震わせる。それほどまでに彼の放つ凄まじい気迫に震え上がり、中には失禁する観客も存在した。ギガンは竜槍隊の騎士達に対して彼等が自分の立場を弁えず、どれだけ愚かな行為をしているのかを叱りつける。
「お前達のしようとした事は、この闘技祭を汚す最も愚かな行為だ!!この試合場に立つ事が出来るのは厳しい予選を勝ち抜け、本選の出場を果たした強者のみ!!お前達に試合場立つ資格はない!!」
「ぐっ……!!」
「仮にお前達が試合場に乗り込み、そこにいる男を倒したとしても責任を取るのは誰だ!?貴様等が使える国の主であるナオ女王だという事を理解していないのか!!お前達は亡き主人の無念を晴らすために現在仕えている主を蔑ろにする気か!!」
『っ……!?』
竜槍隊の騎士達はギガンの言葉に動揺し、彼の言う通りにここで騒ぎを起こせば当然だが責任は竜槍隊が使える国の王であるナオにも迷惑が掛かる。しかも彼等はナオの命令を無視して試合場に乗り込もうとした。それは最早謀反と捉えられてもおかしくはない行為だった。
「あまりこういう事は言いたくはないのだけれど……貴方達、立場を弁えなさい。慕っていた主人を侮辱されて怒りを抱くのは仕方ないが事だとしても、感情に身を任せて今の主に迷惑を掛けるようでは騎士道に反するとは思わないの?」
「くっ……」
「も、申し訳ありません……女王陛下」
状況をやっと把握した竜槍隊の騎士達はナオに対して謝罪を行うが、そんな彼等を見てナオはため息を吐き出す。彼等の気持ちは分からなくはないが、ナオは女王として竜槍隊の行動は見過ごす事は出来なかった。
「お前達……今回の件は見過ごせん、女王としてお前達には処罰を後で言い渡す。だから今は大人しくしておけ」
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「これ、よさんか」
「申し訳ありません、私の配下は少々おふざけが過ぎた様で……竜槍隊の皆様、私が彼の代わりに謝罪します」
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騒ぎを起こしたとして竜槍隊の騎士達はすぐに闘技場の兵士に連行されそうになるが、ナオの計らいで試合を見る事は許され、彼等は拘束されながらも観客席にて試合場の観戦だけは許された。竜槍隊の騎士達は憎々し気な表情を傀儡師に向けながらも、決して試合場に乱入するような素振りは見せない。
「たくっ、ナオ女王陛下も部下の躾がなっていないな。こんなおふざけに本気になるようなら国王の器もたかがしているな」
「お、お前……最低だな」
「ふん、俺にとっては誉め言葉だ。俺は傀儡師だが、同時に忍者でもある……知っているか?忍者にとって卑怯と最低という言葉は褒め言葉なんだよ。どんな手段を用いても目的を達成する、それが俺のやり方だ」
「……僕の思っている以上の悪党だった」
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「し、忍若頭?」
「要するに和国に所属する忍者の中で二番目に偉いってことだよ。ちなみに俺の親父が忍頭、つまりは一番偉い男だ。まあ、親父も年だからな……ヨシテル様!!もしも俺が優勝したら忍頭の地位を譲ってくださいよ!!」
「……考えておきましょう」
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