【完結まで残り1話】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 好きって自覚したら失恋したよ

5.医者のショウが勝負をしかけてきた

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「来月都内で大きい花火大会があるでしょ?
それに合わせて浴衣の着付けを始めようと思ってるの。
それで、浴衣姿の仕上がりイメージをブログにあげたくてモデルさんを探してたんだ。
女の子の方は妹に頼んだんだけど、男の子のモデルさんがなかなか見つからなくって。」

それを何かの折にLAINで翔君に話した所、適任がいる!と言われたらしい。
翔君は俺の写真も送ってたそうな。
一体どの写真を…。

てか待て待て!何で俺なんだよ翔くん!!
どう考えたって翔君自身か貴方の弟さんが適任でしょうよ!!

「モデルとか、俺無理だよ!」

ブログとは言えこんな地味平凡がモデルなんかやっても宣伝になる訳ないじゃないか。
評判悪くて迷惑かけたら申し訳なさすぎる。

「えぇ⁉︎イメージにピッタリなのに!!」

成瀬さんがショックを受けてる。
え、何?地味顔を探してたの??

「だーろー⁉︎美優から撮りたいイメージ聞いた時、晴とピタッと合致したんだよ!
遂に晴の可愛さが表に出るな!!」

ドヤ顔の翔君には悪いけど、俺には無理だって!

「いや、俺がモデルとか本当に無いって!
翔君がやった方がいいに決まってるじゃん!」

元モデルなんだし!
そう言うと、成瀬さんはブンブンと首を横に振る。

「撮りたいのは可愛くて可憐な線の細い男の子であって、こんなゴツゴツした巨人じゃないのよ!
アンニュイさのカケラも無いような奴じゃダメ!
遊んで無さそうなピュアな感じが欲しいの!」

「おい!ドサクサに俺をディスんじゃねぇ!」

ギャーギャー喧嘩するこの二人、遠慮が無くて仲良しだな。
翔君にこんなズバズバ言える人って貴重な気がする。

ってか、可愛くて可憐な男の子なんてここには居ませんけど⁉︎
合ってるのは線が細いって所だけ。
剣道部のくせに筋肉つかなくてヒョロヒョロって意味でだけど。


「分かった、引き受けてくれたら今日の祭りで何でも奢ってやるよ。」

しょうくんの たべもの こうげき。

「俺そんなに食べないもん。」

こうかは いまひとつのようだ。

「夏休み中、好きな所連れてってやるよ。」

しょうくんの いっしょにあそぼう こうげき

「…新しくできたVRのテーマパークでも有り?」

はるとは こんらんしている。

「勿論!あそこ高校生には入場料高いもんな。
俺が出すから大丈夫!


しょうくんの かねならある こうげき

「ぐぅっ!!」

こうかは ばつぐんだ。

「私からもお願い!ね!いつでもカット無料にするし!!」

こうして突如始まったバトル(初代ポケット怪物風)は、翔君の巧みな(?)攻撃と、成瀬さんのお願いポーズ(可愛い)によって幕を閉じた。

瀕死の俺が連れていかれたのはポケセン…じゃなくて美容院のセット台。

「さぁ!始めよっか!」

超笑顔の成瀬さんの手でキラリと光るシザーズを見て、俺は戦慄したのだったーー。




●●●
シザーズ→美容師用のハサミ。
うっかりすると指ザックリ切れますマジで(経験者)

翔は中高校時代、数々の伝説を持ち「帝王」と呼ばれていました。
そんな翔にズケズケ言えるのは小学校時代の友人だけで、美優はとても貴重な存在です。
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