20 / 247
高校生編side晴人 好きって自覚したら失恋したよ
4.モデル???
しおりを挟む
思い起こせば、蓮と遥が付き合ってるって知った時から、俺は二人に諦めにも似た劣等感を感じていたんだと思う。
俺は、蓮や遥みたいにはなれないーー。
成長する程に開いていく蓮と俺のレベルの違いは、高校生になって、ついに周りの人間からハッキリと苦言を呈される程になってしまった。
幼馴染だからってずっと一緒にいられる訳じゃない。
遥の事で分かってたじゃないかーー。
結局、俺は蓮に何も聞けてない。
あの日は元から別で帰る予定だったし、次の日から夏休みに入った。
俺は部活、蓮はバイトで、夏休みを一緒に過ごす予定もない。
今までの夏休みは蓮からLAINが来てたんだけど、それも一切無しだ。
「はぁぁぁぁ。」
重い溜息を吐いてしまう。
部活にもイマイチ身が入らなくて、今日は指導に来てたOBの竹田先輩に指摘されてしまった。
せっかく中学から継続して高校でも教えてくれる事になったのに…。
大学三年生って忙しいんじゃないのかな。
わざわざ教えに来てくれた先輩をガッカリさせたかもしれない。
鬱々とした気分でいると、スマホが震えた。
電話だ。相手は翔くん。
「もしもし、晴?今へーき?」
翔くんの話しは、来週の夏祭りの日、予定が空いてるかってことだった。
俺に頼みたいことがあるらしい。
そうか、もうあの夏祭りから一年経つんだなぁ。
去年は蓮と遥の邪魔にならないように啓太と行ったけど、今年は…。
一瞬、蓮と二人で行く可能性を考えて…頭の中に相川さんの言葉が過ぎって頭を振った。
「大丈夫、部活も休みだし空いてるよ!」
「良かった!晴さ、駅前の美容院って分かる?」
「分かるよ!あのお洒落なお店でしょ?」
何で美容院?と思ったけど、翔君は15時にそこに来てねって言って電話を切ってしまった。
えぇ⁉︎謎なんですが⁉︎
夏祭り当日、俺は待ち合わせの美容院に向かう。
案の定、蓮からは何の連絡も無かった。
その事に少し寂しさを感じる自分、女々しいな。
「晴!悪いな呼び出して!」
久しぶりに見る翔君は相変わらずスーパーイケメンだ。
今年の春から都内の病院に勤務してる翔君は、脳神経外科のお医者さん。
こんなイケメンドクターがいる病院てヤバイない?
「暇してたから大丈夫!翔君は仕事休み?」
「そ!んで、コイツから連絡があってさ。」
翔君が示した先には、小柄な女性がいた。
綺麗に染めた髪を複雑に編んで結っている。
この場所とその技術から、美容師さんかなと思っていると正解だった。
「初めまして!翔の小学校の友人の成瀬です。
今日はありがとうございます!」
ニコニコ笑う可愛らしい成瀬さんにお礼を言われるけど、俺何したらいいの?
「え、翔?もしかして内容言ってないの?」
「うん。言ったら絶対断られるから。」
キョトン顔の俺に気付いた成瀬さんが翔君に詰め寄るけど、翔君は涼しい顔だ。
「嘘でしょ⁉︎………はぁ。ごめんね、晴人君。
実はね、モデルをやって欲しいの。」
ーーーーはい????
●●●
翔と美優は小学校時代6年間同じクラスでした。
俺は、蓮や遥みたいにはなれないーー。
成長する程に開いていく蓮と俺のレベルの違いは、高校生になって、ついに周りの人間からハッキリと苦言を呈される程になってしまった。
幼馴染だからってずっと一緒にいられる訳じゃない。
遥の事で分かってたじゃないかーー。
結局、俺は蓮に何も聞けてない。
あの日は元から別で帰る予定だったし、次の日から夏休みに入った。
俺は部活、蓮はバイトで、夏休みを一緒に過ごす予定もない。
今までの夏休みは蓮からLAINが来てたんだけど、それも一切無しだ。
「はぁぁぁぁ。」
重い溜息を吐いてしまう。
部活にもイマイチ身が入らなくて、今日は指導に来てたOBの竹田先輩に指摘されてしまった。
せっかく中学から継続して高校でも教えてくれる事になったのに…。
大学三年生って忙しいんじゃないのかな。
わざわざ教えに来てくれた先輩をガッカリさせたかもしれない。
鬱々とした気分でいると、スマホが震えた。
電話だ。相手は翔くん。
「もしもし、晴?今へーき?」
翔くんの話しは、来週の夏祭りの日、予定が空いてるかってことだった。
俺に頼みたいことがあるらしい。
そうか、もうあの夏祭りから一年経つんだなぁ。
去年は蓮と遥の邪魔にならないように啓太と行ったけど、今年は…。
一瞬、蓮と二人で行く可能性を考えて…頭の中に相川さんの言葉が過ぎって頭を振った。
「大丈夫、部活も休みだし空いてるよ!」
「良かった!晴さ、駅前の美容院って分かる?」
「分かるよ!あのお洒落なお店でしょ?」
何で美容院?と思ったけど、翔君は15時にそこに来てねって言って電話を切ってしまった。
えぇ⁉︎謎なんですが⁉︎
夏祭り当日、俺は待ち合わせの美容院に向かう。
案の定、蓮からは何の連絡も無かった。
その事に少し寂しさを感じる自分、女々しいな。
「晴!悪いな呼び出して!」
久しぶりに見る翔君は相変わらずスーパーイケメンだ。
今年の春から都内の病院に勤務してる翔君は、脳神経外科のお医者さん。
こんなイケメンドクターがいる病院てヤバイない?
「暇してたから大丈夫!翔君は仕事休み?」
「そ!んで、コイツから連絡があってさ。」
翔君が示した先には、小柄な女性がいた。
綺麗に染めた髪を複雑に編んで結っている。
この場所とその技術から、美容師さんかなと思っていると正解だった。
「初めまして!翔の小学校の友人の成瀬です。
今日はありがとうございます!」
ニコニコ笑う可愛らしい成瀬さんにお礼を言われるけど、俺何したらいいの?
「え、翔?もしかして内容言ってないの?」
「うん。言ったら絶対断られるから。」
キョトン顔の俺に気付いた成瀬さんが翔君に詰め寄るけど、翔君は涼しい顔だ。
「嘘でしょ⁉︎………はぁ。ごめんね、晴人君。
実はね、モデルをやって欲しいの。」
ーーーーはい????
●●●
翔と美優は小学校時代6年間同じクラスでした。
32
お気に入りに追加
965
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
【書籍化進行中】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。
悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。
逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位
2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位
2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位
2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位
2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位
2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位
2024/08/14……連載開始
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」
妹を侮辱した馬鹿の兄を嫁に貰います
ひづき
BL
妹のべルティシアが馬鹿王子ラグナルに婚約破棄を言い渡された。
フェルベードが怒りを露わにすると、馬鹿王子の兄アンセルが命を持って償うと言う。
「よし。お前が俺に嫁げ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる