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真・闘技祭 本選編
ダインVS???
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『ダイン選手の相手は……あれ?』
『どうかしました?』
『いえ、おかしいですね。リストに名前が載っていません。記入漏れでしょうか?』
『あれ、本当だ?全く、運営さん!!ちゃんとして下さいよ~……え?選手の方は準備が出来ている?仕方ないっすね~』
実況席の二人は対戦相手の名前が記されていない事に疑問を抱くが、兵士の報告によると既に選手は準備を整えているらしく、試合場の城門が開かれると中から現れたのは全身をフードで覆い隠した人物だった。それを見て選手を見てから発表を行おうと考えていた二人だったが、姿がはっきりと見えなければ選手の発表は行えない。
『ちょちょ、誰ですかあれ?すいませ~ん、顔を見せてくれませんか?紹介できないんですけど~』
『いったい誰でしょうかね』
姿を覆い隠す人物にホネミンとラビットは声をかけると、フードの人物は二人の言葉を聞いてゆっくりとフードから顔を出す。そしてその顔を見た瞬間、試合場に悲鳴が響き渡る。
「ぎっ……ぎゃあああっ!?」
『ダインさん!?急にどうしたんですか!?』
『ちょちょ、ホネミンさん!!あ、あの人……何で生きてるんですか!?』
「馬鹿なっ!!どういう事だ!?」
「まさかっ……!?」
「う、嘘だろおい!!」
「有り得ない、何故だ……どうしてここにいる!?」
フードの人物が顔を晒した瞬間、観衆に動揺が走り、特等席の王族たちも騒ぎ出す。その顔を見ただけで何者かが分かり、既にこの世には存在しないはずの人間が試合場に立っているのだから驚くのも無理はない。
――ダインの目の前に現れた人物の正体、それは先のバルトロス王国で反乱を引き起こした王妃の右腕にして最強の大将軍として各国からも恐れられていた「ミドル」と瓜二つの顔をしていた。その顔を見てダインは震え上がり、彼はレナと共にかつて戦った強敵の登場に腰を抜かす。
一方でミドルの方は虚ろな瞳でダインを見下ろすと、手に握りしめていた包みを外す。それを見たダインはミドルが愛用していた魔槍の事を思い出し、慌てて彼は杖を構える。
「おお、お前っ……生きてたのか!?」
「…………」
「な、何か喋れよ!!」
包みをゆっくりと取り外すミドルに対してダインは危機感を抱き、影魔法の準備を行う。もしも相手が本物のミドルの場合、彼が魔槍を手にすれば一瞬にしてダインは首を切り落とされるだろう。その前にダインは攻撃を仕掛けようかと考えた時、ここで違和感を抱く。
目の前のミドルの肉体から何故か闇属性の魔力を感じ取り、最初にダインが考えたのは「死霊術」の類でミドルの死体が操られているのかと思った。しかし、よくよく観察するとミドルの影の部分が城門の方へと不自然に伸びている事に気付き、いち早くダインは城門の奥にも隠れている人物に気付いた。
「そ、そこに隠れている奴っ!!出て来いっ!!」
「おっと……もう気づかれたか、中々勘の鋭い奴だな」
『こ、これはどういう事でしょうか!?城門からまたもや誰か出てきました!!』
『あの顔は……見覚えがあります!!本選の出場者ですよ!!』
ミドルの影の先には黒装束を見に包んだ青年が現れ、その人物は試合場に赴くと今度こそ本選の出場者である事をラビットは見抜く。同時にダインは青年とミドルの影が繋がっている事に気付き、驚いた表情を浮かべる
「ま、まさかお前……闇魔導士か!?」
「闇魔導士?そんな物と一緒にしないでほしいね、俺は「傀儡師」だ」
「く、傀儡師?」
聞いた事もない職業にダインは戸惑うが、傀儡師を自称する青年はミドルに視線を向けると、ミドルは身に付けていたフードを脱ぎ捨てる。その結果、彼の身体が露になると、観衆は驚愕のあまりに言葉を失う。
――試合場に現れたミドルの首から下は人間の姿ではなく、木造製の人形のような肉体で構成され、顔もよくよく観察すると精巧に作られた人形の顔だと判明する。その姿はあまりにも痛々しく、目を逸らす者もいた。
ミドルと関わりがあるナオは歯を食いしばり、立場上は敵対していたが一人の武人としてはミドルを尊敬していた彼女からすればミドルの人形を見て彼に対する侮辱のようにしか思えなかった。流石に他の者達もあまりの趣味の悪い人形に吐き気を催し、中には明らかに傀儡師を名乗る青年に怒りを露にする者もいた。
「貴様ぁあっ!!我等の隊長を侮辱するかぁっ!!」
「おのれ、殺してやる!!」
「ま、待て!!お前達、止めるんだ!!」
観客席にはミドルの直属の配下であり、現在はレミアの傘下でもある「竜槍隊」に所属する騎士も存在した。彼等はミドルを模した人形を見て怒りを露にして試合場へと乗り込もうとするが、それを見たナオは慌てて彼等を止めようとする。しかし、バルトロス王国の兵士の中でも最強の騎士達を止められる兵士など都合よくいるはずもなく、彼等は観客席を降りて傀儡師に向かおうとする。
『どうかしました?』
『いえ、おかしいですね。リストに名前が載っていません。記入漏れでしょうか?』
『あれ、本当だ?全く、運営さん!!ちゃんとして下さいよ~……え?選手の方は準備が出来ている?仕方ないっすね~』
実況席の二人は対戦相手の名前が記されていない事に疑問を抱くが、兵士の報告によると既に選手は準備を整えているらしく、試合場の城門が開かれると中から現れたのは全身をフードで覆い隠した人物だった。それを見て選手を見てから発表を行おうと考えていた二人だったが、姿がはっきりと見えなければ選手の発表は行えない。
『ちょちょ、誰ですかあれ?すいませ~ん、顔を見せてくれませんか?紹介できないんですけど~』
『いったい誰でしょうかね』
姿を覆い隠す人物にホネミンとラビットは声をかけると、フードの人物は二人の言葉を聞いてゆっくりとフードから顔を出す。そしてその顔を見た瞬間、試合場に悲鳴が響き渡る。
「ぎっ……ぎゃあああっ!?」
『ダインさん!?急にどうしたんですか!?』
『ちょちょ、ホネミンさん!!あ、あの人……何で生きてるんですか!?』
「馬鹿なっ!!どういう事だ!?」
「まさかっ……!?」
「う、嘘だろおい!!」
「有り得ない、何故だ……どうしてここにいる!?」
フードの人物が顔を晒した瞬間、観衆に動揺が走り、特等席の王族たちも騒ぎ出す。その顔を見ただけで何者かが分かり、既にこの世には存在しないはずの人間が試合場に立っているのだから驚くのも無理はない。
――ダインの目の前に現れた人物の正体、それは先のバルトロス王国で反乱を引き起こした王妃の右腕にして最強の大将軍として各国からも恐れられていた「ミドル」と瓜二つの顔をしていた。その顔を見てダインは震え上がり、彼はレナと共にかつて戦った強敵の登場に腰を抜かす。
一方でミドルの方は虚ろな瞳でダインを見下ろすと、手に握りしめていた包みを外す。それを見たダインはミドルが愛用していた魔槍の事を思い出し、慌てて彼は杖を構える。
「おお、お前っ……生きてたのか!?」
「…………」
「な、何か喋れよ!!」
包みをゆっくりと取り外すミドルに対してダインは危機感を抱き、影魔法の準備を行う。もしも相手が本物のミドルの場合、彼が魔槍を手にすれば一瞬にしてダインは首を切り落とされるだろう。その前にダインは攻撃を仕掛けようかと考えた時、ここで違和感を抱く。
目の前のミドルの肉体から何故か闇属性の魔力を感じ取り、最初にダインが考えたのは「死霊術」の類でミドルの死体が操られているのかと思った。しかし、よくよく観察するとミドルの影の部分が城門の方へと不自然に伸びている事に気付き、いち早くダインは城門の奥にも隠れている人物に気付いた。
「そ、そこに隠れている奴っ!!出て来いっ!!」
「おっと……もう気づかれたか、中々勘の鋭い奴だな」
『こ、これはどういう事でしょうか!?城門からまたもや誰か出てきました!!』
『あの顔は……見覚えがあります!!本選の出場者ですよ!!』
ミドルの影の先には黒装束を見に包んだ青年が現れ、その人物は試合場に赴くと今度こそ本選の出場者である事をラビットは見抜く。同時にダインは青年とミドルの影が繋がっている事に気付き、驚いた表情を浮かべる
「ま、まさかお前……闇魔導士か!?」
「闇魔導士?そんな物と一緒にしないでほしいね、俺は「傀儡師」だ」
「く、傀儡師?」
聞いた事もない職業にダインは戸惑うが、傀儡師を自称する青年はミドルに視線を向けると、ミドルは身に付けていたフードを脱ぎ捨てる。その結果、彼の身体が露になると、観衆は驚愕のあまりに言葉を失う。
――試合場に現れたミドルの首から下は人間の姿ではなく、木造製の人形のような肉体で構成され、顔もよくよく観察すると精巧に作られた人形の顔だと判明する。その姿はあまりにも痛々しく、目を逸らす者もいた。
ミドルと関わりがあるナオは歯を食いしばり、立場上は敵対していたが一人の武人としてはミドルを尊敬していた彼女からすればミドルの人形を見て彼に対する侮辱のようにしか思えなかった。流石に他の者達もあまりの趣味の悪い人形に吐き気を催し、中には明らかに傀儡師を名乗る青年に怒りを露にする者もいた。
「貴様ぁあっ!!我等の隊長を侮辱するかぁっ!!」
「おのれ、殺してやる!!」
「ま、待て!!お前達、止めるんだ!!」
観客席にはミドルの直属の配下であり、現在はレミアの傘下でもある「竜槍隊」に所属する騎士も存在した。彼等はミドルを模した人形を見て怒りを露にして試合場へと乗り込もうとするが、それを見たナオは慌てて彼等を止めようとする。しかし、バルトロス王国の兵士の中でも最強の騎士達を止められる兵士など都合よくいるはずもなく、彼等は観客席を降りて傀儡師に向かおうとする。
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